【2026年版】疾患別リハビリテーション料の起算日はいつから?

制度・実務
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  1. 疾患別リハビリテーション料の起算日はいつから?
  2. 起算日とは標準的算定日数を数え始める日
  3. 起算日を間違えると何が問題になる?
    1. 標準的算定日数の終了時期がずれる
    2. 継続理由の記録が不十分になりやすい
    3. 介護保険リハへの移行判断にも影響する
  4. 疾患別リハビリテーション料の起算日一覧
  5. 脳血管疾患等リハビリテーション料の起算日
    1. 脳梗塞・脳出血では発症日を確認する
    2. 脳神経外科手術後では手術日を確認する
    3. 再発・急性増悪では新たな起点になる可能性がある
  6. 運動器リハビリテーション料の起算日
    1. 骨折では受傷日を確認する
    2. 手術後では手術日を確認する
    3. 保存療法では診断日や受傷日を確認する
  7. 廃用症候群リハビリテーション料の起算日
    1. 肺炎後の廃用では肺炎発症日を確認する
    2. 心不全増悪後の廃用では増悪日を確認する
    3. 術後廃用では手術日や安静開始日を確認する
  8. 呼吸器リハビリテーション料の起算日
  9. 心大血管疾患リハビリテーション料の起算日
  10. 起算日でよくある間違い
    1. 入院日から数えると思っている
    2. リハビリ開始日から数えると思っている
    3. 手術日と受傷日の扱いを整理していない
    4. 廃用症候群の原因疾患が曖昧
  11. 現場で迷いやすいケース
    1. ケース1:大腿骨近位部骨折で手術まで数日空いた場合
    2. ケース2:肺炎後にADLが低下して廃用症候群リハを開始した場合
    3. ケース3:脳梗塞で転院してきた場合
    4. ケース4:慢性疾患が急性増悪した場合
  12. 起算日を確認するときの記録ポイント
  13. よくある質問
  14. まとめ:起算日は「入院日」や「リハ開始日」とは限らない
  15. 参考資料

疾患別リハビリテーション料の起算日はいつから?

疾患別リハビリテーション料では、「いつから標準的算定日数を数えるのか」が実務上とても重要です。

現場では、次のような疑問が出やすいです。

  • 入院日から数えるのか
  • リハビリ開始日から数えるのか
  • 発症日や手術日から数えるのか
  • 廃用症候群ではどの日を起算日にするのか

結論からいうと、疾患別リハビリテーション料の起算日は、原則として「入院日」や「リハビリ開始日」ではなく、疾患や手術、急性増悪などに関連する日を基準に考えます。

ただし、実際の算定では疾患区分、診療録の記載、医師の判断、施設の請求ルールによって確認が必要です。本記事では、疾患別リハビリテーション料の起算日について、現場で迷いやすいポイントを整理します。

起算日とは標準的算定日数を数え始める日

疾患別リハビリテーション料における起算日とは、標準的算定日数を数え始める基準日です。

例えば、脳血管疾患等リハビリテーション料では標準的算定日数が180日、運動器リハビリテーション料では150日、呼吸器リハビリテーション料では90日など、区分ごとに目安となる日数が決められています。

この日数をどこから数えるかによって、標準的算定日数の範囲内か、超過後の扱いになるかが変わります。

そのため、起算日は単なる事務的な日付ではなく、リハビリの算定、計画、説明、介護保険への移行時期などにも関わる重要な情報です。

起算日を間違えると何が問題になる?

起算日の理解があいまいだと、現場ではいくつかの問題が起こります。

標準的算定日数の終了時期がずれる

起算日を誤ると、「まだ標準的算定日数内だと思っていたが、実際には超過していた」ということが起こり得ます。

逆に、本来は標準的算定日数内であるにもかかわらず、早く超過扱いと考えてしまう可能性もあります。

継続理由の記録が不十分になりやすい

標準的算定日数を超えてリハビリを継続する場合、状態の改善見込み、日常生活動作の変化、リハビリ継続の必要性などを記録上で整理しておくことが大切です。

起算日が不明確だと、いつから超過扱いなのかが曖昧になり、記録のタイミングもずれやすくなります。

介護保険リハへの移行判断にも影響する

医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへ移行を検討する場面では、標準的算定日数の残り日数や終了時期が重要になります。

