ラシムの使い方|表裏・頭足を選ばず設置できる
ケープの「ラシム(LaSYM)」は、表裏と頭足の方向を選ばず設置できる体圧分散式ウレタンフォームマットレスです。2026年8月31日に発売され、独自のスリット構造による寝姿勢の支持と、寝返り・端座位・立ち上がりのしやすさを考慮して設計されています。
最大の特徴は、表裏・頭足をどちらの向きにしても、同じ構造の支持面を使用できることです。電源や体重設定、モード切替は必要ありません。既存のベッドマットレスと交換し、専用カバーを装着した状態で使用します。
ただし、設置方向が自由であっても、患者さんに適しているとは限りません。寝返り時の肩の圧迫、腰部の沈み込み、端座位・立ち上がり、皮膚への負荷を確認する必要があります。本記事では、設置方法、スリット構造、端座位の特徴、お手入れ、導入後の評価まで整理します。
| 確認項目 | 製品の特徴 | 使用時の確認 |
|---|---|---|
| 表裏 | どちらも使用可能 | 専用カバーを正しく装着する |
| 頭側・足側 | 方向を選ばず設置可能 | ベッドの寸法に合わせる |
| 体重・モード設定 | 電気的な設定は不要 | 患者さんの体格と支持状態を確認 |
| 寝姿勢 | グラデーション・同心円状スリット | 腰部の沈み込み、体幹姿勢 |
| 寝返り | ウェーブスリット | 肩の圧迫、寝返りのしやすさ |
| 端座位 | 硬めの端座位フレーム | 殿部の沈み込み、足底接地 |
| 厚さ | 12cm | 床面高、サイドレール、立ち上がり |
| カバー | 防水・制菌・伸縮 | 破損、汚染、清拭・洗濯条件 |

使い始めるときは、ベッドのサイズを確認し、既存のマットレスと交換して敷設します。患者さんが臥床したあと、仙骨部・踵部などの皮膚、骨盤の沈み込み、寝返り、端座位を確認します。
ラシムには自動圧切替や自動体位変換機能はありません。ウレタンフォームの変形によって身体を支持する静止型のマットレスであり、必要な体位変換やポジショニングは別に検討します。
シンメトリー設計とは?表裏・頭足を選ばない理由
ラシムは、「表と裏」「頭側と足側」を同じ仕様にしたシンメトリー設計を採用しています。
一般的な体圧分散マットレスには、身体の部位に合わせて上下や頭足の構造が異なり、設置方向を指定する製品があります。一方、ラシムは両面と頭足方向の構造を共通化しており、向きを選ばず使用できます。
| 設置方向 | 使用可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通常の向き | 使用可能 | 専用カバーとサイズを確認 |
| 表裏を反転 | 使用可能 | カバーの破損・汚染を確認 |
| 頭側と足側を反転 | 使用可能 | マットレスとベッドの位置関係を確認 |
| 表裏・頭足の両方を反転 | 使用可能 | 端のずれ、すき間、安全性を確認 |
メーカーは、敷き替えの際に表裏や頭足の向きを変えることで、同じ部位に荷重が集中し続けることを避け、マットレスへの負荷を分散できると説明しています。
ただし、定期的に裏返せば必ず寿命が延びる、という保証ではありません。へたり、永久変形、表面の破損、支持性の低下がみられる場合は、ローテーションだけで対応せず交換を検討します。
設置時の基本手順
- ベッドの幅・長さを確認し、適切なサイズのラシムを用意します。
- 既存のベッドマットレスを取り外し、ベッド上へラシムを直接設置します。
- 専用カバーが装着され、ファスナーが閉じられていることを確認します。
- マットレスがベッドの中央に収まり、大きなすき間やはみ出しがないことを確認します。
- シーツを装着し、厚い敷きパッドなどで体圧分散性能を妨げないようにします。
- サイドレールの使用状況と、患者さんの転落・挟み込みリスクを確認します。
- 臥床・寝返り・端座位で支持状態と安全性を確認します。
設置時はメーカーの取扱説明書に従い、ベッドとの適合性やサイドレールとの位置関係を確認します。患者さんの状態やベッドの仕様に応じて、施設の安全管理手順も確認してください。
2種類のスリット構造で寝姿勢と寝返りを支援する
ラシムの体圧分散・動作支援の中心となるのは、ウレタンフォーム中間層に配置されたグラデーションスリットとウェーブスリットです。
メーカーは、グラデーションスリットによる寝姿勢の支持と、ウェーブスリットによる肩の圧迫軽減を、それぞれ異なる役割として説明しています。
