FIM 4点・3点・2点・1点の違い|介助量・本人実施割合の判定基準

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FIM 4点・3点・2点・1点は本人実施割合で分ける

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FIM全体の採点ルールから確認したい方へ

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FIMの運動項目で身体介助が必要な場合、基本となる境界は4点=本人実施75%以上、3点=50%以上75%未満、2点=25%以上50%未満、1点=25%未満です。4点は最小介助、3点は中等度介助、2点は最大介助、1点は全介助に相当します。

ただし、FIMは「動作を5工程に分けて4工程できたから80%」のように、独自に工程数を数えて採点する尺度ではありません。各項目で定められた評価範囲を確認し、その一連の動作の中で本人がどの程度を担っているかを判断します。

この記事では、身体介助量で迷いやすいセルフケア・移乗・移動・階段などの運動項目を中心に、4点・3点・2点・1点の境界、具体例、記録方法を整理します。排尿管理・排便管理などは個別の採点ルールがあるため、各項目の正式な基準を優先してください。

FIM 4点・3点・2点・1点の違いを本人実施割合75%・50%・25%の境界で整理した図版
運動FIM 4〜1点の基本的な境界。工程分解は採点法ではなく、介助内容を整理する補助として使います。

まず結論|FIM 4点・3点・2点・1点の違い

4〜1点で最も重要なのは、介助者が「何回手を出したか」ではなく、対象となる一連の動作を本人がどの程度実施したかです。身体介助が入ったら、まず75%・50%・25%の境界を確認します。

FIM運動項目 4点・3点・2点・1点の基本的な違い
点数 介助レベル 本人実施割合 臨床でのイメージ
4点 最小介助 75%以上 本人が大部分を行い、一部に軽い身体介助が必要
3点 中等度介助 50%以上75%未満 本人が半分以上を行うが、明らかな身体介助が必要
2点 最大介助 25%以上50%未満 本人の参加はあるが、介助者が動作の多くを担う
1点 全介助 25%未満 本人の実施がわずかで、介助者による代行が中心

ポイント:「少し支えたから4点」「かなり大変だったから2点」という印象だけでは決めません。身体介助の有無を確認したうえで、本人が対象動作をどの程度担っているかに戻ります。

5点と4点の境界は「身体介助が入ったか」

4〜1点を考える前に、まず身体介助が本当に必要だったかを確認します。監視、声かけ、促し、準備だけで実施でき、動作そのものへの身体介助がなければ、4点以下ではなく5点以上を検討します。

一方、転倒を防ぐために身体へ触れて安定させる、方向転換で身体を支える、立ち上がりを手で補助するなど、動作遂行のための身体介助が実際に入れば4点以下を検討します。

FIM 5点と4点を分ける基本的な考え方
状況 考え方 検討する点数
声かけ・促しのみ 身体介助なし 5点以上
監視・見守りのみ 身体介助なし 5点以上
準備を介助者が行う 項目の定義上、準備介助として扱う 5点を検討
身体へ触れて安定させる 身体介助あり 4点以下を検討
身体の一部を持ち上げる・支える 明確な身体介助あり 本人実施割合から4〜1点を判断

5点との境界を詳しく確認したい場合は、FIM 5点(監視・準備・促し)の判定基準で整理しています。

4点・3点・2点・1点の境界を順番に確認する

身体介助があると確認できたら、75%、50%、25%の順に境界を見ます。迷う場合は「4点か3点か」「3点か2点か」「2点か1点か」の隣り合う2段階で比較すると判断しやすくなります。

4点|最小介助:本人が75%以上を実施

4点は、本人が対象動作の75%以上を実施している最小介助です。本人が動作の大部分を担えているものの、一部で身体介助が必要な状態と考えます。

移乗で軽く身体を支える、更衣の一部を介助するなど、介助が限定的で本人主導の動作であれば4点を検討します。ただし、身体に触れた時間が短いことだけで4点と決めるのではなく、対象動作全体への介助量を確認します。

3点|中等度介助:本人が50%以上75%未満を実施

3点は、本人が50%以上75%未満を実施する中等度介助です。本人が動作の半分以上を担っていますが、4点よりも明確な身体介助を必要とします。

移乗で本人が立ち上がりや方向転換に参加しているものの、介助者が身体の一部を支え続ける場面などでは、本人実施割合が75%以上か未満かを考えます。

2点|最大介助:本人が25%以上50%未満を実施

2点は、本人が25%以上50%未満を実施する最大介助です。本人の参加は明確にあるものの、動作全体では介助者が担う部分のほうが多い状態です。

「本人が動いているから3点」と考えるのではなく、本人が一連の動作の半分以上を実施できているかを確認します。50%に届かなければ2点を検討します。

1点|全介助:本人実施が25%未満

1点は、本人が対象動作を実施する割合が25%未満の全介助です。本人の参加が全くない場合だけでなく、わずかに参加していても25%未満であれば1点を検討します。

そのため、「1人介助だから2点」「本人が少し動いたから2点」とは限りません。介助者の人数だけではなく、本人が実際に対象動作をどの程度担ったかを確認することが基本です。

