褥瘡・創傷ケアおすすめ本7選|認定PTが目的別に厳選

臨床手技・プロトコル
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褥瘡・創傷ケアの本は「何を学びたいか」で選びます

褥瘡・創傷ケアを学びたいと思っても、総合書、写真中心の実践書、DESIGN-R®2020の採点本、ドレッシング材・外用薬の解説書、診療ガイドラインなど、書籍ごとに役割が異なります。

最初から難しいガイドラインだけを読もうとすると、現場の場面と知識が結びつかず、途中で読み進めにくくなることがあります。一方で、写真や図が多い本だけでは、推奨の根拠や評価基準を深く確認したいときに不足を感じる場合があります。

そこで本記事では、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士としての臨床経験を踏まえ、褥瘡ケアを学べる本を次の7つの役割に分けて紹介します。

  • 褥瘡ケアの全体像を体系的に学ぶ本
  • 新人・若手が基礎から学ぶ本
  • 病棟で必要な情報をすぐ確認する本
  • DESIGN-R®2020の採点を練習する本
  • 外用薬・ドレッシング材を学ぶ本
  • 写真や図で実践的なケアを学ぶ本
  • 推奨と根拠をガイドラインで確認する本

この記事の結論

初めて1冊選ぶなら『褥瘡ガイドブック 第3版』、新人・若手が読みやすさを優先するなら『だけでいい! 褥瘡・創傷ケア』、病棟で持ち歩くなら『創傷管理ナースポケットマニュアル』がおすすめです。

※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。書籍の価格や在庫、電子版の有無は販売ページでご確認ください。

迷ったらまず買いたい褥瘡・創傷ケア本3冊

7冊のなかでも、最初の購入候補として選びやすいのは次の3冊です。単純な順位ではなく、読者の経験年数と使用場面で選び分けてください。

まず読むなら

褥瘡ガイドブック 第3版

予防、評価、治療、栄養、体圧分散など、褥瘡管理の全体像を体系的に整理したい人向けです。

新人・若手なら

だけでいい! 褥瘡・創傷ケア

写真、イラスト、手技動画を活用しながら、褥瘡・創傷ケアの基本を無理なく学びたい人向けです。

現場で使うなら

創傷管理ナースポケットマニュアル

褥瘡、MDRPU、IAD、スキンテアをベッドサイドですぐ確認したい人向けです。

褥瘡・創傷ケアおすすめ本7冊の比較表

褥瘡・創傷ケアおすすめ本7冊の特徴と向いている人
書籍 主な役割 読みやすさ 専門性 向いている人
褥瘡ガイドブック 第3版 全体像・総合 ★★★★☆ ★★★★★ 最初に体系的な1冊を選びたい人
だけでいい! 褥瘡・創傷ケア 新人教育・基礎 ★★★★★ ★★★☆☆ 新人、若手、後輩指導を始める人
創傷管理ナースポケットマニュアル 携帯・現場確認 ★★★★★ ★★★☆☆ 病棟で短時間に確認したい人
改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター 評価・採点練習 ★★★★☆ ★★★★★ DESIGN-R®2020の判定をそろえたい人
ドレッシング材・外用薬の選び方と使い方 第2版 局所治療・製剤選択 ★★★★☆ ★★★★★ 外用薬や被覆材の違いを学びたい人
新 まるわかり褥瘡ケア 写真・実践ケア ★★★★★ ★★★★☆ 写真と図で実践を理解したい人
褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版 推奨・エビデンス ★★★☆☆ ★★★★★ 委員会、研究、院内手順の担当者

