- ブレーデンスケールの採点方法|6項目を何点にするか判断する
- 正式な採点には施設で許可された公式様式を使用します
- ブレーデンスケールは6項目・合計6〜23点で評価します
- ブレーデンスケール6項目の採点方法
- ブレーデンスケール採点判断早見表PDF
- 症例別の採点例|迷いやすい組み合わせ
- 採点がぶれるときの5つの原則
- 合計点と18点以下の読み方
- 点数だけでは拾えない褥瘡リスクも確認します
- 低得点項目を褥瘡予防策へつなげます
- 記録は「点数・根拠・対応・再評価条件」で残します
- 褥瘡リスク評価・記録補助シートPDF
- 再評価は状態変化と施設の定期評価日に行います
- ブレーデンスケールでよくある採点ミス
- 褥瘡予防を体系的に確認する参考書
- ブレーデンスケールのよくある質問
- 採点後は低得点項目をケアと再評価へつなげます
- まとめ|診断名や栄養経路ではなく実際の状態を採点する
- 参考文献・確認資料
- 著者情報
ブレーデンスケールの採点方法|6項目を何点にするか判断する
ブレーデンスケール(Braden Scale)は、感覚知覚・湿潤・活動・移動・栄養・摩擦とずれの6項目を評価し、合計6〜23点で褥瘡発生リスクを整理する尺度です。感覚知覚から栄養までは1〜4点、摩擦とずれは1〜3点で、低得点ほどリスクが高い方向です。
採点で迷いやすいのは、意識障害がある人の感覚知覚、経管栄養中の栄養、車いすへ離床する人の活動と移動、全介助や前滑りがある人の摩擦とずれです。診断名や栄養経路だけで点数を決めず、実際の反応、摂取・投与状況、動作能力、介助場面を公式様式の定義と照合します。
本記事では、公式評価表の全文は転載せず、各点数を見分けるための判断軸と症例例を解説します。正式な採点には、所属施設で利用が許可された公式様式・マニュアルを使用してください。
褥瘡予防の評価・除圧・皮膚管理をまとめて確認する
ブレーデンスケール採点の要点
- 6項目を独立して採点し、最後に合計する
- 診断名、意識レベル、栄養経路だけで点数を決めない
- 活動と移動は別の能力として評価する
- 合計点だけでなく、低得点項目を予防策へつなげる
- 皮膚所見、医療機器、循環・酸素化などは点数とは別に確認する
正式な採点には施設で許可された公式様式を使用します
本記事と配布PDFは、点数を判断する考え方を整理した補助資料であり、公式評価表の代替ではありません。
Braden Scaleの公式サイトでは、尺度の利用目的に応じたライセンス情報が案内されています。院内様式、教育資料、公開資料として使用する場合は、所属施設の規定と公式サイトの利用条件を確認してください。
本記事で解説する範囲
6項目の意味、点数を分ける観察軸、意識障害・経管栄養などの迷いやすい症例、記録方法を解説します。公式選択肢の全文や公式採点表そのものは掲載していません。
公式情報は、Braden Scale公式サイトおよび、許可を得て尺度を掲載しているAHRQの資料を確認してください。
ブレーデンスケールは6項目・合計6〜23点で評価します
感覚知覚・湿潤・活動・移動・栄養は1〜4点、摩擦とずれは1〜3点で評価します。低得点側ほど、褥瘡発生へつながる要因が強い状態です。
| 項目 | 判断の中心 | 迷いやすい症例 |
|---|---|---|
| 感覚知覚 | 圧迫による不快感を認識し、意味のある反応や意思表示ができるか | 意識障害、鎮静、失語、認知症、片麻痺、末梢神経障害 |
| 湿潤 | 皮膚が湿潤へさらされる頻度 | 失禁、多汗、発熱、滲出液、おむつ内の蒸れ |
| 活動 | 歩行や離床などの身体活動の程度 | 全介助で車いす離床、歩行訓練時のみ歩く |
| 移動 | 身体の位置を自力で変え、姿勢を保持できるか | 離床できるが寝返り困難、除圧動作が不十分 |
| 栄養 | 栄養経路ではなく、実際の摂取・投与と必要量の充足状況 | 経管栄養、TPN、NPO、食事摂取量の変動 |
| 摩擦とずれ | 移動時の滑り、前滑り、姿勢保持、介助量 | 全介助移乗、背上げ後のずり落ち、痙縮、不穏 |

