側脳室の位置はどこ?CT・MRIでの見分け方を解説

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側脳室の位置はどこか

側脳室は、左右の大脳半球の深部に1つずつある、脳脊髄液で満たされたC字状の空間です。前頭葉側の前角、頭頂葉内の体部、後頭葉側の後角、側頭葉側の下角をたどると位置関係を整理できます。この記事では、側脳室の基本構造、第三脳室との違い、頭部CT・MRIで迷わない確認手順を解説します。脳画像の見方を学び始めた新人PT・OT・STや、脳解剖を復習したい医療者向けです。

このページの位置づけ

このページは、側脳室の位置と画像上の見分け方を扱う各論記事です。脳・神経を含む解剖ランドマーク全体から確認したい場合は、親ハブから読むと整理しやすくなります。

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側脳室とは左右一対のC字状の脳室

側脳室は、左右の大脳半球内に1つずつ存在する、脳室系の最も上流にある空間です。内部は脳脊髄液で満たされ、左右それぞれの側脳室が室間孔を介して正中の第三脳室につながります。

基本構造は、前角・体部・三角部・後角・下角です。全体がC字状に曲がっているため、1枚の画像ですべての部位が同時に見えるとは限りません。水平断、冠状断、矢状断を組み合わせて確認します。

側脳室で最初に押さえる基本構造
項目 基本的な見方
右大脳半球と左大脳半球に1つずつある
全体としてC字状に広がる
構成 前角・体部・三角部・後角・下角
第三脳室との交通 室間孔を介して左右の側脳室から第三脳室へつながる
画像上の役割 大脳深部の位置関係や脳室拡大を確認する目印になる

側脳室の位置は前角・体部・後角・下角で見る

側脳室の位置と構造を示した図。前角、体部、後角、下角、第三脳室の位置関係を整理している。

側脳室の位置は、前角が前頭葉、体部が主に頭頂葉、後角が後頭葉、下角が側頭葉へ伸びる構造として覚えると整理できます。

すべてを別々に暗記するのではなく、まず「前・後ろ・下」の3方向を押さえ、その間を体部と三角部がつないでいると考えるのが実用的です。

側脳室の各部位と位置の見分け方
部位 位置 画像上の目印
前角 前頭葉内へ伸びる 前方で左右に並び、正中側を透明中隔が隔てる
体部 主に頭頂葉内に位置する 脳梁の下方、視床の上方付近を前後に走る
三角部 体部・後角・下角が合流する部分 後方で脳室腔が比較的広く見える
後角 後頭葉内へ伸びる 三角部から後方へ細く伸びる
下角 側頭葉内へ前下方に伸びる 水平断の低いスライスや冠状断で確認しやすい

後角の形や長さには個人差があり、左右が完全に同じとは限りません。わずかな左右差だけで異常と決めつけず、過去画像や周囲構造、読影所見と合わせて確認します。

CT・MRIでは3ステップで側脳室を確認する

CT・MRIで側脳室を見つける3ステップ。正中を確認し、左右の前角を見つけ、連続画像で体部・後角・下角を追う流れを示している。

CT・MRIで側脳室を探すときは、正中を確認し、左右の前角を見つけ、スライスを前後・上下に追う順序にすると迷いにくくなります。

側脳室を確認する3ステップ

  1. 正中を確認する:大脳鎌、透明中隔、第三脳室などを目印に左右を整理します。
  2. 前角を見つける:前方に左右対称に近い脳脊髄液腔を探します。
  3. 連続画像で追う:体部から三角部、後角、下角へ続く形と左右差を確認します。

単一スライスだけで判断せず、必ず前後の連続画像を追うことが重要です。下角は前角や後角と同じ高さに見えないことがあるため、水平断だけで分かりにくい場合は冠状断や矢状断も確認します。

CT・MRIで側脳室を見るときの確認項目
確認項目 見る内容 注意点
連続性 前角から体部、三角部、後角・下角へ続く形 1枚の画像だけで部位を決めない
左右差 大きさ、形、位置の違い 正常な解剖学的左右差もある
拡大 前角、体部、三角部、下角などの広がり 拡大だけで原因を決めない
周囲構造 脳梁、透明中隔、視床、尾状核などとの位置関係 周囲構造も含めて全体像を見る
脳室周囲 白質の信号変化や低吸収域 画像所見の意味は読影結果や臨床情報と照合する

リハ職が画像を確認する目的は、画像だけで診断することではありません。病変の位置や脳全体の状態を把握し、医師の診断、神経学的所見、動作評価を結びつけるために活用します。

第三脳室との違いは左右か正中かで見分ける

側脳室と第三脳室は、「左右にあるか、正中にあるか」を見ると見分けやすくなります。

側脳室は左右の大脳半球内に1つずつあり、第三脳室は左右の視床の間に位置する正中の細い空間です。左右の側脳室は、それぞれ室間孔を通じて第三脳室につながります。

側脳室と第三脳室の違い
項目 側脳室 第三脳室
位置 左右の大脳半球内 左右の視床の間にある正中部
左右に1つずつ 正中に1つ
形のイメージ C字状に広がる 正中の細い裂隙状に見える
交通 室間孔を介して第三脳室へつながる 中脳水道を介して第四脳室へつながる
見分け方 正中の両側にある空間を探す 左右の視床間にある正中の空間を探す

