リハ室のノート PC 保管・充電問題
電子カルテ導入後、リハ室で意外と困りやすいのが「ノート PC の保管と充電」です。特に 20 台以上を運用する場合、単に棚を用意するだけでは管理が崩れやすく、返却忘れ、充電切れ、端末紛失、AC アダプタ混在、配線トラブルが起きやすくなります。
実際には、電子カルテ本体よりも「どう保管するか」「どこで充電するか」「誰が管理するか」の方が現場負担になりやすいです。今回は、リハ室で 24 台運用を想定して実際に検討した内容をもとに、ノート PC 保管・充電環境の考え方を整理します。
なぜ保管・充電問題が起きるのか
電子カルテ導入前は、PC 数台を共有する程度だった施設でも、導入後は病棟、訓練室、ADL 室、カンファ室などへノート PC を持ち出す場面が増えます。その結果、「誰がどの PC を使っているか分からない」「充電されていない」「返却場所がバラバラ」という問題が起きやすくなります。
特にリハ科では、スタッフ人数が多く、移動範囲も広いため、ノート PC を“個人管理”に任せると運用が崩れやすくなります。電子カルテ導入時は、「端末管理を運用で支える」視点が重要です。
| トラブル | 起きやすい状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 充電切れ | 病棟持ち出し後に返却されない | 終業時返却・タイマー充電 |
| 所在不明 | 訓練室や病棟へ置き忘れる | 番号管理・定位置固定 |
| 配線混乱 | AC アダプタが混在する | 収納位置固定・色分け |
| 発熱 | 密集充電・タコ足配線 | 電源分散・放熱確保 |
15.6 インチ問題は最初に確認する
ノート PC 保管庫を選ぶ時、最初に確認したいのが「15.6 インチが本当に入るか」です。カタログ上は収納可能でも、実際には AC アダプタ、LAN 変換アダプタ、ケーブル余裕が足りず、かなり窮屈になる場合があります。
特に「有効内寸:W440 × D345 × H68 mm」程度の保管庫では、本体だけなら入っても、AC コネクタや配線を含めると余裕が少ないケースがあります。購入前は、本体サイズだけでなく、充電状態で収納できるかも確認した方が安全です。
立て収納と横収納はどちらがよい?
20 台以上を運用する場合、横積みで重ねるより、1 台ずつ区切られた状態で収納できる方が管理しやすくなります。特に返却確認や番号管理では、立て収納の方が端末確認を行いやすいです。
ただし、立て収納でも「強く押し込む」「排気口を塞ぐ」「ケーブルを曲げる」状態は避けます。電子カルテ用ノート PC は毎日使用するため、“収納効率”よりも“出し入れしやすさ”を優先した方が運用しやすくなります。
| 項目 | 立て収納 | 横収納 |
|---|---|---|
| 出し入れ | しやすい | 下段が取りにくい |
| 番号管理 | しやすい | 混ざりやすい |
| 省スペース | 良い | やや不利 |
| 放熱 | 構造次第 | 重ねると熱がこもりやすい |
夜間充電は危なくない?
ノート PC を終業後に充電し、そのまま帰宅する運用に不安を感じる施設は少なくありません。実際、24 台を同時充電する場合、発熱、電力負荷、タコ足配線への配慮は必要です。
現実的には、複数系統へ分散し、タイマー付きタップで「18:30〜21:30 だけ通電」など、充電時間を制限する方法が管理しやすくなります。また、長期間スリープ状態で放置するより、シャットダウン後に充電した方が発熱管理もしやすくなります。
タイマー通電という選択
電子カルテ導入後は、「夜間ずっと充電しっぱなし」が気になる場面があります。そこで便利なのが、タイマー付きタップです。一定時間だけ通電できるため、朝まで電源を流し続けない運用がしやすくなります。
特に 20 台以上を運用する場合、電源タップを 1 系統に集中させるのではなく、12 台ずつなどに分散し、タイマーを分ける方法が現実的です。最終的な電源容量やブレーカー系統は、施設管理部門や情報システム部門と確認しておくと安心です。
| 項目 | 例 | ポイント |
|---|---|---|
| 通電時間 | 18:30〜21:30 | 朝まで通電しっぱなしを避けやすい |
| 電源系統 | 12 台 × 2 系統 | 負荷集中を避けやすい |
| 終業時操作 | シャットダウン後に返却 | 発熱管理しやすい |
| 予備機 | 別保管庫で管理 | 故障時対応しやすい |
実際に検討した構成
今回、24 台運用を想定して検討したのは、「メイン保管庫 × 2 + サブ保管庫」の構成です。メイン保管庫で日常運用を行い、予備機、修理待ち、貸出用を別保管にすることで、運用が崩れにくくなります。
| 機器 | 用途 | 役割 |
|---|---|---|
| CAI-CAB67W ×2 | メイン保管 | 日常運用・充電・施錠管理 |
| CAI-CAB106W ×1 | サブ保管 | 予備機・修理待ち・貸出用 |
| TAP-RT1 ×2 | タイマー通電 | 夜間充電時間の制御 |
よくある失敗
電子カルテ導入時によくあるのが、「保管庫を買っただけで終わる」ケースです。実際には、番号管理、返却ルール、AC アダプタ管理、清拭、予備機運用まで決めないと、数週間で運用が崩れやすくなります。
また、電源タップを床に置く、充電器を混在させる、Wi-Fi が弱い場所を確認しないといった問題も起きやすいです。電子カルテは PC を導入するだけでなく、“毎日使い続けるための仕組み”を作ることが大切です。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
15.6 インチは保管庫に入りますか?
本体だけなら入っても、AC アダプタやコネクタを含めると窮屈になる場合があります。有効内寸だけでなく、充電状態で収納できるかを確認します。
立て収納は本体に悪くないですか?
強く押し込まず、排気口を塞がない状態であれば、1 台ずつ区切られた立て収納は現実的です。むしろ番号管理や出し入れがしやすくなります。
夜間充電は危なくないですか?
リスクをゼロにはできませんが、タイマー通電、電源分散、放熱確保、シャットダウン後充電により、管理しやすくなります。
予備機は必要ですか?
24 台運用では、故障や更新トラブルに備え、数台は予備機として別管理しておくと運用しやすくなります。
次の一手
ノート PC の保管・充電問題は、「どの保管庫を買うか」だけでなく、返却、充電、清拭、番号管理まで含めて考えることが大切です。まずは、PC 台数、収納場所、充電時間、電源系統、予備機の扱いを一覧にして整理してみましょう。
環境整備だけでは解決しにくい場合は、記録文化や教育体制、人員配置まで含めて見直す必要があります。無料チェックシートは マイナビコメディカル導線ページ にまとめています。
参考文献
- 厚生労働省. 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版. 2023.
- 厚生労働省. 医療分野のサイバーセキュリティ対策について. 2026 年確認.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


