排尿自立支援加算とは?2026年度の算定要件・施設基準・排尿ケアチームとPT/OTの役割

制度・実務
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  1. 排尿自立支援加算とは?算定要件と対象患者を確認
    1. 対象となる患者
    2. 対象となる入院料の確認
  2. 算定できる週・算定できない週の判断
    1. 算定週に必要な支援
    2. 尿道カテーテルを再留置した場合
  3. 施設基準|医師・看護師・PTまたはOTによる排尿ケアチーム
    1. 医師の研修要件
    2. 看護師の研修要件
    3. PT・OTの要件
  4. PT・OTの兼務制限と2026年度の例外
  5. 院内マニュアル・院内研修・届出様式
    1. 届出様式は「様式40の14」
  6. 2026年度の疑義解釈|研修の取扱いを確認
  7. 包括的排尿ケア計画の作成と記録
    1. リハビリテーション実施計画書との併用
    2. 診療録等に残す内容
  8. PT・OTの役割|排尿機能と排泄ADLを分けて評価する
    1. PT・OTの記録例
  9. 院内運用フロー|対象患者の抽出から算定確認まで
    1. 算定前に確認したい5項目
  10. 2026年度の回復期リハビリテーション強化体制加算との関係
  11. よくある質問
    1. Q1.尿道カテーテル留置中でも算定できますか?
    2. Q2.PT・OTがトイレ動作訓練を行えば算定できますか?
    3. Q3.PTとOTの両方を配置する必要がありますか?
    4. Q4.病棟専従のPT・OTは排尿ケアチームを兼務できますか?
    5. Q5.排尿ケア計画はリハビリテーション実施計画書と併用できますか?
    6. Q6.退院後も継続して算定できますか?
  12. 次の一手|排尿ケアチームの配置と算定週の記録を点検する
  13. 参考文献
  14. 著者情報

排尿自立支援加算とは?算定要件と対象患者を確認

排尿自立支援加算(A251)は、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害がある入院患者、または抜去後に障害が生じると見込まれる患者に対して、包括的な排尿ケアを行った場合に算定する入院基本料等加算です。2026年度の点数は200点で、患者1人につき週1回、12週を限度として算定します。

算定には、対象患者の条件だけでなく、対象となる入院料、施設基準の届出、排尿ケアチームによる評価・計画、病棟看護師等による直接的な指導・援助が必要です。本記事では、算定可否の判断、施設基準、PT・OTの役割、記録方法を実務の流れに沿って整理します。

結論:排尿自立支援加算は、トイレ動作訓練や排尿機能の評価を行っただけでは算定できません。対象患者に対して、排尿ケアチームと病棟スタッフが連携し、包括的排尿ケア計画に基づく支援を実施する必要があります。

2026年度改定との関係

A251の届出は、2026年度に新設された回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準にも関係します。研修修了者や届出の確認方法は、回復期リハ強化体制加算と排尿自立支援加算の研修要件で解説しています。

排尿自立支援加算(A251)の基本事項
項目 内容
区分番号 A251
名称 排尿自立支援加算
点数 200点
算定頻度 患者1人につき週1回
算定上限 12週
対象患者 所定の下部尿路機能障害の条件を満たす入院患者
必要な体制 医師・看護師・PTまたはOTを含む排尿ケアチーム
施設基準 地方厚生局への届出が必要
届出様式 様式40の14

200点は疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数ではありません。患者に対する包括的な排尿ケアを評価する加算であり、疾患別リハビリテーションの実施単位数とは区別して管理します。

対象となる患者

排尿自立支援加算の対象となるのは、次のいずれかに該当する患者です。

  • 尿道カテーテル抜去後に、下部尿路機能障害の症状がある患者
  • 尿道カテーテル留置中で、抜去後に下部尿路機能障害が生じると見込まれる患者

尿道カテーテルを留置しているだけで、自動的に算定対象となるわけではありません。抜去後の下部尿路機能障害の有無、または障害が生じると見込まれる医学的根拠を確認します。

また、トイレ移動や更衣に介助を要することと、下部尿路機能障害があることは同義ではありません。排泄ADLの障害と排尿機能の障害を分けて評価することが重要です。

対象となる入院料の確認

A251は、所定の入院基本料または特定入院料を現に算定している患者が対象です。入院基本料については特別入院基本料等が除かれ、特定入院料についてはA251を算定できる区分である必要があります。