| 構造 | メーカーが示す機能 | 臨床での確認 |
|---|---|---|
| グラデーションスリット | 部位に応じて支持性を変化させ、寝姿勢を整える | 腰部・骨盤の沈み込み、脊柱アライメント |
| 同心円状スリット | 斜めの臥床姿勢でも支持性能を保つ | 身体の位置、側臥位時の接触部位 |
| ウェーブスリット | 肩周囲を柔らかく支持し、寝返りを補助する | 肩の圧迫感、寝返りの開始・回旋 |
グラデーションスリットは腰部の沈み込みを抑える
ラシムのグラデーションスリットは、身体を支持する部位によって柔らかさを変化させる構造です。
メーカー資料では、中央部から頭側にかけて段階的に約12%柔らかく身体を支持し、体重が集中しやすい腰部はしっかり支える設計とされています。
これにより、腰部の過度な沈み込みを抑え、自然な脊柱のS字ラインを保つことを目指しています。なお、この柔らかさの分布は製品の対称構造の一部であり、使用者が頭足方向を指定する必要はありません。
実際の患者さんでは、円背、骨盤後傾、拘縮、肥満、るいそうなどによって接触部位や沈み込みが変わります。
「S字ラインを保持する設計」と「すべての患者さんが理想的な脊柱アライメントになる」は同義ではありません。臥床後の姿勢と皮膚を確認します。
同心円状のスリットは斜めの寝姿勢にも対応する
ラシムには、身体を支持するスリットを同心円状に配置した構造も採用されています。
メーカーは、仰臥位・側臥位に加え、身体がマットレス上で斜めになった場合にも支持性能が維持されることを特徴として挙げています。
一方、身体が斜めに寝ていること自体を修正不要とするものではありません。肩・骨盤・踵の位置、サイドレールとの距離、頭足方向へのずれを確認し、安全な臥床位置を確保します。
ウェーブスリットは寝返り時の肩への負担を考慮した構造
ラシムのウェーブスリットは、側臥位で下になる肩の圧迫感を軽減し、寝返りを行いやすくするための構造です。
メーカーは、高齢者の平均的な肩幅を考慮してウェーブ状のスリットを配置し、肩周囲を柔らかく支える仕組みと説明しています。
寝返りでは、肩・胸郭・骨盤が順番に動きます。肩周囲の支持面が硬すぎると、側臥位への移行や寝返り後の姿勢で圧迫感が生じることがあります。
| 評価項目 | 確認すること |
|---|---|
| 開始 | 自力で寝返り動作を開始できるか |
| 肩 | 下側の肩に圧迫感・疼痛がないか |
| 体幹 | 胸郭・骨盤を円滑に回旋できるか |
| 下肢 | 下肢の位置を調整して寝返りできるか |
| 姿勢修正 | 寝返り後に身体の位置を整えられるか |
| 介助量 | マットレス変更前より介助量が増減したか |
メーカーが示す寝返りサポート機能は製品構造上の特徴です。ラシムを使えば筋力や運動麻痺が改善する、あるいは寝返りが自立することを保証するものではありません。
肩関節痛、上肢麻痺、拘縮などがある患者さんでは、支持面だけに原因を求めず、上肢の位置、体幹回旋、疼痛、介助方法も合わせて評価します。
端座位フレームは起き上がり・立ち上がりを支援する
ラシムは、中間層に硬めの端座位フレームを配置しています。
メーカーは、端座位で殿部が過度に沈み込むことを抑え、殿部と大腿部の高さの差を小さくすることで、立ち上がりへの移行を補助する設計としています。
端座位フレームは内部に配置され、身体に直接触れる表面は柔らかなウレタンフォームで構成されています。
| 場面 | 確認項目 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 起き上がり | 上肢支持、体幹回旋、骨盤移動 | 以前より介助量が増えていないか |
| 端座位 | 殿部の沈み込み、体幹安定性 | 骨盤が後方へ傾きすぎないか |
| 足底接地 | ベッド高、膝・股関節角度 | 足底を十分に接地できるか |
| 立ち上がり | 前方重心移動、下肢支持 | 安全な姿勢で立ち上がれるか |
| 移乗 | 殿部の移動、移乗先との高さ | 介助量・転落リスクに変化がないか |
端座位フレームがあっても、筋力低下、起立性低血圧、認知機能低下、疼痛などによる離床リスクがなくなるわけではありません。
マットレスの端に座る際は、滑り落ちないよう必要な見守り・介助を行いながら評価してください。
ラシムはどんな患者さんに向いている?
