入退院支援加算と介護支援等連携指導料の違い|2026年版

制度・実務
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入退院支援加算と介護支援等連携指導料の違い|2026年は「何を評価するか」で分ける

入退院支援加算と介護支援等連携指導料は、どちらも退院支援に関係しますが、評価している行為が異なります。入退院支援加算は退院困難な要因を有する患者への一連の入退院支援、介護支援等連携指導料は介護支援専門員等との共同説明・指導を評価する点数です。

2026年度改定では介護支援等連携指導料が1・2に再編され、2は500点で新設されました。本記事では、両者の違いに加えて、指導料1・2の違い、7日以内・退院見込み7日前の位置づけ、同一入院中の算定制限まで整理します。

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まず結論|入退院支援加算は「退院支援」、連携指導料は「共同説明・指導」を評価する

最も大切なのは、「病棟全体か患者個別か」ではなく、何を実施したことに対する評価なのかで分けることです。

入退院支援加算にも施設基準がありますが、算定するのは患者ごとです。退院困難な要因を有する患者を抽出し、退院支援計画を作成して入退院支援を行ったことを評価します。一方、介護支援等連携指導料は、患者の同意を得たうえで介護支援専門員または相談支援専門員と共同し、退院後に利用する介護・障害福祉サービス等について説明・指導したことを評価します。

入退院支援加算と介護支援等連携指導料1・2の違いを、評価内容・点数・回数・主な要件で比較した図版
入退院支援加算と介護支援等連携指導料1・2は、評価する行為と算定要件を分けて整理すると違いが分かりやすくなります。
入退院支援加算と介護支援等連携指導料1・2の違い
比較項目 入退院支援加算 介護支援等連携指導料1 介護支援等連携指導料2
主に評価すること 退院困難な要因を有する患者への一連の入退院支援 ケアマネ等との共同説明・指導 平時から連携体制を構築したケアマネ等との共同説明・指導
2026年度の点数 加算1は700点・1,000点・1,300点
※入院料等の区分で異なる
400点 500点
回数・時点 退院時1回 入院中2回まで 入院中2回まで
患者の同意 退院支援計画の説明等が必要 必要 必要
2026年度で特に見る点 加算1の病棟区分別評価を見直し 従来の介護支援等連携指導料を1として整理 新設。入退院支援加算1届出病棟や平時の連携体制などが要件

なお、入退院支援加算には1・2・3があります。本記事では、2026年度に新設された介護支援等連携指導料2が「入退院支援加算1の届出を行っている病棟」を要件としているため、主に入退院支援加算1との関係を中心に扱います。

介護支援等連携指導料1と2の違い|400点と500点の差は「平時からの連携体制」

介護支援等連携指導料1と2は、どちらも介護支援専門員等との共同説明・指導を評価しますが、2では入退院支援部門を中心とした平時からの連携体制が追加で求められます。

介護支援等連携指導料1・2の比較
項目 指導料1 指導料2
点数 400点 500点
算定回数 入院中2回まで 入院中2回まで
共同する相手 介護支援専門員または相談支援専門員 平時から連携体制を構築している介護支援専門員または相談支援専門員
院内側 医師、または医師の指示を受けた看護師・社会福祉士等 入退院支援・地域連携業務を担う部門の担当者
病棟要件 指導料2のような「入退院支援加算1届出病棟」の限定ではない 入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者
追加の体制 ― 院内規程の整備・周知、平時からの地域連携体制などが必要

つまり、指導料2は「指導料1より説明内容を多くすれば500点になる」という仕組みではありません。入退院支援及び地域連携業務を担う部門が、入院前から地域の介護支援専門員等と連携できる体制を構築していることが重要です。

介護支援等連携指導料2と入退院支援加算1はどう関係する?

介護支援等連携指導料2は、入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者が対象です。そのため、2026年度は両者を完全に独立した点数として覚えるより、指導料2が入退院支援加算1の届出体制と接続していると理解したほうが整理しやすくなります。

関係を3段階で整理

  1. 入退院支援加算:退院困難な患者を抽出し、退院支援計画を作成して入退院支援を行う。
  2. 介護支援等連携指導料:ケアマネ等と共同し、必要な介護・障害福祉サービス等について患者へ説明・指導する。
  3. 指導料2:さらに、入退院支援加算1届出病棟と平時からの地域連携体制を前提に評価する。

両者は評価対象が異なるため、同じ患者の退院支援の中でそれぞれの行為が関係することがあります。ただし、「退院支援に関わったから両方算定できる」と判断するのではなく、それぞれの算定要件と、関連する他の点数との算定制限を個別に確認する必要があります。

7日以内・退院見込み7日前は何のルール?|指導料2の体制要件として確認する

「入院日から7日以内」「退院が見込まれる7日前まで」は、入退院支援加算と介護支援等連携指導料に共通する一律の算定期限ではありません。2026年度の介護支援等連携指導料2では、入退院支援・地域連携部門が作成して院内周知する規程に含める事項として示されています。

特に、入院前から担当する介護支援専門員等が決まっている患者について、次の流れを院内規程へ位置づけます。

介護支援等連携指導料2で押さえる7日ルール
時点 院内規程に含める対応 注意点
原則、入院日から7日以内 担当介護支援専門員等へ、入院の事実その他必要な情報を提供する 入院前から担当者が決まっている場合
退院が見込まれる7日前まで 担当介護支援専門員等へ連絡し、退院後のケアプラン作成に必要な情報提供等を行う 指導料2の体制要件として整理する