そのため、「急性期病棟だから算定できる」「回復期病棟だから算定できない」といった病棟名称だけでの判断は適切ではありません。自院で届け出ている入院料と、その入院料におけるA251の算定可否を、2026年度の点数表・関連通知で照合してください。

算定前の4条件:①対象患者であること、②対象入院料を算定していること、③施設基準の届出があること、④包括的な排尿ケアを実施していることを、それぞれ確認します。

算定できる週・算定できない週の判断

排尿自立支援加算の算定で重要なのは、排尿ケアチームによる関与と、病棟看護師等による直接的な指導・援助の両方が必要である点です。

まずは以下のフローチャートで、対象患者、施設基準、計画、実施内容、算定期間の順に確認してください。

排尿自立支援加算の算定判定フロー。対象患者、対象入院料と施設基準、包括的排尿ケア計画、算定週の支援実施、週1回・12週の算定制限を5段階で確認する。
図:排尿自立支援加算(A251)の算定判定フロー。すべての条件を満たした場合に算定候補となります。最終的な算定可否は最新の点数表・通知・疑義解釈と照合してください。

図の「12週(84日)」は期間を理解するための目安です。実際の算定では、日数だけで機械的に判定せず、週1回・12週という算定上限と患者ごとの算定歴を確認します。

算定週に必要な支援

排尿ケアチームが患者の状態を評価するなどの関与を行い、病棟看護師等が包括的排尿ケア計画に基づいて、患者に直接的な指導または援助を実施した週について、算定要件を満たすか判断します。

排尿自立支援加算の算定週における判断例
実施状況 判断 確認ポイント
チームが関与し、病棟看護師等も直接的に支援した 算定候補 患者・入院料・届出・記録等の条件も確認
チームが評価したが、病棟で直接的な指導・援助を行っていない 算定不可 直接的な支援が不足
病棟で支援したが、排尿ケアチームの関与がない 算定不可 チームの関与が不足
排尿が自立し、指導を終了した 終了後は算定不可 継続支援の必要性と終了時期を確認
12週の算定上限に達した 上限超過分は算定不可 算定開始時期と算定歴を確認

「算定候補」は、すべての算定条件を満たすことを保証するものではありません。患者要件、対象入院料、施設基準、実施記録などを併せて確認してください。

尿道カテーテルを再留置した場合

尿道カテーテル抜去後に再留置した場合については、初回算定から12週間以内であれば算定可能とする疑義解釈が示されています。

ただし、再留置によって新たに12週間の算定期間が始まるという意味ではありません。患者ごとの算定開始時期と算定歴を継続して管理します。

施設基準|医師・看護師・PTまたはOTによる排尿ケアチーム

A251を算定するためには、排尿に関する専門的知識を有する多職種で構成された排尿ケアチームを設置し、施設基準の届出を行う必要があります。

排尿自立支援加算の職種別施設基準
職種 主な要件
医師 下部尿路機能障害患者の診療経験があり、泌尿器科で3年以上の勤務経験を有する医師、または所定の排尿ケア研修を修了した医師
看護師 下部尿路機能障害患者の看護経験が3年以上あり、所定の研修を修了した専任の常勤看護師
PTまたはOT 下部尿路機能障害患者のリハビリテーション等の経験がある専任の常勤PTまたはOT

PTとOTの両方を必ず配置するという要件ではありません。所定の経験を有するPTまたはOTが必要です。

医師の研修要件

医師が泌尿器科で3年以上の勤務経験によらず、研修修了によって要件を満たす場合は、所定の排尿ケア研修を修了する必要があります。

  • 国または医療関係団体等が主催する研修であること
  • 下部尿路機能障害の病態、診断、治療、予防、ケア等を含むこと
  • 通算6時間以上であること

所定の条件を満たす医師については、他の保険医療機関を主たる勤務先とする医師が、対診等により排尿ケアチームに参画することも認められています。実際の配置では、通知に定められた条件を確認してください。

看護師の研修要件

看護師は、下部尿路機能障害患者の看護経験3年以上に加え、通算16時間以上の所定の研修を修了する必要があります。

研修には、下部尿路機能障害の病態生理、治療・予防、評価方法、排尿ケア、事例分析などが含まれます。また、排尿日誌による評価、エコーを用いた残尿測定、排泄用具の使用、骨盤底筋訓練、自己導尿に関する指導などを扱う演習も含まれます。

