ロコモ度テストのやり方・判定|3つのテストとロコチェックの違い

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ロコモ度テストは3つの結果から最も進行した段階を採用する

ロコモ度テストは、立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25の3つで移動機能を確認し、該当したロコモ度のうち最も進行した段階を総合結果として採用します。一方、ロコチェックは、日常生活に現れる運動器の衰えに気づくための簡便なチェックであり、ロコモ度1〜3を判定するテストではありません。

この記事では、医療・介護職が迷いやすいロコチェックとの違い、ロコモ度1〜3の判定基準、3つのテストの基本的なやり方、結果が分かれた場合の記録方法を整理します。各テストの細かな実施条件や採点は子記事へ分け、このページではロコモ評価の全体像と総合判定を確認できます。

ロコチェックとロコモ度テストの違い

ロコチェックは運動器の衰えに気づくための入口、ロコモ度テストは移動機能低下の段階を確認する評価です。両者は目的が異なるため、ロコチェックの該当数だけでロコモ度1〜3を判定することはできません。

ロコチェックでは、7項目のうち1つでも当てはまれば「ロコモの心配がある」と考えます。移動機能の状態を詳しく確認するときは、立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25の結果からロコモ度を判定します。

ロコチェックとロコモ度テストの違い
比較項目 ロコチェック ロコモ度テスト
主な役割 運動器の衰えへの気づき 移動機能低下の段階判定
構成 7項目の自己チェック 立ち上がり、2ステップ、ロコモ25
結果の見方 1項目でも該当すればロコモの心配あり ロコモ度1〜3への該当を確認する
総合判定 段階判定は行わない 最も進行した段階を採用する
次の対応 運動や状態確認、必要時の受診相談 段階に応じた運動、再評価、受診相談
ロコチェックからロコモ度判定までの流れ。ロコチェックで運動器の衰えに気づき、3つのロコモ度テストを行い、最も進行した段階を総合判定に採用する。
ロコチェックは気づきの入口、ロコモ度テストは段階判定です。3つのテストのうち、最も移動機能低下が進行している段階を総合結果にします。

ロコチェックを先に行い、その後にロコモ度テストへ進む方法は、説明しやすい実務上の流れです。ただし、必ずこの順番で実施しなければならないわけではありません。目的や対象者の状態に合わせて選択してください。

ロコモ度1〜3の判定基準

ロコモ度は、3つのテストすべてが同じ段階になる必要はありません。1つでもロコモ度3に該当すれば総合結果はロコモ度3、ロコモ度3はなくても1つでもロコモ度2に該当すればロコモ度2と判定します。

どのテストもロコモ度1〜3に該当しない場合は、ロコモには該当しません。記録では総合結果だけでなく、どのテストが判定を決めたかも残します。

ロコモ度判定の早見表
段階 立ち上がりテスト 2ステップ値 ロコモ25 次の対応
ロコモ度1 どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる 1.1以上1.3未満 7点以上16点未満 運動の習慣化と、バランスのよい食事を意識する
ロコモ度2 両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台から立ち上がれる 0.9以上1.1未満 16点以上24点未満 痛みを伴う場合は整形外科専門医への受診を検討する
ロコモ度3 両脚で30cmの台から立ち上がれない 0.9未満 24点以上 整形外科専門医による診療を検討する
判定例

立ち上がりテストがロコモ度1、2ステップテストが非該当、ロコモ25がロコモ度2であれば、総合結果はロコモ度2です。一番よい結果や平均的な段階ではなく、最も進行した段階を採用します。

判定値の最新情報は、日本整形外科学会「ロコモ度判定方法」でも確認できます。

実施フロー|安全確認から総合判定まで

ロコモ度テストの実施順序は、公式に一律で固定されていません。以下は、外来・通所・測定会で説明と記録をそろえやすくするための当サイトの運用例です。

安全確認後に身体機能テストを行い、ロコモ25の結果を合わせて総合判定します。疼痛やふらつきがある場合は、先にロコモ25で生活上の困りごとを確認するなど、対象者の状態に合わせて順序を変更してください。

ロコモ度テストの実施フロー
手順 確認すること 記録すること
1. 安全確認 疼痛、めまい、ふらつき、靴、床面、補助具 実施条件と中止理由
2. 立ち上がりテスト 台高、両脚・片脚、反動、3秒保持 最も低い成功条件と失敗条件
3. 2ステップテスト 2歩距離、身長、着地時のバランス 2回の値、採用値、失敗理由
4. ロコモ25 直近1か月の状態、25項目への回答 合計点と目立つ困りごと
5. 総合判定 各テストのロコモ度 最も進行した段階と判定根拠

ロコモ度テスト・ロコチェック記録シートPDF

ロコチェック、3つのロコモ度テスト、総合判定、再評価メモをA4用紙1枚に記録できるシートです。測定条件と判定根拠を残すことで、担当者が変わった場合や再評価時にも比較しやすくなります。

本シートの「0」は、公式なロコモ度の名称ではなく、ロコモ度1〜3のいずれにも該当しないことを記録するための便宜上の表記です。また、「練習1回」は2ステップテストの停止方法を共有するための当サイトの運用例であり、公式手順として示されている測定回数は2回です。

ロコモ度テスト・ロコチェック記録シート(A4・1枚)
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立ち上がりテストのやり方と成功条件

立ち上がりテストでは、台の高さ、両脚・片脚、反動の有無、3秒間の立位保持を確認します。座面から身体が離れただけではなく、指定された条件で立ち上がり、姿勢を保持できたかまでが判定対象です。

  1. 40cmの台に、両腕を胸の前で組んで座る
  2. 両脚を肩幅程度に開き、反動をつけずに立ち上がる
  3. 立位を3秒間保持する
  4. 両脚40cmが可能であれば、片脚40cmへ進む
  5. 片脚40cmができない場合は、両脚30cmから低い台へ進む
立ち上がりテストでそろえる条件
確認項目 判定・対応 記録例
反動なし・3秒保持が可能 その条件で成功 片脚40cm、右成功・左失敗
反動や上肢支持を使用した 指定条件での成功とは扱わない 両脚20cm、反動あり
3秒保持できない その条件では成功としない 立ち上がり後にふらつき、保持不可
膝痛や転倒リスクが増大した 無理に継続せず中止する 右膝痛増悪により中止

2ステップテストのやり方と失敗試行

2ステップテストは、できるだけ大きく2歩進んだ距離を身長で割り、2ステップ値を算出する評価です。歩幅だけでなく、2歩目の着地後にバランスを保ち、両足をそろえられたかを確認します。

  1. スタートラインに両足のつま先を合わせる
  2. ジャンプせず、できるだけ大股で2歩進む
  3. 2歩目の後に両足をそろえて止まる
  4. スタートラインから着地点のつま先までを測る
  5. 2回実施し、良かった方の距離を採用する
  6. 2歩幅を身長で割り、2ステップ値を算出する

2ステップ値 = 2歩幅(cm)÷ 身長(cm)

2ステップテストでやり直す場面
状況 扱い 記録・対応
着地時にバランスを崩した 失敗としてやり直す ふらつきの方向と介助の有無を記録する
ジャンプや跳躍になった 採用しない 「跳ばずに2歩で歩く」と再説明する
2歩目で両足をそろえられない 終了条件を満たしていない 停止方法を再説明して再試行する
疼痛や転倒リスクが増大した 無理に継続せず中止する 症状と中止理由を記録する

ロコモ25の答え方と点数の見方

ロコモ25は、直近1か月の身体状態や生活状況を25項目で確認する質問票です。今日だけの体調ではなく、直近1か月の状態を振り返って、すべての項目へ回答します。

公式のロコモ度判定では合計点を使用します。実務では、合計点に加えて、どの質問で痛みや生活上の困難が強かったかを短く記録すると、追加評価や再評価の方向を決めやすくなります。

ロコモ25の点数と記録
合計点 ロコモ25による段階 記録で追加する内容
0〜6点 ロコモ25ではロコモ度1〜3に非該当 必要に応じて困りごとや経過を記録する
7〜15点 ロコモ度1 痛みや移動上の困りごと
16〜23点 ロコモ度2 生活への影響と追加評価の予定
24点以上 ロコモ度3 社会参加への影響や受診相談

公式の質問票は、ロコモONLINE「ロコモ25」から確認してください。設問文を独自に変更した用紙ではなく、公式版を使用します。

3つの結果が分かれたときの記録方法

3つの結果が異なる場合は、各テストの段階を残したうえで、最も進行した段階を総合結果として記録します。総合結果だけを記録すると、再評価時にどの機能が変化したのか分からなくなるためです。

ロコモ度テストの記録例
評価 結果例 記録する根拠
立ち上がりテスト ロコモ度1 左片脚40cm不可、両脚20cm可能
2ステップテスト 非該当 2ステップ値1.34
ロコモ25 ロコモ度2 合計18点
総合判定 ロコモ度2 3テストのうち最も進行した段階を採用

再評価では、総合判定だけでなく、立ち上がれた台の高さ、2ステップ値、ロコモ25合計点、疼痛、補助具、実施条件の違いを確認します。総合判定が同じでも、個別結果が改善または悪化している可能性があります。

ロコモ度テストでよくある判定ミス

判定ミスを防ぐには、ロコチェックとロコモ度テストを混同しないこと、各テストの実施条件をそろえること、最も進行した段階を採用することが重要です。

よくある判定ミスと修正方法
よくあるミス 問題点 修正方法
ロコチェックの該当数でロコモ度を決める ロコチェックには段階判定の役割がない ロコモ度テスト3種で判定する
3テストの平均的な段階を採用する 公式の総合判定と異なる 最も進行した段階を採用する
反動ありでも立ち上がり成功とする 指定された実施条件を満たしていない 反動なし・3秒保持を確認する
2ステップのふらついた試行を採用する バランスを崩した試行は失敗となる 安全を確認してやり直す
ロコモ25を今日の調子だけで回答する 評価期間が一致しない 直近1か月の状態で回答する
総合判定だけを記録する 変化したテストが分からない 3テストの結果と判定根拠を残す

中止や受診相談を考える場面

テスト中に疼痛やふらつきが増大し、安全に実施できない場合は、数値を出すことよりも中止を優先します。立ち上がりテストでは膝に痛みが起こりそうな場合に中止し、2ステップテストでは介助者のもと、滑りにくい床で、バランスを崩さない範囲で実施してください。

ロコモ度2で痛みを伴う場合は、運動器疾患を発症している可能性があるため、整形外科専門医への受診が勧められています。ロコモ度3では、運動器疾患の治療が必要となっている可能性があるため、整形外科専門医による診療が勧められています。

ロコモ度だけで病名や治療内容を決定することはできません。症状の変化や安全面に不安がある場合は、自己判断で運動を継続せず、医師や担当医療職へ相談してください。

公式資料(外部)

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップすると回答が開きます。

Q1. ロコチェックとロコモ度テストは同じものですか?

A. 同じものではありません。ロコチェックは7項目から運動器の衰えに気づくための簡便なチェックです。ロコモ度テストは、立ち上がり、2ステップ、ロコモ25の結果からロコモ度1〜3を判定します。

Q2. 3つのテストで結果が分かれた場合はどう判定しますか?

A. 該当した段階のうち、最も移動機能低下が進行している段階を採用します。平均的な段階や一番よい結果では判定しません。

Q3. 3つのテストはどの順番で実施しますか?

A. 公式に一律の実施順序が定められているわけではありません。安全確認後に身体機能テストを行い、ロコモ25を合わせると運用しやすいですが、疼痛やふらつきがある場合は順序を調整してください。

Q4. 2ステップテストは練習1回、本番2回が公式手順ですか?

A. 公式手順として示されているのは、2回実施して良い方を採用することです。練習1回は、課題の理解や停止方法を確認するための当サイトの運用例です。

Q5. 記録用紙はありますか?

A. はい。この記事内のロコモ度テスト・ロコチェック記録シートPDFから、A4用紙1枚の記録シートを開けます。

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参考文献

  1. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコモかどうかCheckしよう [Internet]. [cited 2026 Aug 3]. Available from: https://locomo-joa.jp/check
  2. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコチェック [Internet]. [cited 2026 Aug 3]. Available from: https://locomo-joa.jp/check/lococheck
  3. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコモ度テスト [Internet]. [cited 2026 Aug 3]. Available from: https://locomo-joa.jp/check/test
  4. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコモ度判定方法 [Internet]. [cited 2026 Aug 3]. Available from: https://locomo-joa.jp/check/judge
  5. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコモ25 [Internet]. [cited 2026 Aug 3]. Available from: https://locomo-joa.jp/check/test/locomo25
  6. 公益社団法人日本整形外科学会. ロコモ度を判定する「臨床判断値」に「ロコモ度3」を追加. 2020. PDF
  7. Seichi A, Hoshino Y, Doi T, et al. Development of a screening tool for risk of locomotive syndrome in the elderly: the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale. J Orthop Sci. 2012;17(2):163-172. doi:10.1007/s00776-011-0193-5PubMed
  8. Ishibashi H. Locomotive syndrome in Japan. Osteoporos Sarcopenia. 2018;4(3):86-94. doi:10.1016/j.afos.2018.09.004

著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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