特に要介護認定を受けている患者では、医療保険リハと介護保険リハの関係も確認が必要です。

標準的算定日数の基本を先に整理したい場合は、こちらの記事も参考になります。

標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と13単位の考え方

疾患別リハビリテーション料の起算日一覧

まずは全体像を一覧で確認します。

疾患別リハビリテーション料の起算日の考え方を、脳血管疾患、運動器疾患、廃用症候群、呼吸器疾患、心大血管疾患ごとに整理した図
疾患別リハビリテーション料の起算日は、入院日やリハビリ開始日とは限りません。
疾患別リハビリテーション料の起算日の考え方
疾患別リハ区分 標準的算定日数 起算日の考え方 現場で確認したいポイント
心大血管疾患リハビリテーション料 150日 発症日、手術日、急性増悪日など 急性心筋梗塞、心不全増悪、心大血管手術後などの起点を確認する
脳血管疾患等リハビリテーション料 180日 発症日、手術日、急性増悪日など 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、神経疾患などで起点を確認する
廃用症候群リハビリテーション料 120日 廃用を生じた原因疾患の発症日や急性増悪日など 肺炎、心不全、術後安静など、廃用の原因を明確にする
運動器リハビリテーション料 150日 発症日、受傷日、手術日、急性増悪日など 骨折日、手術日、保存療法開始、診断日を確認する
呼吸器リハビリテーション料 90日 治療開始日など 肺炎、COPD急性増悪、術前術後の呼吸リハなどの開始日を確認する

上記は実務で整理しやすいようにまとめた目安です。実際の算定では、最新の診療報酬点数表、通知、疑義解釈、院内の医事課確認をあわせて行ってください。

脳血管疾患等リハビリテーション料の起算日

脳血管疾患等リハビリテーション料では、標準的算定日数は180日です。

起算日は、脳血管疾患の発症日、手術日、急性増悪日などを基準に考えます。

脳梗塞・脳出血では発症日を確認する

脳梗塞や脳出血では、原則として発症日が重要です。

例えば、入院日が発症日の翌日であっても、起算日の考え方としては「入院日」ではなく「発症日」を確認します。

現場では、診療情報提供書、入院時診療録、画像診断日、医師記録などから発症日を確認することが多いです。

脳神経外科手術後では手術日を確認する

脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、脳外科手術後などでは、手術日が起算日の判断に関わることがあります。