読みやすさや専門性は、書籍の優劣ではなく、初学者が読み進めやすいか、原典や専門的判断まで確認できるかという観点で整理した当サイト独自の目安です。

目的別に選ぶ褥瘡・創傷ケア本の分類図
褥瘡・創傷ケア本は、基礎・現場・専門の3つの目的から選ぶと整理しやすくなります。

目的別|褥瘡・創傷ケア本の選び方

今の目的に近いところから選んでください

全体像を学びたい

褥瘡ガイドブック 第3版

新人教育に使いたい

だけでいい! 褥瘡・創傷ケア

病棟で持ち歩きたい

創傷管理ナースポケットマニュアル

採点を練習したい

改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター

外用薬・被覆材を学びたい

ドレッシング材・外用薬の選び方と使い方

写真で実践を学びたい

新 まるわかり褥瘡ケア

推奨の根拠を確認したい

褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版

1.褥瘡ガイドブック 第3版|全体像を体系的に学ぶ

rehabilikun評価:4.9/5.0

まず1冊だけ選ぶ人に最も勧めやすい総合書です。

『褥瘡ガイドブック 第3版』は、日本褥瘡学会編集の総合的なガイドブックです。褥瘡の発生、予防、評価、局所管理、栄養、体圧分散用具などを、ガイドラインに沿って体系的に学びたい人に向いています。

褥瘡ケアでは、創面だけを見るのではなく、外力、体位変換能力、骨突出、栄養状態、皮膚の湿潤、基礎疾患、使用しているマットレスなどをまとめて考える必要があります。本書は個別の手技だけでなく、褥瘡管理全体の位置関係を整理しやすい点が強みです。

  • 向いている人:褥瘡ケアを初めて体系的に学ぶ医療従事者
  • 活用場面:院内研修、褥瘡委員会、日常の疑問の確認
  • 注意点:ポケット本ではないため、ベッドサイドでの即時確認より学習用に向きます

2.だけでいい! 褥瘡・創傷ケア|新人・若手が基礎から学ぶ

rehabilikun評価:4.8/5.0

難しい専門書を読む前に、基礎と手技を視覚的に整理したい人向けです。

『だけでいい! 褥瘡・創傷ケア』は、写真やイラストを中心に、褥瘡・創傷ケアの基本を理解できる実践書です。体位変換、原因別の予防、ドレッシング材の貼付、水疱や血疱への対応など、文章だけではイメージしにくい内容を視覚的に学べます。

新人教育では、いきなり専門用語を細かく覚えるより、「なぜこのケアを行うのか」「何を観察するのか」「異常時に誰へ相談するのか」という流れを先に理解することが重要です。本書はその入口を作りやすく、後輩指導を担当し始めたスタッフにも向いています。

  • 向いている人:新人看護師、若手療法士、褥瘡委員になったばかりの人
  • 活用場面:事前学習、院内研修、手技の振り返り
  • 注意点:推奨度や原典を詳細に確認するときはガイドラインを併用します

3.創傷管理ナースポケットマニュアル|病棟ですぐ確認する

rehabilikun評価:4.7/5.0

褥瘡以外の皮膚障害も含めて、現場で横断的に確認できる携帯本です。

『創傷管理ナースポケットマニュアル』は、褥瘡だけでなく、医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)、失禁関連皮膚炎(IAD)、スキンテアも扱っています。

病棟では、発赤やびらんを見つけたときに、それが自重による褥瘡なのか、医療機器による損傷なのか、失禁や湿潤に関連する皮膚炎なのかを整理する必要があります。本書は4領域を1冊で確認できるため、「まず何を疑い、何を観察するか」を短時間で振り返りたい場面に便利です。

  • 向いている人:看護師、療法士、施設・在宅スタッフ
  • 活用場面:ベッドサイド、回診前後、申し送り前の確認
  • 注意点:褥瘡だけを深く体系的に学ぶなら総合書も必要です

4.改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター|症例写真で採点を練習する

rehabilikun評価:4.9/5.0

DESIGN-R®2020の判定がスタッフ間でずれるときに選びたい実践書です。

DESIGN-R®2020は、項目名や点数だけを暗記しても、実際の創面を見たときに判断が分かれることがあります。特に深さ、炎症・感染、肉芽、壊死、ポケットは、写真を見ながら判断過程を練習することが重要です。

『改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター』は、症例写真を用いて採点を練習したい人に向いています。褥瘡委員会やリンクナース研修で、スタッフ間の評価基準をそろえたい場合にも使いやすい位置づけです。

