リハ議連247名とは?7項目の要望と法改正・処遇改善の動向【2026年】

制度・実務
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リハ議連247名とは?7項目の要望と2026年の進展

2026年4月22日、「リハビリテーションを考える議員連盟(リハ議連)」の第13回総会が開催され、所属議員は衆参合わせて247名となりました。日本理学療法士協会・日本作業療法士協会・日本言語聴覚士協会の3団体は、PT・OT法の見直し、養成制度、処遇改善、訪問リハビリテーションなど7項目を要望しています。

その後、5月19日には厚生労働省に「リハビリテーション統括調整室」が正式に設置され、6月には関係大臣らへの決議文の申し入れが行われました。さらに10月22日には、法改正・養成制度ワーキンググループ(WG)の初会合が開かれたと報じられています。

本記事では、2026年10月27日時点で確認できる情報をもとに、7項目の要望内容とその後の進展を整理します。重要なのは、実現した事項、検討が進んでいる事項、引き続き要望段階にある事項を区別することです。

リハ議連が示した7項目の要望

第13回総会では、リハビリテーション専門職3団体から7項目の要望が示されました。所属議員は新たに69名が加わり、衆議院194名、参議院53名の計247名となっています。

7項目は、法制度、教育、行政体制、処遇改善、リハビリテーション政策、訪問リハ、言語聴覚士の在留資格に関する内容です。

リハ議連第13回総会で示された7項目の要望と2026年10月時点の状況
要望項目 主な内容 確認できる状況
① PT・OT法の見直し 理学療法士及び作業療法士法の抜本的見直し 法改正・養成制度WGが初会合
② 養成制度の見直し 3年制教育から4年制養成課程以上への移行 法改正・養成制度WGが初会合
③ 統括部署の設置 リハビリテーション施策を総合的・戦略的に推進する部署の設置 5月19日に厚生労働省内へ統括調整室を設置
④ 処遇改善 報酬改定に紐付かない恒久的財源の確保 要望段階。具体的な財源措置は別途確認が必要
⑤ 一気通貫のリハ施策 医療・福祉・予防・保健・海外展開をつなぐ施策と新たな財政措置 統括調整室の設置は関連する進展。施策全体の実現とは別
⑥ 訪問リハ専門機関 訪問リハビリテーションサービス提供専門機関の新設検討 新設検討を求める段階
⑦ STの在留資格 外国人在留資格「医療」に言語聴覚士を追記 追記を求める段階

上表は、日本理学療法士協会が公表した7項目をもとに、要点とその後の進展を整理したものです。要望の一部で具体的な動きがあっても、7項目すべてが制度化されたわけではありません。

リハ議連247名と7項目の要望について、統括調整室の設置、法改正・養成制度の検討、引き続き要望段階にある事項を整理した図
リハ議連247名と7項目の要望に関する2026年10月時点の進捗。なお、法改正・養成制度WGはリハ議連内に設けられたものであり、図中の一部表現は本文の説明を優先してください。

2026年の主な動向|4月の総会から10月のWG初会合まで

2026年のリハ議連関連の動向では、5月の統括調整室設置と10月の法改正・養成制度WG初会合が重要です。

特に統括調整室の設置は、要望に関連する行政組織が実際に設けられたという点で、政策要望だけの段階とは異なります。

リハ議連とリハビリテーション政策の主な動向(2026年10月27日時点)
日付 出来事 位置づけ
4月22日 リハ議連第13回総会。所属議員247名、3団体が7項目を要望 要望・決議
5月19日 厚生労働省にリハビリテーション統括調整室を設置 行政組織の設置が実現
6月11〜12日 関係大臣・与党政務調査会長へ決議文を申し入れ 政策要望活動
10月22日 法改正・養成制度WGの初会合を開催したと報道 検討活動の開始

5月19日|リハビリテーション統括調整室が正式に設置

日本理学療法士協会は、2026年5月19日に厚生労働省内へ「リハビリテーション統括調整室」が正式に設置されたことを公表しています。

同協会の発表によると、統括調整室は、医療・介護・障害福祉などの分野を横断し、リハビリテーション政策を総合的に推進する役割が期待されています。

5月20日には、統括調整室の室長と次長が日本理学療法士協会を訪問しました。協会の公表では、分野横断の全体像を描くことや、リハビリテーションの位置づけを整理すること、専門職団体との継続的な意見交換について言及されています。

これは、7項目のうち「統括部署の設置」に対応する具体的な進展です。

ただし、部署が設置されたことと、処遇改善、法改正、訪問リハ専門機関の新設などが実現したことは別です。今後は、統括調整室がどのような施策を具体化するかを確認する必要があります。

6月11〜12日|関係大臣らへ決議文を申し入れ

日本理学療法士協会は、2026年6月16日付で、第13回総会の決議を踏まえた申し入れについて公表しました。

6月11日には厚生労働大臣、6月12日には法務大臣および自由民主党政務調査会長へ決議文を提出しています。

申し入れでは、PT・OT法の抜本的見直し、養成制度、恒久的財源による処遇改善、訪問リハ専門機関の検討などが改めて求められました。

統括調整室の設置後も、議連と関係団体による政策要望活動が継続していることが分かります。

10月22日|法改正・養成制度WGが初会合

PT-OT-ST.NETは2026年10月24日、リハ議連内に設けられた「法改正・養成制度ワーキンググループ(WG)」が、10月22日に初会合を開いたと報じました。

報道によると、WGの座長は理学療法士でもある小川克巳参議院議員です。初会合には国会議員8名のほか、厚生労働省医政局、参議院法制局、PT・OT・STの3協会が参加し、現行制度の課題と今後の方向性を共有したとされています。

