リハ栄養口腔連携体制加算1・2の違い|点数・施設基準

制度・実務
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リハ栄養口腔連携体制加算1・2の違いは4項目です

リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1・2の主な違いは、点数、休日リハビリテーションの提供割合、ADLが低下した患者の割合、専従者の兼務範囲です。加算2では、これらに加えてBarthel Indexの測定に関する院内研修も確認します。

この記事では、A233の加算1・2の差分に絞り、PT・OT・STや算定担当者が届出区分を判断する順番を整理します。48時間以内の評価、定期カンファレンス、栄養・口腔管理など、両区分に共通する算定要件と混同しないことが重要です。

A233の全体像を先に確認したい方へ

48時間以内の評価、14日の起算、人員配置を含む全体要件は、総論記事で整理しています。

リハ・栄養・口腔連携加算2026の全体像を見る

結論:加算1・2は点数と3つの施設基準で分かれます

加算1と加算2は、日々の多職種連携を別の方法で行う区分ではありません。ADL・栄養・口腔の評価、計画作成、定期カンファレンスなどの基本的な取組は共通し、主に病棟の実績基準と専従者の兼務範囲で区分されます。

リハ栄養口腔連携体制加算1・2の点数、休日リハ割合、ADL低下患者割合、兼務、BI研修の違い
リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1・2の違い
比較項目 加算1 加算2
点数 150点/日 90点/日
入棟後3日までのリハ開始割合 8割以上 8割以上
休日のリハ提供単位数 平日の8割以上 平日の7割以上
退院・転棟時にADLが低下した患者割合 3%未満 5%未満
院内発生褥瘡の保有患者割合 2.5%未満 2.5%未満
専従療法士の兼務 他業務の専従者との兼務は不可 一定のチーム加算に係る専従者との兼務が可能
BI測定研修 施設基準通知に沿って確認 BI測定に関わる職員を対象に年1回以上実施

最初に見るべき差分は、休日リハが8割以上か7割以上か、ADL低下患者割合が3%未満か5%未満かの2点です。ただし、加算2を選ぶだけで人員配置や日々の連携業務が不要になるわけではありません。

2026年度改定では「加算2」が新設されました

A233のリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算そのものは、2024年度診療報酬改定で創設された項目です。2026年度改定では従来の区分が加算1となり、新たに90点の加算2が設けられました。

A233の改定上の位置づけ
年度 主な位置づけ
2024年度 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算を創設
2026年度 従来区分を加算1として整理し、要件を一部緩和した加算2を新設

したがって、「2026年度にリハ栄養口腔連携体制加算が初めてできた」という整理ではなく、「2026年度に加算2が追加され、2区分になった」と理解すると正確です。

48時間評価とカンファレンスは加算1・2に共通します

加算1・2のどちらを届け出る場合でも、リハビリテーション、栄養管理、口腔管理を一体的に進める基本的な取組は共通です。点数が低い加算2でも、3領域を別々に実施するだけでは制度の趣旨を満たしません。

加算1・2に共通する主な取組
共通項目 実務上の確認点
対象 届出を行った対象病棟に入院している患者
初回評価 原則として入棟後48時間以内にADL・栄養状態・口腔状態を評価する
計画 3領域の評価を基に、一体的な計画を作成する
カンファレンス 評価と計画に関する多職種カンファレンスを定期的に開催し、内容を記録する
口腔管理 適切な口腔ケアを行い、課題があれば必要に応じて歯科医師等と連携する
栄養管理 管理栄養士が栄養評価を行い、食事場面の観察や食事調整につなげる
算定期間 原則として計画作成日から14日を限度とする

特に注意したいのはカンファレンスです。カンファレンスは加算1だけの要件ではなく、加算1・2に共通する取組です。「加算2ならカンファレンスを省略できる」という理解は避けましょう。

休日リハの基準は8割以上と7割以上で異なります

加算1・2の実務で最も確認しやすい差は、土曜日、日曜日、祝日における疾患別リハビリテーションの提供単位数です。

  • 加算1:休日の1日当たり提供単位数が、平日の1日当たり提供単位数の8割以上
  • 加算2:休日の1日当たり提供単位数が、平日の1日当たり提供単位数の7割以上

