- LIFE 4-3-2 は「評価後の支援計画」を形にする様式です
- LIFE 4-3-2 とは|通所・居宅で使う栄養ケア計画書
- 4-3-1 と 4-3-2 の違い|評価票と計画書をどうつなぐか
- 4-3-2 を書く前に確認したいこと|医師の指示・意向・説明と同意
- 解決すべき課題(ニーズ)の書き方|4-3-1 の情報をそのまま貼らない
- 長期目標・短期目標の立て方|「食べる」を具体化するコツ
- 栄養ケアの具体的内容の書き方|担当者と頻度まで落とす
- 現場の詰まりどころ|課題は書けるのに計画が進まない理由
- LIFE 提出と見直しのタイミング|「作って終わり」にしない
- 4-3-2 を回しやすくする書く順番|最初から完璧を目指さない
- よくある質問
- 次の一手
- 参考文献
- 著者情報
LIFE 4-3-2 は「評価後の支援計画」を形にする様式です
教育体制や記録の型まで含めて整理したい方は、先に全体像をつかんでおくと迷いが減ります。
LIFE 4-3-2 は、通所・居宅で使う「栄養ケア計画書」です。4-3-1 で低栄養リスクや食事摂取量の変化を拾えても、その先の支援計画に落とせないと、現場では「評価しただけ」で止まりやすくなります。4-3-2 の役割は、評価結果をもとに、課題・目標・具体策・担当者・頻度までを 1 枚でつなぐことです。
この記事では、4-3-2 の見方と書き方を、通所・居宅の実務に沿って整理します。特に、課題欄に何を書くか、長期目標と短期目標をどう分けるか、具体策をどこまで落とすかで迷いやすい方に向けて、記入の順番がわかる形でまとめます。
LIFE 4-3-2 とは|通所・居宅で使う栄養ケア計画書
LIFE 4-3-2 は、通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護などで使う栄養ケア計画書です。役割は「今どうなっているか」を書くことではなく、「これから何をするか」を明確にすることにあります。
つまり、4-3-1 がスクリーニング・アセスメント・モニタリングの紙だとすれば、4-3-2 は支援計画の紙です。すでに公開している LIFE 4-3-1 の見方 とセットで考えると、評価から介入までの流れがつながりやすくなります。
4-3-1 と 4-3-2 の違い|評価票と計画書をどうつなぐか
4-3-1 と 4-3-2 が混ざると、計画書なのに所見だけが並んだり、逆に評価が曖昧なまま目標を書いてしまったりします。まずは「4-3-1 は状態整理」「4-3-2 は支援計画」と役割を分けるだけで、記録はかなり安定します。
特に通所・居宅では、毎回そろったデータがそろわないこともあります。そのため、4-3-1 の情報をそのまま写すのではなく、「今どこが問題で、次に何をするか」に翻訳して 4-3-2 に落とす視点が重要です。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 様式 | 主な役割 | 中心になる内容 | 次アクション |
|---|---|---|---|
| 4-3-1 | 評価・経過把握 | BMI、体重変化、食事摂取量、栄養補給法、褥瘡、食環境など | 課題を整理する |
| 4-3-2 | 支援計画 | 医師の指示、意向、課題、長期目標、短期目標、具体策、担当者、頻度 | 介入を回し、見直す |
4-3-2 を書く前に確認したいこと|医師の指示・意向・説明と同意
4-3-2 は、栄養ケアの中身だけを書く紙ではありません。実務で先に確認したいのは、医師の指示の有無、利用者・家族の意向、そして説明と同意です。ここが曖昧なまま計画を作ると、内容が妥当でも運用が止まりやすくなります。
たとえば「体重を増やしたい」という支援側の考えがあっても、本人は「量を増やすより食べやすさを優先したい」と感じていることがあります。4-3-2 は、そのずれを埋めてから計画に落とすための様式として使う方が、実際の介入につながりやすくなります。
解決すべき課題(ニーズ)の書き方|4-3-1 の情報をそのまま貼らない
