OSTAとは?計算方法・判定基準と骨密度測定へのつなぎ方

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OSTAは年齢と体重から骨粗鬆症リスクを拾うスクリーニングです

OSTA(Osteoporosis Self-Assessment Tool for Asians)は、年齢と体重の2項目から骨粗鬆症リスクが高い人を拾い、骨密度測定へつなげるための簡易スクリーニングです。骨折リスクそのものを予測する尺度ではなく、OSTAだけで骨粗鬆症の診断や治療方針を決めるものでもありません。

計算式は「(体重[kg]−年齢[歳])×0.2」で、算出後は小数部を切り捨てて整数で判定します。この記事では、計算方法、−1・−4の判定境界、骨密度測定へのつなぎ方、脆弱性骨折歴がある場合の例外、FRAXとの違いを整理します。

最初に押さえるポイント

  • OSTAは骨粗鬆症リスクを拾うスクリーニングツール
  • 計算式は(体重[kg]−年齢[歳])×0.2
  • −1より大は低リスク、−4〜−1は中リスク、−4未満は高リスク
  • 中・高リスクでは骨密度測定を考える
  • 脆弱性骨折歴がある場合はOSTAの値だけで判断しない

OSTAの計算方法|年齢と体重の2項目で求めます

OSTAは、(体重[kg]−年齢[歳])×0.2で計算します。厚生労働科学研究班の「新骨粗鬆症検診・保健指導マニュアル(案)」では、求めた数値の小数点以下を切り捨て、その整数値によってリスクを判定します。

OSTA =(体重[kg]− 年齢[歳])× 0.2

計算例|66歳・50kgならOSTAは−3

66歳、体重50kgの場合は、次のように計算します。

(50−66)×0.2=−3.2 → 小数部を切り捨てて OSTA −3

したがって、この例のOSTAは−3で、中リスクに該当します。負の数では小数処理が分かりにくいため、−3.2を−4とせず、小数部を落として−3として扱う点を確認しておきます。

OSTAの計算方法、低・中・高リスクの判定、骨密度測定への流れを示した図
OSTAは年齢と体重から算出し、−1・−4を目安に骨粗鬆症リスクを層別化して骨密度測定へつなげます。※厚生労働科学研究班のマニュアル案では、脆弱性骨折歴がある場合はOSTAスコアにかかわらず骨密度測定が必要とされています。

OSTAの判定基準|−1と−4の境界を確認します

OSTAは、算出した整数値から低リスク・中リスク・高リスクの3群に分けます。特に迷いやすいのが、−1と−4ちょうどをどこに含めるかです。

OSTAの判定基準と骨密度測定の考え方
OSTA 判定 骨密度測定
−1より大 低リスク OSTA上は低リスク。ほかの危険因子も含めて判断する
−4〜−1 中リスク 骨密度測定を考慮する
−4未満 高リスク 骨密度測定が必要

−1と−4ちょうどは中リスクです

厚生労働科学研究班のマニュアル案では、−4〜−1が中リスクとされています。そのため、OSTAが−1ちょうどでも、−4ちょうどでも中リスクです。

境界の整理:−1=中リスク、−4=中リスク、−5など−4未満=高リスクです。

一方、研究論文や二次資料ではカットオフの表記方法が異なることがあります。施設資料や論文を参照するときは、単に「−4」と覚えるのではなく、「−4未満」「−4以下」のどちらを定義しているかまで確認してください。

OSTAの結果をどう使う?|骨密度測定へつなげます

OSTAの目的はスコアを計算することではなく、骨粗鬆症リスクが高い人を拾い、必要な骨密度測定へつなげることです。

高リスクでは骨密度測定が必要とされ、中リスクでは骨密度測定を考慮します。低リスクはOSTA上のリスクが低いという意味であり、骨粗鬆症や骨折リスクを完全に否定する判定ではありません。

OSTAの計算に使われるのは年齢と体重だけです。既存骨折、糖質コルチコイド使用、関節リウマチ、続発性骨粗鬆症などはOSTAの計算式に直接含まれないため、OSTAだけで骨密度測定の要否や治療適応を決定しないことが重要です。

脆弱性骨折歴がある場合|OSTAのスコアより優先して確認します

OSTAを使用するときに最も注意したい例外が、脆弱性骨折歴です。厚生労働科学研究班のマニュアル案では、脆弱性骨折歴がある人は、OSTAスコアにかかわらず骨密度測定が必要とされています。

つまり、計算上は低リスクであっても、「OSTAが低いから骨粗鬆症の心配はない」と判断してはいけません。転倒などの大きな外力によらない骨折歴がある場合は、OSTAとは別に重要な臨床情報として扱います。

脆弱性骨折歴あり → OSTAが低リスクでも、OSTAだけで骨密度測定の必要性を否定しません。

OSTAとFRAXの違い|評価しているものが異なります

OSTAとFRAXはどちらも骨粗鬆症・骨折に関連する評価で使われますが、目的とアウトカムが異なります。「OSTAを計算したら必ず次にFRAX」という固定した順番で使う尺度ではありません。

OSTAとFRAXの違い
項目 OSTA FRAX
主な目的 骨粗鬆症リスクのスクリーニング 将来の骨折確率を推定する
主な入力 年齢、体重 年齢、性別、体格、骨折歴などの臨床的危険因子
骨密度 入力しない 大腿骨頸部BMDを追加して計算することもできる
結果 骨粗鬆症リスクの区分 10年間の主要骨粗鬆症性骨折・大腿骨近位部骨折の確率
実務上の役割 骨密度測定へつなぐ対象を拾う 複数の危険因子を含めて骨折リスクを評価する