ブレーデンスケール6項目の採点方法
対象者の状態を項目ごとに分け、施設で使用する公式様式の定義へ照合します。以下は採点時の判断を助けるための要約です。
感覚知覚の採点|意識障害だけで決めない
感覚知覚は、圧迫による痛みや不快感を感じ、それに反応したり訴えたりできるかを評価します。寝返りや運動能力を評価する項目ではありません。
| 点数 | 判断の方向 | 臨床で確認すること |
|---|---|---|
| 1点側 | 意識低下や鎮静などで、不快刺激へ意味のある反応がほとんどない、または広範囲の感覚障害がある | 表情、逃避、発声、手で払う動きなどの反応があるか |
| 2点側 | 強い刺激には反応するが、不快感を十分に伝えにくい、または身体の広い範囲で感覚が低下している | うめき、落ち着きのなさ、顔貌変化だけで反応していないか |
| 3点側 | 口頭指示には反応できるが、不快感や体位変換の必要を常に伝えられるとは限らない、または限局した感覚障害がある | 失語や認知機能低下があっても、表情・指差し・ナースコールなどで意思表示できるか |
| 4点側 | 不快感を認識し、適切に反応・意思表示でき、判断へ影響する感覚障害がない | 痛み、しびれ、圧迫感、体位調整の必要を伝えられるか |
意識障害があれば自動的に1点ではありません
JCSやGCSは参考情報ですが、採点の中心は圧迫による不快感への実際の反応です。発語がなくても、表情、逃避、手で払う動き、発声などが意味のある反応かを確認します。
湿潤の採点|失禁の有無ではなく頻度をみる
湿潤は、皮膚が尿、便、汗、滲出液などへさらされる頻度を評価します。おむつの使用や失禁の有無だけで点数を決めません。
| 点数 | 判断の方向 | 観察例 |
|---|---|---|
| 1点側 | 皮膚がほぼ常に湿っており、体位変換やケアのたびに湿潤が確認される | 持続する発汗、頻回な尿・便汚染、多量の滲出液、著明な浸軟 |
| 2点側 | 頻繁に湿潤し、通常以上の寝衣・寝具交換やスキンケアが必要 | 勤務帯ごとに湿潤がみられ、追加対応を繰り返す |
| 3点側 | 時々湿潤し、通常のケア以外に追加対応が必要になることがある | 発汗や失禁などで一時的な交換・清拭が必要 |
| 4点側 | 皮膚は通常乾燥しており、定時のケアで管理できている | 湿潤への曝露がまれで、浸軟がなく皮膚が保たれている |
失禁があっても皮膚が速やかに清潔・乾燥へ戻される場合と、失禁がなくても多汗や滲出液で常に湿っている場合があります。寝具交換の頻度、浸軟、おむつ内環境を含めて判断します。
活動の採点|歩行と離床の程度をみる
活動は、対象者が歩行するか、椅子や車いすへ離床するかという身体活動の程度を評価します。寝返りや除圧能力は「移動」で別に採点します。
| 点数 | 判断の方向 | 臨床例 |
|---|---|---|
| 1点側 | ベッド上で過ごし、離床や歩行をしていない | 終日臥床し、検査・処置以外はベッドから離れない |
| 2点側 | 歩行できない、または歩行が著しく制限され、椅子・車いす中心 | 全介助で車いすへ離床するが、実用的な歩行はない |
| 3点側 | 短距離の歩行機会はあるが、多くの時間をベッドまたは椅子で過ごす | トイレや訓練時のみ歩行し、それ以外は車いす・ベッド上 |
| 4点側 | 日中に複数回歩行し、身体活動が日常的に保たれている | 病棟内や居室外を定期的に歩いている |
リハビリテーション中に数分歩けることだけで高得点にせず、1日の実際の歩行頻度と生活範囲を確認します。
移動の採点|寝返りと姿勢修正能力をみる
移動は、ベッドや椅子上で身体の位置を自力で変え、必要な姿勢修正や除圧を行えるかを評価します。
| 点数 | 判断の方向 | 臨床例 |
|---|---|---|
| 1点側 | 自力で身体や四肢の位置をほとんど変えられない | 寝返り、殿部の持ち上げ、座位修正を行えず、すべて介助を要する |