研修の名称だけで判断せず、必要な受講内容と修了状況を確認することが重要です。

PT・OTの要件

PTまたはOTには、下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等に関する経験が求められます。

施設基準上、PT・OTに対して、医師の6時間研修や看護師の16時間研修と同じ修了要件が一律に課されているわけではありません。ただし、排尿ケアチームに参画するためには、専任・常勤の条件と関連する経験を満たす必要があります。

配置を検討する際は、勤務形態だけでなく、実際の担当業務や他の施設基準との兼務関係も確認します。

PT・OTの兼務制限と2026年度の例外

排尿ケアチームの構成員を選ぶ際は、「専任」と「専従」の違いに注意が必要です。

排尿ケアチームのPT・OTには専任・常勤が求められます。一方、他の診療報酬で病棟業務への専従が求められている職員については、原則として、専従業務の範囲外となる排尿ケアチームの業務を兼務できないとする疑義解釈があります。

ただし、2026年度改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算2の専従PT等について、A251の業務との兼務を認める取扱いが示されています。したがって、すべての病棟専従者を一律に兼務不可と判断することは適切ではありません。

排尿ケアチームの兼務に関する確認事項
配置状況 確認すること
通常のリハビリテーション業務に従事するPT・OT 専任・常勤・経験等の要件を満たすか確認する
病棟業務への専従が求められるPT・OT 原則として兼務制限があるため、関連する施設基準と特例の有無を確認する
リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算2の専従PT等 2026年度改定でA251の業務との兼務が認められている
外来排尿自立指導料の排尿ケアチーム構成員 入院の排尿ケアチームとの兼任が認められている

院内の人員配置を検討する際は、「病棟配置である」という事実だけで判断せず、どの入院料・加算の施設基準に基づいて配置されている職員なのかを確認してください。

特に、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1と加算2では、専従職員の兼務に関する取扱いが異なるため、同じものとして扱わないことが重要です。

院内マニュアル・院内研修・届出様式

排尿ケアチームには、排尿ケアに関するマニュアルを作成して医療機関内に配布し、院内研修を実施することが求められます。

マニュアルでは、対象患者の抽出方法、下部尿路機能の評価、排尿日誌や残尿測定等による情報収集、排尿ケア計画の作成、担当職種の役割、再評価の流れなどを整理します。

また、下部尿路機能の評価、治療、排尿ケアに関するガイドライン等を遵守した運用が必要です。

届出様式は「様式40の14」

施設基準の届出には、別添7の様式40の14を使用します。排尿ケアチームの構成員、経験、研修状況、院内体制などを確認し、必要な資料をそろえて提出します。

届出時は、管轄する地方厚生局が公開している最新の様式と記載要領を確認してください。

近畿厚生局|令和8年度の基本診療料届出様式

施設基準の届出が受理されていることと、個々の患者が算定要件を満たしていることは別の判断です。届出後も、患者ごとの評価・計画・実施内容を確認する必要があります。

2026年度の疑義解釈|研修の取扱いを確認

2026年5月8日の疑義解釈資料(その5)では、回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準との関係から、A251の医師・看護師の研修要件を満たす研修が追加で示されました。

既存の研修に加え、次の研修が対象として示されています。

疑義解釈資料(その5)で追加された研修
実施団体等 研修名
全日本病院協会 下部尿路機能障害の治療とケア研修会
東京都立病院機構 T-GAP 排尿機能回復に向けた治療とケア講座
日本リハビリテーション病院・施設協会 下部尿路機能障害の排尿ケア講座
回復期リハビリテーション病棟協会 排尿自立支援加算 研修会

これらの研修には、医師・看護師共通の要件に対応する部分と、看護師の要件に対応する部分があります。必要な部分をすべて受講することが条件です。

研修名が該当するだけで、すべての受講者が自動的に施設基準を満たすわけではありません。受講内容、修了区分、修了証などを確認してください。

原典:厚生労働省|疑義解釈資料の送付について(その5)