ラシムは、静止型の体圧分散マットレスを必要とし、寝返り・寝姿勢・端座位などのベッド上動作も考慮したい患者さんで選択肢になります。
ただし、すべての褥瘡リスクに対応できる製品とは限りません。患者さんの皮膚・組織状態、体位変換能力、骨突出、湿潤、疼痛、離床能力などを確認して選定します。
| 患者さんの状態 | 確認したいこと |
|---|---|
| 寝返りが可能 | 肩の圧迫感と動作のしやすさが両立できるか |
| 寝返りに軽介助を要する | 介助時の身体の回転、肩・骨盤への負担 |
| 端座位・移乗を行う | 支持面の安定性と床面高が適切か |
| 骨突出がある | 仙骨部・踵部などへの持続圧がないか |
| 拘縮・変形がある | 接触面積を確保できるか、局所圧が残らないか |
| 自力体動が著しく少ない | 静止型のみで十分か、支持面と体位変換を再検討 |
| 皮膚湿潤が強い | カバー・寝具・失禁管理と皮膚微気候への対応 |
国際褥瘡ガイドラインでは、褥瘡リスクがある人に対し、圧再分配機能を備えたフォーム支持面の使用が推奨されています。ただし、支持面の種類だけで適合を判断するのではなく、患者さんの身体寸法、自力体動、皮膚・組織の状態などを考慮します。
また、支持面を使用していても体位変換が不要になるわけではありません。患者さんの活動性や皮膚反応、快適性などに応じて体位変換の方法・頻度を個別に判断します。
導入後に「継続・ケア条件の修正・支持面の見直し」をどう判断するかは、体圧分散マットレス導入後の再評価と記録でも整理しています。
ラシムのサイズ・厚さ・重量
ラシムは、厚さ12cmの交換タイプです。幅83cmの830タイプと幅90cmの900タイプがあります。
| 項目 | 830タイプ | 900タイプ |
|---|---|---|
| 品番 | CR-810 | CR-811 |
| 幅 | 83cm | 90cm |
| 長さ | 191cm | 191cm |
| 厚さ | 12cm | 12cm |
| 専用カバー品番 | CH-810 | CH-811 |
| TAISコード | 00206-000181 | 00206-000182 |
専用カバーはポリウレタンラミネート加工布を使用し、防水・制菌・伸縮性を備えています。
また、ラシムは介護保険の福祉用具貸与対象品目(特殊寝台付属品)として掲載されています。実際の貸与条件や利用者負担については、福祉用具専門相談員や担当ケアマネジャーに確認してください。
マットレス交換では、製品の厚さだけでなく、ベッド床面の高さ、端座位での足底接地、サイドレールの有効高さ、安全な移乗環境を確認します。
専用カバーの洗濯・清拭・消毒方法
ラシムのお手入れでは、専用カバーとウレタンフォーム本体を区別することが重要です。
専用カバーは取り外して洗濯でき、指定された薬剤で清拭消毒が可能です。一方、ウレタンフォーム本体の洗浄・消毒は、取扱説明書で認められた方法以外を行わないようにします。
| 対象 | 対応 | 注意点 |
|---|---|---|
| 専用カバーの洗濯 | 取り外して洗濯 | 取扱説明書の洗濯表示に従う |
| 専用カバーの乾燥 | 指定条件で乾燥 | 高温や過乾燥を避ける |
| 水・中性洗剤の清拭 | 対応 | 汚れを除去し、表面を拭く |
| 消毒用エタノール | 指定濃度で対応 | 最新の取扱説明書を確認 |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 1,000ppmでの清拭に対応 | 薬剤濃度と用法を確認 |
| ウレタンフォーム本体 | 専用カバーとは管理方法が異なる | 自己判断で水洗い・薬液消毒しない |
専用カバーを洗濯するときの注意
洗濯前に専用カバーを取り外し、汚れ・便・血液などの付着物を除去します。
洗濯・脱水・乾燥はメーカーの洗濯表示に従って実施します。特に、防水加工されたカバーは水が内部に残る場合があるため、洗濯機の使用条件を確認します。
表面のポリウレタン樹脂を損傷するおそれがあるため、指定外の高温処理や薬剤の使用は避けてください。
清拭消毒では薬剤濃度を確認する
専用カバーの清拭では、水または水で薄めた中性洗剤を使用できます。
メーカー公式製品情報では、1,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムと消毒用エタノールによる清拭消毒に対応すると案内されています。