この場合も、単にリハビリを開始した日ではなく、対象疾患や手術に関連する日付を確認することが重要です。

再発・急性増悪では新たな起点になる可能性がある

脳梗塞の再発や神経症状の急性増悪などがある場合、新たに起算日を確認する必要が出ることがあります。

ただし、すべての状態変化で自動的にリセットされるわけではありません。医師の診断、診療録の記載、算定区分の妥当性を確認することが大切です。

運動器リハビリテーション料の起算日

運動器リハビリテーション料では、標準的算定日数は150日です。

運動器リハでは、発症日、受傷日、手術日、急性増悪日、最初に診断された日などが起算日の確認ポイントになります。

骨折では受傷日を確認する

大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、脊椎圧迫骨折などでは、受傷日が重要です。

例えば、転倒日が明確で、その後に入院・手術となった場合、受傷日と手術日の両方を確認します。

実務上は、算定上どの日を起算日として扱うかを医事課と確認しておくと安全です。

手術後では手術日を確認する

人工骨頭置換術、骨接合術、人工関節置換術などでは、手術日が起算日の判断に関わります。

術後からリハビリを開始した場合でも、「リハ開始日」ではなく「手術日」を基準に確認する場面が多くなります。

保存療法では診断日や受傷日を確認する

保存療法の場合は、手術日がありません。

そのため、受傷日、発症日、診断日などを確認し、どの日を基準に標準的算定日数を数えるのかを整理します。

特に圧迫骨折や変形性関節症の増悪などでは、「いつから症状が悪化したのか」「いつ診断されたのか」が曖昧になりやすいため、診療録の記載確認が重要です。

廃用症候群リハビリテーション料の起算日

廃用症候群リハビリテーション料では、標準的算定日数は120日です。

廃用症候群リハは、現場で特に起算日が迷いやすい区分です。

理由は、廃用症候群そのものが「肺炎」「心不全」「手術後安静」「長期臥床」など、原因となる疾患や状態の結果として生じることが多いからです。

肺炎後の廃用では肺炎発症日を確認する

肺炎で入院し、安静や活動量低下によってADLが低下した場合、廃用症候群リハの対象となることがあります。

この場合、「廃用と判断した日」だけでなく、廃用を生じた原因である肺炎の発症日や急性増悪日を確認します。

心不全増悪後の廃用では増悪日を確認する

心不全増悪により安静が必要となり、活動量低下や筋力低下を認める場合も、廃用症候群リハを検討する場面があります。

この場合は、心不全の増悪日、入院日、安静開始日、リハ開始日がそれぞれ異なることがあります。

そのため、起算日としてどの日を扱うかを、医師記録と医事課確認で整理する必要があります。

術後廃用では手術日や安静開始日を確認する

腹部手術後、長期安静後、全身状態悪化後などに廃用が進む場合もあります。

この場合は、手術日、安静臥床が必要となった日、廃用の原因疾患が明確になった日などを確認します。

廃用症候群リハは「何となくADLが落ちたから」ではなく、原因疾患や安静の経過を診療録上で説明できることが重要です。

呼吸器リハビリテーション料の起算日

呼吸器リハビリテーション料では、標準的算定日数は90日です。

呼吸器リハでは、肺炎、無気肺、COPD急性増悪、呼吸器疾患の治療経過、手術前後の呼吸機能訓練など、対象となる状態を確認します。

実務上は、治療開始日や呼吸器疾患の発症・増悪に関連する日を確認し、標準的算定日数の起点を整理します。

呼吸器リハでは、酸素療法、呼吸困難、SpO2、活動時の息切れ、排痰、離床状況などの記録も重要になります。

心大血管疾患リハビリテーション料の起算日

心大血管疾患リハビリテーション料では、標準的算定日数は150日です。

対象となる疾患には、急性心筋梗塞、狭心症発作、心不全、心大血管手術後などがあります。

起算日の確認では、心疾患の発症日、急性増悪日、手術日などが重要です。

心不全では、慢性的な経過の中で急性増悪を繰り返すこともあります。そのため、どの時点を今回のリハビリ算定の起点とするのか、医師の診断と診療録の記載を確認します。

起算日でよくある間違い

疾患別リハビリテーション料の起算日では、次のような誤解が起こりやすいです。

入院日から数えると思っている

入院日と発症日が同じであれば大きな問題になりにくいですが、必ずしも一致するとは限りません。

例えば、発症から数日後に転院してきた場合、入院日だけで判断すると標準的算定日数の残り期間を誤る可能性があります。

リハビリ開始日から数えると思っている

リハビリ開始日は、あくまでリハビリを実施し始めた日です。

標準的算定日数の起算日は、リハビリ開始日とは異なることがあります。

特に、全身状態不良でリハビリ開始が遅れた場合、リハ開始日を基準にしてしまうと、算定日数の理解がずれる可能性があります。

手術日と受傷日の扱いを整理していない

運動器疾患では、受傷日と手術日が異なることがよくあります。

例えば、大腿骨近位部骨折で受傷から数日後に手術を行う場合、受傷日、入院日、手術日、リハ開始日がすべて異なることもあります。