研修要件を詳しく確認したい場合は、回復期リハ強化体制加算と排尿自立支援加算の研修要件も参照してください。

包括的排尿ケア計画の作成と記録

排尿ケアチームは、病棟看護師等による情報収集を踏まえて下部尿路機能障害を評価し、病棟看護師等と共同して包括的排尿ケア計画を策定します。

計画では、患者の状態に応じて、排尿誘導、生活指導、排尿に関連する動作訓練、薬物療法などを組み合わせます。

排尿ケアチーム、病棟看護師等、関係職種が共同して計画に基づくケアを実施し、定期的に評価します。

リハビリテーション実施計画書との併用

疑義解釈では、包括的排尿ケア計画の内容がリハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書に明記されていれば、併用して差し支えないとされています。

ただし、既存の計画書があるだけで、包括的排尿ケア計画を策定したことにはなりません。排尿ケアに必要な評価、目標、支援内容等が実際に記載されていることが重要です。

診療録等に残す内容

算定通知では、病棟看護師等による情報収集、排尿ケアチームによる評価・計画策定、包括的排尿ケアの実施、定期評価について、診療録等への記載が求められています。

算定要件と院内運用上の記録項目
区分 確認内容
対象患者の根拠 尿道カテーテルの留置・抜去状況、下部尿路機能障害の症状または予測
評価・計画 下部尿路機能の評価、包括的排尿ケア計画、目標、支援内容
算定週の実施 排尿ケアチームの関与、病棟看護師等による直接的な指導・援助
定期評価 排尿状況の変化、計画の見直し、支援継続の必要性
院内運用上の補助項目 担当者、実施日、排泄ADL、介助量、環境調整、次回評価予定など

院内運用上の補助項目は、記録の連続性を高めるための例です。すべての患者に一律に求められる算定要件として扱わないようにしてください。

PT・OTの役割|排尿機能と排泄ADLを分けて評価する

排尿ケアチームにおけるPT・OTは、下部尿路機能の医学的評価結果を共有しながら、排尿に関連する動作や生活機能を評価・支援します。

排尿機能そのものの障害と、トイレで排泄を完了するための動作障害は異なります。両者を区別することで、介入目標を明確にできます。

PT・OTによる排尿関連動作の評価・支援例
評価領域 主な確認内容 支援例
移動 トイレまでの歩行・車椅子移動 移動手段の調整、歩行補助具の検討
移乗 ベッド・車椅子・便座間の移乗 移乗練習、介助方法の統一
姿勢保持 便座上の座位、立位バランス 支持物や姿勢の調整
下衣操作 衣服の上げ下げ、手指操作 動作練習、衣服・自助具の工夫
認知・行動 尿意の伝達、トイレの認識、手順理解 声かけ、環境表示、動作手順の調整
環境 便座高、手すり、夜間動線 トイレ環境やポータブルトイレの検討

これらはPT・OTの専門性を活かした臨床的な支援例です。すべてがA251の独立した必須項目という意味ではありません。患者の状態と包括的排尿ケア計画に応じて選択します。

PT・OTの記録例

架空症例の記録例

排尿ケアチームの計画に基づき、トイレ移乗と下衣操作を評価。便座への移乗は軽介助、立位での下衣操作はバランス不安定により介助を要した。手すり位置と介助方法を調整し、病棟看護師と共有。次回は移乗時の介助量とトイレ動作の安全性を再評価する。

この記録はPT・OTの介入例であり、単独でA251の算定要件を満たすものではありません。排尿ケアチーム全体の評価・計画・実施記録との整合性が必要です。

院内運用フロー|対象患者の抽出から算定確認まで

実務では、対象患者の抽出から記録までを一連の流れとして整理すると、確認漏れを減らしやすくなります。

  1. 対象患者の抽出:尿道カテーテルの留置・抜去状況と下部尿路機能障害の有無を確認する。
  2. 算定条件の確認:対象入院料、施設基準の届出、過去の算定歴を確認する。
  3. 包括的評価:排尿日誌、残尿測定等の情報と、排泄ADLを組み合わせて評価する。
  4. 計画策定:排尿ケアチームと病棟看護師等が共同して計画を作成する。
  5. ケアの実施:計画に基づく直接的な指導・援助を実施する。
  6. 定期評価・算定確認:チームの関与、病棟での実施状況、週1回・12週の制限を確認する。