側脳室の拡大だけで水頭症とは判断しない

側脳室が大きく見えても、脳室拡大だけで水頭症と判断することはできません。

脳室は、水頭症だけでなく、加齢や脳実質の萎縮に伴って大きく見えることがあります。また、正常な脳室の大きさや形にも個人差があり、年齢による変化もあります。そのため、脳溝やくも膜下腔の状態、脳室全体の形、周囲の画像所見、経時変化を含めて判断する必要があります。

側脳室拡大を見たときに確認する情報
確認項目 確認する内容
画像全体 側脳室だけでなく、第三脳室、脳溝、くも膜下腔、脳実質も見る
経時変化 過去画像と比べて脳室の大きさや形が変化しているかを見る
歩行 歩幅、足の上がり、方向転換、開始時の不安定さを評価する
認知・行動 注意、処理速度、反応、日常生活上の変化を確認する
排尿 尿意、頻尿、尿失禁、トイレ動作の変化を確認する
医学的情報 医師の診断、読影結果、既往歴、治療経過を確認する

実際の現場では、画像上の脳室拡大と歩行障害が併存していても、直ちに両者を因果関係で結びつけません。筋力、感覚、運動失調、パーキンソニズム、疼痛、薬剤、環境要因なども評価し、医師の診断を前提に全体像を整理します。

側脳室を確認するときのよくある失敗

側脳室の確認で多い失敗は、部位名だけを暗記し、連続画像や周囲構造との関係を確認しないことです。

  • 失敗1:前角・後角・下角を別々に暗記する
    全体をC字状の連続した空間として捉え、前後のスライスを追います。
  • 失敗2:側脳室と第三脳室を混同する
    左右にある空間か、正中にある空間かを最初に確認します。
  • 失敗3:1枚の水平断だけで判断する
    連続する水平断に加え、必要に応じて冠状断や矢状断も確認します。
  • 失敗4:左右差をすべて異常と考える
    側脳室には解剖学的な個人差があるため、周囲構造や過去画像と照合します。
  • 失敗5:脳室拡大だけで水頭症と決めつける
    脳萎縮を含むほかの可能性があるため、画像全体と臨床症状を合わせて確認します。
  • 失敗6:画像所見だけで症状を説明する
    神経学的所見、動作評価、認知機能、既往歴、医学的診断を組み合わせます。

側脳室についてよくある質問

各項目名をタップまたはクリックすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

側脳室は脳のどこにありますか?

側脳室は、左右の大脳半球の深部に1つずつあります。前角は前頭葉、体部は主に頭頂葉、後角は後頭葉、下角は側頭葉内に位置します。

側脳室は左右にいくつありますか?

右大脳半球と左大脳半球に1つずつ、合計2つあります。左右の側脳室は直接つながるのではなく、それぞれが室間孔を介して正中の第三脳室につながります。

側脳室と第三脳室はどう見分けますか?

側脳室は正中の左右にある空間、第三脳室は左右の視床の間にある正中の空間です。最初に正中線を確認すると見分けやすくなります。

CTで側脳室はどのように見えますか?

頭部CTでは、側脳室内の脳脊髄液が脳実質より黒い低吸収域として見えます。前角を見つけてから、連続画像で体部、三角部、後角、下角を追うと位置を確認しやすくなります。

側脳室が左右非対称なら異常ですか?

わずかな左右差は正常な解剖学的変異として見られることがあります。左右差だけで異常と判断せず、周囲構造、病変、過去画像、読影結果と合わせて確認します。

側脳室が大きいと水頭症ですか?

側脳室が大きいという所見だけでは、水頭症とは判断できません。脳萎縮や加齢変化などでも大きく見えるため、脳溝やくも膜下腔を含む画像全体、臨床症状、医師の診断を合わせて判断します。

側脳室の位置と見分け方のまとめ

側脳室は、左右の大脳半球の深部に1つずつある、C字状の脳脊髄液腔です。前角は前頭葉、体部は主に頭頂葉、後角は後頭葉、下角は側頭葉内に位置します。

CT・MRIでは、最初に正中を確認し、左右の前角を見つけ、連続画像で体部から後角・下角へ追うと見分けやすくなります。第三脳室との違いは、側脳室が左右にあり、第三脳室が正中にある点です。

リハ職は、脳室の形や大きさだけで診断せず、読影結果、神経学的所見、歩行・認知・ADL評価を結びつけるためのランドマークとして活用します。

次の一手

側脳室の位置を確認できたら、脳ランドマーク全体の位置関係と、運動路に関係する内包後脚を続けて整理すると、頭部画像を読みやすくなります。


参考文献

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著者情報

この記事は、脳卒中認定理学療法士、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士の資格を持ち、脳卒中リハビリテーションや高齢者リハビリテーションに携わる理学療法士が作成しています。画像診断を目的とせず、リハ評価、症状理解、情報共有に活かすための脳ランドマークとして整理しています。