この要件は、「休日にも担当療法士がいるか」だけでは判断できません。対象期間の提供単位数を、通知に定められた方法で集計して確認する必要があります。

実際の現場では、休日勤務者数だけを確認して届出区分を決めると、提供単位数の実績と一致しないことがあります。人員表ではなく、病棟ごとの平日・休日の提供実績を同じ集計条件で比較することが重要です。

ADL低下患者割合は3%未満と5%未満です

退院または転棟時のADLが入院時より低下した患者割合は、加算1が3%未満、加算2が5%未満です。

ここで用いるADLは、基本的日常生活活動度であるBarthel Indexの合計点です。単に「歩行能力が低下した」「介助量が増えた」という個別所見だけで判定するのではなく、入棟時と退院・転棟時のBIを同じ条件で測定し、病棟単位で割合を算出します。

ADL低下患者割合を確認するときの要点
確認項目 確認内容
評価尺度 Barthel Indexの合計点
比較時点 入棟時と退院・転棟時
加算1 ADLが低下した患者の割合が3%未満
加算2 ADLが低下した患者の割合が5%未満
除外患者 死亡退院や医学的に終末期と判断される一定の患者など、通知・疑義解釈に従って扱う

ADL低下割合は、評価漏れがあると正確に算出できません。入棟時評価だけでなく、退院・転棟時にもBIを測定する担当者と期限を固定しておく必要があります。

加算2では兼務範囲とBI研修も確認します

加算2は、専従療法士の一部兼務が認められる範囲と、BI測定研修の要件を確認する必要があります。

加算1では、当該病棟の専従者は他業務の専従者との兼務ができません。一方、加算2では、一定のチームに係る加算の専従者との兼務が認められます。ただし、「加算2なら自由に兼務できる」という意味ではありません。対象となる業務と勤務実績を施設基準通知に照らして確認します。

また、加算2では、BIの測定に関わる職員を対象とした測定研修を年1回以上開催します。研修では、評価方法だけでなく、採点者間で判断がずれやすい項目を共有しておくと実務に結びつきます。FIMの測定に関する内容も含めることが望ましいとされています。

加算2で追加確認したい運用
項目 確認する内容 残しておきたい資料
兼務 兼務先が認められるチーム加算等に該当するか 勤務表、業務分担表、勤務実績
BI研修 測定に関わる職員を対象に年1回以上開催しているか 研修資料、出席者、開催日、実施記録
評価統一 入棟時と退院・転棟時で採点条件をそろえているか 評価手順書、院内ルール

3日以内開始割合と褥瘡割合は同じ基準です

加算1・2を比較するときは、異なる項目だけでなく、同じ基準の項目も押さえておきましょう。

  • 退院までに疾患別リハを実施した患者のうち、入棟後3日までに開始した患者が8割以上
  • 院内で発生した一定以上の褥瘡を保有する患者割合が2.5%未満

この2項目は、加算2で緩和されていません。「加算2だから早期介入の割合が低くてもよい」「褥瘡割合の基準が緩い」ということではありません。

療養病棟とは異なり、A233は急性期入院医療を対象とする体制加算です。急性期では短期間で状態が変わりやすいため、入棟早期の離床だけでなく、栄養、食事摂取、口腔状態、褥瘡リスクを同じ時系列で追える運用が求められます。

加算1・2は4ステップで判断します

届出区分は、点数から逆算するのではなく、病棟の実績と人員運用を順番に確認して判断します。

加算1・2を判断する4ステップ
順番 確認事項 判断の目安
1 入棟後3日までのリハ開始割合 8割以上であることを確認する
2 休日リハの提供単位数 8割以上なら加算1、7割以上なら加算2の候補
3 ADL低下患者割合 3%未満なら加算1、5%未満なら加算2の候補
4 褥瘡割合、人員配置、兼務、研修 区分ごとの全要件を満たすか最終確認する

たとえば、休日リハ割合が8割以上でも、ADL低下患者割合が3%以上であれば、その時点で加算1の基準を満たしません。反対に、ADL低下割合が3%未満でも、休日提供単位数が平日の7割未満なら加算2にも届きません。

