内果はどこ?触診のコツと確認ポイント

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内果は足関節内側の起点として触れます

内果は、脛骨遠位端の内側にある触れやすい骨性ランドマークです。理学療法士の臨床では、足関節内側の位置関係を整理したいとき、内側足関節痛の部位を具体化したいとき、急性外傷で骨圧痛の位置を確認したいときの “ 入口 ” になります。まず内果を安定して触れるだけで、足関節内側の評価がかなり組み立てやすくなります。

大切なのは、内果を “ 触れたかどうか ” で終わらせないことです。どの体位で、どこから触って、何と比較したかまでそろえて初めて評価に使いやすくなります。骨性ランドマーク全体の位置づけは 理学療法士が押さえる骨性ランドマーク【部位別早見】 で全体像を確認できます。

評価の型を先にそろえたい方へ

「何からみるか」「どこで止めるか」を先に決めると、触診も測定も安定しやすくなります。

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内果とはどこ?まずは「脛骨遠位端の内側の突出」として押さえます

内果は、脛骨遠位端が足関節内側に張り出して触れる骨性突出です。足関節内側で最も触れやすい目印の 1 つで、骨折除外、内側足関節痛の整理、腫脹評価、下肢長測定の遠位基準として使いやすいのが特徴です。細かな解剖を一度に覚えるより、まずは “ 足関節内側で最初に触れる骨の目印 ” として理解すると実務で迷いにくくなります。

内果が重要なのは、急性足関節外傷で画像判断の入口になり、さらに ASIS 〜 内果の棘果長の終点としても使いやすいからです。すでに 足関節の整形外科テスト では、 Ottawa Ankle Rules の確認部位として内果後縁〜尖端の骨圧痛が整理され、ASIS の触診記事 では ASIS 〜 内果が測定区間として登場しています。つまり内果は、触診と測定をつなぐ “ 内側の基準点 ” として覚えるのが実用的です。

内果を押さえると何が楽になるか|骨折除外・測定・記録がつながります

内果を安定して触れると、急性外傷での骨圧痛確認、内側足関節痛の局在化、腫脹や浮腫の経時評価、棘果長の遠位基準の固定がしやすくなります。特に「内側が痛い」「どこを基準にみるか迷う」「内側の所見を具体的に書けない」といった場面で、観察の出発点として使いやすいです。

もう 1 つの利点は、記録が具体化することです。「足首の内側が痛い」では曖昧でも、「右内果後縁に骨圧痛」「内果後下方に圧痛」「内果周囲に腫脹あり」と残せると、再評価や申し送りがかなりしやすくなります。内果は “ 足関節内側の共通言語 ” として押さえると価値が上がります。

スマホでは表を横スクロールできます。

内果を使う場面の早見表
場面 内果をどう使うか 記録の例
急性足関節外傷 後縁〜尖端の骨圧痛を確認する 内果後縁に骨圧痛あり
内側足関節痛 圧痛や痛み部位の起点にする 内果後下方に圧痛あり
腫脹・浮腫 内果周囲の腫脹や周径条件を固定する 内果周囲腫脹あり、左右差あり
下肢長測定 棘果長の遠位終点にする ASIS 〜 内果を背臥位で測定

内果の触診のコツ|内側の突出を「広い面 → 後縁 → 尖端」で確認します

内果を触るときは、いきなり 1 点で当てようとしない方が安定します。まず足関節内側の広い面に触れ、そのあと後縁をたどり、最後に尖端を確かめると分かりやすくなります。 “ 点を探す ” より “ 広い面 → 後縁 → 尖端 ” の順で絞る感覚の方が、初学者には再現しやすいです。

また、急性期の内果周囲は腫脹や防御で触れにくくなりやすいです。痛みが強い場面では、いきなり最も痛い場所を押さず、少し離れた内側面から入り、最後に必要最小限の圧で後縁や尖端を確認する方が安全です。最初は軽い接触で輪郭をとらえた方が迷いにくくなります。

内果の触診ポイントを 3 ステップで示した図版
内果は体位を決め、後縁をたどり、最後に尖端と左右差を確認すると整理しやすくなります。

5 分で確認する内果触診フロー

順番を固定すると、内果の触診はかなり安定します。毎回ゼロから探すのではなく、同じ流れを繰り返すのがコツです。

  1. 体位を決める:まずは背臥位または座位で足関節内側を触れやすくします。
  2. 足関節内側の広い面に軽く触れる:腫脹や防御の有無を先に確認します。
  3. 後縁をたどる:内果の後方境界をたどって位置関係を作ります。
  4. 尖端を確認する:最後に内果尖端を軽く確かめます。
  5. 反対側と比較する:骨圧痛、腫脹、触れやすさを左右で見比べます。

内果はどの体位で触りやすい?背臥位で基準、座位で腫脹をみやすいです

内果を最初に練習するなら、背臥位が扱いやすいです。足関節の位置をそろえやすく、左右比較もしやすいため、触診の入口として安定します。腫脹や下垂の影響、荷重前後の変化をみたい場面では、座位や立位が分かりやすいこともあります。

臨床では、背臥位で位置を確認してから、必要に応じて座位や立位へ広げる流れがおすすめです。たとえば骨圧痛確認は背臥位、腫脹や下垂傾向は座位、荷重時痛は立位、というように “ 目的に応じて体位を変える ” と整理しやすくなります。最初から全部の体位で完璧を目指す必要はありません。

内果は何と一緒にみる?外果・舟状骨・ ASIS とつなげると実務で使いやすいです

内果単独でも内側基準として使えますが、実務では他の基準点と組み合わせると価値が上がります。代表は外果、舟状骨、 ASIS です。骨折除外の入口では外果とセット、足部痛まで広げるなら舟状骨、測定へつなげるなら ASIS 、というように相手を変えると役割がはっきりします。

特に急性足関節外傷では、内果後縁〜尖端の骨圧痛だけでなく、 4 歩荷重の可否や舟状骨・第 5 中足骨基部の圧痛も合わせてみる方が整理しやすくなります。最小セットの考え方は 足関節の整形外科テスト にまとめています。棘果長の条件固定は 形態測定(四肢長・周径)の測り方 と組み合わせると実務的です。

よくある失敗|内果の圧痛だけで捻挫か骨折かを決め打ちしないことが大切です

内果の触診でありがちな失敗は、 “ 内果が痛い=三角靱帯損傷 ” と早く結論づけてしまうことです。実際には、急性外傷では骨折、靱帯、腫脹、防御が重なりやすく、圧痛だけでは病態は絞り切れません。だからこそ、内果後縁〜尖端の骨圧痛は “ 仮説の入口 ” として扱い、 4 歩荷重や受傷機転、他部位の圧痛と組み合わせて考える方が安全です。

もう 1 つ多いのが、後下方圧痛と後縁圧痛を混同することです。後下方は腱・軟部組織周囲、後縁〜尖端は Ottawa 文脈の骨圧痛として意味が変わります。迷ったときは、強く押すより、後縁と周辺軟部組織を分けて触り直す方が成功しやすくなります。

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内果触診でよくある失敗と修正ポイント
よくある失敗 起こりやすいこと 修正ポイント
点だけを探す 毎回違う場所を触りやすい 内側面 → 後縁 → 尖端の順で確認する
強く押しすぎる 防御や不快感が出やすい 軽い接触で輪郭を取り、必要最小限の圧で確認する
後下方圧痛と後縁圧痛を混同する 骨折除外と軟部組織評価が混ざる 後縁〜尖端と後下方を分けて触る
体位が毎回違う 再評価で比較しにくい 背臥位か座位かを固定して記録に残す
内果だけで結論を急ぐ 骨折・捻挫・足部痛の整理が不十分になる 外果、荷重、舟状骨も合わせてみる

内果を臨床でどう使う?骨折除外と測定につなげます

内果は、 “ 触れて終わり ” より “ 次の評価へ渡す ” ときに価値が出ます。代表的なのは、①急性足関節外傷での骨折除外の入口、②内側足関節痛の局在化、③棘果長の遠位終点の固定です。この 3 つを押さえるだけでも、臨床での出番はかなり多くなります。

測定の評価では、内果そのものの圧痛だけでなく、棘果長の体位条件や回旋条件を固定すると再評価しやすくなります。足関節外傷の最小セットは 足関節の整形外科テスト、長さを数字で追うなら 形態測定(四肢長・周径)の測り方 とつなげると、内果の使い道がさらに具体化します。

記録のコツ|「どこをどう触ったか」を 1 行で残します

内果の記録では、単に「触知可」と書くより、体位、骨圧痛の部位、後縁か後下方か、腫脹の有無、次に何をみたかまで残す方が再評価に使えます。たとえば「背臥位で右内果後縁に骨圧痛あり、 4 歩荷重不可」「背臥位で ASIS 〜 内果を測定、左右差あり」のように、触診が次の行動につながる形で書くと実務向きです。

逆に、「内側が痛い」のような広すぎる表現だけでは、再評価や申し送りで使いにくくなります。内果は結論を断定するためではなく、足関節内側の入口を具体化するための言葉として使うと、記録の質が上がりやすくなります。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

内果はどこから触り始めると分かりやすいですか?

最初は足関節内側の広い面に軽く触れ、そこから後縁をたどって最後に尖端を確認すると分かりやすいです。いきなり 1 点を当てようとするより、広い面 → 後縁 → 尖端の順で探す方が安定します。

内果の圧痛があれば骨折と考えてよいですか?

圧痛は大切な所見ですが、それだけで決め打ちしない方が安全です。後縁〜尖端の骨圧痛、 4 歩荷重、受傷機転、他部位の圧痛を合わせて考えると整理しやすくなります。

内果後下方と後縁は何が違いますか?

内果後下方は腱・軟部組織周囲の圧痛としてみることが多く、後縁〜尖端は骨圧痛として骨折除外の文脈で意味を持ちやすいです。同じ “ 内果の近く ” でも、触る場所で解釈が変わります。

背臥位と座位ではどちらがよいですか?

最初の触診練習は背臥位がおすすめです。左右比較がしやすく、位置条件をそろえやすいからです。座位は腫脹や下垂の影響をみやすいため、目的に応じて使い分けます。

棘果長ではなぜ内果を使いますか?

ASIS 〜 内果は代表的な測定区間として使いやすく、骨盤前方と下肢遠位を結びやすいからです。ただし、骨盤位や股関節回旋で値がぶれやすいため、条件固定が前提です。

次の一手

まずは、背臥位で両内果を 10 回続けて同じ順番で触るところから始めてみてください。足部ランドマークの全体像に戻るなら 骨性ランドマーク親記事、急性足関節外傷の最小セットに広げるなら 足関節の整形外科テスト が次に読みやすいです。

ASIS からの測定まで広げたい場合は ASIS の触診記事、長さや条件固定を数字で整理したい場合は 形態測定(四肢長・周径)の測り方 に進むと、内果の使い道がさらに具体化します。


参考文献

  1. Stiell IG, McKnight RD, Greenberg GH, et al. Decision rules for the use of radiography in acute ankle injuries. Refinement and prospective validation. JAMA. 1993;269(9):1127-1132.
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  5. Nimana KVH, Sligl W, Salonen D, et al. Anatomical landmarks for ankle block. BMC Anesthesiol. 2023;23(1):289.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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