Katz Indexとは?6項目・評価方法・BI/FIMとの違い

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Katz Indexとは

Katz Index は、入浴・更衣・トイレ・移乗・排泄コントロール・食事の 6 項目で、基本 ADL の自立度を短時間で整理する評価指標です。この記事では、Katz Index の項目、使う場面、BI・FIM との違い、記録時の注意点を、臨床で使いやすい形にまとめます。

Katz Index は、細かな介助量を点数で追う尺度というより、まず「基本 ADL の全体像」をつかむための簡便な入口評価として使うと整理しやすくなります。ADL 評価全体の位置づけを先に確認したい方は、理学療法士の ADL 評価スケール|種類と使い分け【比較表】もあわせて確認すると流れがつかみやすくなります。

Katz Indexの6項目

Katz Index で確認するのは、基本 ADL に関わる 6 項目です。IADL や社会参加まで広げる尺度ではなく、生活に必要な基本動作の自立度を簡潔に把握するために使います。

療養病棟や高齢者評価では、「どの場面で手が必要か」を短時間で共有したい場面があります。そのようなとき、6 項目に絞って観察できる Katz Index は、初回評価や病棟内共有の入口として使いやすい指標です。

Katz Indexの位置づけと向く場面・向かない場面・併用先を整理した早見図
Katz Index は基本 ADL を短時間で把握する入口評価として使いやすい指標です。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

Katz Index の 6 項目と観察ポイント
項目 主にみること 観察のポイント 記録のコツ
入浴 浴室場面の自立 洗身、浴槽やシャワー場面での見守り・介助 浴槽跨ぎ、洗体、更衣前後の条件も残します。
更衣 衣服の着脱 上衣・下衣、順序、手間取り どの工程で介助が必要かを短く書きます。
トイレ トイレ動作全体 移動、立ち座り、後始末 便座移乗と後始末を分けて記録します。
移乗 ベッド・椅子間の移乗 立ち上がり、方向転換、着座 見守りか介助か、補助具の有無も添えます。
排泄コントロール 尿・便の管理 失禁の有無、パッド管理、対応頻度 頻度と対応条件をセットで残します。
食事 食事摂取の自立 配膳後の摂取、食具操作、見守り 配膳前準備と実際の摂取を混同しないようにします。

Katz Index記録シート

Katz Index は簡便な尺度だからこそ、評価条件や補足メモを残せる記録用紙があると使いやすくなります。6 項目を一度に見渡しながら、観察条件や申し送り内容も書き込みやすいように A4 1 枚で整理しています。

初回評価、病棟での状態共有、退院支援前の基本 ADL 確認などで使いやすい形式です。印刷して使いたい方は、以下から PDF を開けます。

向いている場面・向かない場面

Katz Index が向いているのは、基本 ADL の全体像を短時間でつかみたい場面です。高齢者の初期評価、病棟入棟時のざっくりした層別化、外来や在宅での簡便な状態把握では使いやすい尺度です。

一方で、細かな介助量の変化を数値で追いたい場面や、認知面・IADL まで含めて多職種で共有したい場面には向きにくいことがあります。介助量の粒度まで見たい場合は、Barthel Index と FIM の違い【比較・使い分け】もあわせて確認すると整理しやすくなります。

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Katz Index が向く場面と向きにくい場面
場面 向きやすさ 理由
高齢者の初期評価 向く 短時間で基本 ADL の概略をつかみやすいからです。
病棟でのざっくり層別化 向く 6 項目で生活上の自立度を共有しやすいからです。
介助量の細かな経時変化 向きにくい 小さな変化は BI や FIM のほうが追いやすいからです。
IADL や在宅生活の広がり評価 向きにくい 家事、買い物、服薬管理などは含まれないからです。
認知面まで含む共有 向きにくい 認知項目はなく、基本 ADL に限られるからです。

BI・FIMとの違い

Katz Index は基本 ADL の入口評価、BI は介助量の概略把握、FIM は運動面と認知面を含めた詳細な共有に向きます。役割を分けるなら、Katz は「まず全体像」、BI は「介助量の数値化」、FIM は「より細かな段階化」と整理できます。

Katz Index を BI や FIM の代わりとして使うと、細かな介助量や認知面の情報が不足しやすくなります。逆に、初回に短時間で基本 ADL の全体像を押さえたい場面では、Katz Index の簡便さが強みになります。