4-3-2 の「解決すべき課題(ニーズ)」で多い失敗は、4-3-1 の所見をそのまま写してしまうことです。たとえば「食事摂取量 75 %以下」「BMI 低値」「体重減少あり」だけでは、評価結果の列挙にはなっても、支援課題としてはまだ弱いです。
課題欄では、事実を「支援が必要な状態」に変えて書くとまとまりやすくなります。つまり、「何が起きていて」「その結果どんな不利益があり」「何を支える必要があるか」までを 1 文で示すイメージです。
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| NG 例 | OK 例 | 読み替えのポイント |
|---|---|---|
| 食事摂取量低下 | 昼食摂取量が不安定で必要量を満たしにくく、体重減少につながっている | 単なる所見ではなく、支援が必要な状態にする |
| BMI 低値 | やせが持続しており、筋力低下と活動量低下を踏まえた栄養支援が必要である | 数値の意味を生活・機能へつなぐ |
| むせあり | 水分摂取でむせがあり、必要量の水分確保と安全な摂取方法の調整が必要である | 安全面と不足リスクを同時に書く |
長期目標・短期目標の立て方|「食べる」を具体化するコツ
4-3-2 では、長期目標と短期目標を分けて書けると計画が急に使いやすくなります。長期目標は「最終的にどうなりたいか」、短期目標は「そのために次の数週間〜数か月で何をそろえるか」です。どちらも「改善する」「維持する」だけで終わらせず、体重、摂取量、補食、食形態、介助量などに落とすことが大切です。
たとえば、長期目標を「3 か月後に体重減少を止める」とし、短期目標を「2 週間で昼食摂取率 8 割を安定させる」にすると、次の観察項目がはっきりします。目標は、評価を引き継げる言葉で書くほど、再評価と見直しがしやすくなります。
栄養ケアの具体的内容の書き方|担当者と頻度まで落とす
具体策で止まりやすい理由は、「何をするか」だけで終わってしまうからです。4-3-2 では、内容に加えて、誰が、どの頻度で、どの期間行うかまで見える形にすると、計画書として機能しやすくなります。ここが曖昧だと、多職種連携の場でも「結局だれが何をするのか」が残りやすくなります。
書き方のコツは、「食事内容の調整」「補食の導入」「食事環境の調整」「声かけや見守り」「家族への説明」などを、担当者とセットで書くことです。栄養補給だけでなく、食べやすさや継続しやすさまで含めて具体化すると、通所・居宅でも回しやすくなります。
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| 課題 | 短期目標 | 具体策 | 担当者・頻度 |
|---|---|---|---|
| 昼食摂取量が不安定で必要量を満たしにくい | 2 週間で昼食摂取率 8 割を安定させる | 主食量の調整、間食追加、食前の体調確認、食事姿勢の調整 | 管理栄養士・看護職・介護職/通所日ごと |
| 水分摂取が進まず脱水リスクが高い | 1 か月で日中の水分摂取パターンを固定する | 好みの飲料確認、摂取タイミングの固定、むせ時の形態調整 | 看護職・介護職/毎回確認 |
| 家族の食事準備負担が大きく継続が難しい | 2 週間で継続可能な食事支援方法を共有する | 献立の簡略化、補食候補の提案、家族への説明と記録共有 | 管理栄養士/月 1 回以上 |
現場の詰まりどころ|課題は書けるのに計画が進まない理由
4-3-2 で詰まりやすいのは、課題と目標が同じ文になってしまうことです。たとえば「食事摂取量低下」を課題に書き、「食事摂取量を改善する」を目標にすると、方向性は見えても、何をどこまで狙うのかが曖昧なまま残ります。ここでは、目標を「観察できる形」に言い換えるだけでも、かなり進めやすくなります。
もう 1 つ多いのは、具体策が抽象的すぎることです。「食事を工夫する」「声かけする」では、担当者が変わると再現しにくくなります。食事量、食事形態、補食、時間帯、食事姿勢、声かけの内容など、現場で引き継げる単位まで落とすと、計画書としての強さが出ます。
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| よくある失敗 | なぜ止まるか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 課題と目標が同じ | 再評価で達成可否を判定しにくい | 目標を期間つき・数値つきで書く |