本人実施割合は「工程数」を単純に数えて求めない

FIM 4〜1点で特に注意したいのが、独自に動作を4〜6工程へ分け、できた工程数÷全工程数で点数を決める方法です。これはFIM全体に共通する正式な採点方法ではありません。

たとえば食事を「食物を集める・口へ運ぶ・咀嚼・嚥下」の4工程に分け、それぞれ25%として機械的に計算するとは限りません。食事は対象となる一連の行為の中で、実際の介助量がどの程度かを評価します。

一方で、洗体などのように採点対象となる身体部位が定められている項目もあります。つまり、本人実施割合の求め方は項目の定義によって異なるため、その項目の正式な評価範囲を確認する必要があります。

工程分解は何に使う?

工程分解そのものを採点式にはせず、「どこで身体介助が入ったか」「前回より何が自立したか」を整理・記録する補助として使うと有用です。

1点は「2人介助だから一律」とは限らない

1点の基本は、本人実施が25%未満であることです。ただし、FIMには項目ごとの個別ルールがあり、特に移乗・移動・階段では介助人数や機械的な介助方法が採点に影響する場合があります。

たとえば、2人の介助者を必要とする、ホイストなどの機械的介助を使って移動する、といった状況では1点として扱うルールがあります。一方で、「2人介助=すべての運動項目で自動的に1点」という意味ではありません。

逆に、介助者が1人であっても、本人が対象動作をほとんど担えず25%未満しか実施していなければ、原則として1点を検討します。人数ではなく、本人実施割合と各項目の個別ルールの両方を見ることが重要です。

安全上の注意:2点や1点を判定するために、危険な介助方法をあえて再現する必要はありません。実際に行われている介助方法と施設の安全基準を前提に採点し、必要に応じて正式なFIMマニュアルや施設内ルールを確認してください。

移乗・更衣・トイレ動作の例で考える

実際の採点では、まず対象となる項目の評価範囲を確認し、その中で本人がどこまで実施しているかを見ます。以下は4〜1点の違いを理解するための簡略化した例です。

FIM 4〜1点を考えるための臨床例
動作 状況例 検討する点数 考え方
移乗 本人主導で移乗できるが、方向転換時に軽く身体を支える 4点 身体介助はあるが、本人が大部分を実施
移乗 本人も立ち上がり・方向転換に参加するが、身体を継続して支える必要がある 3点を検討 本人が半分以上を担うが、介助量が4点より大きい
更衣 本人の参加はあるが、衣服操作の多くを介助者が担う 2点を検討 本人実施が25〜49%程度かを確認
移乗 本人の参加がわずかで、介助者による代行が中心 1点を検討 本人実施が25%未満かを確認

同じ「移乗で介助あり」でも、軽く触れるだけの4点と、本人が半分程度しか担えない3点、介助者が大部分を担う2点では意味が異なります。介助の有無だけでなく、本人主導か、介助者主導かまで記録すると境界が見えやすくなります。

項目ごとの評価範囲を先に確認する

75%・50%・25%という数字だけを覚えても、評価範囲そのものを間違えると採点はずれます。FIMでは、食事、更衣、トイレ動作、移乗、移動など、それぞれ採点対象となる動作が定められています。

本人実施割合を考える前に確認したいこと
確認事項 理由
どこからどこまでが採点対象か 対象外の動作を介助量へ含めると点数がずれる
準備介助か身体介助か 5点と4点の境界に影響する
一連の動作全体でどの程度介助したか 4〜1点の本人実施割合を考える基本になる
項目固有の特殊ルールがないか 移乗・移動・階段、排泄管理などは単純な割合だけでは決められない場合がある

特に「工程を何個できたか」だけで採点すると、本来の評価範囲や各動作の比重を見落とす可能性があります。迷ったときは、割合を計算する前にそのFIM項目で何を採点するのかへ戻ることが重要です。

記録は「点数+介助場面+介助量」で残す

FIMは点数だけを記録すると、再評価時に「なぜ4点だったのか」「3点から何が変わったのか」が分かりにくくなります。おすすめは、点数+介助が入った場面+介助量を短く残す方法です。

