心拍出量とは?わかりやすく解説|計算式・正常値・臨床の見方

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心拍出量とは?

心拍出量とは、1分間に心臓が全身へ送り出す血液量のことです。

リハビリの臨床では、血圧、脈拍、息切れ、めまい、冷汗、顔色不良などを確認する場面があります。

これらの変化を理解するうえで、心拍出量の考え方はとても重要です。

結論からいうと、心拍出量は「一回拍出量」と「心拍数」で決まります。

式で表すと、次のようになります。

心拍出量(CO)= 一回拍出量(SV) × 心拍数(HR)

この記事では、新人PT・リハビリ職向けに、心拍出量の計算式、正常値の目安、臨床での見方をわかりやすく整理します。

心拍出量とは何か

心拍出量は、心臓が1分間にどれくらいの血液を全身へ送り出しているかを示す指標です。

英語ではcardiac outputといい、略してCOと表記されます。

心拍出量は、全身の臓器や筋肉へ酸素や栄養を届けるために重要です。

心拍出量で押さえたい基本
項目 意味
心拍出量 1分間に心臓が送り出す血液量
一回拍出量 心臓が1回の拍動で送り出す血液量
心拍数 1分間の心臓の拍動回数

心拍出量が保たれていると、脳、腎臓、筋肉、皮膚などへ血液が届きやすくなります。

反対に、心拍出量が低下すると、血圧低下、めまい、冷汗、倦怠感、意識状態の変化などにつながることがあります。

心拍出量の計算式

心拍出量の決まり方をCO、SV、HR、循環状態の関係で整理した図版

心拍出量は、次の式で考えます。

CO = SV × HR

心拍出量の計算式
略語 日本語 意味
CO 心拍出量 1分間に送り出す血液量
SV 一回拍出量 1回の拍動で送り出す血液量
HR 心拍数 1分間の拍動回数

たとえば、一回拍出量が70mL、心拍数が70回/分の場合、心拍出量は次のように考えられます。

70mL × 70回/分 = 4900mL/分

つまり、約4.9L/分の血液を全身へ送り出していることになります。

臨床では、正確な心拍出量を毎回測定するわけではありませんが、「SVとHRで心拍出量が決まる」という考え方を知っておくと、バイタル変化を理解しやすくなります。

心拍出量の正常値の目安

心拍出量の正常値は、体格、年齢、活動量、疾患、測定条件によって変わります。

一般的な目安としては、成人安静時の心拍出量は約4〜8L/分程度とされます。

心拍出量に関係する数値の目安
項目 目安 臨床での見方
心拍出量 約4〜8L/分 全身へ送る血液量の目安
一回拍出量 約60〜100mL/拍 1回の拍動で送り出す量
心拍数 約60〜100回/分 安静時の脈拍の目安

ただし、数値だけを丸暗記するよりも、心拍出量が「何によって増減するか」を理解することが大切です。

運動時には心拍数や一回拍出量が増え、心拍出量も増加します。

一方で、心機能低下、脱水、出血、過度な徐脈、頻脈、不整脈などでは、心拍出量が保ちにくくなることがあります。

心拍出量が低下するとどうなるか

心拍出量が低下すると、全身へ十分な血液を送り出しにくくなります。

その結果、脳や筋肉、腎臓などへの血流が低下し、さまざまな症状が出ることがあります。

心拍出量低下で起こりやすい変化
変化 考えたいこと
血圧低下 全身へ血液を送り出す力が低下している可能性
めまい 脳血流低下や起立時変化を考える
冷汗 循環不全や自律神経反応を考える
倦怠感 酸素供給不足や全身負荷を考える
意識状態の変化 脳への血流低下に注意する

リハビリ場面では、起立、立位、歩行、階段練習などで心拍出量の需要が増えます。

その需要に対して心拍出量が十分に増えない場合、ふらつき、息切れ、顔色不良、冷汗、血圧低下などが出ることがあります。

起立時の血圧低下については、起立性低血圧の見方も合わせて整理しておくと理解しやすくなります。

心拍出量に影響する3つの要素

心拍出量は、単に心拍数だけで決まるわけではありません。

一回拍出量を左右する要素として、前負荷、後負荷、心収縮力があります。

心拍出量に影響する3つの要素
要素 意味 臨床で考えたいこと
前負荷 心臓に戻ってくる血液量 脱水、出血、静脈還流低下
後負荷 心臓が血液を送り出すときの抵抗 高血圧、血管抵抗、弁疾患
心収縮力 心筋が血液を押し出す力 心不全、心筋障害、疲労