消毒薬を使用する場合は、最新の取扱説明書で認められた種類と濃度を確認します。特に、「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は別の薬剤であり、名称を混同しないようにします。
感染対策上、通常と異なる消毒方法や洗浄機器による処理が必要な場合は、施設の感染対策担当者とメーカーに確認してください。
ウレタンフォーム本体の管理
ウレタンフォーム本体は、専用カバーと同じ方法で洗浄・消毒できるとは限りません。
専用カバーの破損や内部への液体浸入が疑われる場合は、ウレタンフォームを自己判断で水洗い・薬液消毒するのではなく、衛生状態や交換の必要性を確認します。
また、ウレタンフォームに永久ひずみや破れが生じた場合には、支持性能が低下している可能性があるため、交換を検討します。
設置・保管で注意したいこと
ラシムは電源操作を必要としませんが、設置方法や保管状態によって体圧分散性能や安全性に影響する可能性があります。
使用時は次の点を確認します。
- サイドレールの使用状況と転落・挟み込みリスクを確認する
- 専用カバーを装着した状態で使用する
- ベッド上に異物や突起物がないことを確認する
- 厚手のパッドなどを重ねて体圧分散を妨げない
- 患者さんが端座位になる際は、滑り落ちないよう必要な介助を行う
- 呼吸が妨げられる姿勢で使用しない
- 火気・高温の器具を近づけない
- 圧縮・折り曲げた状態で長期間保管しない
特に、マットレスの上に厚いパッドや敷き寝具を重ねると、身体に接する支持面の性質が変化します。患者さんの皮膚や沈み込みを評価する際には、使用している寝具の構成も確認します。
また、保管時は直射日光、高温、多湿を避け、重いものを載せず、マットレスを不自然に変形させないようにします。
心肺蘇生などの緊急処置ではどうする?
心肺蘇生時には、マットレスの沈み込みによって胸骨圧迫の効果が低下する可能性があります。
実際の急変時には施設の心肺蘇生手順に従い、必要に応じて硬い支持面を確保し、胸骨圧迫の開始を遅らせないように対応します。
PTが確認したいポイント|皮膚・寝返り・離床を分けて評価する
ラシム導入後の評価では、「褥瘡予防に必要な支持性」と「寝返り・離床のしやすさ」が両立しているかを確認します。
メーカーが示すスリット構造や端座位フレームの特徴は、あくまで製品の設計上の特徴です。臨床では実際の患者さんの反応を評価する必要があります。
| 領域 | 観察すること |
|---|---|
| 皮膚 | 仙骨部・踵部・大転子部などの発赤、圧痕、疼痛 |
| 沈み込み | 腰部・骨盤の過度な沈み込み、底づき感 |
| 寝姿勢 | 体幹のねじれ、骨盤位置、下肢の支持 |
| 寝返り | 肩の圧迫感、回旋動作、自立度、介助量 |
| 起き上がり | 上肢支持、体幹運動、骨盤移動 |
| 端座位 | 殿部の沈み込み、体幹安定性、足底接地 |
| 立ち上がり | 前方重心移動、下肢支持、介助量 |
| 背上げ | 骨盤前滑り、仙骨部のずれ、姿勢崩れ |
| 快適性 | 疼痛、寝心地、睡眠、本人の訴え |
| 安全性 | 床面高、サイドレール、挟み込み・転落リスク |
例えば、ラシムへ変更後に端座位が安定しても、仙骨部の持続発赤が増えている場合は、現状のままで適しているとは判断できません。
逆に、皮膚状態が安定していても、寝返りや起き上がりが難しくなり、活動性が低下している場合は、支持面の適合性を見直します。
強い疼痛、皮膚損傷、転落リスクなどの問題が生じた場合は、一定期間の経過観察を待たずに、原因の確認と対応を行います。
ラシムの記録例
ラシムでは体重や圧切替の設定が不要なため、記録の中心は設置条件・皮膚・寝返り・端座位・離床への影響になります。
以下は、実際の患者情報ではない架空症例による記録例です。
体圧分散マットレスをラシム(830タイプ)へ変更。専用カバーの破損なし。設置時にベッド寸法、サイドレール、シーツの状態を確認した。
背臥位では骨盤の著明な沈み込みなし。仙骨部・両踵部に持続発赤なし。右側臥位時に肩部の圧迫感を軽度認めたが、上肢位置調整後は軽減した。
寝返りはベッド柵を使用して自立。起き上がりは見守り。端座位では両足底接地可能で、殿部の著明な沈み込みなし。立ち上がりは軽介助で実施可能。変更前と比較して介助量に明らかな増加なし。
現支持面を継続し、皮膚・寝返り・端座位・立ち上がりの変化を再評価する。
