休日リハ加算は「対象・休日・起算日・記録」の順で確認すると迷いにくくなります
結論からいうと、休日リハ加算は「休日にリハを実施した」だけで判断せず、対象患者、休日扱いの日付、加算の起算日、当日記録の 4 点を同じ順番で確認すると実務で迷いにくくなります。
対象は、令和 8 年度診療報酬改定に対応する PT / OT / ST、病棟管理者、医事担当者です。この記事では、休日リハ加算を算定対象としてよいか、休日当日にどこまで確認し、翌平日に何を申し送るかを整理します。早期リハ加算全体の制度整理や 3 日以内介入の実装手順は別記事で扱います。
最終更新:2026-05-05(令和 8 年度診療報酬改定の公式資料・疑義解釈その 1・その 2 を確認)
このページで答えること
このページで答えるのは、休日リハ加算を「今日の患者に付けられる可能性があるか」を判断するための実務手順です。対象患者、休日の定義、起算日から 30 日目までの見方、記録、翌平日への申し送りに絞ります。
一方で、早期リハ加算の 14 日上限、急性期リハビリテーション加算の対象患者、初期加算との制度全体の比較は深掘りしません。休日リハ加算だけを切り出すことで、土日祝や年末年始の現場で使いやすい確認ページにします。
休日リハ加算の 5 分フロー
休日リハ加算は、最初から点数や併算定だけを見るより、実施前から記録までの順番を固定した方が安定します。まずは「対象 → 休日 → 起算日 → 実施 → 記録」の 5 段階で確認します。
特に休日当日は、医事確認や主治医確認が平日より遅れやすくなります。迷ったケースを後回しにするのではなく、確認できた項目と翌平日に確認する項目を分けて残すことが重要です。
| 順番 | 見ること | 判断の要点 | 残す内容 |
|---|---|---|---|
| 1. 対象 | 疾患別リハの区分 | 対象患者に当たるかを先に確認します。 | 疾患別リハ区分、対象根拠 |
| 2. 休日 | 土曜、日曜、祝日、年末年始 | 勤務表ではなく、算定上の休日定義で見ます。 | 休日区分 |
| 3. 起算日 | 発症、手術、急性増悪、治療開始日など | 本日が起算日から 30 日目までかを確認します。 | 起算根拠、本日の日数 |
| 4. 実施 | 当日のリハ内容 | 単位数だけでなく、介入の要点を残します。 | 単位数、訓練内容、反応 |
| 5. 記録 | 当日記録と申し送り | 翌平日に再確認しやすい形にします。 | 継続可否、注意点、未確認事項 |
休日リハ加算チェックシート PDF
休日当日に「対象患者か」「休日扱いか」「起算日から 30 日以内か」「記録と申し送りを残せるか」を確認できる A4 1 枚のチェックシートです。印刷して、休日リハ実施前後の確認欄として使えます。
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対象患者と起算日は疾患別リハごとに分けて確認します
休日リハ加算は、すべての休日リハに一律で付く加算ではありません。まず、各疾患別リハビリテーション料の対象患者に当たるかを確認し、そのうえで疾患別リハごとの起算日から 30 日目までかを見ます。
実務上は、休日当日に起算日を探すと時間がかかります。入院日、発症日、手術日、急性増悪日、治療開始日のどれを根拠にしているかを、平日のうちに一覧化しておくと算定漏れと誤認を減らせます。
| 疾患別リハ | 主な対象 | 休日リハ加算の起算日 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 心大血管疾患リハ | 入院中の患者 | 発症、手術若しくは急性増悪から 7 日目又は治療開始日のいずれか早いもの | 治療開始日と発症等のどちらで見るかを、診療録で確認します。 |
| 呼吸器リハ | 入院中の患者 | 発症、手術若しくは急性増悪から 7 日目又は治療開始日のいずれか早いもの | 肺炎や術後呼吸管理など、治療開始日の根拠が分かる記録を見ます。 |
| 脳血管疾患等リハ | 入院中の患者、または一定の退院後患者 | 発症、手術又は急性増悪 | 退院後患者を含む場合は、地域連携診療計画加算などの条件も確認します。 |
| 廃用症候群リハ | 入院中の患者 | 発症、手術若しくは急性増悪又は廃用症候群の急性増悪 | 廃用症候群の急性増悪を根拠にする場合は、評価日と状態変化をセットで残します。 |
| 運動器リハ | 入院中の患者、または一定の退院後患者 | 発症、手術又は急性増悪 | 大腿骨頸部骨折など退院後患者を含む場合は、対象条件を院内で共有します。 |
休日扱いは土曜・日曜・祝日・年末年始まで含めて確認します
休日リハ加算で現場が迷いやすいのは、「土曜を含むか」「年末年始をどう扱うか」です。算定上の休日は、勤務表上の休みではなく、通知上の休日定義に沿って確認します。
土日祝に加え、1 月 2 日・3 日、12 月 29 日・30 日・31 日も同じ表に入れておくと、年末年始の確認漏れを防ぎやすくなります。
| 日付区分 | 休日扱い | 迷いやすい点 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 土曜日 | 含みます | 日曜・祝日だけと誤認しやすいです。 | 土曜実施分も対象確認に入れます。 |
