口腔機能評価の最小セット|目的別の使い分け
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関連:摂食嚥下評価の基本フロー
まず深掘り:オーラル DDK の測定手順
本記事で決めるのは、「どの場面で、どの口腔機能評価を先に使うか」です。地域・病棟・施設・訪問で迷いやすい OF-5、EAT-10、オーラル DDK( ODK )、舌苔スコア( TCI )、舌圧を、目的別の最小セットで整理します。
一方で、各評価の細かな実施マニュアルや、確定診断そのものをこの 1 ページで完結させる記事ではありません。ここでは使い分け → 3 分フロー → よくある失敗 → 次の一手までを短くつなぎ、詳細は個別記事へ回せる形にまとめます。
場面別の使い分け(横スクロール可)
| 目的 | 向く場面 | まず使う評価 | 手順の要点 | 判定の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 包括スクリーニング | 地域健診・介護予防・外来 | OF-5 | 機器不要の 5 項目チェック。入口づくりに向く | 2 項目以上でオーラルフレイル疑い |
| 主観症状の把握 | 病棟・施設・訪問 | EAT-10 | 自己記入または聴取で合計。経時変化の共有に向く | 合計 ≥ 3 点で異常の目安 |
| 舌口唇の運動機能 | 多職種で簡便に確認したい場面 | オーラル DDK( ODK ) | 5 秒 × 2 試行。回数 ÷ 5 で回 / 秒。最大値採用 | いずれか < 6.0 回 / 秒で低下の目安 |
| 衛生・肺炎リスク | 病棟・施設・周術期 | 舌苔スコア( TCI ) | 舌背を 9 区画、0 / 1 / 2 で観察。合計 ÷ 18 × 100% | TCI ≥ 50%(合計 ≥ 9)で衛生不良の目安 |
| 定量・経過追跡 | 歯科・嚥下外来・回復期 | 舌圧 | リング把持 → 口蓋前方へ最大挙上。 2〜3 回で代表値 | < 30 kPaで口腔機能低下の目安 |
最短 3 分の評価ワークフロー(迷わない順番)
| 順番 | やること | 所要 | 次に決めること |
|---|---|---|---|
| ① | OF-5 / EAT-10 で入口をつくる | 1 分 | リスク拾い上げか、症状の重さ共有かを決める |
| ② | ODK( /pa/ /ta/ /ka/ : 5 秒 × 2 ) | 1 分 | < 6.0 なら運動機能低下の裏づけを取る |
| ③ | TCI をケア前に確認し、必要時にケア後も比較 | 1 分 | 保湿・手順・頻度の見直しが必要かを決める |
| ④ | 舌圧(機器がある場合) | 1 分 | < 30 kPa なら定量追跡と専門職連携へ進む |
現場の詰まりどころ(ブレる原因と対策)
先に確認:最短ワークフロー / FAQ / 関連:オーラルフレイルの全体像
| 起きがち | 原因 | 対策 | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| ODK が 2 回目で伸びる | 説明不足・学習効果 | 練習 1 回 → 本番 5 秒 × 2。最大値採用で統一 | 試行 1 / 2 の回 / 秒、採用値 |
| TCI が高く見える | 乾燥・照明・食後直後 | 食前 / ケア前で固定し、必要時に保湿後またはケア後で再観察 | 乾燥の有無、観察タイミング、前後比較の有無 |
| 舌圧が低く出る | 疼痛・義歯不適合・姿勢不良 | 前提条件を整えてから 2〜3 回測定し、代表値のルールを固定 | 義歯条件、姿勢、代表値(最大 / 中央値) |
| EAT-10 が書けない | 理解面・視力・疲労 | 聴取式に切り替え、結果は参考値として扱う | 本人記入か聴取か、補助の有無 |
詳しい手順(各記事へ)
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FAQ
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
OF-5 と EAT-10 は、両方やるべきですか?
役割が違います。OF-5 は機器なしで入口をつくるスクリーニング、EAT-10 は主観症状の強さを点数で追う質問紙です。初回の拾い上げなら OF-5、経時変化の共有まで見たいなら EAT-10 を足す、という使い分けが回しやすいです。
ODK の “ 6.0 回 / 秒未満 ” は絶対ですか?
絶対値というより目安です。初回は学習効果が出やすいため、練習 1 回 → 5 秒 × 2 試行 → 最大値採用のように条件を固定し、同一条件での経時比較を優先すると解釈しやすくなります。
TCI はいつ測るのが良いですか?
最もブレが少ないのはタイミング固定です。現場では「食前またはケア前」で 1 回、「介入効果を見たいときだけケア後」を追加すると、共有しやすい記録になります。
舌圧は機器が無いと評価できませんか?
定量は機器が必要です。ただし、機器がない場面でも OF-5、EAT-10、ODK、TCI を組み合わせれば、拾い上げ・優先順位づけ・再評価の共有までは十分に行えます。
次の一手
参考文献・資料
- Minakuchi S, Tsuga K, Ikebe K, et al. Oral hypofunction in the older population: Position paper of the Japanese Society of Gerodontology in 2016. Gerodontology. 2018;35(4):317-324. doi: 10.1111/ger.12347 / PubMed: 29882364
- Belafsky PC, Mouadeb DA, Rees CJ, et al. Validity and reliability of the Eating Assessment Tool (EAT-10). Ann Otol Rhinol Laryngol. 2008;117(12):919-924. doi: 10.1177/000348940811701210 / PubMed: 19140539
- 一般社団法人日本老年歯科医学会. オーラルフレイルを知っていますか? 公式ページ
- 一般社団法人日本老年歯科医学会. 口腔機能低下症 保険診療における検査と診断 Ver.4.0. PDF
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