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 製品・サイズ | ラシム、830/900タイプ |
| 設置 | 専用カバー、ベッド寸法、シーツ、サイドレール |
| 皮膚 | 発赤、圧痕、疼痛、湿潤 |
| 寝姿勢 | 骨盤位置、体幹・下肢の支持、沈み込み |
| 寝返り | 自立度、肩の圧迫、介助量 |
| 端座位 | 足底接地、体幹保持、殿部の沈み込み |
| 移乗 | 立ち上がり、介助量、安全性 |
| 判断 | 継続/寝具・ポジショニング調整/支持面再検討 |
「ラシム使用」とだけ記録するのではなく、使用前後で皮膚・寝返り・端座位・立ち上がりにどのような変化があったかを残すことで、支持面の適合性を判断しやすくなります。
よくある質問
ラシムは裏返して使用してもよいですか?
はい。メーカーのシンメトリー設計により、表裏・頭足を選ばず使用できます。ただし、専用カバーの破損や汚染、マットレス本体のへたりがある場合は状態を確認し、必要に応じて交換してください。
ラシムに電源や体重設定は必要ですか?
必要ありません。ラシムはウレタンフォームを用いた静止型マットレスであり、エアポンプによる圧切替や自動体位変換機能はありません。設置後は患者さんの沈み込みや皮膚・寝返り・端座位への影響を確認します。
ラシムはアルコールで清拭できますか?
専用カバーは、メーカー指定の消毒用エタノールによる清拭に対応しています。次亜塩素酸ナトリウムも指定条件で使用できます。ウレタンフォーム本体に同じ方法を適用せず、最新の取扱説明書を確認してください。
ラシムを使用すれば体位変換は不要ですか?
不要とは判断できません。ラシムは体圧分散性能を備えた静止型マットレスですが、自動体位変換機能はありません。皮膚・組織の反応、自力体動、全身状態などに応じて、必要な体位変換と除圧を個別に検討します。
まとめ|設置方向の自由度と動作支援を患者評価につなげる
ラシムは、表裏・頭足を選ばず設置できるシンメトリー設計の体圧分散式ウレタンフォームマットレスです。
グラデーションスリット・同心円状スリットによって寝姿勢を支え、ウェーブスリットで寝返り時の肩への負担軽減を目指します。さらに、硬めの端座位フレームによって端座位から立ち上がりへの移行を補助する設計です。
電源・モード設定は不要ですが、患者さんの状態評価まで不要になるわけではありません。
設置→皮膚・沈み込み→寝返り→端座位・立ち上がり→再評価の順に確認し、体圧分散と活動性を両立できる支持面かを判断することが重要です。
参考文献
- 株式会社ケープ.ラシム(LaSYM).製品情報.2026年10月10日閲覧.公式製品ページ
- 株式会社ケープ.体圧分散式ベッドマットレス ラシム 取扱説明書.2026.公式取扱説明書(PDF)
- 株式会社ケープ.ラシム 製品カタログ.2026.公式製品カタログ(PDF)
- National Pressure Injury Advisory Panel, European Pressure Ulcer Advisory Panel, Pan Pacific Pressure Injury Alliance. Full Body Support Surfaces for Prevention of Pressure Injuries. In: Haesler E, editor. Prevention and Treatment of Pressure Ulcers/Injuries: Clinical Practice Guideline. 4th ed. Updated 2026. International Guideline
- National Pressure Injury Advisory Panel, European Pressure Ulcer Advisory Panel, Pan Pacific Pressure Injury Alliance. Repositioning and Mobilization. In: Haesler E, editor. Prevention and Treatment of Pressure Ulcers/Injuries: Clinical Practice Guideline. 4th ed. 2026. International Guideline
