23 Ex 計算方法| METs × 時間の早見表( 15・30・45 分 )

臨床手技・プロトコル
記事内に広告が含まれています。

23 Ex(週 23 メッツ・時)の計算方法| METs × 時間で“最速”に出す早見表

23 Ex(週 23 メッツ・時)は、退院後や生活期の運動指導で「どれくらい動けたか」を量として共有するための、扱いやすいものさしです。結論はシンプルで、Ex = METs × 時間( h )。まず 1 回ぶんを出し、週の回数を掛けるだけで週合計が出せます。

本記事は、計算を“できる”で終わらせず、現場で“続く運用”までつなげる構成です。最短の計算手順→早見表→記録テンプレの順で、明日からそのまま使える形に整理しました。

最速の計算: Ex = METs × 時間( h )

計算の基本は 1 本だけです。Ex(メッツ・時)= METs(強度)× 時間( h )。たとえば、3 METsの活動を30 分行った場合、時間は 0.5 h なので、3 × 0.5 = 1.5 Exになります。

あとは週の回数を掛ければ週合計です。週合計 Ex = 1 回 Ex × 週回数。たとえば 1.5 Ex を週 5 回なら、1.5 × 5 = 7.5 Ex / 週です。

分で計算したい人向け: Ex = METs × 分 ÷ 60

現場では「分」で指導することが多いため、次の式が便利です。Ex = METs × 分 ÷ 60。暗算しやすく、患者さんにも説明しやすい形です。

例)4 METs20 分: 4 × 20 ÷ 60 = 1.33 Ex(約 1.3 Ex)。端数は切り捨てず、小数第 1 位にそろえて比較すると運用が安定します。

METs はどこから拾う? 迷わない 2 ルート

METs は厳密測定よりも、再現性のある参照表から同じ値で運用することが実務的です。臨床では( 1 )ガイドラインの説明(歩行はおおむね 3 METs 以上の目安)と( 2 )活動別 METs 表(Compendium)を併用すると迷いが減ります。

最初は「よく出る活動だけ固定」がおすすめです。普通歩行 3.0〜 3.5 METs、速歩 4.0 METs 前後など、施設内で代表値を決めると、記録・再評価の条件がそろってブレが減ります。

早見表:よくある活動 × 分数で 1 回 Ex を出す

スマホでは横スクロールで確認してください(単位: Ex = METs × 分 ÷ 60 )。15 分・30 分・45 分の目安を併記しているため、短時間運動と長め運動のどちらでも週合計を組み立てやすくなります。

代表活動の早見(目安): 1 回 Ex を出し、週回数で合計します
活動(例) 目安 METs 1 回の時間 1 回 Ex 週 5 回の合計 Ex
普通歩行(ややゆっくり〜普通) 3.0 15 分 0.75(約 0.8 ) 3.75(約 4.0 )
普通歩行(ややゆっくり〜普通) 3.0 30 分 1.5 7.5
普通歩行(ややゆっくり〜普通) 3.0 45 分 2.25(約 2.3 ) 11.25(約 11.5 )
速歩(息が弾むが会話は可) 4.0 15 分 1.00 5.00
速歩(息が弾むが会話は可) 4.0 30 分 2.0 10.0
速歩(息が弾むが会話は可) 4.0 45 分 3.00 15.00
自転車(ゆっくり〜中等度) 4.0 20 分 1.33(約 1.3 ) 6.67(約 6.5 )
階段(上りを含む移動) 4.0 10 分 0.67(約 0.7 ) 3.33(約 3.5 )
掃除(床そうじなど) 3.5 15 分 0.88(約 0.9 ) 4.38(約 4.5 )
掃除(床そうじなど) 3.5 20 分 1.17(約 1.2 ) 5.83(約 6.0 )
掃除(床そうじなど) 3.5 45 分 2.63(約 2.6 ) 13.13(約 13.0 )