  • 向いている人:DESIGN-R®2020を実際に採点する医療従事者
  • 活用場面:採点練習、院内研修、評価者間のすり合わせ
  • 注意点:評価法に特化しているため、予防や治療全体は総合書で補います

採点項目の全体像は、DESIGN-R®2020の採点方法と7項目で整理しています。

5.褥瘡・創傷のドレッシング材・外用薬の選び方と使い方 第2版

rehabilikun評価:4.8/5.0

外用薬とドレッシング材を、創の状態と結び付けて整理したい人向けです。

ドレッシング材や外用薬は、名称を覚えるだけでは実践につながりません。滲出液量、感染や炎症、壊死組織、肉芽、創周囲皮膚、ポケットなどを評価し、目的に応じて選択する必要があります。

本書は、褥瘡・創傷で使用される外用薬とドレッシング材の特徴、選び方、使い方を学ぶための専門書です。「なぜこの製品が選ばれているのか」「創の状態が変化したときに何を見直すのか」を理解したい人に向いています。

  • 向いている人:創傷処置に関わる看護師、褥瘡委員、薬剤選択の考え方を学びたい人
  • 活用場面:処置内容の振り返り、製品比較、院内勉強会
  • 注意点:実際の製剤選択は医師の指示、院内採用品、適応、患者状態を踏まえて判断します

6.新 まるわかり褥瘡ケア|写真と図で実践を理解する

rehabilikun評価:4.7/5.0

褥瘡ケアの流れを、写真や図を見ながら具体的に理解したい人向けです。

褥瘡ケアでは、発赤、びらん、壊死組織、肉芽、滲出液、創周囲皮膚など、文章だけでは捉えにくい所見があります。『新 まるわかり褥瘡ケア』は、褥瘡の基礎から予防、評価、処置までを視覚的に理解したい人に適しています。

『だけでいい! 褥瘡・創傷ケア』が新人・若手の入口として使いやすいのに対し、本書は褥瘡ケア全体を写真と図で確認しながら、実践につなげたい人に選びやすい本です。

  • 向いている人:写真で病態やケアを確認したい医療従事者
  • 活用場面:新人研修、褥瘡回診前の学習、ケア方法の復習
  • 注意点:採点練習に重点を置く場合はDESIGN-R®2020の専門書を選びます

7.褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版|推奨と根拠を確認する

rehabilikun評価:4.8/5.0

院内手順、委員会活動、研究、認定資格学習で原典を確認したい人向けです。

『褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版』は、褥瘡の予防・管理に関する推奨と根拠を確認するための資料です。日常的な読み物というより、臨床上の疑問に対して「どのような推奨が示されているか」を原典で調べる用途に向いています。

新人が最初からガイドラインだけを読むと、臨床場面をイメージしにくいことがあります。初学者はガイドブックや図解本で全体像をつかみ、疑問が生じたときにガイドラインへ戻る読み方が現実的です。

  • 向いている人:褥瘡委員、管理者、認定資格を目指す人、研究・院内資料の担当者
  • 活用場面:院内手順書、研修資料、臨床疑問の原典確認
  • 注意点:補訂情報の有無も日本褥瘡学会の公式情報で確認します

職種・経験年数別の選び方

新人・若手スタッフ

最初は『だけでいい! 褥瘡・創傷ケア』で、予防・観察・基本手技の流れを理解する方法がおすすめです。その後、『褥瘡ガイドブック 第3版』で知識を体系化すると、現場の経験と理論がつながりやすくなります。

褥瘡委員・リンクナース

総合書に加えて、『改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター』と『褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版』を組み合わせると、評価練習と推奨の確認を分けて行えます。

理学療法士・作業療法士

療法士は、創面処置だけでなく、体位変換能力、関節拘縮、骨突出、姿勢、離床時間、座位での圧集中、福祉用具、動作方法を評価し、除圧計画へつなげる役割があります。

療法士として褥瘡予防に関わる場合は、療養型病院の褥瘡予防とPT評価・OHスケール活用もあわせて確認してください。

研究・院内手順書を担当する人

ガイドブックの要約だけで判断せず、『褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版』で推奨文と対象条件を確認します。補訂や更新情報が公開される場合があるため、日本褥瘡学会の公式情報も定期的に確認する必要があります。