| 2点側 | 小さな体動はあるが、十分な体位変更や除圧を自力で行えない | 手足を動かせるが寝返りは介助、車いす上の傾きを修正できない |
| 3点側 | 小さな姿勢変更を頻回に行えるが、大きな体位変更には制限がある | 殿部や四肢の位置を動かせるが、完全な寝返りは難しい |
| 4点側 | 大きな体位変更と細かな姿勢修正を自立して繰り返せる | 寝返り、起き直し、座位での除圧や姿勢修正を必要時に行える |
車いすへ離床できても、移動が高得点とは限りません
全介助で車いすへ移乗できても、座位中の除圧や前滑りの修正ができず、ベッド上の寝返りにも介助を要する場合があります。活動と移動は別々に評価してください。
栄養の採点|経管栄養だから一律の点数ではない
栄養は、経口・経管・静脈という投与経路だけでなく、実際に必要量をどの程度満たしているかを確認します。一食や一回の投与だけでなく、評価期間における摂取・投与の実態を公式様式と照合してください。
| 点数 | 判断の方向 | 経管栄養・静脈栄養で確認すること |
|---|---|---|
| 1点側 | 摂取・投与がほとんど成立せず、必要量を大きく下回る | NPO、透明流動食、維持輸液中心などで、栄養必要量を満たせていない状態 |
| 2点側 | 摂取・投与は行われているが、必要量に対して不足している | 経管栄養量が不十分、中断が多い、嘔吐・下痢などで実投与量が少ない |
| 3点側 | 経口摂取または栄養投与により、必要量の大部分を満たしている | 経管栄養やTPNが計画どおり実施され、必要量の大半を満たしている |
| 4点側 | 通常の食事を安定して十分摂取し、補助をほとんど必要としない | 施設採用版の定義と照合し、投与経路だけで4点と判断しない |
胃瘻・経鼻胃管だから2点とは限りません
経管栄養でも必要量の大部分が安定して投与されていれば3点側を検討します。反対に、投与中断、嘔吐、下痢、処置、循環不安定などで実投与量が不足していれば、より低い点数を検討します。
投与指示量だけでなく、実投与量、必要量に対する充足状況、中断理由、嘔吐・下痢、再開予定を記録すると、再評価しやすくなります。
摩擦とずれの採点|介助量・前滑り・姿勢保持をみる
摩擦とずれは、身体を移動するときに皮膚がこすれるか、ベッドや椅子上でずり落ちるか、自力で姿勢を保持できるかを評価します。
| 点数 | 判断の方向 | 確認例 |
|---|---|---|
| 1点側 | 大きな介助を要し、身体を十分に持ち上げられず皮膚がこすれる。頻回なずり落ち、痙縮、不穏などがある | 全介助で引き上げる、背上げ後に前滑りを繰り返す、痙縮で皮膚がこすれる |
| 2点側 | 一部介助や見守りが必要で、移動時に滑りが生じる可能性がある。時々姿勢が崩れる | 最小介助移乗、殿部が少しこすれる、車いす上で時々前滑りする |
| 3点側 | 身体を自力で持ち上げて移動し、ベッド・椅子上の良好な姿勢を維持できる | 自立移乗ができ、殿部を浮かせて位置を変え、ずり落ちを修正できる |
スライディングシートなどを使用して介助者が安全に移動できていても、本人の能力、通常の介助場面、前滑り、痙縮、不穏を含めて評価します。
ブレーデンスケール採点判断早見表PDF
6項目の採点時に確認するポイントを、A4横1ページにまとめました。意識障害、経管栄養、活動と移動、湿潤、摩擦とずれなど、点数の境界で迷ったときの判断補助に使用できます。
A4横・1ページ
ブレーデンスケール採点判断早見表
6項目について、1〜4点側の目安と迷いやすい場面を一覧で確認できます。本紙は公式評価表の代替ではありません。
PDFプレビューを開く
早見表だけで点数を確定しない
PDFは判断補助資料です。最終的な点数は、所属施設で利用が許可された公式様式・マニュアルへ照合してください。
症例別の採点例|迷いやすい組み合わせ
同じ診断名や栄養経路でも、実際の反応・動作・投与状況によって点数は変わります。以下は判断過程の例です。
症例1:意識障害があり、胃瘻から経管栄養を実施