| 日曜日 | 含みます | 記録上の休日区分が抜けやすいです。 | 実施記録に「日曜実施」と残します。 |
| 祝日 | 含みます | 振替休日や連休で確認がずれやすいです。 | 院内カレンダーと算定ルールを一致させます。 |
| 1 月 2 日・3 日 | 含みます | 通常の祝日一覧だけでは見落とします。 | 年始枠として別表示にします。 |
| 12 月 29 日〜31 日 | 含みます | 曜日により判断がぶれやすいです。 | 年末枠として部署掲示や台帳に入れます。 |
30 日目までかは「起算根拠」とセットで見ます
休日リハ加算は、加算の起算日から 30 日目までが判断の軸です。ただし、実務で重要なのは「何日目か」だけでなく、「何を起算根拠にしているか」です。
休日実施日に日数だけを数えても、発症日、手術日、急性増悪日、治療開始日の根拠が曖昧だと、レセ前に再確認が必要になります。記録では、日数と起算根拠を必ずセットにします。
| 確認項目 | 見る場所 | 残す表現 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 起算根拠 | 診療録、手術記録、主治医記載 | 発症日基準、手術日基準、急性増悪日基準など | 根拠日が複数ある場合は、院内で確認して統一します。 |
| 本日の日数 | 台帳、電子カルテ、リハ処方 | 本日 12 日目、本日 28 日目など | 30 日目までかを実施前に見ます。 |
| 6 月 1 日またぎ | 入院日、起算日、改定後の実施日 | 起算日が 5 月以前、6 月 1 日以降に要件確認 | 改定前入院だから対象外と決めつけないようにします。 |
| 未確認事項 | 休日当日の申し送り欄 | 月曜に医事確認、主治医記載確認など | 不明点を空欄にせず、未確認として残します。 |
併算定と週 108 単位は別枠で確認します
休日リハ加算は、要件を満たす場合、早期リハビリテーション加算、急性期リハビリテーション加算、初期加算と併算定できる整理です。ただし、「併算定できること」と「休日実施分の記録がそろっていること」は分けて確認します。
また、令和 8 年度改定では、週当たりの療法士の上限単位数 108 単位についても確認が必要です。週の単位は日曜日から土曜日までと整理されているため、休日実施が増える部署では、算定可否だけでなく勤務・単位管理も同時に見ます。
| 論点 | 確認すること | 実務での見方 |
|---|---|---|
| 早期リハ加算 | 入院日からの期間、算定要件 | 休日リハ加算とは別に、早期リハ加算の要件を確認します。 |
| 急性期リハ加算 | 対象患者、日毎の根拠 | 対象要件が別にあるため、休日実施だけで判断しません。 |
| 初期加算 | 治療開始後の期間 | 併算定できる可能性があっても、それぞれの要件を確認します。 |
| 週 108 単位 | 日曜から土曜までの単位数 | 休日実施を増やす場合、個人単位の週合計も確認します。 |
休日実施後は記録の型を固定します
休日リハ加算で最も差が出るのは、実施後の記録です。長文で詳しく書くことより、対象根拠、休日区分、起算日、実施内容、翌平日への申し送りが同じ場所で追えることを優先します。
以下の型を使うと、休日当日の担当者、翌平日の担当者、医事担当者が同じ情報を見やすくなります。電子カルテの定型文や申し送り欄に合わせて短く調整してください。
| 項目 | 記録する内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 休日区分 | 土曜、日曜、祝日、年末年始の別 | 土曜実施。休日区分確認済み。 |
| 対象根拠 | 疾患別リハの区分 | 脳血管疾患等リハ対象として実施。 |
| 起算日 | 起算根拠と本日の日数 | 発症日基準で本日 12 日目。 |
| 実施内容 | 単位数、主な介入、反応 | 2 単位。離床、移乗、歩行介助練習を実施。 |
| 翌平日への申し送り | 継続可否、注意点、未確認事項 | 起立時血圧に注意し継続。月曜に日数再確認。 |
翌平日は「対象・起算・実施・継続可否」を申し送ります
休日リハ加算は、休日に実施して終わりではありません。翌平日に再確認しやすいように、対象、起算、実施、継続可否の 4 項目を短く申し送ります。
申し送りは長文でなくて構いません。休日当日の判断根拠と、翌平日に確認すべき点が分かれば、担当者が変わっても同じ基準で確認しやすくなります。
| 項目 | 申し送る内容 | 例 |
|---|---|---|
| 対象 | どの疾患別リハの対象か | 運動器リハ対象、術後リハ継続中。 |
| 起算 | 起算根拠と本日の日数 | 手術日基準で休日実施日は 9 日目。 |
| 実施 | 単位数と介入の要点 | 1 単位、端座位・立位・移乗練習。 |
| 継続可否 | 翌平日の方針と注意点 | 疼痛増悪なし。歩行練習継続可。 |
現場の詰まりどころ
休日リハ加算で詰まりやすいのは、制度を知らないことよりも、確認する順番が部署内でそろっていないことです。対象患者、休日定義、起算日、当日記録のどれかが抜けると、翌平日に確認し直す負担が増えます。
ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の型をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。
休日リハ加算でよくあるミス
休日リハ加算の失敗は、対象患者や休日定義を確認しないまま「休日に実施したから対象」と考えるところから起きやすいです。記録が単位数だけで終わると、後から判断根拠を追いにくくなります。
よくあるミスは、対象、休日、起算日、記録、申し送りの 5 つに分けて修正できます。部署内では、NG を責めるより、OK の型を先に共有する方が定着しやすいです。
| よくあるミス | 問題点 | 修正方針 |
|---|---|---|
| 休日に実施しただけで対象と考える | 対象患者の確認が抜けます。 | 疾患別リハ区分と対象根拠を先に確認します。 |
| 土曜や年末年始を見落とす | 算定対象の拾い漏れにつながります。 | 休日定義を 1 枚の表で共有します。 |
| 起算日を日数だけで見る | 何を根拠に 30 日目までとしたか追えません。 | 起算根拠と本日の日数をセットで残します。 |
| 単位数だけ記録する | 当日の介入内容や判断根拠が残りません。 | 単位数、介入要点、患者反応を短く残します。 |
| 翌平日への申し送りがない | 月曜に確認し直す手間が増えます。 | 対象、起算、実施、継続可否を 4 点で渡します。 |
休日運用チェックリスト
休日当日は、判断を頭の中だけで済ませないことが大切です。以下のチェックリストを使うと、算定対象の拾い漏れと記録漏れを減らしやすくなります。
| タイミング | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 実施前 | 疾患別リハの対象患者である | □ |
| 実施前 | 本日が休日扱いの日付である | □ |
| 実施前 | 起算根拠と本日の日数を確認した | □ |
| 実施後 | 単位数と介入内容を記録した | □ |
| 実施後 | 翌平日への申し送りを残した | □ |
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 休日リハ加算は休日にリハをすれば全員に算定できますか?
いいえ。まず各疾患別リハビリテーション料の対象患者に当たるかを確認します。そのうえで、本日が休日扱いか、加算の起算日から 30 日目までか、当日記録が残せるかを確認します。
Q2. 土曜日は休日リハ加算の対象になりますか?
はい。休日リハ加算でいう休日には、土曜日、日曜日、祝日が含まれます。勤務表上の休みではなく、算定上の休日定義で確認します。
Q3. 年末年始はどう扱いますか?
1 月 2 日・3 日、12 月 29 日・30 日・31 日も、休日リハ加算の休日扱いとして整理されています。年末年始は見落としやすいため、部署の休日一覧や台帳に別枠で入れておくと確認しやすいです。
Q4. 令和 8 年 5 月 31 日以前から入院している患者は対象外ですか?
対象外と決めつけないで確認します。疑義解釈では、休日リハビリテーション加算の起算日に相当する日付が令和 8 年 5 月 31 日以前であっても、その日付を起算日と考え、6 月 1 日以降に算定要件を満たす日に算定可能と整理されています。
Q5. 早期リハ加算や初期加算と一緒に算定できますか?
それぞれの算定要件を満たす場合は、早期リハビリテーション加算、急性期リハビリテーション加算、初期加算、休日リハビリテーション加算は併算定できる整理です。ただし、各加算の要件と記録は別に確認します。
Q6. 最低限どこまで記録を残せばよいですか?
休日区分、疾患別リハの対象根拠、起算根拠、本日の日数、実施単位、介入内容、翌平日への申し送りは残しておきたいです。長文よりも、判断根拠が同じ場所で追えることを優先します。
次の一手
- 制度全体を確認する:早期リハ加算・休日リハ加算の総論
- 改定全体を俯瞰する:2026 改定リハ実務ハブ
- 急性期の運用を詰める:急性期リハ 3 日以内の実装手順
参考文献
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定説明資料等について.厚生労働省ページ
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定の概要 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション).PDF
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について【全体概要版】.PDF
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.令和 8 年 3 月 5 日 保医発 0305 第 6 号.PDF
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 1).令和 8 年 3 月 23 日.PDF
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 2).令和 8 年 4 月 1 日.PDF
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