| 具体策が抽象的 | 担当者ごとの差が大きくなる | 誰が・何を・どの頻度で行うかを書く |
| 本人意向が弱い | 計画と実際の生活がずれやすい | 好み、困りごと、優先順位を先に確認する |
LIFE 提出と見直しのタイミング|「作って終わり」にしない
4-3-2 は、作成した時点で終わる紙ではありません。通所・居宅の栄養アセスメント関連データは、少なくとも 3 か月に 1 回の提出運用が示されており、計画もその流れに合わせて見直せる形にしておくと回しやすくなります。特に状態変化が大きい時期は、3 か月を待たずに中間で見直した方が実務的です。
見直しでは、長期目標を毎回変えるより、短期目標と具体策の当たり外れを先に見る方がまとまりやすいです。つまり、「この利用者に何が効いたか」を積み上げる前提で書くと、4-3-2 は単なる提出書類ではなく、継続支援の土台になります。
4-3-2 を回しやすくする書く順番|最初から完璧を目指さない
書く順番に迷う場合は、① 4-3-1 で状態を確認する、② いちばん優先度の高い課題を 1 つ決める、③ 長期目標と短期目標を分ける、④ 具体策を担当者と頻度まで書く、⑤ 説明と同意をそろえる、の順が使いやすいです。最初から欄をすべて埋めようとすると、かえって全体がぼやけやすくなります。
特に初回は、課題を増やしすぎない方が実務に乗りやすいです。まずは「この 1 〜 2 項目を動かす」と決めて計画を作り、3 か月後の見直しで精度を上げる方が、現場では継続しやすいことが多いです。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
4-3-1 と 4-3-2 は何が違いますか?
4-3-1 は、低栄養リスクや食事摂取量、食環境などを整理する評価側の様式です。4-3-2 は、その情報をもとに課題、目標、具体策、担当者、頻度まで落とす計画側の様式です。評価と計画を分けて考えると、記録が安定します。
課題欄には検査結果や所見だけを書いてもよいですか?
所見だけだと「何に対して支援が必要か」が伝わりにくくなります。課題欄では、所見を支援課題へ言い換えて、「何が起きていて」「何を支える必要があるか」がわかる文にする方が使いやすいです。
長期目標と短期目標はどう分ければよいですか?
長期目標は最終的に目指す状態、短期目標はそこに向かう途中の具体的な到達点です。体重、摂取率、補食導入、食形態、介助量など、再評価しやすい項目で短期目標を置くと、計画の見直しがしやすくなります。
LIFE への提出や見直しはどのくらいの頻度で考えればよいですか?
栄養アセスメント関連データは少なくとも 3 か月に 1 回の提出運用が示されています。実務では、それに合わせて計画を見直しつつ、状態変化が大きい場合は中間での再確認も入れると回しやすくなります。
次の一手
4-3-2 は、単独で覚えるより「評価 → 計画 → 見直し」の流れでつなぐ方が実務に残ります。次は、評価の戻り先と関連テーマをあわせて整えておくと、チーム内共有がしやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 科学的介護情報システム(LIFE)について. 2024. 厚生労働省ページ
- 厚生労働省. 介護保険最新情報 Vol.1217. 令和 6 年 3 月 15 日. 別紙様式 4-3-2 栄養ケア計画書(通所・居宅)(様式例). PDF
- 厚生労働省. 介護保険最新情報 Vol.1225. 令和 6 年 3 月 15 日. 栄養アセスメント加算 Q&A. PDF
- 厚生労働省. 科学的介護情報システム(LIFE) 第 1 回説明会. 2024. PDF
- 厚生労働省. ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)の利活用. 2025. PDF
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

