回復期リハ強化体制加算は「排尿自立支援加算の届出」と研修要件をセットで確認します
令和 8 年度診療報酬改定の疑義解釈その 5 では、回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準に関連して、排尿自立支援加算の研修要件が具体的に示されました。今回のポイントは、回復期リハビリテーション強化体制加算そのものだけでなく、前提となる「 A251 排尿自立支援加算の届出」と「研修修了者の確認」を同時に点検する必要がある点です。
この記事では、疑義解釈その 5 の内容をもとに、どの研修が該当するのか、医師・看護師の受講範囲をどう確認するのか、施設基準の確認でどこが詰まりやすいのかを整理します。なお、制度運用は公開・更新日時点の公式資料に基づくため、最終判断は厚生局への届出資料、施設基準通知、最新の疑義解釈で確認してください。
疑義解釈その 5 のポイントは「該当研修の明確化」です
疑義解釈その 5 の問 6 では、回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準として「 A251 排尿自立支援加算」の届出が要件となったことを前提に、排尿自立支援加算の研修には具体的にどの研修が該当するかが示されました。つまり、現場で確認すべき中心は「回復期リハ強化体制加算の算定可否」だけではなく、「排尿自立支援加算の届出要件を満たす研修体制があるか」です。
特に、今回示された研修は、従来の疑義解釈で示された研修に追加して扱われます。回復期リハ病棟では、看護部門、リハ部門、医事課、施設基準担当が同じ資料を見て確認しないと、「研修名は知っているが、必要な受講範囲まで確認していない」というズレが起こりやすくなります。
該当する研修は 4 つ追加で示されています
疑義解釈その 5 では、平成 28 年 3 月 31 日事務連絡の疑義解釈その 1 別添 1 問 97 に示す研修に加えて、以下の 4 つの研修が該当するとされています。外来排尿自立指導料の研修要件についても同様とされています。
| 研修名 | 確認ポイント | 現場での注意点 |
|---|---|---|
| 全日本病院協会 下部尿路機能障害の治療とケア研修会 | 研修名、受講者、修了証の有無を確認します。 | 医師・看護師のどちらの要件として使うのかを分けて確認します。 |
| 東京都立病院機構東京総合診療推進プロジェクト( T-GAP ) 排尿機能回復に向けた治療とケア講座 | 講座名と修了範囲が要件に合うかを確認します。 | 略称だけで記録せず、正式名称で管理すると監査時に説明しやすくなります。 |
| 日本リハビリテーション病院・施設協会 下部尿路機能障害の排尿ケア講座 | 受講対象者と修了区分を確認します。 | 回復期リハ病棟との親和性が高いため、候補研修として確認しやすい研修です。 |
| 回復期リハビリテーション病棟協会 排尿自立支援加算 研修会 | 回復期リハ病棟での届出に使う研修として確認します。 | 病棟協会の研修でも、必要部分をすべて受講しているかを確認します。 |
ここで重要なのは、「研修名がリストにある」だけでは確認として不十分な点です。疑義解釈では、いずれの研修も、医師・看護師共通要件である部分と看護師の要件である部分に分かれており、それぞれ必要な部分をすべて受講することで要件を満たすとされています。
施設基準担当は「届出・研修・職種」を 3 点セットで確認します
回復期リハビリテーション強化体制加算の確認では、まず自院が排尿自立支援加算を届け出ているかを確認します。次に、排尿ケアに関わる医師・看護師の研修修了状況を確認し、最後に研修の受講範囲が要件に合っているかを確認します。この順番にすると、単に「誰かが研修を受けたか」ではなく、「施設基準として説明できる状態か」を判断しやすくなります。
リハ職としては、排尿自立支援加算の届出そのものを直接管理しない場合もありますが、回復期リハ病棟の体制評価に関係するため、病棟運用・ADL 評価・排泄動作練習・退院支援と切り離して考えないことが重要です。評価と運用の全体像は、令和 8 年度診療報酬改定のリハ関連ハブに戻して確認すると整理しやすくなります。
現場の詰まりどころは「研修名だけで判断してしまう」ことです
今回の疑義解釈で現場が詰まりやすいのは、研修リストだけを見て「この研修なら大丈夫」と判断してしまう場面です。実際には、研修が医師・看護師共通要件部分と看護師要件部分に分かれているため、誰が、どの部分を、どこまで受講したかを確認する必要があります。
また、施設基準の確認では、届出時点だけでなく、異動・退職・部署変更後も要件を満たしているかが問題になります。病棟側では研修修了者がいると思っていても、医事課側の届出資料や人事異動情報と一致していない場合があります。
| よくあるミス | なぜ問題になるか | 対策 |
|---|---|---|
| 研修名だけで判断する | 必要な受講部分をすべて修了しているかが確認できません。 | 修了証、受講区分、職種別要件をセットで確認します。 |
| 看護師要件の確認が曖昧 | 共通部分のみの受講では、看護師の要件を満たさない可能性があります。 | 看護師要件部分まで受講しているかを一覧化します。 |
| 異動・退職後の再確認がない | 届出時は満たしていても、現在の体制で要件を満たさない可能性があります。 | 年度更新、病棟異動、退職時に要件確認を行います。 |
制度対応で詰まるときは、個人の努力だけでなく体制側の課題も確認します。
施設基準、記録、研修、監査対応が属人化している職場では、リハ職側の負担が大きくなりやすいです。教育体制や記録文化に不安がある場合は、働き方の整理も早めに行うと判断しやすくなります。
PTの働き方を整理するその 3・その 4 は単独記事より「更新メモ」で十分です
疑義解釈その 3 やその 4 も確認は必要ですが、今回のブログ運用では、すべてを単独記事化する必要はありません。リハ職向けの記事としては、検索意図が明確で、現場の確認行動につながる論点を優先した方がよいです。その意味で、今回の新規記事は「回復期リハ強化体制加算と排尿自立支援加算の研修要件」に絞るのが妥当です。
特にその 5 の冒頭では、「疑義解釈資料の送付について(その 4)」別添 1 の問 19、問 20、問 24 は廃止すると示されています。そのため、その 4 の内容を単独で記事化する場合は、廃止された問を含めていないか、最新の疑義解釈で上書きされていないかを確認してから進める必要があります。
よくある質問
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回復期リハビリテーション強化体制加算では、排尿自立支援加算の届出確認が必要ですか?
はい。疑義解釈その 5 の問 6 では、回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準として、A251 排尿自立支援加算の届出が要件となったことを前提に、排尿自立支援加算の研修要件が示されています。届出状況と研修修了者をセットで確認することが重要です。
研修名が該当していれば、それだけで要件を満たしますか?
研修名だけでは不十分です。疑義解釈では、医師・看護師共通要件である部分と看護師の要件である部分に分かれており、それぞれ必要な部分をすべて受講することで要件を満たすとされています。受講範囲まで確認してください。
外来排尿自立指導料の研修要件にも関係しますか?
関係します。疑義解釈その 5 では、B005-9 外来排尿自立指導料の要件である研修についても同様とされています。入院の排尿自立支援加算だけでなく、外来での運用がある施設でも確認が必要です。
次の一手
まずは、院内で「排尿自立支援加算の届出状況」「研修修了者」「受講範囲」「異動時の再確認方法」を 1 枚の台帳で確認してください。回復期リハビリテーション強化体制加算の確認では、加算名だけでなく、前提となる関連届出まで追うことが重要です。
参考文献
- 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その 5).令和 8 年 5 月 8 日.https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001698587.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