一方、要介護・要支援状態が疑われるものの認定申請をしておらず、担当の介護支援専門員等が決まっていない場合は、入院中に担当者を決められるよう患者・家族へ居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへの相談を促し、担当者決定後に連絡・情報提供を行うことも規程に含まれます。

したがって、7日という数字だけを切り取って「7日以内に連携すれば指導料2を算定できる」と理解するのは適切ではありません。院内規程、入退院支援部門、平時の地域連携、実際の共同説明・指導まで一体で確認することが重要です。

併算定制限|特に指導料1・2を同一入院で混在させない

算定時に最も迷いやすいのが、複数の退院支援関連点数が同じ患者に関係した場合です。まず確認したいのは、介護支援等連携指導料1と2は、同一入院期間中に両方を算定できないという点です。

介護支援等連携指導料で確認したい主な算定制限
組み合わせ 扱い 確認ポイント
介護支援等連携指導料1+2 同一入院期間中に両方は算定不可 途中で1から2へ切り替えて両方算定することはできない
退院時共同指導料2の多機関共同指導加算 一定の場合は同日に別算定不可 介護支援専門員または相談支援専門員と共同して指導した場合を確認する
地域連携診療計画加算+介護支援等連携指導料 別算定不可 入退院支援加算本体ではなく、地域連携診療計画加算との制限であることを区別する

ここが重要です:「入退院支援加算」と「介護支援等連携指導料」という名称だけを見て一律に併算定可・不可と判断するのではなく、どの区分・どの関連加算を算定するのかまで確認してください。

算定時の記録|「誰と・何を・いつ共同したか」を追えるようにする

介護支援等連携指導料では、単に「ケアマネへ連絡した」という記録だけでなく、共同して患者へ何を説明・指導したのかが分かるように整理することが重要です。

記録で確認しておきたい項目
確認項目 記録する内容の例 確認する理由
患者の同意 共同説明・指導を行うことへの同意 指導料1・2とも算定要件に含まれる
共同した相手 介護支援専門員・相談支援専門員の氏名、所属等 誰との共同指導かを明確にする
実施日 共同説明・指導を実施した日 算定回数や他点数との同日算定を確認する
患者の状態 心身の状態、退院後に想定される生活上の課題 サービス選択の前提を残す
説明・指導内容 導入が望ましい介護・障害福祉サービス、地域で利用可能なサービス等 単なる連絡ではなく共同説明・指導の内容を残す
指導料2の体制 院内規程や平時からの連携体制に沿っているか 500点の追加要件を確認する

入退院支援加算については、退院困難な要因の抽出、患者・家族との話し合い、退院支援計画の作成・説明、関係職種との支援経過など、介護支援等連携指導料とは別の要件を追う必要があります。2つの記録を同じテンプレートへ無理にまとめるより、「入退院支援」と「ケアマネ等との共同説明・指導」を区別したほうが制度上の行為を確認しやすくなります。

よく混同するポイント|3つの境界を確認する

制度名が似ているため、実務では「退院支援に関係していれば同じ点数」と捉えないことが重要です。

入退院支援加算と介護支援等連携指導料で迷いやすい境界
迷いやすい場面 整理のしかた
ケアマネへ電話で情報提供した 情報提供だけで介護支援等連携指導料の「共同説明・指導」を満たすとは限らない。実施した行為を確認する
入退院支援加算1届出病棟に入院している それだけで指導料2を算定できるわけではない。平時の連携体制や共同説明・指導などの要件を確認する
入院後7日以内にケアマネへ連絡した 7日以内の情報提供は指導料2の体制要件の一部。これだけを単独の算定要件として扱わない

よくある質問

Q1. 入退院支援加算と介護支援等連携指導料は、同じ患者に関係することがありますか?

あります。入退院支援加算は一連の入退院支援、介護支援等連携指導料はケアマネ等との共同説明・指導を評価するため、同じ退院支援過程で両方の行為が関係することがあります。ただし、それぞれの算定要件と関連点数の算定制限を個別に確認してください。

Q2. 介護支援等連携指導料1を算定したあとに、2も算定できますか?

できません。同一入院期間中に、介護支援等連携指導料1と2の両方を算定することはできません。どちらの要件を満たす運用なのかを事前に確認する必要があります。

Q3. 「入院後7日以内」「退院見込み7日前」は、指導料2を算定する患者全員の実施期限ですか?

単純な全患者共通の算定期限ではありません。入院前から担当介護支援専門員等が決まっている場合について、7日以内の情報提供や退院見込み7日前までの連絡・情報提供等を院内規程へ盛り込むことが、指導料2の体制要件として示されています。

Q4. 入退院支援加算1を届け出ていない病棟でも介護支援等連携指導料2を算定できますか?

介護支援等連携指導料2は、入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者が対象です。指導料1とは要件が異なるため、自院の届出病棟と対象患者を確認してください。

次の一手|制度全体と院内実装を分けて確認する

この記事では、入退院支援加算と介護支援等連携指導料1・2の違いに絞りました。令和8年度改定でリハビリ関連の何が変わったのかを横断的に確認したい場合は、改定ハブから各論へ進むと整理しやすくなります。


参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.厚生労働省
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現-① 入退院支援加算の見直し.PDF
  3. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現-② 介護支援等連携指導料の見直し.PDF
  4. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.令和8年.PDF
  5. 厚生労働省.診療報酬の算定方法.B005-1-2 介護支援等連携指導料.厚生労働省法令等データベース

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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