褥瘡の本選びで失敗しやすい3つのパターン

1.最初からガイドラインだけを通読する

ガイドラインは根拠を確認するために重要ですが、初学者にとっては臨床場面が浮かびにくいことがあります。先に図解本やガイドブックで全体像をつかみ、疑問が生じた項目をガイドラインで確認する方が継続しやすくなります。

2.DESIGN-R®2020の点数だけを暗記する

評価は点数を付けることが目的ではありません。前回から何が変化したのか、その変化から除圧、局所管理、栄養、全身状態の何を見直すかまで考える必要があります。症例写真を使って、所見と言語化をセットで練習してください。

3.ドレッシング材の商品名だけを覚える

製品名だけを覚えても、採用品が変わると対応できません。滲出液を管理したいのか、湿潤環境を保ちたいのか、感染や壊死への対応が必要なのかなど、使用目的から整理することが重要です。

褥瘡・創傷ケアのおすすめ本に関するFAQ

Q1.褥瘡を初めて学ぶなら、どの本が一番おすすめですか?

体系的に1冊選ぶなら『褥瘡ガイドブック 第3版』がおすすめです。専門書に慣れておらず、写真や図を中心に学びたい場合は『だけでいい! 褥瘡・創傷ケア』から始めると読み進めやすくなります。

Q2.看護師以外でも役立ちますか?

役立ちます。理学療法士や作業療法士は、体位変換、姿勢、拘縮、骨突出、座位保持、動作能力、除圧用具などの評価に関わります。栄養士、薬剤師、介護職なども、それぞれの役割に応じて褥瘡管理の全体像を理解する必要があります。

Q3.DESIGN-R®2020を学ぶなら、ガイドブックだけで十分ですか?

概要の理解には役立ちますが、実際の判定をそろえるには症例写真による練習が必要です。採点を担当する場合は『改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター』の併用が適しています。

Q4.ガイドブックとガイドラインは何が違いますか?

ガイドブックは褥瘡管理の全体像を学びやすく整理した書籍です。ガイドラインは臨床上の疑問に対する推奨と根拠を確認する原典として使います。初学者はガイドブック、委員会や院内手順の担当者は両方を使い分ける方法がおすすめです。

Q5.古い褥瘡の本でも使えますか?

褥瘡の基礎やケアの考え方には活用できる部分があります。ただし、DESIGN-R®の版、診療ガイドライン、製品情報、用語、推奨内容は更新されるため、評価基準や院内手順に使用する場合は最新版と公式情報を確認してください。

まとめ|最初の1冊と次に深める1冊を分けて選びます

褥瘡・創傷ケアの書籍は、すべてを1冊でまかなうより、現在の目的に合った本を選ぶ方が実践につながります。

  • 全体像を学ぶ:褥瘡ガイドブック 第3版
  • 新人・若手が学ぶ:だけでいい! 褥瘡・創傷ケア
  • 現場で確認する:創傷管理ナースポケットマニュアル
  • 採点を練習する:改訂版 DESIGN-R2020つけ方マスター
  • 外用薬・被覆材を学ぶ:ドレッシング材・外用薬の選び方と使い方 第2版
  • 写真で実践を学ぶ:新 まるわかり褥瘡ケア
  • 根拠を確認する:褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版

迷った場合は、最初に『褥瘡ガイドブック 第3版』で全体像を押さえ、担当業務に応じてDESIGN-R®2020、ドレッシング材、ガイドラインの専門書へ進む流れが使いやすいでしょう。

参考資料

本記事は書籍選びを支援するための情報です。個別患者の診断・治療・創傷処置は、医師の指示、各職種の専門的判断、所属施設の手順に従ってください。

この記事を書いた人

rehabilikun|理学療法士

褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、脳卒中認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士。療養型病院で、褥瘡予防、ポジショニング、皮膚回診、身体機能評価に携わっています。臨床で迷いやすい評価・記録・多職種連携を、現場で使える形に整理して発信しています。