組み立て例: 23 Ex / 週 を“現実的”に積む

23 Ex は「全部を運動で稼ぐ」より、生活活動+運動を合算して現実的に積む方が続きます。まずはベース(通勤・買い物・家事)で下駄を作り、足りない分を散歩や速歩で補います。

例)速歩 30 分 × 3 回( 2.0 × 3 = 6 Ex )+ 普通歩行 30 分 × 4 回( 1.5 × 4 = 6 Ex )+ 掃除 20 分 × 3 回( 1.2 × 3 = 3.6 Ex )= 合計約 15.6 Ex。残り約 7.4 Ex は、普通歩行 30 分 × 5 回( 7.5 Ex )で埋められます。

現場の詰まりどころ:計算は合ってるのに増えない 3 つの理由

計算式だけ共有しても、実際の行動量は伸びないことがあります。先に詰まりやすい点を押さえると、週合計のブレを減らせます。

( 1 )強度が落ちる:疲労や痛みで、同じ「 30 分歩いた」でもペースが落ちると実質強度は下がります。対策は、「会話はできるが息は弾む」などの主観的強度目安をセットで確認し、次回も同じ基準で記録することです。

( 2 )まとめてやる → 反動が来る:週末に一気に稼いで翌日動けないと、週合計は伸びません。対策は、最初は回数を増やす( 10〜 15 分を小分け )→慣れてから 1 回の時間を伸ばす順にします。

( 3 )記録が続かない:記録が抜けると見立てもズレます。対策は、まず週 1 回の合計だけを残す運用に絞ることです。

よくある失敗と回避のポイント

23 Ex 運用で起きやすい失敗と、すぐできる回避策
よくある失敗 なぜ起きるか 回避策 記録ポイント
METs を毎回変える 参照表の使い分けが不統一 代表活動の採用 METs を固定する 活動名と METs をセットで記録
週末にまとめ実施 平日の実施機会が設計されていない 10〜15 分の小分けを先に増やす 回数を先に追い、時間は後で伸ばす
端数処理が毎回違う 丸めルールが未設定 小数第 1 位で統一する 週合計 Ex は同じ桁で管理

記録テンプレ:週合計だけ残す( Ex / 週 )

細かい日々の記録が負担なら、まずは「 1 回 Ex 」と「週回数」だけで回します。週合計が見えると、増減の理由(痛み・天候・予定)も振り返りやすくなります。

週の 23 Ex 記録(最小版): 1 回 Ex と回数から週合計を出す
活動 採用 METs 1 回の分数 1 回 Ex( METs × 分 ÷ 60 ) 週回数 週合計 Ex
普通歩行 3.0 30 1.5 __ __
速歩 4.0 30 2.0 __ __
家事(掃除) 3.5 20 1.17(約 1.2 ) __ __
合計 __ Ex / 週

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

23 Ex は歩数に換算できますか?

歩数は補助指標として有用ですが、Ex は強度( METs )× 時間で決まるため、歩数だけで正確一致は難しいです。運用としては、歩数は「増えているか」の確認、Ex は「週合計が足りているか」の確認に使い分けると混乱が減ります。

3 METs 以上は、どのくらいのきつさですか?

目安は「歩行、または同等以上」です。主観的には、呼吸が少し速くなるが会話はできる程度を基準にすると運用しやすくなります(高齢者や慢性疾患では主治医指示や施設基準を優先してください)。

家事や通勤も Ex に入れていいですか?

入れて構いません。身体活動は生活活動+運動の合算で扱います。重要なのは、何を含めるかを固定し、週ごとに比較できる形にすることです。

端数( 1.33 Ex など)はどう扱いますか?

現場では概算で問題ありません。小数第 1 位にそろえ、週合計で調整してください。端数を追い込むより、回数と継続を優先した方が成果につながります。

次の一手

教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。

無料チェックシートで職場環境を見える化

チェック後に『続ける/変える』の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。


参考文献

  1. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023. 2023. PDF
  2. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動基準 2013. 2013. PDF
  3. Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462. doi: 10.1136/bjsports-2020-102955
  4. Herrmann SD, Willis EA, Ainsworth BE, et al. 2024 Adult Compendium of Physical Activities: A third update of the energy costs of human activities. J Sport Health Sci. 2024;13(1):6-12. doi: 10.1016/j.jshs.2023.10.010

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました