口腔管理連携加算とは?施設基準・算定要件・届出【2026】

制度・実務
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口腔管理連携加算とは?2026年度新設の600点をわかりやすく整理

口腔管理連携加算(A233-3)は、2026年度(令和8年度)診療報酬改定で新設された、600点・入院中1回の加算です。歯科診療を行わない保険医療機関が他の歯科医療機関と連携し、口腔状態の課題によって医科治療上の課題が生じている入院患者を、入院中の歯科診療につなげた場合に算定します。

本記事では、施設基準、3件+3件の実績要件、2027年5月31日までの経過措置、対象患者、算定までの流れ、届出様式を整理します。さらに、届出準備と患者別確認に使えるExcel原本・A4 PDFも無料配布しています。

結論:600点・入院中1回|紹介だけでは算定できない

口腔管理連携加算は、歯科医療機関との連携体制を作っただけ、あるいは患者を歯科へ紹介しただけでは算定できません。対象患者について医師等が入院中の歯科受診が必要と判断し、患者の同意を得て診療状況を示す文書を添えて紹介し、実際に入院中の歯科診療が行われた場合に、歯科診療が行われた日に算定します。

口腔管理連携加算 A233-3 の基本事項
項目 内容
区分番号 A233-3
点数 600点
算定回数 入院中1回
対象医療機関 歯科診療を行わず、必要な施設基準を届け出ている保険医療機関
対象患者 口腔状態の課題によって医科治療上の課題が生じ、医師等が入院中の歯科受診を必要と判断した入院患者
算定のポイント 連携する歯科医療機関へ紹介し、入院中に実際の歯科診療が行われること
算定日 歯科診療が行われた日
届出 必要。施設基準の届出には別添7の様式34の2を使用

施設基準・届出の全体像から確認する

個別加算だけでなく、施設基準の確認方法や届出全体を整理したい場合はこちらから確認できます。


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口腔管理連携加算の施設基準|届出前に確認するポイント

施設基準では、単に「連携する歯科医療機関があるか」だけではなく、依頼方法、院内掲示・ウェブサイト掲載、前年度実績、入院患者の口腔管理体制まで確認します。届出前は、次の項目を順番に照合すると抜けを減らせます。

口腔管理連携加算|施設基準の確認ポイント
確認項目 施設基準で確認する内容 院内で確認するもの
自院の歯科診療 歯科診療を提供していない保険医療機関である 自院の診療体制
連携歯科医療機関 歯科診療を行う別の保険医療機関と連携体制を構築している 連携先の名称、窓口、連絡先
依頼方法 歯科訪問診療を依頼する方法を取り決め、連絡先・連絡方法について文書による提供を受けている 依頼方法と連絡方法を確認できる文書
院内掲示 連携体制、必要時に入院中の歯科訪問診療が行われる場合があること、連携歯科医療機関名を見やすい場所に掲示する 掲示場所と掲示内容
ウェブサイト 院内掲示事項を原則としてウェブサイトにも掲載する 自院ウェブサイトの掲載内容
前年度実績① 入院患者が連携歯科医療機関から歯科訪問診療を受けた実績が3件以上 前年度実績を確認できる記録
前年度実績② 退院時にB009の注14に規定する歯科医療機関連携加算1を算定した実績が3件以上 前年度実績を確認できる記録
口腔管理体制 入院患者へ適切な口腔管理を提供し、治療が必要な口腔状態の課題を認めた場合に必要に応じて連携歯科へ依頼できる体制を整備する 評価から歯科依頼までの院内ルート
届出様式 別添7の様式34の2を使用する 様式34の2と必要な添付文書

また、口腔状態に課題がある患者について、入院中の歯科受診が不要と判断した場合でも、必要に応じて退院後の歯科受診を促す体制を整えることが望ましいとされています。さらに、すべての入院患者について入院後速やかに口腔状態の課題を評価する体制を整えることも望ましい要件として示されています。

無料配布|施設基準・算定確認シートをExcel・A4 PDFでダウンロード

施設側の要件と患者ごとの算定要件は、分けて確認した方が抜けを減らせます。そこで、「施設基準・届出チェックシート」と「患者別 算定確認シート」を、編集できるExcel原本と印刷用PDFにまとめました。

Excelは院内での確認や追記に、PDFは印刷して届出準備や患者ごとの算定確認に使用できます。いずれもrehabilikunblogが作成した院内確認用の独自資料であり、厚生労働省の公式届出様式ではありません。正式な届出時は、最新の施設基準通知と様式34の2を必ず確認してください。

口腔管理連携加算 A233-3|Excel原本

施設基準・届出チェックシートと患者別算定確認シートを収載した編集用Excelです。


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口腔管理連携加算 A233-3|A4 PDF

施設基準・届出と患者別算定の確認に使える印刷・共有用PDFです。


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注意:本資料は院内確認を補助する独自資料です。診療報酬の最終的な算定・届出判断は、最新の告示、通知、疑義解釈、地方厚生局の届出様式、自施設の請求ルールで確認してください。

前年度「3件+3件」の実績要件|2027年5月31日までは経過措置あり

施設基準で特に迷いやすいのが、前年度の実績要件です。原則として、次の2つをそれぞれ3件以上満たす必要があります。

  • 歯科訪問診療:入院中の患者が連携歯科医療機関から歯科訪問診療を受けた実績が、前年度3件以上
  • 退院時の歯科連携:B009の注14に規定する歯科医療機関連携加算1を算定した実績が、前年度3件以上

ただし、2026年度の施設基準通知では、この実績要件について2027年(令和9年)5月31日までの間は、基準を満たしているものとみなす経過措置が設けられています。

そのため、新設直後に「前年の3件+3件がないから届出できない」と判断するのではなく、経過措置を含めて届出時点の最新通知を確認することが重要です。

特別の関係にある歯科医療機関は実績件数に含めない

疑義解釈では、施設基準の「歯科訪問診療3件以上」と「歯科医療機関連携加算1の3件以上」について、当該保険医療機関と特別の関係にある歯科医療機関に係る実績は含めないことが示されています。

連携先の選定や実績管理では、単に歯科診療の件数だけを見るのではなく、施設基準上の連携先として扱える関係かも確認してください。

どの患者が対象?口腔状態が悪いだけでは算定できない

対象となるのは、単に「口腔状態に問題がある患者」ではありません。口腔状態の課題によって医科における治療上の課題が生じており、医師等が医科治療上の必要性から入院中の歯科受診を必要と判断した患者です。

患者別に確認したい算定の境界
確認 考え方
口腔状態に課題がある これだけでは算定要件を満たさない
医科治療上の課題が生じている 口腔状態の課題が医科治療へ影響していることを確認する
入院中の歯科受診が必要 医師等が医科治療上の必要性から判断する
歯科へ紹介した 紹介のみでは算定できない
入院中に歯科診療を受けた 算定成立に必要な条件の1つ

算定までの流れ|患者ごとに7ステップで確認

施設基準の届出後も、患者ごとの算定要件を確認する必要があります。特に重要なのは、紹介した時点ではなく、入院中に実際の歯科診療が行われた時点で算定することです。

口腔管理連携加算A233-3の算定までの流れを患者ごとの7ステップで示した図版
図:口腔管理連携加算の患者別確認フロー。紹介だけでは算定できず、入院中に実際の歯科診療が行われることが必要です。図は院内確認用の整理図であり、正式な算定・記録要件は最新の告示・通知等を確認してください。
  1. 口腔状態の課題を確認する:治療が必要な口腔状態の課題があるかを確認します。
  2. 医科治療への影響を確認する:口腔状態の課題によって医科治療上の課題が生じているかを確認します。
  3. 入院中の歯科受診の必要性を判断する:医師等が医科治療上の必要性から判断します。
  4. 患者の同意を得る:連携歯科医療機関への紹介について同意を確認します。
  5. 診療状況を示す文書を添えて紹介する:連携体制を構築している歯科医療機関へ患者を紹介します。
  6. 入院中に歯科診療を受ける:実際に歯科診療が行われたことを確認します。
  7. 歯科診療日に600点を算定する:同一入院中にまだ算定していないことを確認し、入院中1回に限り算定します。

連携歯科医療機関へ提供した診療状況を示す文書の写しは診療録へ添付します。院内では、紹介の有無だけでなく、歯科診療の実施日まで確認できる仕組みにしておくと患者別の算定確認がしやすくなります。

歯科への依頼先や院内窓口が定まっておらず、紹介まで進みにくい場合は、歯科連携の依頼導線を1本化する方法で、依頼前後の流れを整理しています。

施設基準と患者別算定は分けて確認する

口腔管理連携加算では、「施設として届出できるか」と「この患者で算定できるか」は別の確認です。この2つを同じチェック表に詰め込むと、どこで要件を満たしていないのか分かりにくくなります。

施設基準と患者別算定の違い
確認単位 主な確認内容 配布シート
施設 連携歯科、依頼方法、掲示・Web、実績、口腔管理体制、届出 施設基準・届出チェックシート
患者 口腔課題、医科治療への影響、歯科受診の必要性、同意、紹介、歯科診療、算定 患者別 算定確認シート

まず施設側の要件を整え、その後は患者ごとに算定フローを確認する、という順番で運用すると整理しやすくなります。

A233や口腔管理体制強化加算との違い

「口腔管理」を含む制度は名称が似ていますが、A233-3口腔管理連携加算、A233リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、歯科側の口腔管理体制強化加算は別制度です。

名称が似ている口腔管理関連制度の違い
制度 主な対象 位置づけ
A233-3 口腔管理連携加算 歯科診療を行わない医科の保険医療機関 本記事の対象。外部歯科との連携と、対象患者を入院中の歯科診療につなぐ取組を評価する600点の加算
A233 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1・2 対象となる急性期病棟等 リハビリテーション、栄養管理、口腔管理を一体的に進める病棟体制を評価する別加算
口腔管理体制強化加算 要件を満たす歯科医療機関 歯科診療報酬側の制度であり、A233-3とは別

A233の加算1・2、対象病棟、算定期間などを確認したい場合は、A233 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定要件で整理しています。

よくある質問

Q1. 歯科を併設している病院でも口腔管理連携加算を算定できますか?

口腔管理連携加算は、歯科診療を行わない保険医療機関を対象とする加算です。自院で歯科診療を行っている場合は、この加算の対象となる医療機関とは異なります。

Q2. 前年度の「3件+3件」がなくても2026年度は届出できますか?

施設基準通知では、前年度実績の要件について2027年5月31日までの間は基準を満たしているものとみなす経過措置が設けられています。実際の届出時は、最新の施設基準通知と所管の地方厚生局の案内を確認してください。

Q3. 歯科医療機関へ紹介しただけで600点を算定できますか?

紹介だけでは算定できません。患者の同意を得て診療状況を示す文書を添えて紹介し、入院中に実際の歯科診療が行われた場合に、歯科診療が行われた日に入院中1回算定します。

Q4. 口腔状態が悪ければ対象になりますか?

口腔状態に課題があるだけでは足りません。その課題によって医科治療上の課題が生じており、医師等が医科治療上の必要性から入院中の歯科受診を必要と判断していることがポイントです。

次に確認すること

まずは、ExcelまたはPDFの施設基準・届出チェックシートで自施設の体制を確認してください。施設側の要件が整ったら、患者別算定確認シートを使い、「口腔状態の課題 → 医科治療への影響 → 歯科受診の必要性 → 同意 → 文書紹介 → 入院中の歯科診療 → 600点」の順に確認すると整理しやすくなります。

診療報酬の取扱いは、改定後の訂正通知や疑義解釈によって更新される場合があります。実際の届出・請求では、厚生労働省および地方厚生局が公開する最新資料を優先してください。


参考文献

  1. 厚生労働省. 診療報酬の算定方法(A233-3 口腔管理連携加算). 令和8年度診療報酬改定.
  2. 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 保医発0305第6号. 2026.
  3. 厚生労働省. 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. 保医発0305第7号. 2026.
  4. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈資料. 2026.

厚生労働省|令和8年度診療報酬改定について
厚生労働省|診療報酬の算定方法(A233-3)
厚生労働省|基本診療料の施設基準等及び届出に関する通知

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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