RDQの評価方法|採点・解釈・記録シート【PDF・Excel付き】

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RDQの評価方法|まず採点・解釈の結論

RDQ(Roland-Morris Disability Questionnaire)は、腰痛によって日常生活がどの程度制限されているかを患者さん自身が回答する腰痛特異的PROMです。24項目について回答し、該当する項目を1点として合計するため、得点は0〜24点、高いほど生活障害が大きいと読みます。

この記事では、RDQを選択したあとに必要となる実施方法、採点、変化量の解釈、再評価、カルテ記録までを整理します。A4記録シートもPDF・Excelで用意しており、設問文を転載せず、合計点・前回差・生活場面の変化を同じ型で記録できます。

尺度選択で迷っている場合

RDQとODIのどちらを使うか決まっていない場合は、先に腰痛PROM全体の役割を整理すると選びやすくなります。

腰痛PROMの選び方を見る

RDQは「実施→採点→変化→生活場面→記録」で評価する

RDQの基本運用はシンプルです。同じ日本語版を使って回答してもらい、該当する項目を1点として合計し、前回からの変化と実際の生活場面を一緒に記録します。初回の点数だけから重症度を決めるのではなく、再評価で何点変化し、生活がどう変わったかを見ることが重要です。

  1. 実施:日本語版RDQの正式な調査票を用いて回答してもらう。
  2. 採点:該当する項目を1点として合計し、0〜24点で示す。
  3. 変化:前回評価がある場合は、今回との差(Δ)を確認する。
  4. 生活場面:本人の回復感と、改善した・残っている生活場面を確認する。
  5. 記録:合計点、前回差、生活場面、条件差を記録し、次回の再評価につなげる。
RDQの実施、採点、前回差、生活場面、記録までを整理した評価・再評価の流れ
図:RDQの評価・再評価では、採点だけでなく前回差と生活場面の変化まで確認して記録する

RDQの採点方法|該当項目を1点として0〜24点で合計する

RDQは24項目で構成され、腰痛による生活上の制限に該当する項目を1点として合計します。得点範囲は0〜24点で、点数が高いほど腰痛による生活障害が大きいことを示します。

RDQの採点と基本的な読み方
確認項目 内容
項目数 24項目
採点 該当する項目を1点として合計
得点範囲 0〜24点
得点の方向 高得点ほど腰痛による生活障害が大きい
再評価 絶対値だけでなく前回からの変化も確認する

たとえば初回が12点、再評価が8点なら、前回から4点低下(Δ -4点)しています。ただし、その4点だけを根拠に治療効果を断定せず、患者さん自身の回復感や実際に戻った生活場面と合わせて解釈します。

RDQの解釈|2〜3点や30%は「文献上の目安」として使う

RDQでは、すべての患者に共通する1つの変化量だけで「改善あり・なし」を決めることは避けます。研究対象や評価方法によって、意味のある変化量の捉え方が異なるためです。

Bombardierらは、RDQの変化について2〜3点程度をラフな目安として紹介しています。一方、Jordanらは、ベースラインからRDQが30%低下し、さらに患者自身のglobal ratingでも腰痛が改善している場合を、臨床的改善を捉える方法として報告しています。

RDQの変化量を読むときの考え方
見るもの 使い方
絶対値 その時点の腰痛による生活障害の大きさを確認する
前回差 前回から何点増減したかを確認する
2〜3点程度 文献で示されている変化量のラフな目安として扱う
30%程度の低下 ベースラインからの相対変化として参考にし、患者自身の回復感などと合わせて判断する
生活場面 何ができるようになり、何がまだ困難なのかを確認する

したがって、カルテ上では「RDQが何点変わったか」だけでなく、「患者さん自身は改善を感じているか」「具体的な生活行動が戻っているか」まで確認すると、数字を介入方針へつなげやすくなります。

RDQの実施方法|同じ版と回答方法で再評価する

経時変化を見る場合は、同じ日本語版を使用し、回答方法や採点方法を途中で変えないことが基本です。RDQ日本語版は、日本語環境での信頼性・妥当性・反応性が検証されています。

  • 同じ版を使う:再評価の途中で別版や独自の修正版へ変更しない。
  • 正式な回答方法を保つ:評価者独自の言い換えで回答を誘導しない。
  • 条件が大きく異なる場合は記録する:前回との比較へ影響しそうな事情があれば注記する。
  • 合計点だけで終わらせない:患者さんが実際に困っている生活場面も確認する。

回答に迷っている患者さんへ評価者が意味を補いすぎると、本来の自己記入式尺度とは異なる回答になる可能性があります。尺度そのものの設問・回答方法を保ったうえで運用してください。

RDQが測るのは「痛みの強さ」ではなく生活障害

RDQはNRSやVASのように痛みの強さそのものを数値化する尺度ではありません。評価しているのは、腰痛によって日常生活がどの程度制限されているかです。

そのため、痛みの数値が低下してもRDQがあまり改善しない場合があります。反対に、痛みが多少残っていても活動が戻ればRDQが改善することもあります。

痛みと生活障害を区別して追いたい場合は、NRSなどの痛み指標とRDQを別々の軸として記録すると、「痛みは改善したが生活制限が残っている」といったズレを把握しやすくなります。

RDQ記録シート|PDF・Excelで経時変化を記録

RDQを同じ型で再評価するために、A4 1枚のRDQ経時評価・記録シート v4を用意しています。今回点・前回点・Δだけでなく、改善した生活場面、残っている生活場面、本人が感じている変化、再評価時の条件差まで1枚で整理できます。

この記録シートはRDQの設問用紙ではありません。RDQ実施後の結果と経時変化を整理するための独自シートであり、RDQの設問文は収載していません。

すぐ印刷・記入する場合はPDF、院内で編集して使う場合はExcel原本を利用できます。

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プレビューが表示されない場合は、PDFを開く(ダウンロード)から確認してください。

RDQの記録方法|「点数+Δ+生活場面」を残す

RDQを再評価へつなげるなら、カルテには①今回のRDQ、②前回からの変化量、③改善した・残っている生活場面を残すと経過を追いやすくなります。合計点だけでは、実際に何が変わったのかを次回評価や多職種共有へつなげにくいためです。

RDQの経時変化を記録する最小セット
評価日 RDQ 前回差 改善した生活場面 残っている生活場面
YYYY/MM/DD 12点 長時間座位、階段
YYYY/MM/DD 8点 -4点 屋外歩行、家事 長時間座位

たとえば、「RDQ 8/24点、前回12点からΔ -4点。屋外歩行と家事は改善したが、長時間座位の制限が残存」のように書けば、得点変化と実際の生活変化を同時に共有できます。

v4の記録シートにも、今回点・前回点・Δに加え、改善したこと、残っている制限、本人が感じている変化、条件差、経過記録の欄を設けています。再評価ごとに同じ位置へ記録することで、点数と生活場面を対応させやすくなります。

再評価では点数だけでなく「何が戻ったか」を確認する

RDQの再評価では、合計点の変化と具体的な生活の変化をセットで確認します。同じ4点の改善でも、患者さんによって戻った行動や残っている制限は異なるためです。

  • 今回と前回のRDQ:何点から何点へ変化したか。
  • Δ:前回から何点増減したか。
  • 本人の回復感:前回より楽になったと感じているか。
  • 改善した生活場面:できるようになったことは何か。
  • 残っている生活場面:まだ避けている、困っている活動は何か。
  • 条件差:前回との比較に影響しそうな変化がなかったか。

点数が改善していても、患者さんが最も困っている活動が残っているなら、その生活場面は次の評価・介入を考える重要な情報になります。反対に、点数の変化が小さくても、患者さんにとって重要な活動が戻っている場合は、その変化を別途記録しておく必要があります。

RDQ評価でよくある失敗

RDQは採点そのものより、尺度の使い方が途中で変わることや、合計点だけを記録して生活上の変化が残らないことに注意が必要です。

RDQ評価で起こりやすい問題と対応
場面 避けたい運用 対応
尺度 再評価途中で別版や独自の修正版へ変更する 同じ版で継続する
回答 評価者が独自解釈を加えて回答を誘導する 正式な質問・回答方法を保つ
採点 合計点の増減だけで改善を断定する 本人の回復感や生活場面も確認する
記録 「RDQ 8点」だけを残す 前回差と生活場面を一緒に残す
再評価 前回との条件差を確認せず単純比較する 比較へ影響する条件差があれば記録する

RDQ日本語版には版権者と利用条件があります。Qualitestでは、RDQ日本語版制作委員会を日本語版の版権者として案内しています。

同サイトでは、非営利目的で使用する場合は使用登録不要とされていますが、マニュアルを購入し、付録の調査票を複製して使用する方法が案内されています。非営利目的以外で使用する場合は、使用登録が必要とされています。

そのため、臨床・教育・研究などで日本語版RDQそのものを利用するときは、利用目的に応じて最新の公式条件を確認してください。本記事で配布しているPDF・Excelは設問用紙ではなく、RDQ実施後の結果と経時変化を記録するための独自シートです。

RDQ評価でよくある質問

RDQは何点くらい変われば改善と考えますか?

一律の値だけで改善を決めない方が安全です。文献では2〜3点程度がラフな目安として紹介されていますが、意味のある変化量は対象や評価方法によって異なります。患者さん自身の回復感や実際の生活変化も合わせて判断してください。

RDQの30%改善とはどういう意味ですか?

Jordanらは、ベースラインからRDQが30%低下し、さらに患者自身のglobal ratingでも腰痛が改善している場合を臨床的改善として捉える方法を報告しています。30%だけを単独の絶対基準として扱うのではなく、患者自身の改善感などと組み合わせて解釈します。

痛みが改善したのにRDQが改善しない場合はどう考えますか?

RDQは痛みの強さではなく生活障害を評価するため、両者の変化が一致しないことがあります。痛みが軽くなっていても、活動制限や避けている生活行動が残っていないかを確認します。

RDQとODIのどちらを使えばよいですか?

このページはRDQを選んだ後の運用に絞っています。尺度選択そのものは腰痛PROM全体で検討し、RDQを使用すると決めた後に本記事の採点・解釈・記録方法を利用してください。

配布しているPDFとExcelにはRDQの設問も入っていますか?

設問文は入っていません。本記事のPDF・Excelは、RDQを実施した後の合計点、前回差、生活場面の変化、条件差などを整理するための独自記録シートです。RDQ日本語版そのものは、公式の利用条件を確認して使用してください。

次の一手

RDQよりも、%表示や領域別の把握を目的としてODIを使用する場合は、ODIの評価方法で採点・解釈・記録方法を確認できます。


参考文献

  1. Roland M, Morris R. A study of the natural history of low-back pain. Part I: development of a reliable and sensitive measure of disability in low-back pain. Spine (Phila Pa 1976). 1983;8(2):141-144. doi: 10.1097/00007632-198303000-00004
  2. Suzukamo Y, Fukuhara S, Kikuchi S, et al. Validation of the Japanese version of the Roland-Morris Disability Questionnaire. J Orthop Sci. 2003;8(4):543-548. doi: 10.1007/s00776-003-0679-xPubMed
  3. Bombardier C, Hayden J, Beaton DE. Minimal clinically important difference. Low back pain: outcome measures. J Rheumatol. 2001;28(2):431-438. PubMed
  4. Jordan K, Dunn KM, Lewis M, Croft P. A minimal clinically important difference was derived for the Roland-Morris Disability Questionnaire for low back pain. J Clin Epidemiol. 2006;59(1):45-52. doi: 10.1016/j.jclinepi.2005.03.018PubMed
  5. Chiarotto A, Maxwell LJ, Ostelo RWJG, Boers M, Tugwell P, Terwee CB. Roland-Morris Disability Questionnaire and Oswestry Disability Index: which has better measurement properties for measuring physical functioning in nonspecific low back pain? A systematic review and meta-analysis. Phys Ther. 2016;96(10):1620-1637. doi: 10.2522/ptj.20150420PubMed
  6. Qualitest株式会社. RDQ(Roland-Morris Disability Questionnaire)日本語版. RDQ日本語版.

著者情報

rehabilikun(理学療法士)のアイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に、臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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