令和8年度診療報酬改定の疑義解釈その9まで|リハ職向け

制度・実務
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令和8年度診療報酬改定の疑義解釈はその9まで公開

令和8年度診療報酬改定の疑義解釈は、その9まで公表されています。リハ職が優先して確認したいのは、休日リハビリテーション加算、廃用症候群リハビリテーション料、リハビリテーション総合計画評価料、計画書の説明記録、摂食嚥下支援計画に関する問答です。この記事では、PT・OT・STとリハ管理者を対象に、疑義解釈その1〜9のうち実務に関係する項目と、院内で確認すべき対応を整理します。

すべての問答を網羅する記事ではありません。個別患者の算定可否を断定するのではなく、原文を確認する前に「自施設のどこに影響するか」「誰と確認するか」を判断できる状態を目指します。

改定全体の読む順番を先に確認したい方へ

疑義解釈だけでなく、告示・通知・施設基準を含む全体像は、令和8年改定リハ領域ハブで整理しています。本記事は、そのうち疑義解釈によって明確になった実務上の扱いに役割を絞っています。

令和8年度診療報酬改定の疑義解釈その1から9でリハ職が確認したい5項目
疑義解釈その1〜9のうち、休日リハの起算日、週108単位の週区分、総合計画評価料の初回判定、計画書の説明記録、摂食嚥下支援計画の説明者を整理しています。

最新状況はその9まで|その8にリハ職直結の追加あり

2026年7月時点では、厚生労働省の公式ページに疑義解釈資料その1〜9が掲載されています。

その8では、リハビリテーション実施計画書の説明日・説明者を計画書の写しに記載していない場合の記録先や、摂食嚥下支援計画書を説明できる職種が明確になりました。その9にはリハビリテーションを直接見出しとする問答は確認できませんが、今後も追加される可能性があるため、公式ページの更新確認は必要です。

疑義解釈その1〜9のうちリハ職が優先して確認したい更新
資料 リハ職が確認したい主な内容 院内での対応
その1 週108単位の週区分、休日リハ加算の起算日、廃用症候群リハ料、リハ総合計画評価料、摂食嚥下機能回復体制加算など 算定開始日、起算日、計画書の初回・2回目以降、STの兼務を確認します。
その2〜7 病棟運用、入退院支援、口腔・嚥下連携、多職種配置、情報共有、処遇改善など 自施設の届出項目に該当する問答を医事課・病棟管理者と確認します。
その8 リハ実施計画書の説明記録、摂食嚥下支援計画書の説明者など 説明日・説明者の記録場所と、説明を担当できる職種を院内ルールに反映します。
その9 リハビリテーションを直接見出しとする問答は確認されていません。 リハ部門の即時変更は急がず、自施設の届出項目に関係する別領域の問答を確認します。

更新確認日:2026年7月13日。疑義解釈は追加・訂正されるため、実際の算定や届出では厚生労働省の最新資料を確認してください。

疑義解釈は通知だけでは迷う事例を確認する資料

疑義解釈は、点数表や通知だけでは判断しにくい具体的な事例について、厚生労働省がQ&A形式で取扱いを示す資料です。

制度を確認するときは、次の順番で読むと混乱しにくくなります。

  1. 告示・点数表:点数や制度の大枠を確認する
  2. 通知・施設基準:対象、算定要件、届出、記録要件を確認する
  3. 疑義解釈:起算日、経過措置、兼務、説明者など迷いやすい事例を確認する

疑義解釈だけを切り取って読むと、前提となる通知や施設基準を見落とすことがあります。疑義解釈に記載された回答は、対応する告示・通知とセットで確認することが重要です。

リハ職が優先して確認したい5つの論点

リハ部門では、すべての問答を均等に読むのではなく、算定・計画書・勤務実績・多職種連携に関係する項目から確認します。

令和8年度診療報酬改定の疑義解釈でリハ職が優先する論点
論点 疑義解釈で示された主な扱い 現場で確認すること
週108単位 1週間は日曜日から土曜日までとして扱います。 勤務実績や単位集計の週区分が一致しているか確認します。
休日リハ加算 改定前から入院している患者も、本来の起算日に相当する日を起点として扱います。 6月1日を一律の起算日にしていないか確認します。
リハ総合計画評価料 転院後に自院で初めて算定する場合や、新たな発症・再発等で起算日が再設定された場合の初回・2回目以降の扱いが示されています。 患者単位ではなく、自院での算定歴や疾患・起算日の再設定を確認します。
計画書の説明記録 医師以外の職種が説明した場合、診療録以外の診療記録への記載でも差し支えないとされています。 説明日、説明者、保存場所を院内で統一します。
摂食嚥下支援計画 医師または医師の指示を受けた看護師、PT、OT、STによる説明が可能とされています。ただし、回復期リハ病棟入院料等を算定する患者で総合実施計画書の一部として作成した場合は扱いが異なります。 病棟区分と使用する計画書に応じて、説明者を分けます。

休日リハ加算は6月1日を一律の起算日にしない

休日リハビリテーション加算では、改定前から入院している患者についても、本来の起算日に相当する日付を起算日として扱います。

たとえば、2026年5月中に入院し、6月1日以降も入院を継続している患者について、6月1日を新しい起算日として数え直すわけではありません。改定前の日付を含めて起算日を確認し、6月1日以降に算定要件を満たす日に加算を判断します。

実際の現場では、制度開始日と患者ごとの起算日が混同されやすいため、対象患者一覧に次の項目を設けると確認しやすくなります。

  • 入院日
  • 発症日・手術日・急性増悪日
  • 加算の起算日に相当する日
  • 加算対象期間
  • 実際に休日リハを提供した日

リハ総合計画評価料は自院での算定歴と起算日を見る

リハビリテーション総合計画評価料の初回・2回目以降は、単純に「患者が過去に他院で算定したか」だけでは判断しません。

疑義解釈では、他院で同じ疾患について算定した後に転院し、自院で初めてリハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、自院では初回として扱うことが示されています。また、同じ疾患別リハ料であっても、新たな疾患の発症、再発、急性増悪などにより起算日が再設定され、改めて総合実施計画書を作成・評価した場合は初回として扱います。

一方、2026年5月31日以前に自院で評価料を算定し、6月1日以降に同じ区分を再度算定する場合は、2回目以降として扱います。

リハビリテーション総合計画評価料の判断早見
場面 基本的な扱い 確認材料
他院で算定後、自院へ転院 自院で初めての算定なら初回 自院における同一疾患の算定歴
再発・急性増悪で起算日を再設定 改めて計画書を作成・評価した場合は初回 新たな発症等の根拠、再設定した起算日
5月31日以前に自院で算定済み 6月以降の再算定は2回目以降 改定前を含む自院での算定履歴

計画書の説明日・説明者は記録場所を統一する

リハビリテーション実施計画書の写しに説明日と説明者の記載がない場合は、説明を担当した職種に応じて記録場所を整理します。

疑義解釈その8では、医師以外の職種が説明した場合、診療記録のうち診療録以外の部分へ記載しても差し支えないと示されています。つまり、電子カルテ上で「診療録」に分類されないリハ記録等に記載する運用も可能ですが、院内でどこを正式な記録場所とするかを決めておく必要があります。

記録例

2026年7月13日 リハビリテーション実施計画書について、現在の身体機能、活動目標、実施内容および見直し時期を患者本人へ説明し、写しを交付した。説明者:理学療法士 ○○。

計画書の写しに説明日・説明者を直接記載できる場合は、二重記録を増やす必要はありません。院内監査で確認できるように、次のいずれかへ統一することが重要です。

  • 計画書の説明欄
  • 医師の診療録
  • リハビリテーション記録
  • 計画書説明専用の電子カルテ項目

摂食嚥下支援計画は病棟区分で説明者を確認する

摂食嚥下支援計画書は、医師だけでなく、医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が説明することも可能です。

ただし、回復期リハビリテーション病棟入院料または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定している患者について、リハビリテーション総合実施計画書の一部として摂食嚥下支援計画書を作成した場合は、医師が説明して交付し、写しを診療録へ添付する必要があります。

摂食嚥下支援計画書の説明者を確認するポイント
計画書の作成場面 説明者 保存・確認
通常の摂食嚥下支援計画書 医師、または医師の指示を受けた看護師・PT・OT・ST 患者・家族等へ説明・交付し、写しを診療録等へ添付します。
対象病棟で総合実施計画書の一部として作成 医師 医師が説明・交付し、写しを診療録へ添付します。

STだけの問題として扱わず、病棟区分、計画書の様式、説明担当、交付方法まで医師・看護師・リハ職で共有する必要があります。

疑義解釈を読む範囲は、自施設が届け出ている入院料・加算から絞るのが効率的です。

リハビリテーションという語が見出しにない問答でも、次の領域はリハ部門へ影響する可能性があります。

  • 回復期・地域包括ケア・療養・精神科病棟の施設基準
  • 入退院支援と地域連携
  • 口腔・嚥下・栄養情報の共有
  • 作業療法士等の配置と勤務実績
  • 電子的な診療情報共有
  • ベースアップ評価料と対象職員

療養病棟では、医事課だけが疑義解釈を確認し、リハ部門への共有が遅れることがあります。算定担当者、リハ管理者、病棟師長で「該当する届出」「変更する記録」「担当者」「適用日」を1枚に整理すると、通知を読んだだけで運用が止まることを防げます。

疑義解釈を院内へ反映する5分フロー

疑義解釈は、該当項目を見つけた後に院内運用へ変換して初めて実務で使えます。

  1. 自施設の届出を確認する:対象となる入院料・加算・施設基準があるか確認します。
  2. 原文の問答を確認する:要約だけで判断せず、質問と回答を一続きで読みます。
  3. 現行運用との差を探す:起算日、説明者、記録場所、勤務実績に差がないか確認します。
  4. 担当部署を決める:医事課、診療情報管理、病棟、リハ、栄養、歯科連携などへ振り分けます。
  5. 適用日と記録方法を残す:いつから、誰が、どの様式を変更したかを記録します。
疑義解釈を院内へ反映する管理表の例
確認欄 記載例
該当資料 疑義解釈その8・該当する問答
影響する業務 リハ実施計画書の説明記録
現行との差 説明者は記載しているが説明日が未入力
変更内容 リハ記録に説明日・説明者・交付の有無を記載
確認責任者 リハ管理者、医事課
適用日 院内決定日から適用

疑義解釈の確認でよくある失敗

最も多い失敗は、資料を読んだだけで院内対応が完了したと思い込むことです。

疑義解釈を運用するときのよくある失敗と対策
失敗 問題 対策
最新版を確認しない その後の追加資料や訂正を見落とします。 厚生労働省の改定ページで資料番号と公開日を確認します。
要約記事だけで算定する 質問文の前提条件や例外を見落とします。 必ず原文の質問・回答と対応通知を確認します。
「リハ」の語がないため除外する 病棟配置、退院支援、口腔・栄養連携への影響を見落とします。 自施設の届出項目と関係職種から検索します。
記録場所を決めない 説明を実施していても、監査時に確認できません。 説明日・説明者・交付記録の保存場所を統一します。
リハ部門だけで判断する 施設基準やレセプト上の扱いと不整合が生じます。 医事課、病棟管理者、必要な多職種と確認します。

リハ部門の確認チェックリスト

まずは、次の項目だけでも医事課・病棟管理者と共有します。

  • 自施設で該当する入院料・加算・施設基準があるか
  • 休日リハ加算の起算日を正しく設定しているか
  • 週108単位を日曜日から土曜日で集計しているか
  • リハ総合計画評価料の初回・2回目以降を自院の算定歴から判断しているか
  • 再発・急性増悪時の起算日再設定と根拠が記録されているか
  • 計画書の説明日・説明者・交付の有無を確認できるか
  • 医師以外が説明した場合の記録場所が決まっているか
  • 摂食嚥下支援計画書の説明者が病棟区分と一致しているか
  • OT等の配置要件と勤務実績表が一致しているか
  • 疑義解釈の追加・訂正を確認する担当者が決まっているか

疑義解釈は施設ごとの届出状況や患者条件によって判断が変わります。判断に迷う場合は、院内の医事課・施設基準担当者で確認し、必要に応じて管轄の地方厚生局へ照会してください。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

令和8年度診療報酬改定の疑義解釈はどこまで公開されていますか?

2026年7月13日時点では、その9まで厚生労働省の公式ページに掲載されています。今後、追加資料や一部訂正が公表される可能性があるため、実際の算定時には最新版を確認してください。

リハ職が最初に読むべき疑義解釈はどれですか?

リハ職への直接的な影響が多いのは、その1とその8です。その1では休日リハ加算、廃用症候群リハ料、リハ総合計画評価料、摂食嚥下機能回復体制加算などが示され、その8では計画書の説明記録や摂食嚥下支援計画書の説明者が示されています。

計画書をPT・OT・STが説明した場合、どこへ記録しますか?

計画書の写しに説明日・説明者を記載する方法のほか、医師以外が説明した場合は、診療記録のうち診療録以外の部分へ記載しても差し支えないとされています。実際の保存場所は、院内で統一してください。

他院でリハ総合計画評価料を算定していた患者は自院でも2回目扱いですか?

必ずしも2回目扱いではありません。自院で同一疾患に対して初めてリハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、他院での算定の有無にかかわらず、自院では初回として扱います。

疑義解釈その9にリハ職が直ちに変更すべき内容はありますか?

その9には、リハビリテーションを直接見出しとする問答は確認されていません。ただし、自施設が届け出ている別領域の施設基準や訪問看護等に関係する場合があるため、管理者や医事課は該当項目を確認してください。

次の一手

疑義解釈は、資料を読むだけでなく、自施設の届出と照合し、起算日・計画書・説明記録・勤務実績のどこを変更するかまで決めることが重要です。まず全体像を確認し、その後に確定差分と院内初動を整理してください。


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 厚生労働省公式ページ. Accessed July 13, 2026.
  2. 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その1). 令和8年3月23日事務連絡. PDF.
  3. 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その7). 令和8年5月29日事務連絡. PDF.
  4. 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その8). 令和8年6月17日事務連絡. PDF.
  5. 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その9). 令和8年6月26日事務連絡. PDF.

著者情報

令和8年度診療報酬改定の記事を執筆するrehabilikunの著者アイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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