評価ハブ:臨床で使う評価を最短で引く【保存版】

評価
記事内に広告が含まれています。

評価ハブ|目的別サブハブと主要スケール早見表

評価が散らかったときは「目的 → 1 本決定 → 条件固定」で戻すと回ります。 評価 → 介入 → 再評価の臨床フローを見る( PT キャリアガイド #flow )

本ページは、理学療法の評価を「目的から最短で引く」ための索引(ハブ)です。評価は増やすほど正確になるわけではなく、目的を先に決めて 1〜2 指標に絞り、条件を固定して再評価できる形にするほど、臨床の説明力が上がります。

ハブ記事が増えてきたため、目的別サブハブに基本動作運動器 PROMシーティング老年症候群/内部障害/失調の入口を追加しました。「どこから見ればいい?」の迷いを減らし、必要なページへ最短で辿れる構成にアップデートしています。

このハブの使い方(迷わない 3 ステップ)

結論として、評価は目的を決める → 早見表で 1 本決める → 同条件で再評価の順にそろえるとブレにくいです。最初から数を増やさず、初回は 1〜2 指標に絞って「記録を崩さない」ことを優先します。

評価が増えたときほど、比較の前提が崩れやすい(靴・補装具・介助量・環境など)ため、条件セットをカルテに固定で残すだけでも再評価の質が上がります。

  1. 目的を決める:離床レベル、歩行・バランス、 ADL / IADL 、呼吸・運動耐容能、疼痛、心理・メンタル、 PROM 、座位管理など
  2. サブハブ → 子記事へ:観察ポイント/判定基準/閾値の読み方を先に確認し、実施条件を固定する
  3. 再評価の条件を固定:時間帯・補装具・介助・環境をセットで残し、変化を説明できる形にする

目的別サブハブ(まずはここから)

目的が決まっている場合は、下の表から該当サブハブへ進むのが最短です。各サブハブでは「第一選択 → 追加 1 本」の型で、検査数が増えすぎないように整理しています。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

目的別サブハブ(最短で辿る入口)
領域 まず読む(サブハブ) 次に押さえる(代表ページ) こんなときに効く
基本動作(離床・起居・移乗) 基本動作評価ハブ( BMS / ABMS-2 ) ABMS-2 と BMS の違い【比較・使い分け】 「 ADL の前に詰まる場所」を 1 枚で共有したい
歩行・バランス 歩行・バランス評価ハブ TUG 10 m 歩行 速度・方向転換・ふらつきを「同条件で」追いたい
筋力( MMT /使い分け) 筋力評価の使い分け( MMT / HHD / RM ) MMT(徒手筋力テスト)のやり方・書き方 Grade 4 と 5 の判定 判定ブレ(固定・代償・抵抗)を減らして再評価を回したい
ADL / IADL ADL ・ IADL 評価ハブ FIM Barthel Index Lawton IADL 退院判断・介助量・サービス調整の根拠をそろえたい
呼吸・運動耐容能 呼吸・運動耐容能の評価ハブ 6 MWT mMRC / Borg 息切れ・持久・安全の線引きを崩さず回したい
疼痛 疼痛評価ハブ 疼痛評価スケールの使い分け 「痛みが強い」の中身(強さ・生活影響)を分けたい
心理・メンタル 心理・メンタル評価ハブ HADS SRQ-D 活動量低下・不眠・意欲低下を「評価で共有」したい
運動器 PROM 運動器 PROM 評価ハブ( NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI ) 部位別の選び方と比較表 「痛み」だけでなく生活機能と QOL を数値で追いたい
シーティング/座位管理 シーティング総論(嚥下・除圧・座位管理) 角度・時間のログ化(運用の型) 座位が崩れる/嚥下や除圧まで一体で整えたい
疾患別(入口をそろえる) 疾患別ハブ 老年症候群ハブ内部障害ハブ運動失調ハブ 評価が散らばる領域を「疾患の流れ」で束ねたい
スケール名で探す 評価スケール索引 A–Z 困ったらここで検索 → 目的別に戻る 指標名は分かるが「使いどころ」が曖昧なとき

主要スケール早見(まず 1 本決める)

「何を選べばいい?」で止まったときは、まず 1 本だけ決めて回すのが最短です。下表は現場で採用率が高く、再評価を回しやすい指標を中心にまとめています。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