2026年に報告された日本人女性を対象とする研究では、OSTAとFRAX由来の危険因子を組み合わせた骨量減少のスクリーニングも検討されています。両者は単純な前後関係ではなく、目的の異なる情報を必要に応じて組み合わせると理解すると整理しやすくなります。

OSTAの対象と限界|原開発集団を確認して解釈します

OSTAは、アジア8か国の女性を対象としたデータから作成され、日本人の閉経後女性でも妥当性が検討されました。多数の危険因子から、最終的に年齢と体重の2項目だけで骨粗鬆症リスクをスクリーニングできる簡便な式として整理されたものです。

男性を対象とした研究でもOSTAの有用性は検討されていますが、原開発・日本人での主要な検証対象は閉経後女性です。男性や原開発集団と大きく異なる対象では、同じカットオフを診断基準のように機械的に当てはめないことが重要です。

また、2026年のアジア複数コホート研究では、OSTAの固定された閾値の性能が年齢層によって変化することが報告されています。−1・−4は実務で使われるスクリーニング上の境界ですが、すべての年齢・集団に共通する絶対的な診断境界ではありません

PT・OTが使うとき|OSTAで拾えない情報も一緒に確認します

PT・OTなどのリハビリ職がOSTAを使用する場合、計算結果だけを記録するのではなく、骨粗鬆症を疑う情報を整理して必要な評価・共有へつなげることが重要です。

OSTAを算出したら、既存の骨密度測定歴、脆弱性骨折歴、骨粗鬆症の診断・治療歴、関連する疾患や薬剤なども確認します。診断や治療開始の判断はOSTAだけで行わず、必要に応じて医師や関係職種へ情報共有します。

記録例|スコアだけでなく判断根拠を残します

66歳、体重50kg。OSTA=(50−66)×0.2=−3.2、小数部切り捨てで−3。中リスクに該当。脆弱性骨折歴なし。骨密度測定歴を確認し、未実施の場合は測定の要否について情報共有する。

記録では、年齢・体重・算出値・判定区分・脆弱性骨折歴・骨密度測定歴・次の対応を残すと、スコアを付けた理由とその後の対応が伝わりやすくなります。

OSTAでよくある間違い|4つのポイントを確認します

OSTA使用時に注意したいポイント
間違いやすい考え方 正しい整理
OSTA=骨折リスク評価と考える OSTAは主に骨粗鬆症リスクを拾い、骨密度測定へつなげるスクリーニングです。
OSTAの後は必ずFRAXへ進む OSTAとFRAXは目的が異なり、必ず決まった順番で使用する尺度ではありません。
低リスクなら追加確認は不要と考える 脆弱性骨折歴などOSTAに含まれない重要な危険因子を確認します。
−1・−4の境界を曖昧にする 厚労科研マニュアル案では−4〜−1が中リスク、−4未満が高リスクです。

OSTAでよくある質問

OSTAが−4ちょうどなら高リスクですか?

厚生労働科学研究班の「新骨粗鬆症検診・保健指導マニュアル(案)」では、−4未満を高リスク、−4〜−1を中リスクとしているため、−4ちょうどは中リスクです。研究や資料によって表記方法が異なる場合があるため、使用する基準の定義を確認してください。

OSTAが低リスクなら骨密度測定は不要ですか?

OSTAだけでは判断できません。特に脆弱性骨折歴がある場合は、OSTAスコアにかかわらず骨密度測定が必要とされています。OSTAに含まれない既往歴、疾患、薬剤なども合わせて確認します。

OSTAの後に必ずFRAXを計算しますか?

必須ではありません。OSTAは骨粗鬆症リスクのスクリーニング、FRAXは10年間の骨折確率の推定が主な目的です。それぞれの目的に応じて使用し、必要な場合は情報を組み合わせます。

OSTAは男性にも使えますか?

男性を対象として妥当性を検討した研究もあります。ただし、OSTAはアジア人女性を中心に開発・検証された経緯があるため、男性では対象集団のエビデンスや他の危険因子も踏まえて結果を解釈します。

次に確認したい記事


参考文献

  1. 厚生労働科学研究班.新骨粗鬆症検診・保健指導マニュアル(案).骨粗鬆症検診実施率・受診率向上に資する検診実施体制の見直しのための研究.
  2. Koh LK, Sedrine WB, Torralba TP, et al. A simple tool to identify Asian women at increased risk of osteoporosis. Osteoporos Int. 2001;12(8):699-705. doi:10.1007/s001980170070.
  3. Fujiwara S, Masunari N, Suzuki G, Ross PD. Performance of osteoporosis risk indices in a Japanese population. Curr Ther Res Clin Exp. 2001;62(8):586-594. doi:10.1016/S0011-393X(01)80065-5.
  4. Horii C, Tanaka S, Iidaka T, et al. Towards efficient osteoporosis screening: a simple and practical approach using OSTA and FRAX risk factors. J Bone Miner Metab. 2026;44:521-529. doi:10.1007/s00774-026-01729-9.
  5. Chandran M, Wong CMJ, Helgason B, et al. Revisiting the Osteoporosis Self-Assessment Tool (OST): evidence from a multi-cohort study in Asia supporting age-dependent thresholds. Osteoporos Int. 2026. doi:10.1007/s00198-026-08123-1.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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