一つの指標だけで決めず、すべての施設基準を同じ対象期間と病棟単位で照合することが重要です。

よくある勘違いは「加算2なら業務も簡略化できる」です

加算2で緩和されるのは一部の施設基準であり、患者ごとの評価・計画・連携業務が簡略化されるわけではありません。

加算1・2で起こりやすい勘違い
勘違い 実際の整理
加算1は職種が多く、加算2は職種が少ない 主な差は実績基準と兼務範囲であり、両区分とも多職種による一体的な取組が必要
加算2ならカンファレンスは不要 定期カンファレンスと内容の記録は両区分に共通する
加算2なら48時間以内評価は不要 原則48時間以内のADL・栄養・口腔評価と計画作成は共通する
休日に療法士を配置すれば基準を満たす 配置の有無ではなく、平日と休日の疾患別リハ提供単位数を集計する
ADLは歩行能力だけで判断する 施設基準ではBarthel Indexの合計点を用いて割合を算出する
加算2なら誰でも兼務できる 兼務可能な業務は限定されるため、施設基準通知と勤務実態の照合が必要

届出前の5分チェック

届出や更新前には、次の項目を病棟単位で確認します。患者ごとの記録と病棟実績の集計を分けて点検すると、見落としを減らせます。

リハ栄養口腔連携体制加算1・2の届出前チェック
確認項目 確認ポイント
対象病棟 A233の対象となる入院料を算定しているか
人員配置 医師、療法士、管理栄養士等の配置要件を満たしているか
3日以内開始割合 疾患別リハ開始患者が8割以上か
休日リハ割合 加算1は8割以上、加算2は7割以上か
ADL低下割合 加算1は3%未満、加算2は5%未満か
褥瘡割合 院内発生褥瘡の保有患者割合が2.5%未満か
兼務 専従者の兼務先と勤務実績が区分の要件に合っているか
BI研修 加算2では対象職員への研修を年1回以上開催しているか
患者別運用 48時間評価、計画、カンファレンス、指導記録がつながっているか

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

加算1と加算2の一番大きな違いは何ですか?

点数に加え、休日リハ提供割合とADL低下患者割合が異なります。加算1は150点で、休日リハが平日の8割以上、ADL低下患者割合が3%未満です。加算2は90点で、それぞれ7割以上、5%未満です。

加算2ではカンファレンスを省略できますか?

省略できません。ADL・栄養・口腔の評価と計画に関する定期的な多職種カンファレンスの開催と、その内容の記録は加算1・2に共通します。

加算2では48時間以内の評価は不要ですか?

必要です。原則として入棟後48時間以内にADL、栄養状態、口腔状態を評価し、一体的な計画を作成する取扱いは両区分に共通します。

休日リハの7割・8割は患者数で計算しますか?

患者数ではなく、土曜日・日曜日・祝日における1日当たりの疾患別リハビリテーション提供単位数を、平日の1日当たり提供単位数と比較します。具体的な集計方法は最新の施設基準通知で確認してください。

ADL低下は何の評価尺度で判断しますか?

Barthel Indexの合計点を用います。入棟時より退院または転棟時の合計点が低下した患者を基に、病棟単位の割合を算出します。

加算2ではBI研修が必要ですか?

BIの測定に関わる職員を対象として、BI測定に関する研修会を年1回以上開催します。開催日、対象者、研修内容、参加記録を保存しておくと確認しやすくなります。

次の一手

まずは病棟の休日リハ提供割合とADL低下患者割合を同じ期間で集計し、加算1・2のどちらに該当する可能性があるかを確認しましょう。そのうえで、人員配置、兼務、研修、患者別運用を含む全要件を照合します。


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 2026. 厚生労働省公式資料
  2. 厚生労働省保険局医療課. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 令和8年3月5日. 医科診療報酬点数表に関する事項
  3. 厚生労働省保険局医療課. 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. 令和8年3月5日. 施設基準通知
  4. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要:急性期・高度急性期入院医療. 2026. 改定概要資料
  5. 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その2). 令和8年3月23日. 疑義解釈資料

著者情報

rehabilikun blogの著者である理学療法士rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリテーションの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、栄養、リハ栄養、シーティング、摂食・嚥下

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