褥瘡対策の報告書|令和8年度は別紙様式1-2で①〜⑤を集計する
令和8年度の病院に係る定例報告では、褥瘡対策の集計は「入院基本料等に関する実施状況報告書(別紙様式1-2)」の①〜⑤で行います。旧「様式5の4」を使ったことがある場合は、番号や集計欄の違いに注意が必要です。
集計で最も重要なのは、患者1名を1行で整理し、② → ③ → ④ → ⑤の順に確認することです。④は②−③で求め、⑤は③の患者では入院時、④の患者では発見時の重症度を記載します。この記事では、令和8年度の公式「記載上の注意」をもとに、数字の数え方と合わないときの戻し方を整理します。
重要:この記事と配布シートは院内集計を補助するためのものです。実際の提出では、必ず自施設を管轄する地方厚生(支)局が公開している令和8年度の最新様式・記載上の注意を確認してください。
旧「様式5の4」と令和8年度の違い|重症度は⑤で確認する
旧「様式5の4」をもとに院内集計表を作っている場合は、まず現行様式との対応関係を確認してください。令和8年度の病院向け定例報告では、褥瘡対策は別紙様式1-2の中で集計します。
| 内容 | 旧様式5の4 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 報告様式 | 褥瘡対策に係る報告書(様式5の4) | 入院基本料等に関する実施状況報告書(別紙様式1-2) |
| ①〜④ | 入院患者数、褥瘡保有者数、入院時褥瘡保有者数、院内発生 | ①〜④として集計 |
| 体圧分散マットレス等 | ⑤に体制の整備状況を記載 | 褥瘡対策の①〜⑤には該当欄なし |
| 褥瘡の重症度 | ⑥ | ⑤ |
| 集計区分 | 旧様式に沿って記載 | 一般病棟入院基本料等/療養病棟入院基本料/1・2以外を算定する病棟等 |
過年度の院内テンプレートを流用する場合は、旧⑤や旧⑥の番号がそのまま残っていないかを先に確認すると、転記ミスを防ぎやすくなります。
①〜⑤の数え方|患者数と褥瘡の部位数を分ける
①〜⑤を集計するときの基本単位は患者数です。1名の患者に複数の褥瘡があっても、②・③では患者1名として数えます。⑤も複数部位を延べで数えず、重症度の高い褥瘡で患者1名を分類します。
| 欄 | 何を数えるか | 確認ポイント | 数字が合わないとき |
|---|---|---|---|
| ① | 令和8年8月1日現在の入院患者数 | 当日の入院・入院予定患者は含めず、当日の退院・退院予定患者は含める | 8月1日の在院患者抽出条件を確認する |
| ② | ①のうち、8月1日時点でDESIGN-R®2020分類d1以上の褥瘡を有する患者数 | 複数部位でも患者1名として数える | 部位数を延べで集計していないか確認する |
| ③ | ②のうち、入院時にすでにd1以上の褥瘡を有していた患者数 | 入院時評価・初回記録で確認する | 入院時点の状態へ戻る |
| ④ | ②から③を減じた患者数 | ④=②−③で計算する | 院内で発生した創の延べ件数から作らない |
| ⑤ | ③は入院時、④は発見時の褥瘡重症度 | 複数褥瘡では重症度の高い褥瘡で患者1名を分類する | ③・④の患者一覧へ戻して時点と最重区分を確認する |
3つの報告区分|患者1行一覧に病棟区分も入れる
令和8年度の別紙様式1-2では、褥瘡対策の状況を「一般病棟入院基本料等」「療養病棟入院基本料」「1・2以外を算定する病棟等」に分けて記載します。
そのため院内用の患者一覧では、褥瘡の状態だけでなく、どの報告区分に入る患者かも1行ごとに持たせておくと、公式様式への転記がしやすくなります。
| 列 | 記録する内容 | 使う欄 |
|---|---|---|
| 患者識別 | 氏名または院内ID | 全体 |
| 報告区分 | 一般病棟等/療養病棟/その他 | ①〜⑤ |
| 8月1日時点の対象 | 対象/対象外 | ① |
| d1以上の褥瘡 | あり/なし | ② |
| 入院時からd1以上 | 該当/非該当 | ③・④ |
| 最重区分 | d1/d2/D3/D4/D5/DDTI/DU | ⑤ |
| 根拠記録 | 入院時評価日、発見日、記録場所など | ③〜⑤の再確認 |
③と④で迷うケース|④は院内発生した褥瘡の件数ではない
集計で特に迷いやすいのが、入院時から褥瘡を有する患者に、入院後さらに別の褥瘡が発生した場合です。
令和8年度の記載上の注意では、④は「② 褥瘡保有者数」から「③ 入院時褥瘡保有者数」を減じた数として扱います。そのため、入院後に新しく生じた褥瘡の部位数や発生件数を足し上げて④を作るのではありません。
まず8月1日時点でd1以上を有する患者を②として固定し、その中から入院時にすでにd1以上だった患者を③へ振り分けます。残った患者数が④です。
覚え方:④を単独で数えにいかず、まず②と③を確定してから②−③で出します。
数字が合わないときの確認順|② → ③ → ④ → ⑤で戻す
数字が合わないときは、⑤の重症度表から直し始めるより、患者1行一覧へ戻る方が原因を見つけやすくなります。まず対象患者を確定し、②・③・④の母集団をそろえてから⑤へ振り分けます。

- ①を確定する:8月1日時点の入院患者数を、3つの報告区分ごとに確認します。
- ②を確定する:①の中から、8月1日時点でd1以上の褥瘡を有する患者を抽出します。
- ③を確定する:②の患者のうち、入院時にすでにd1以上だった患者を抽出します。
- ④を計算する:②−③で求めます。
- ⑤へ振り分ける:③は入院時、④は発見時の重症度で患者1名を1区分へ入れます。
- 整合チェック1:④=②−③
- 整合チェック2:⑤「入院時」の合計=③
- 整合チェック3:⑤「院内発生」の合計=④
公式のExcel様式を使用する場合は、入力後に自動チェック欄も確認してください。
令和8年度版 集計補助シート|Excel・A4 PDF
①〜⑤を患者単位で整理しやすいように、令和8年度・別紙様式1-2対応の院内集計補助シートを作成しました。提出用の公式様式ではなく、患者一覧から数字を作り、公式様式へ転記する前の確認用として使用するシートです。
Excel版では、患者一覧に報告区分・集計区分・重症度・根拠記録を入力すると、②〜⑤の人数と整合チェックを確認できます。PDF版は、①〜④のサマリー、⑤の重症度別集計、患者1行一覧をA4縦1枚で確認できる印刷用です。
令和8年度 褥瘡対策 定例報告 集計補助シート
院内集計用・非公式。提出時は地方厚生(支)局が公開する最新の公式様式を使用してください。
Excel・PDFともに令和8年度専用として作成しています。次年度以降に使用する場合は、様式や記載上の注意に変更がないかを確認してください。
⑤の重症度|③は入院時、④は発見時で分類する
⑤では、③の患者は入院時の褥瘡重症度、④の患者は褥瘡を発見した時点の重症度を記載します。8月1日時点の現在の深さへ一律に置き換えるわけではありません。
また、1名に複数の褥瘡がある場合でも患者1名として数え、重症度の高い褥瘡を使って分類します。
| 対象 | ⑤で使う重症度 | 合計の確認 |
|---|---|---|
| ③ 入院時褥瘡保有者 | 入院時の重症度 | ⑤の入院時側合計=③ |
| ④ ②−③の患者 | 発見時の重症度 | ⑤の院内発生側合計=④ |
DDTIやDUを含む深さの判定そのものに迷う場合は、記事末の関連記事からDESIGN-R®2020の深さ判定を確認してください。
よくある集計ミス|まず4つを確認する
令和8年度版で数字が合わない場合は、複雑な計算よりも集計単位・③と④の分け方・⑤の時点を先に確認してください。
| ミス | 起こること | 直し方 |
|---|---|---|
| 旧①〜⑥の院内様式をそのまま使う | 現行の①〜⑤と番号がずれる | 令和8年度の別紙様式1-2へ戻して対応関係を確認する |
| 褥瘡の部位数を数える | ②・③・⑤が延べ数になり、人数と一致しない | 患者1行一覧へ戻して1人1カウントにする |
| ④を院内発生件数から作る | ②−③と一致しない | ②と③を確定してから④=②−③で求める |
| ⑤を8月1日現在の重症度で統一する | 公式様式が求める評価時点とずれる | ③は入院時、④は発見時の記録へ戻る |
提出前の最終確認|必ず当年度の公式様式へ転記する
このページの集計補助シートは、院内で患者単位の数字をそろえるためのものです。提出用の公式様式ではありません。
令和8年度の定例報告では、地方厚生(支)局が公開している当年度版の報告様式と「記載上の注意」を確認し、自施設に必要な様式を使用してください。公式様式は更新・差し替えられる場合があるため、以前ダウンロードしたファイルだけで提出準備を完結させない方が安全です。
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参考文献
- 関東信越厚生局.病院に係る定例報告等について.2026.
- 中国四国厚生局.令和8年8月1日定例報告について(病院).2026.
- 九州厚生局.病院(医科)の報告書一覧.2026.
- 日本褥瘡学会.DESIGN-R®2020関連資料.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