状態:呼びかけへの反応はなく、不快刺激でも明確な表情・逃避反応がない。胃瘻から計画栄養量の大部分を毎日投与できている。
- 感覚知覚:意味のある反応が確認できなければ1点側を検討
- 栄養:経管栄養でも必要量の大部分を満たしていれば3点側を検討
- 注意:意識障害と経管栄養を理由に、すべての項目を一律に低くしない
症例2:全介助で車いすへ離床するが、寝返りはできない
状態:日中は介助で車いすへ離床する。実用的な歩行はなく、ベッド上の寝返りと車いす上の除圧は全介助。
- 活動:歩行できず車いす中心であれば2点側を検討
- 移動:自力で寝返りや除圧ができなければ1点側を検討
- 注意:離床しているという理由だけで、活動と移動を同じ点数にしない
症例3:覚醒は良好だが、片麻痺側の感覚障害がある
状態:口頭指示へ従い、健側の不快感は訴えられる。麻痺側上下肢では痛みや圧迫への感覚が低下している。
- 感覚知覚:感覚障害の範囲と、体位変換の必要を伝えられるかを確認
- 3点側と2点側の境界:感覚障害が一部に限られるか、身体の広い範囲へ及ぶかを公式様式で照合
- 注意:片麻痺という診断名だけで点数を固定しない
症例4:経管栄養の指示量は十分だが、中断が多い
状態:必要量相当の経管栄養が処方されているが、嘔吐、検査、呼吸状態の悪化などで中断が多く、実投与量は必要量を下回る。
- 栄養:指示量ではなく実投与量と充足状況で判断する
- 採点:必要量の大部分を満たせていなければ2点側を検討
- 記録:実投与量、中断理由、嘔吐・下痢、再開予定を残す
症例5:尿失禁はないが、発汗と浸軟が続いている
状態:尿・便失禁はないが、発熱と多汗により背部や仙骨部が頻回に湿り、寝衣交換と清拭を繰り返している。
- 湿潤:失禁の有無ではなく、皮膚が湿潤へさらされる頻度で判断
- 採点:頻回な追加ケアが必要であれば2点側を検討
- 記録:湿潤部位、発汗頻度、浸軟、寝衣・寝具交換回数を残す
採点がぶれるときの5つの原則
- 6項目を独立して評価する:合計点や患者の印象から逆算しません。
- 診断名だけで決めない:意識障害、認知症、片麻痺、胃瘻などの名称ではなく、実際の状態を確認します。
- 一場面だけで決めない:日中・夜間、疲労時、鎮静時、ケア場面の変動を確認します。
- 境界では公式様式へ戻る:定義と実際の状態を照合し、採点根拠を記録します。
- 点数と根拠を一緒に記録する:次の評価者が同じ情報から再評価できるようにします。
採点根拠の記録例
栄養3点。胃瘻から必要量の約9割を連日投与できており、直近の中断なし。経管栄養であることだけを理由に2点とはしない。嘔吐・下痢・投与中断時に再評価する。
合計点と18点以下の読み方
合計点は6〜23点で、低いほど褥瘡発生リスクが高い方向です。AHRQでは、一般に18点以下をリスクありの目安としていますが、対象集団や施設によってカットオフの運用は異なります。
| 合計点 | 基本的な読み方 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 18点以下 | 一般的なリスクありの目安 | 低得点項目、皮膚所見、支持面、医療機器、全身状態を確認する |
| 19点以上 | 尺度上は比較的リスクが低い方向 | 点数だけで除外せず、局所圧や急激な状態変化を確認する |
複数段階のリスク区分を使用する施設もありますが、区分名と対応策は施設手順によって異なります。院内基準がある場合は、その区分を優先してください。
点数だけでは拾えない褥瘡リスクも確認します
ブレーデンスケールはリスク評価の一部であり、皮膚所見と全身状態を含む総合評価が必要です。
- 骨突出部の消退しにくい発赤、硬結、熱感、疼痛
- 既存の褥瘡や褥瘡既往
- 酸素マスク、チューブ、装具、弾性ストッキングなど医療機器との接触
- 循環不全、低血圧、浮腫、低酸素化
- 手術や処置による長時間の不動
- 急激な意識、ADL、摂取量、排泄状態の変化
- 強い前滑り、拘縮、痙縮、不穏