前負荷が低下すると、心臓へ戻る血液量が少なくなり、一回拍出量が低下しやすくなります。

後負荷が高くなると、心臓は強い抵抗に逆らって血液を送り出す必要があります。

心収縮力が低下すると、心臓のポンプ機能が弱くなり、全身へ血液を送り出しにくくなります。

心拍数が増えれば心拍出量も増えるのか

心拍数が増えると、ある程度までは心拍出量も増えやすくなります。

運動時に脈拍が上がるのは、全身の酸素需要に対応するためです。

しかし、心拍数が上がりすぎると、心臓が血液をためる時間が短くなります。

その結果、一回拍出量が低下し、心拍数が高いのに心拍出量が十分に増えないことがあります。

心拍数と心拍出量の見方
状態 考えたいこと
軽い運動で脈拍上昇 生理的反応として考えられることがある
安静時から頻脈 発熱、脱水、疼痛、不安、心不全などを考える
脈拍が高すぎる 充満時間低下により一回拍出量が下がる可能性
徐脈 心拍数不足で心拍出量が低下する可能性

つまり、心拍数は高ければよいというものではありません。

リハビリ中は、脈拍の数値だけでなく、血圧、息切れ、疲労感、顔色、冷汗、回復時間を合わせて確認します。

運動時に心拍出量はどう変化するか

運動をすると、筋肉で必要な酸素量が増えます。

そのため、身体は心拍数や一回拍出量を増やし、心拍出量を高めようとします。

運動時に起こる循環反応
変化 目的
心拍数上昇 1分間に送り出す血液量を増やす
一回拍出量増加 1回の拍動で送り出す血液量を増やす
血流再分配 活動筋へ血流を届けやすくする
呼吸数増加 酸素取り込みと二酸化炭素排出を増やす

心機能に余裕がある場合は、運動負荷に応じて心拍出量を増やすことができます。

一方で、心不全、貧血、脱水、低血圧、呼吸器疾患などがある場合は、運動に対する反応が不十分になることがあります。

呼吸数の変化については、呼吸数はなぜ増えるのかも合わせて確認すると、循環と呼吸のつながりが理解しやすくなります。

PTが臨床で見るポイント

PTが心拍出量そのものを直接測定する場面は多くありません。

しかし、心拍出量が十分に保たれているかを推測するために、バイタルや症状を組み合わせて確認します。

心拍出量を考えるときの臨床ポイント
確認項目 見るポイント
血圧 安静時、起立時、運動後の変化を見る
脈拍 増え方、戻り方、不整の有無を見る
息切れ 運動負荷に対して強すぎないか確認する
顔色 蒼白、冷汗、表情変化を確認する
自覚症状 めまい、ふらつき、倦怠感を確認する
回復時間 休息後にバイタルや症状が戻るかを見る

特に、起立時や歩行開始後に血圧低下、めまい、冷汗、顔色不良がある場合は、循環反応が追いついていない可能性があります。

無理に運動を継続せず、休息、体位調整、再測定、多職種への共有を行います。

心拍出量低下を疑うときに注意したいサイン

心拍出量低下を直接判断することは難しいですが、臨床では注意したいサインがあります。

注意したいサイン
サイン 考えたいこと
急な血圧低下 循環血液量低下や心拍出量低下を考える
冷汗 循環不全や自律神経反応に注意する
顔面蒼白 末梢循環や脳血流低下を考える
意識状態の変化 脳への血流低下に注意する
強い息切れ 心肺負荷の増大を考える
回復が遅い 負荷量が過大な可能性を考える

これらのサインがある場合は、リハビリを一時中止し、バイタルを再確認します。

必要に応じて医師や看護師へ共有し、単独判断で負荷を上げないことが大切です。

心拍出量の仕組みを理解したあとは、血圧や呼吸、離床時の安全確認も合わせて整理しておくと、臨床で使いやすくなります。

循環、呼吸、体温、酸素化をつなげて考えると、リハビリ中のバイタル変化を理解しやすくなります。

まとめ:心拍出量はSVとHRで決まる

心拍出量とは、1分間に心臓が全身へ送り出す血液量です。

基本式は、心拍出量(CO)= 一回拍出量(SV) × 心拍数(HR)です。

心拍出量は、全身への酸素供給や血圧維持に大きく関係します。

リハビリ場面では、心拍出量そのものを直接測定することは少ないですが、血圧、脈拍、息切れ、めまい、冷汗、顔色、回復時間から循環状態を考えることが大切です。

心拍出量の仕組みを理解すると、運動負荷の調整や中止判断、医師・看護師への共有がしやすくなります。

よくある質問:心拍出量とは何ですか?

心拍出量とは、1分間に心臓が全身へ送り出す血液量です。英語ではcardiac outputといい、COと表記されます。

心拍出量の計算式は何ですか?

心拍出量は、CO=SV×HRで考えます。COは心拍出量、SVは一回拍出量、HRは心拍数を意味します。

心拍出量が低下するとどうなりますか?

心拍出量が低下すると、全身へ血液を送り出しにくくなります。血圧低下、めまい、冷汗、倦怠感、顔色不良、意識状態の変化などに注意が必要です。

心拍数が増えれば心拍出量も増えますか?

ある程度までは増えやすくなります。ただし、心拍数が高すぎると心臓が血液をためる時間が短くなり、一回拍出量が低下することがあります。

PTは心拍出量をどう臨床で考えればよいですか?

心拍出量を直接測定する場面は多くありません。血圧、脈拍、息切れ、めまい、冷汗、顔色、回復時間を組み合わせて、循環状態を推測することが大切です。

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