ロコモ度テストのやり方と判定|立ち上がり・ 2 ステップ・ロコモ 25

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ロコモ度テストのやり方と判定|立ち上がり・ 2 ステップ・ロコモ 25 を 1 ページで運用

現場で迷う「順番」と「失敗判定」を先に固定して、測定と記録をラクにします。 PT の臨床力を体系化するロードマップを見る ※ 本記事は「ロコモ度テスト(立ち上がり/ 2 ステップ/ロコモ 25 )」を、外来・通所・測定会でも運用しやすい形にまとめた親記事です。

ロコモ度テストは、立ち上がりテスト/ 2 ステップテスト/ロコモ 25 の 3 本で「移動機能の低下の段階(ロコモ度 1〜 3 )」をみるスクリーニングです。判定はシンプルで、 3 つのうち最も進行している段階( 1 → 2 → 3 )を最終結果として採用します。

現場の詰まりどころは「手順のブレ」と「無効試行(失敗判定)の揺れ」です。本記事では、判定の閾値(しきい値)と無効・中止の考え方を先に固定してから、各テストを回せるように整理します。公式の判定方法は ロコモ ONLINE(ロコモ度判定方法) を参照できます。

現場 5 分フロー:受付から判定まで

結論:「安全確認 → 立ち上がり → 2 ステップ → ロコモ 25 → 判定(最重採用)」の順に固定すると、測定ブレと記録ミスが減ります。

集団測定では、身体機能テスト(立ち上がり/ 2 ステップ)を先に回し、最後にロコモ 25 を記入してもらうと導線が安定します。歩行や起立が不安定な方は、先にロコモ 25 で困りごとを把握してから機能テストに移るほうが安全です。

ロコモ度テスト:迷わない実施順(成人・臨床運用)
手順 目的 記録ポイント よくある失敗 対策(運用固定)
① 安全確認 転倒・疼痛増悪の予防 足元/補助具/痛み/めまい 床・靴条件がバラバラ 靴・床・介助位置を統一
② 立ち上がり 下肢筋力の目安 台高、片脚/両脚、立位保持 反動/上肢で押す 腕組み+反動なし+ 3 秒保持を徹底
③ 2 ステップ 歩行能力・バランス 最大 2 歩距離、身長、 2 ステップ値 2 歩目で止まれない 練習 1 回 → 本番 2 回、停止を確認
④ ロコモ 25 主観的困りごと 直近 1 か月、合計点、偏り 「今日の調子」で回答 「直近 1 か月の平均」で統一
⑤ 判定 段階づけ 3 テストの最重度 1 項目だけで決める 最重採用( 1→ 2→ 3 )で統一

ロコチェック(早期サイン)をどう使うか

結論:ロコチェックは「ロコモを疑う入口」です。外来や地域では、まずロコチェックで“引っかかり”を拾い、次にロコモ度テストで段階(ロコモ度 1〜 3 )を見にいくと流れが途切れません。

ロコチェックは「つまずきやすい」「階段で手すりが要る」「 15 分ほど続けて歩けない」「信号を渡りきれない」など、生活場面のサインを拾います。項目の正式版は ロコモ ONLINE(ロコチェック) を参照してください。

ロコチェックで拾ったら次に何をするか(臨床の型)
ロコチェックで多い訴え まず確認 次に回すテスト 記録の一言(例)
階段がつらい/手すりが要る 膝痛・股関節痛、起立の不安 立ち上がり 階段で手すり必須 → 立ち上がりで段階評価
歩くと疲れる/ 15 分続かない 息切れ、痛み、歩行のふらつき 2 ステップ 歩行持久が課題 → 2 ステップで歩行能力を確認
日常動作がつらい/外出が減った 活動制限の内容と頻度 ロコモ 25 生活の困りごとを 25 で定量化

ロコモ度の判定ルール(最重採用)と閾値まとめ

結論:判定は「各テストでロコモ度 1〜 3 のどこに該当するか」を出して、いちばん重い段階を最終結果として採用します。

臨床判断値として、ロコモ度 3 は 2020 年に追加され、社会生活に支障をきたしている段階の目安として整理されています(立ち上がり=両脚 30 cm 不可、 2 ステップ= 0.9 未満、ロコモ 25 = 24 点以上)。

ロコモ度判定:立ち上がり/ 2 ステップ/ロコモ 25 の臨床判断値(ロコモ ONLINE/日本整形外科学会)
段階 立ち上がり(目安) 2 ステップ値 ロコモ 25 合計 現場の次アクション
ロコモ度 1 片脚 40 cm が不可(いずれか) 1.3 未満 7 点以上 運動習慣化(頻度・継続の仕組みづくり)
ロコモ度 2 両脚 20 cm が不可 1.1 未満 16 点以上 負荷量調整+疼痛・疾患の評価を深掘り
ロコモ度 3 両脚 30 cm が不可 0.9 未満 24 点以上 生活に支障:医療的評価・治療連携も検討

立ち上がりテスト:手順・判定・観察ポイント

結論:立ち上がりテストは、腕を使わず(腕組み)反動をつけずに立ち上がり、立位を 3 秒保持できたかで判定します。ブレの主因は「反動」「足位置」「保持の甘さ」です。

再現性を上げるなら、開始姿勢(足位置)と声かけを固定し、反動や上肢支持が出た試行は無効として切り分けます。詳細手順と記録例は小記事にまとめました。

続けて読む:立ち上がりテストの完全版(条件固定/失敗判定/記録例) /locomo-stand-up-test/

立ち上がりテスト:成功/失敗(無効)を揃える早見
判定 観察ポイント 現場の一言メモ
成功 腕組み、反動なし、立位 3 秒保持 条件どおり実施、保持 OK
無効(失敗) 反動(バウンド)、上肢支持、保持できない 反動/上肢支持あり → 無効
中止 胸部症状、失神前駆、著明な疼痛増悪など 安全優先で中止

2 ステップテスト:手順・判定・観察ポイント

結論:最大 2 歩距離を測り、( 2 歩距離 ÷ 身長)= 2 ステップ値として記録します。ブレの原因は「 2 歩目で止まれない」ことです。

練習を 1 回だけ入れて「 2 歩目で止まる」感覚を共有し、本番は 2 回測って良い方を採用する運用がラクです。詳細手順と計算・記録は小記事にまとめました。

続けて読む: 2 ステップテストの完全版(計算/無効試行/記録テンプレ) /two-step-test-protocol/

2 ステップテスト:無効試行の扱いと安全の要点
状況 扱い 対策
2 歩目で停止できず、バランスが崩れる 無効試行 練習 1 回、介助位置を固定して再試行
踏み越し/支持喪失 無効試行 安全確保が難しければ中止
胸部症状・失神前駆・著明な疼痛 即時中止 安全優先、状態評価へ切替

ロコモ 25:採点・解釈のコツ(設問の丸写しはしない)

結論:ロコモ 25 は合計点で段階をみつつ、臨床では「点が高い領域の偏り」を 1 行で残すと介入が決まります。合計点だけだと次の一手が曖昧になりやすいです。

回答は「直近 1 か月の平均」で統一し、未回答を作らないことが重要です。採点や段階別の読み方は小記事にまとめました。

続けて読む:ロコモ 25 の採点と解釈(段階別の読み方) /locomo25-scoring-interpretation/

※ 公式のチェックシート(印刷用 PDF )は ロコモ ONLINE(ロコモ 25 ) から入手できます。

よくある失敗と対策:測定ブレを減らす

結論:ロコモ度テストは「条件の固定」がすべてです。チーム内で成功条件/無効条件/中止条件を揃えるだけで、結果の再現性が上がります。

測定会や外来では、担当者が変わる前提で「固定ルール」を短く残す運用が有効です。

測定ブレの主因と対策(現場の詰まりどころ)
詰まりどころ 起きやすい場面 原因 対策(固定ルール) 記録の一言
反動で立つ 立ち上がり 成功条件が曖昧 腕組み+反動なし+ 3 秒保持 反動あり → 無効
2 歩目で止まれない 2 ステップ 練習不足/介助位置が不安定 練習 1 回、左右に介助者 停止できず → 無効
回答の基準がバラバラ ロコモ 25 「今日」か「 1 か月」か混在 「直近 1 か月の平均」で統一 回答基準を説明して実施
判定が割れる 総合判定 採用ルールが不統一 最重採用( 1→ 2→ 3 ) 最重を最終結果に採用

ロコモ度 3 を疑うとき:受診相談・連携の目安

結論:ロコモ度 3 は、社会生活に支障が出ている段階の目安です。テストで該当した場合は、運動指導だけでなく疼痛・関節疾患・骨粗鬆症などの医学的評価も並行して検討します。

特に、急な疼痛増悪や夜間痛、転倒を繰り返す、短期間で歩行能力が落ちたなどがあれば、安全管理を優先して専門受診や主治医相談につなげます。

公式資料(外部)

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 3 つのテストで結果が分かれたら、総合判定はどうしますか?

A. 最も進行している段階(ロコモ度 3 → 2 → 1 )を採用します。記録は「どのテストが該当したか」まで残すと、再評価と介入方針がつながります。

Q2. 測定会で安全を担保するコツはありますか?

A. 立ち上がりは反動・上肢支持を無効として扱うルールを共有し、 2 ステップは左右に介助者を置ける配置にします。胸部症状や失神前駆、著明な疼痛増悪があれば即時中止です。

Q3. ロコモ 25 は「合計点」だけ見れば十分ですか?

A. 合計点は段階づけに有用ですが、臨床では「点が高い領域の偏り」を 1 行で残すほうが介入が決まります。再評価のときに“何が変わったか”が追いやすくなります。

おわりに

ロコモ度テストは「安全の確保 → 条件固定 → 3 テストの記録 → 最重採用 → 次アクション → 再評価」というリズムで回すと、外来でも測定会でもブレが減ります。面談準備チェックと職場評価シートは、/mynavi-medical/#download にまとめています。

参考文献

  • 公益社団法人 日本整形外科学会. 「臨床判断値」に「ロコモ度 3 」を追加( 2020 ). PDF
  • ロコモ ONLINE(日本整形外科学会). ロコモ度判定方法/ロコモ度テスト各種. https://locomo-joa.jp/check/judge
  • Seichi A, Hoshino Y, Doi T, et al. Development of a screening tool for risk of locomotive syndrome in the elderly: the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale. J Orthop Sci. 2012;17(2):163-172. doi:10.1007/s00776-011-0193-5PubMed
  • Ishibashi H. Locomotive syndrome in Japan. Osteoporos Sarcopenia. 2018;4(3):86-94. doi:10.1016/j.afos.2018.09.004

著者情報

rehabilikun(理学療法士) rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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