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Katz Index・BI・FIM の使い分け
指標 主にみるもの 強み 向く場面
Katz Index 基本 ADL の自立度 短時間で全体像をつかみやすい 高齢者の初期評価、簡便スクリーニング
BI 基本 ADL の介助量 数値化しやすく経時変化を追いやすい 病棟評価、介助量の共有、再評価
FIM 運動面と認知面を含む ADL 細かな段階差を共有しやすい 退院支援、多職種共有、詳細評価

評価時の注意点

Katz Index は簡便なぶん、観察条件をそろえないと解釈がぶれやすい尺度です。見守りをどう扱うか、補助具使用下をどう記録するか、普段の状態か最良場面かをチーム内でそろえておくことが大切です。

臨床では、同じ「自立」でも、実際には手すり使用、声かけあり、時間がかかる、夜間は介助が必要など、条件が異なることがあります。Katz Index の結果だけで判断せず、補足条件を短く添えると申し送りの精度が上がります。

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Katz Index を使うときの注意点
注意点 なぜ重要か 実務のコツ
条件をそろえる 見守りや補助具の扱いで判定がぶれやすい 観察条件を一言で記録に残します。
最良場面だけで見ない 普段の生活像とずれることがある 普段の状態に近い場面で判断します。
IADL を含めない 守備範囲を超えると解釈が混ざる 家事・買い物・服薬管理は別尺度で確認します。
細かな変化追跡に使いすぎない 小さな変化は拾いにくい 経時変化は BI や FIM と併用します。

よくある失敗

Katz Index でよくある失敗は、BI の簡易版として扱ってしまうことです。どちらも基本 ADL をみますが、Katz Index は入口評価、BI は介助量の概略を数値化する尺度として分けると、使い方がぶれにくくなります。

もう 1 つの失敗は、Katz Index の結果だけで在宅生活全体まで判断してしまうことです。Katz Index は基本 ADL の尺度であり、家事・買い物・服薬管理・金銭管理などの IADL は含みません。

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Katz Index でよくある失敗と回避策
失敗 なぜずれるか 回避策
BI の簡易版として使う 尺度の役割が混同する 入口スクリーニングと位置づけます。
IADL まで判断する 守備範囲を超えてしまう 在宅生活は別尺度と併用します。
条件を書かない 同じ結果でも解釈がずれる 見守り・補助具・介助条件を添えます。
細かな経時変化を追いすぎる 小さな差を拾いにくい 再評価は BI や FIM も使います。

記録例

Katz Index の記録では、結果だけでなく「どの条件で観察したか」を添えると共有しやすくなります。特に、見守り、補助具、声かけ、一部介助の有無は、次の担当者が同じ条件で再評価するために重要です。

記録例としては、「Katz Index:入浴は洗身一部介助、更衣は下衣で時間を要するが見守り、トイレは後始末に一部介助、移乗は手すり使用で見守り、排泄は尿失禁ありパッド管理介助、食事は配膳後自立」のように、項目ごとの条件を短く残すと伝わりやすくなります。

よくある質問

各項目名をタップまたはクリックすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

Katz Index は何をみる尺度ですか?

入浴、更衣、トイレ、移乗、排泄コントロール、食事の 6 項目を通して、基本 ADL の自立度をみる尺度です。短時間で全体像を押さえたい場面に向いています。

Katz Index と BI はどう違いますか?

Katz Index は基本 ADL の簡便スクリーニング、BI は介助量の概略を数値でそろえる尺度として使い分けると整理しやすくなります。

Katz Index だけで在宅生活まで評価できますか?

十分ではありません。Katz Index は基本 ADL の尺度であり、家事・買い物・服薬管理などの IADL は含みません。在宅生活までみる場合は、別の評価と併用します。

FIM があれば Katz Index は不要ですか?

不要とは限りません。FIM は詳細評価に向きますが、Katz Index は短時間で入口の全体像をつかむ用途で使いやすい尺度です。目的に応じて使い分けます。

次の一手

Katz Index で基本 ADL の全体像を押さえたら、次は ADL 評価全体の使い分けや、BI・FIM との違いを確認すると実務で迷いにくくなります。


参考文献

  1. Katz S, Ford AB, Moskowitz RW, Jackson BA, Jaffe MW. Studies of illness in the aged. The index of ADL. JAMA. 1963;185:914-919. PubMed
  2. Shah S, Vanclay F, Cooper B. Improving the sensitivity of the Barthel Index for stroke rehabilitation. J Clin Epidemiol. 1989;42(8):703-709. PubMed
  3. Shirley Ryan AbilityLab. Katz Index of Independence in Activities of Daily Living. 公式ページ

著者情報

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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