このような場合は、院内でどの日を起算日として扱うか、医事課と確認しておくことが大切です。

廃用症候群の原因疾患が曖昧

廃用症候群リハでは、原因疾患や安静の経過が曖昧なままだと、起算日の説明が難しくなります。

「肺炎後に活動量が低下した」「心不全増悪で安静が必要だった」「術後経過でADLが低下した」など、廃用に至った経過を記録上で整理しておくことが重要です。

現場で迷いやすいケース

ここでは、起算日で迷いやすいケースを整理します。

ケース1:大腿骨近位部骨折で手術まで数日空いた場合

大腿骨近位部骨折では、受傷日、入院日、手術日が異なることがあります。

この場合、受傷日と手術日の両方を確認し、どちらを起算日として扱うかを医師記録と医事課で確認します。

リハビリ開始日だけで判断しないことがポイントです。

ケース2:肺炎後にADLが低下して廃用症候群リハを開始した場合

肺炎後に臥床期間が長くなり、筋力低下やADL低下を認めた場合、廃用症候群リハの対象となることがあります。

この場合は、肺炎の発症日、入院日、安静開始日、廃用と判断した日、リハ開始日を整理します。

廃用症候群リハでは、原因疾患と廃用に至った経過をセットで確認することが大切です。

ケース3:脳梗塞で転院してきた場合

急性期病院から回復期や療養病棟へ転院してきた場合、自院の入院日から数えるのではなく、脳梗塞の発症日を確認します。

診療情報提供書に発症日が記載されているか、画像診断日や入院経過に矛盾がないかを確認します。

ケース4:慢性疾患が急性増悪した場合

COPD、心不全、変形性関節症などでは、慢性的な経過の中で急性増悪を認めることがあります。

急性増悪が明確であれば、その日が起算日の確認ポイントになることがあります。

ただし、単なる慢性症状の継続なのか、急性増悪と判断できるのかは、医師の診断と記録が重要です。

起算日を確認するときの記録ポイント

起算日を確認するときは、次の情報をセットで整理しておくと実務で迷いにくくなります。

起算日確認時に見ておきたい情報
確認項目 確認する理由
発症日・受傷日 脳血管疾患や運動器疾患などで起算日の基準になりやすい
手術日 術後リハでは起算日の判断に関わることがある
急性増悪日 慢性疾患の増悪時に確認が必要になる
診断日 発症日が明確でない場合に確認する
リハ開始日 リハ実施開始の記録として必要だが、起算日とは限らない
医師記録 算定区分や疾患名、発症・増悪の判断を確認する
診療情報提供書 転院患者では発症日や急性期経過の確認に有用

リハビリ職だけで判断に迷う場合は、医師、医事課、リハ管理者と確認し、院内で統一した運用にしておくことが大切です。

よくある質問

Q. 疾患別リハビリテーション料の起算日は入院日ですか?

A. 原則として、入院日だけで判断するものではありません。発症日、受傷日、手術日、急性増悪日、治療開始日など、疾患区分に応じた基準日を確認します。

Q. リハビリ開始日から標準的算定日数を数えますか?

A. リハビリ開始日が起算日と一致する場合もありますが、必ずしも同じではありません。全身状態不良などでリハ開始が遅れた場合でも、標準的算定日数は発症日や手術日などから確認することがあります。

Q. 廃用症候群リハビリテーション料の起算日はいつですか?

A. 廃用を生じた原因疾患の発症日、急性増悪日、安静が必要となった日などを確認します。肺炎後、心不全増悪後、術後安静後などでは、廃用に至った経過を診療録で整理することが重要です。

Q. 再発や急性増悪があれば起算日はリセットされますか?

A. 再発や急性増悪が明確であれば、新たな起算日を確認する必要が出ることがあります。ただし、自動的にリセットされるわけではないため、医師の診断、診療録の記載、医事課の確認が必要です。

Q. 起算日がわからないときはどうすればよいですか?

A. 診療情報提供書、医師記録、手術記録、画像診断日、入院時記録などを確認します。それでも判断に迷う場合は、医師や医事課と相談し、院内で統一した日付を確認しましょう。

まとめ:起算日は「入院日」や「リハ開始日」とは限らない

疾患別リハビリテーション料の起算日は、標準的算定日数を数えるうえで重要な基準日です。

特に大切なのは、入院日やリハビリ開始日だけで判断しないことです。

  • 脳血管疾患等リハでは、発症日・手術日・急性増悪日などを確認する
  • 運動器リハでは、受傷日・手術日・診断日などを確認する
  • 廃用症候群リハでは、廃用を生じた原因疾患や安静の経過を確認する
  • 呼吸器リハや心大血管リハでも、発症・増悪・治療開始に関連する日を確認する
  • 判断に迷う場合は、医師記録と医事課確認で院内運用を統一する

起算日を正しく整理できると、標準的算定日数の管理、継続理由の記録、介護保険移行の検討がしやすくなります。

疾患別リハビリテーション料全体の仕組みを確認したい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

疾患別リハビリテーション料とは?5区分・日数・単位をわかりやすく解説

参考資料