FIM 4〜1点の記録例
点数 記録例
4点 ベッド・車椅子移乗 4点:方向転換時のみ軽く身体を支持、その他は本人実施
3点 ベッド・車椅子移乗 3点:立ち上がりから方向転換で身体支持を要するが、本人が動作の半分以上を実施
2点 更衣 2点:本人参加あり、衣服操作は介助者が主に実施
1点 移乗 1点:本人参加はわずかで、介助者による移乗介助が中心

工程分解を使う場合も、「5工程中3工程できたから3点」と採点するのではなく、「起立で身体介助」「方向転換で介助増加」など、点数の根拠を共有するための記録として使います。

FIM 4〜1点でよくある採点ミス

4〜1点では、介助量の印象や介助者数だけで判断すると点数がぶれやすくなります。特に次の5つは注意が必要です。

FIM 4〜1点で起こりやすい誤りと修正
よくある誤り 修正する考え方
危なそうだから4点にする 監視だけか、実際に身体介助が入ったかを分ける
短時間しか触っていないから4点 時間ではなく、対象動作全体への介助量を見る
5工程中4工程できたので4点 独自の工程数ではなく、その項目の正式な評価範囲で判断する
1人介助だから最低でも2点 本人実施が25%未満なら1点を検討する
2人介助なら全項目で自動的に1点 本人実施割合と項目固有のルールを確認する

迷ったときは4ステップで判定する

運動FIM 4〜1点で迷ったら、次の順序へ戻ると整理しやすくなります。

  1. 採点対象となる動作範囲を確認する
  2. 身体介助があるか確認する:なければ5点以上を検討
  3. 本人実施割合を見る:75%・50%・25%の境界で4〜1点を検討
  4. 項目固有のルールを確認する:介助人数、機器、距離、回数などの条件がないか確認

覚え方:身体介助が入ったら「75 → 50 → 25」の境界を確認。ただし、数字だけで決めず、必ず各FIM項目の評価範囲と個別ルールへ戻ります。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。

FIM 4点と3点の違いは何ですか?

本人実施割合75%が基本的な境界です。本人が75%以上を実施する最小介助なら4点、50%以上75%未満を実施する中等度介助なら3点を検討します。実際には各項目の評価範囲を確認したうえで介助量を判断します。

FIM 3点と2点の違いは何ですか?

本人が動作の半分以上を担えているかが境界です。50%以上75%未満なら3点、25%以上50%未満なら2点を検討します。本人が参加していることだけで3点にせず、一連の対象動作のうちどの程度を本人が実施しているかを確認します。

FIM 2点と1点の違いは何ですか?

本人実施25%が基本的な境界です。25%以上50%未満なら2点、25%未満なら1点を検討します。本人が少し参加していても、実施割合が25%未満であれば1点になる可能性があります。

2人介助なら必ずFIM 1点ですか?

すべての運動項目で単純に「2人介助=1点」と考えるわけではありません。移乗・移動・階段などでは介助人数や機械的介助に関する個別ルールがあります。本人実施割合と、その項目の正式な採点基準を合わせて確認します。

工程を5つに分けて、できた数から点数を計算してもよいですか?

FIM全項目に共通する正式な採点方法ではありません。各項目で定められた評価範囲に沿って、一連の動作全体への介助量を判断します。工程分解は、介助が入った場面や経時変化を整理・記録する補助として使うのがおすすめです。

時間がかかる場合は4点以下になりますか?

時間がかかることだけでは4点以下になりません。4点以下は身体介助が必要な点数帯です。身体介助がない場合は、補助具の使用、通常以上の時間、安全性、監視・準備などを確認し、5点・6点・7点のどこに該当するかを検討します。

次の一手

4〜1点との境界を整理したら、身体介助がなくなった後の点数も続けて確認しておくと、FIMの段階変化を追いやすくなります。

  • 補助具・時間・安全性が必要な修正自立を確認する:FIM 6点(修正自立)の判定基準
  • 再評価では、点数だけでなく「身体介助が入った場面」と「介助量」も同じ条件で記録する

参考文献

  • Keith RA, Granger CV, Hamilton BB, Sherwin FS. The functional independence measure: a new tool for rehabilitation. Adv Clin Rehabil. 1987;1:6-18. PMID:3503663. PubMed
  • Shirley Ryan AbilityLab. Functional Independence Measure. RehabMeasures Database. Web
  • Australasian Rehabilitation Outcomes Centre. Frequently asked questions: FIM and WeeFIM. University of Wollongong. Web
  • 川崎医科大学リハビリテーション医学教室. FIM講習会 in 倉敷:質問と回答. Web

注:本記事はFIMの理解を補助するため、介助量の境界を要約したものです。FIMには項目ごとの採点定義や特殊ルールがあります。実際の正式な採点・運用では、最新のFIMマニュアル、正規の研修内容、所属施設の運用基準を確認してください。

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun blog を2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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