18点を超えていても、局所に強い圧迫や医療機器との接触があれば予防策が必要です。合計点だけを根拠に、寝具や体位変換頻度を機械的に決めることも避けます。
低得点項目を褥瘡予防策へつなげます
総合点は全体的なリスクの入口、低得点項目は介入を選ぶ手掛かりです。
| 低得点項目 | 追加で確認すること | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 感覚知覚 | 意識、鎮静、感覚障害、意思表示 | 本人の訴えに依存しない皮膚観察と除圧 |
| 湿潤 | 湿潤の原因、頻度、浸軟、排泄状況 | 排泄ケア、洗浄、皮膚保護、寝具内環境の見直し |
| 活動・移動 | 離床時間、自力体位変換、同一姿勢、介助量 | 離床、体位変換、ポジショニング、支持面の検討 |
| 栄養 | 実摂取量、実投与量、中断、体重変化 | 栄養評価、投与計画の確認、多職種連携 |
| 摩擦とずれ | 前滑り、移乗、引き上げ、痙縮、不穏 | 介助方法、姿勢、移動補助具、支持面の見直し |
具体的な予防策の組み合わせは、ブレーデンスコア別褥瘡予防バンドルで整理しています。
記録は「点数・根拠・対応・再評価条件」で残します
点数だけでは、次の評価者が同じ判断を再現できません。特に意識障害、経管栄養、活動と移動の境界では、点数を選んだ根拠を記録します。
記録例:感覚知覚2点。呼名では開眼せず、不快刺激で顔をしかめるが、不快感の訴えは困難。栄養3点。胃瘻から必要量の約9割を連日投与し、直近の中断なし。活動1点、移動1点。終日臥床し、自力寝返り不可。仙骨部の皮膚状態と除圧方法を毎勤務帯で確認する。
| 記録項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 6項目の点数と合計点 |
| 採点根拠 | 意識反応、湿潤頻度、歩行・離床、体位変換、実摂取・投与量、介助場面 |
| 局所リスク | 発赤、浸軟、骨突出部、医療機器、前滑り |
| 予防策 | 除圧、体位、支持面、皮膚保護、排泄・栄養管理 |
| 再評価 | 予定日と、再評価を前倒しする状態変化 |
褥瘡リスク評価・記録補助シートPDF
6項目の点数と採点根拠、皮膚・局所リスク、当日の予防策、再評価条件をA4縦1ページへ記録できます。
A4縦・1ページ
褥瘡リスク評価・記録補助シート
6項目の点数と根拠、発赤・湿潤・医療機器などの局所リスク、予防策、担当者、再評価条件を1枚で共有できます。
PDFプレビューを開く
公式採点表と記録補助シートの役割を分ける
正式な点数は施設で利用が許可された公式様式で決定し、本シートには点数、採点根拠、局所リスク、予防策、再評価条件を記録してください。
再評価は状態変化と施設の定期評価日に行います
再評価では合計点だけでなく、どの項目が変化したかを確認します。
- 入院・入所、転棟、療養環境変更時
- 意識状態や鎮静条件が変化したとき
- 歩行、離床、寝返り能力が変化したとき
- 失禁、発汗、滲出液などの湿潤条件が変化したとき
- 食事摂取量や経管栄養の実投与量が変化したとき
- 新たな発赤、浸軟、損傷、医療機器の使用が生じたとき
- 施設で定めた定期評価日
評価頻度は、病棟機能、対象者の状態、施設基準によって異なります。急な状態変化があれば、予定日を待たずに再評価してください。
ブレーデンスケールでよくある採点ミス
| 採点ミス | 問題 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 意識障害なら感覚知覚1点とする | 実際の刺激反応や感覚障害の範囲が反映されない | 圧迫による不快感への意味のある反応を確認する |
| 経管栄養なら栄養2点とする | 必要量を満たす症例と不足する症例を区別できない | 実投与量と必要量に対する充足状況を確認する |
| 活動と移動を同じ点数にする | 身体活動と自力体位変換能力が混同される | 活動は歩行・離床、移動は寝返り・姿勢修正として分ける |
| 失禁がなければ湿潤4点とする | 発汗、滲出液、蒸れ、浸軟を見落とす | 皮膚が湿潤へさらされる頻度で判断する |
| 全介助なら摩擦とずれ1点とする | 実際の滑り、姿勢保持、移動方法が反映されない | 皮膚の滑り、前滑り、痙縮、不穏、移動方法を確認する |
| 合計点から各項目を逆算する | 対象者の実態と採点根拠が一致しなくなる | 各項目を独立して採点し、最後に合計する |
褥瘡予防を体系的に確認する参考書
採点後の体圧管理、スキンケア、栄養管理まで確認する場合は、『褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版』が参考になります。
褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版
褥瘡リスク評価から予防・管理まで、臨床で必要な考え方を体系的に確認できます。
ブレーデンスケールのよくある質問
各質問をタップすると回答が開きます。
意識障害がある場合、感覚知覚は必ず1点ですか?
胃瘻や経鼻胃管を使用している場合、栄養は何点ですか?
活動と移動は何が違いますか?
失禁がなければ湿潤は4点ですか?
2つの点数で迷う場合はどうしますか?
19点以上なら褥瘡予防は不要ですか?
記事のPDFは公式採点表ですか?
採点後は低得点項目をケアと再評価へつなげます
採点後は、低得点項目と採点根拠を一文で共有し、当日の予防策と再評価条件を決めます。院内で評価・ケア・記録の流れをそろえる場合は、運用プロトコルを確認してください。
まとめ|診断名や栄養経路ではなく実際の状態を採点する
ブレーデンスケールは、感覚知覚、湿潤、活動、移動、栄養、摩擦とずれの6項目を評価し、合計6〜23点で褥瘡発生リスクを整理します。
意識障害があっても感覚知覚を自動的に1点とせず、圧迫による不快感への実際の反応を確認します。経管栄養も一律の点数ではなく、必要量に対する実投与量と中断状況から判断します。
活動は歩行・離床の程度、移動は寝返り・除圧・姿勢修正能力です。摩擦とずれは介助量だけでなく、移動時の滑り、前滑り、痙縮、不穏、姿勢保持を確認します。
正式な採点には施設で許可された公式様式を使用し、点数・採点根拠・局所リスク・予防策・再評価条件を一緒に記録してください。
参考文献・確認資料
- Braden Scale. Braden Scale II License and Licensing Information. 公式サイト.
- Bergstrom N, Braden BJ, Laguzza A, Holman V. The Braden Scale for Predicting Pressure Sore Risk. Nurs Res. 1987;36(4):205-210. doi / PubMed.
- Agency for Healthcare Research and Quality. The Braden Scale for Predicting Pressure Sore Risk. AHRQ.
- Agency for Healthcare Research and Quality. Using Pressure Ulcer Risk Assessment Tools in Care Planning. 公式PDF.
- Huang C, Ma Y, Wang C, et al. Predictive validity of the Braden Scale for pressure injury risk assessment in adults: a systematic review and meta-analysis. Nurs Open. 2021;8(5):2194-2207. doi / PubMed.
- 日本褥瘡学会. 褥瘡発生予測スケール. 用語集.
- 日本褥瘡学会. 褥瘡の予防. 日本褥瘡学会.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