この6段階は院内運用を整理するための例です。実際の担当者や実施方法は、施設基準・算定通知と院内の体制に合わせて設定してください。

算定前に確認したい5項目

排尿自立支援加算の算定前チェック項目
確認項目 確認する資料・記録
対象患者の条件 尿道カテーテルの管理記録、下部尿路機能の評価
対象入院料・届出 入院料の届出情報、A251の施設基準届出
包括的排尿ケア計画 排尿ケア計画書、併用するリハビリテーション計画書等
算定週の支援 チームの関与記録、病棟看護師等による直接的な指導・援助の記録
算定期間・終了条件 算定開始時期、算定歴、排尿自立・指導終了の状況

2026年度の回復期リハビリテーション強化体制加算との関係

2026年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション強化体制加算が新設されました。回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟を対象とする、患者1人につき1日80点の加算です。

その施設基準の一つとして、A251排尿自立支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であることが求められます。

ここで重要なのは、病棟の施設基準としてA251の届出が必要であることと、個々の患者にA251を算定することは別の判断だという点です。

回復期リハビリテーション強化体制加算の施設基準には、リハビリテーション実績指数や退院前訪問指導の実施割合など、A251以外の条件もあります。A251の届出だけで強化体制加算を算定できるわけではありません。

研修要件と届出の確認については、回復期リハ強化体制加算と排尿自立支援加算の研修要件をご覧ください。

よくある質問

Q1.尿道カテーテル留置中でも算定できますか?

はい。尿道カテーテル留置中で、抜去後に下部尿路機能障害が生じると見込まれる患者は対象候補です。ただし、留置しているだけでは算定できません。対象患者の条件と包括的排尿ケアの実施状況を確認します。

Q2.PT・OTがトイレ動作訓練を行えば算定できますか?

いいえ。トイレ動作訓練だけでは算定できません。排尿ケアチームの関与と、病棟看護師等による計画に基づく直接的な指導・援助の両方が必要です。

Q3.PTとOTの両方を配置する必要がありますか?

いいえ。施設基準では、所定の経験を有する専任の常勤PTまたは専任の常勤OTが求められます。PTとOTの両方を必須とする要件ではありません。

Q4.病棟専従のPT・OTは排尿ケアチームを兼務できますか?

病棟業務への専従が求められる職員には、原則として兼務制限があります。ただし、2026年度改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算2の専従PT等について、A251の業務との兼務が認められています。該当する加算の区分と施設基準を確認してください。

Q5.排尿ケア計画はリハビリテーション実施計画書と併用できますか?

包括的排尿ケア計画の内容がリハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書に明記されていれば、併用して差し支えないとされています。

Q6.退院後も継続して算定できますか?

入院中のA251と、外来のB005-9外来排尿自立指導料は異なる診療報酬です。外来で引き続き包括的排尿ケアが必要な場合は、外来の算定要件を確認します。B005-9はA251を算定した期間と通算して12週を限度とするため、入院中の算定歴を引き継いで管理する必要があります。

次の一手|排尿ケアチームの配置と算定週の記録を点検する

排尿自立支援加算を導入・運用する際は、まず排尿ケアチームの構成員について、経験・研修・勤務形態を確認し、施設基準の届出状況を点検します。

そのうえで、対象患者の抽出、包括的排尿ケア計画の作成、病棟看護師等による直接的な指導・援助、定期評価を一連の流れとして管理します。

特に、排尿ケアチームが関与した記録と、病棟で直接的な支援を行った記録が、同じ算定週にそろっているかを確認することが重要です。

回復期リハビリテーション強化体制加算の届出を検討している場合は、排尿自立支援加算の研修要件と回復期強化体制加算も併せて確認してください。

参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.2026.
  2. 厚生労働省.診療報酬の算定方法.A251 排尿自立支援加算.
  3. 厚生労働省.基本診療料の施設基準等.排尿自立支援加算の施設基準等.
  4. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その5).2026年5月8日.
  5. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定項目の概要.回復期リハビリテーション強化体制加算の新設.
  6. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定.リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組の更なる推進.
  7. 厚生労働省.生活機能回復に資する診療報酬の例(排尿自立支援加算).
  8. 近畿厚生局.基本診療料の届出様式(令和8年度診療報酬改定).

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録方法、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

保有資格:脳卒中認定理学療法士、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーター2級。

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、リハビリテーション栄養、シーティング、摂食・嚥下。