主要スケール早見(成人・実務の入口)
目的 まず選ぶ 追加で深掘り 記録で固定する条件
離床・起居の共有 ABMS-2 / BMS 使い分け(病期・目的) ベッド高/手すり/介助位置/靴・装具/バイタル
歩行の変化を追う 10 m 歩行 TUG 助走・減速距離/補助具/コース/休憩/測定回数
下肢機能を総合で見る SPPB 内訳(立ち上がり・静的・歩行) 椅子高/手の使用/靴/介助/実施順
筋力を“条件つき”で追う MMT( 0–5 ) Grade 4 と 5 の判定他指標の使い分け 肢位/近位固定/抵抗の方向・位置/疼痛条件/代償の有無
ADL 自立度の共有 Barthel Index FIM 「できる( capacity )」か「している( performance )」か
IADL ・生活の広がり Lawton IADL 関連指標(活動・参加) 家族支援/住環境/移動手段(免許・公共交通)
運動耐容能 6 MWT 2 MWT / CPX など コース/励まし/休憩/ SpO2 / HR /症状
息切れの定量 mMRC / Borg 主観と客観の組み合わせ 負荷条件(速度・段差・階段)/評価タイミング
疼痛の見える化 NRS(強さ) 生活影響(活動制限)まで見る 安静/動作時/誘発動作/鎮痛薬の影響
運動器の生活機能( PROM ) NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI 部位別の使い分け 回答条件(回想期間)/介助の有無/再評価間隔
抑うつ・不安のスクリーニング ハブから選ぶ PHQ-9 / HADS / SRQ-D の違い 身体症状の影響/薬物治療/睡眠・食欲の背景

現場の詰まりどころ(よくあるミス → 打ち手)

スコアが活きない原因の多くは「測り方」ではなく条件のズレです。評価を増やす前に、まずここを整えるだけで再評価の質が上がります。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

評価が崩れる原因と対策(実務の型)
詰まりどころ 起こりやすいこと 打ち手(最小の修正)
条件が毎回違う 補装具・介助・靴・コース・椅子高・声かけの差で、変化が説明できなくなる カルテに「条件セット」を固定で残す(物品・介助・環境・回数)
数値だけで終わる どこで崩れたかが残らず、介入の優先順位が決まらない 観察を 1 行だけ追加(立ち上がり/加速/方向転換/息切れ/痛み誘発)
初回から増やしすぎる 安全管理と時間が崩れ、結局どれも再評価できない 初回は 1〜2 指標に絞り、 24〜 72 時間で同条件の再評価を 1 回入れる
カットオフの丸のみ 対象・条件差を無視して「数値だけ」で判断してしまう 閾値は目安として扱い、対象(年齢・疾患・補助具)と観察所見を併記する

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

評価が多すぎて回りません。まず何を減らすべきですか?

最初に減らすのは「目的とズレた検査」です。目的が 1 つ決まれば、基本は第一選択 1 本 + 追加 1 本で十分に説明できます。まずは “ いま変化を追いたいもの ” を 1 つ決め、条件セット(靴・装具・介助・環境)を固定して再評価できる形に戻してください。

初回評価は、何本までに絞るのが安全ですか?

安全管理と時間の制約が強い場面ほど、初回は 1〜2 指標が現実的です。数を増やすと条件ズレが起きやすく、再評価できないまま “ 測っただけ ” になりがちです。まず 1〜2 指標を同条件で回し、必要になった分だけ追加する方が運用が安定します。

閾値(カットオフ)って、どこまで信じていいですか?

閾値は便利ですが、対象(年齢・疾患・補助具・環境)で前提が変わります。結論としては「目安として使い、観察所見とセットで残す」のが安全です。数値だけで決めるより「どこで詰まったか」を 1 行添えると、説明力が上がります。

次の一手(次に読む)

参考文献

  1. Podsiadlo D, Richardson S. The timed “Up & Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. J Am Geriatr Soc. 1991;39(2):142-148. doi: 10.1111/j.1532-5415.1991.tb01616.x / PubMed: 1991946
  2. Guralnik JM, Simonsick EM, Ferrucci L, et al. A short physical performance battery assessing lower extremity function: association with self-reported disability and prediction of mortality and nursing home admission. J Gerontol. 1994;49(2):M85-M94. doi: 10.1093/geronj/49.2.m85 / PubMed: 8126356
  3. ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(1):111-117. doi: 10.1164/ajrccm.166.1.at1102 / PubMed: 12091180
  4. Perry J, Garrett M, Gronley JK, Mulroy SJ. Classification of walking handicap in the stroke population. Stroke. 1995;26(6):982-989. doi: 10.1161/01.STR.26.6.982 / PubMed: 7762050
  5. Bohannon RW. Comfortable and maximum walking speed of adults aged 20-79 years: reference values and determinants. Age Ageing. 1997;26(1):15-19. doi: 10.1093/ageing/26.1.15 / PubMed: 9143432

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました