ベースアップ評価料は「提出書類」と「保存資料」を分けると整理しやすい
ベースアップ評価料の実務では、厚生局等へ提出する書類と、施設内で後から説明できるように残す資料を分けて管理することが重要です。この記事では、制度全体の解説ではなく、提出書類と保存資料の違い、保存しておきたい根拠資料、監査・確認時に詰まりやすいポイントを整理します。医療機関や介護・医療系施設で、ベースアップ評価料の届出後管理を担当する方向けです。
全体像から確認したい方は、ベースアップ評価料2026|届出・区分計算・報告の全体像もあわせて確認してください。
提出書類と保存資料の違い
提出書類は届出・計画・報告のために外部へ出す書類、保存資料は配分や運用の根拠を施設内で説明するために残す資料です。
現場では、「提出した書類が残っているから大丈夫」と考えがちですが、実際には提出控えだけでは説明が足りない場面があります。誰を対象に、どの金額を、どの根拠で配分したのかを追える状態にしておくことが大切です。

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| 区分 | 役割 | 具体例 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 提出書類 | 届出・計画・報告を行う | 届出様式、計画書、実績報告書、必要時の届出書など | 提出期限、提出先、控えの保存 |
| 保存資料 | 運用や配分の根拠を説明する | 配分表、計算根拠、労使合意資料、説明記録など | 後から同じ説明ができるか |
提出書類で確認したいもの
提出書類では、何を・いつ・どこへ提出するかを先に固定すると抜けを防ぎやすくなります。
ベースアップ評価料では、届出様式や報告書など、年度ごとに確認すべき書類があります。制度改定や様式更新があるため、過去ファイルを流用するだけでなく、必ず最新の案内ページで様式と提出時期を確認してください。
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| 確認項目 | 見る内容 | 実務のポイント |
|---|---|---|
| 提出対象 | どの様式が必要か | 施設区分に合う様式を確認する |
| 提出時期 | いつまでに出すか | 年度単位で期限を管理する |
| 提出先 | どこへ出すか | 管轄厚生局等の案内を確認する |
| 提出控え | 提出した証拠が残るか | 送信記録・受付控えも保存する |
保存資料で確認したいもの
保存資料では、後から配分や運用を説明できるかが重要です。
提出書類は外部に出すための書類ですが、保存資料は施設内で説明責任を果たすための資料です。療養病棟や中小規模の施設では、事務担当者、管理者、リハ職、看護部門で情報が分かれやすいため、保存場所と資料名を先に決めておくと引継ぎもしやすくなります。
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| 資料 | 役割 | 残したい理由 |
|---|---|---|
| 配分根拠資料 | 誰にいくら配分したかを説明する | 対象者・金額・配分理由を確認できる |
| 計算根拠 | 算定収入と賃金改善額を確認する | 報告書作成時に数字を追いやすい |
| 労使合意資料 | 説明・協議の経緯を残す | 職員説明の根拠になる |
| 説明記録 | 誰に、いつ、何を説明したかを残す | 後から運用経緯を確認しやすい |
| 提出控え | 提出済みであることを確認する | 監査・確認時に提示しやすい |
監査や確認で見られやすいポイント
監査や確認で詰まりやすいのは、提出書類はあるのに、配分根拠や説明経緯を示せないケースです。
たとえば、実績報告書の数字は残っていても、その金額をどの資料から集計したのか、対象職員をどう整理したのか、職員へどのように説明したのかが分からないと、説明が弱くなります。提出書類と保存資料を同じフォルダに入れるだけでなく、役割ごとに分けておくことが大切です。
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| 見られやすい点 | 不十分な例 | 整理方法 |
|---|---|---|
| 提出控え | 提出したファイルだけ残っている | 受付控え・送信記録も保存する |
| 配分根拠 | 誰にいくら配分したか追えない | 対象者別・職種別に一覧化する |
| 労使合意 | 説明した記録が残っていない | 説明日、対象者、資料名を残す |
| 年度管理 | 年度をまたいで資料が混ざる | 年度別フォルダで分ける |
現場で止まりやすい4つの詰まりどころ
現場では、提出した書類だけ残す、配分根拠が弱い、労使合意の記録が薄い、年度更新で資料が散らばるの4点で止まりやすいです。
特に担当者が交代したとき、「どのファイルが正式版か分からない」「計算根拠がメール内にしかない」「説明資料が個人フォルダに残っている」といった状態になると、確認作業に時間がかかります。
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| 詰まりどころ | なぜ危ないか | 先に決めること |
|---|---|---|
| 提出書類だけ残す | 運用根拠を説明できない | 保存資料リストを作る |
| 配分根拠が弱い | 金額の説明が曖昧になる | 対象者・金額・理由を一覧化する |
| 労使合意記録が弱い | 説明経緯が残らない | 説明日と配布資料を残す |
| 年度更新で散らばる | 監査時に探せない | 年度別フォルダで管理する |
5分でできる提出・保存フロー
迷ったときは、提出済みかどうかではなく、後から説明できるかを基準に確認します。
提出書類をそろえたあと、保存資料を追加で確認する流れにすると、実績報告や監査対応で慌てにくくなります。
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| 順番 | 確認すること | 判断基準 |
|---|---|---|
| 1 | 提出書類を確認する | 必要様式がそろっているか |
| 2 | 提出控えを保存する | 提出日・提出先・受付控えが残っているか |
| 3 | 配分根拠を確認する | 対象者と金額を説明できるか |
| 4 | 労使合意資料を確認する | 説明・協議の経緯を追えるか |
| 5 | 年度別にまとめる | 担当者が変わっても探せるか |
提出・保存の最終チェック
最後は、提出するものと残すものを分けて確認します。
提出書類だけでなく、配分根拠、計算根拠、労使合意資料、説明記録まで残せているかを見ると、後からの確認がかなりしやすくなります。
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| 確認項目 | できていればOK | 不足しやすい資料 |
|---|---|---|
| 提出書類 | 必要様式と提出控えが残っている | 受付控え、送信記録 |
| 配分根拠 | 対象者・金額・理由を説明できる | 職種別一覧、計算表 |
| 労使合意 | 説明・協議の経緯を確認できる | 説明資料、議事録、周知記録 |
| 年度管理 | 年度ごとに資料がまとまっている | 過年度ファイル、旧様式 |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
提出書類と保存資料は何が違いますか?
提出書類は、届出や報告のために厚生局等へ提出する正式書類です。保存資料は、配分や運用の根拠を後から説明するために施設側で残す資料です。
提出した資料だけ保存すればよいですか?
提出控えは必要ですが、それだけでは不十分な場合があります。配分根拠、計算根拠、労使合意資料、職員への説明記録なども残しておくと説明しやすくなります。
監査では何を見られやすいですか?
提出書類の有無だけでなく、どのように配分したか、どう説明・合意したか、数字の根拠を追えるかが確認されやすいです。
保存資料はどこまで残せばよいですか?
「後から同じ説明ができるか」を基準に残します。対象者、金額、配分理由、説明経緯、提出控えを追える状態にしておくと整理しやすいです。
年度更新時に注意することはありますか?
新しい提出書類だけ更新して、過年度の保存資料が散らばらないように注意します。年度別フォルダで提出書類と保存資料を分けて管理すると引継ぎしやすくなります。
次の一手
まずは、今年度分のフォルダを作り、提出書類と保存資料を分けて一覧化してください。
全体像を確認するなら、ベースアップ評価料2026|届出・区分計算・報告の全体像へ進むと整理しやすいです。必要書類を先に確認したい場合は、ベースアップ評価料の提出書類一覧【2026】も参考になります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
- 東海北陸厚生局. ベースアップ評価料の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/r06baseup.html
- 近畿厚生局. 様式94 特別事情届出書. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/r6-t94.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