この動きは、PT・OT法の見直しと養成制度について、具体的な検討活動が始まったことを示しています。

ただし、WGの設置や初会合は、法案提出や法改正の成立を意味するものではありません。今後の検討内容や正式な制度案を確認する必要があります。

実現したこと・検討中のこと・未確定のこと

2026年10月27日時点では、統括調整室の設置は実現しています。一方、PT・OT法の改正や養成制度の見直しは検討が進み始めた段階であり、処遇改善や訪問リハ専門機関の新設も、要望どおりの制度化が決まったわけではありません。

リハ議連7項目の進展を判断するための整理
区分 該当する事項 判断のポイント
実現・確認済み 厚生労働省内のリハビリテーション統括調整室設置 行政組織が正式に設置された
検討が進展 PT・OT法改正、養成制度の見直し WG初会合が報じられたが、制度変更は未確定
要望段階 恒久的財源による処遇改善、訪問リハ専門機関の新設、STの在留資格追記 具体的な制度変更の有無を引き続き確認する
継続的な政策課題 一気通貫のリハ施策と新たな財政措置 統括調整室の設置だけで要望全体が実現したとは判断しない

現場で制度情報を共有する際は、「要望」「検討」「正式決定」「施行」を区別しましょう。実際の業務運用や算定方法は、法令、告示、通知などの公式情報に基づいて判断します。

PT・OT法の見直しでは、理学療法士・作業療法士の活動実態と、法制度上の位置づけをどう整理するかが重要な論点です。

理学療法士及び作業療法士法は1965年に制定されました。その後、PT・OTの活動領域は医療機関だけでなく、介護、在宅、地域支援、予防などへ広がっています。

第13回総会では、活動領域の変化に加えて、名称独占のあり方なども課題として取り上げられました。

例えば療養病棟では、個別リハビリテーションに加え、姿勢管理、離床支援、褥瘡予防に関わる支援、退院支援、多職種連携などにPT・OTが関与する場面があります。

ただし、こうした活動のすべてが具体的な法改正対象として示されたわけではありません。

今後、改正案が公表された場合は、資格の定義、名称の取り扱い、業務範囲、医師との関係、地域・予防領域での位置づけなど、実際に変更される内容を確認する必要があります。

4年制養成課程|教育の質と人材確保をどう両立するか

養成制度については、3年制教育から4年制養成課程以上への移行が要望されています。

この論点は、専門性の高度化や国際的な教育水準との整合性を図る方向性として理解できます。

一方、養成期間の延長だけで教育の質が保証されるわけではありません。教育内容、臨床実習、卒後教育、人材確保、学費負担などを含めた検討が必要です。

また、養成制度の見直しが現在の資格保有者にどのような影響を与えるかは、具体的な制度案が示されなければ判断できません。

既資格者への追加履修や資格の取り扱いについて、現段階で変更が決まったと受け取らないよう注意が必要です。

処遇改善|恒久的財源の要望と給与への影響

3団体は、診療報酬・介護報酬の改定に紐付かない恒久的財源による処遇改善を求めています。

この要望は、報酬改定時だけでなく、継続的にリハビリテーション専門職の処遇を支える財源を確保することを目的としています。

ただし、リハ議連の要望を根拠に、PT・OT・STの給与が一律に引き上げられると判断することはできません。

実際の賃金への影響を確認する際は、対象職種、対象施設、財源、支給要件、実施時期などが正式に示されているかを確認する必要があります。

管理者が整理しておきたい職場の課題

制度動向を待つ間にも、施設内の処遇や人材確保に関する課題を把握しておくことは有用です。

  • 賃金:基本給、手当、賞与、一時金の状況を確認する。
  • 人材確保:採用状況、離職状況、職員配置を把握する。
  • 教育:新人教育、相談体制、キャリア形成の仕組みを整理する。
  • 業務負担:記録、会議、書類作成、ICT活用の課題を確認する。

これらはリハ議連が示した制度上の義務ではなく、職場環境を改善するための実務上の確認項目です。

訪問リハ専門機関|新設はまだ決定していない

7項目の要望には、訪問リハビリテーションサービス提供専門機関の新設検討が含まれています。

これは、在宅でリハビリテーションを提供する仕組みについて、新たな制度的枠組みを検討するものです。

ただし、専門機関の新設が正式に決まったわけではありません。

今後、具体的な制度案が示された場合は、次の項目が確認ポイントになります。

  • 開設主体と施設・事業所の要件
  • 医師の関与と指示の取り扱い
  • PT・OT・STの人員配置
  • 診療報酬・介護報酬との関係
  • 訪問看護や居宅介護支援事業所との役割分担
  • 利用者の安全管理と多職種連携

これらは今後確認すべき論点であり、新制度の要件として決定しているものではありません。

介護報酬改定との関係については、2027年度介護報酬改定の論点整理も参考にしてください。

一気通貫のリハ施策とSTの在留資格

7項目の要望には、医療・福祉・予防・保健・海外展開をつなぐリハビリテーション施策の推進と、新たな財政措置も含まれています。

厚生労働省内に統括調整室が設置されたことは、分野横断的な政策推進に関係する重要な進展です。

ただし、部署の設置だけで、要望された一気通貫の施策や財政措置がすべて実現したわけではありません。

今後は、統括調整室の具体的な活動、関係部局との連携、政策への反映状況などを確認する必要があります。

在留資格「医療」への言語聴覚士の追加

3団体は、外国人在留資格「医療」の項目に言語聴覚士を追記することも求めています。

これは、言語聴覚士の資格と外国人材の就労制度上の取り扱いに関する要望です。

実際の取り扱いは出入国在留管理制度に基づくため、今後、関係法令や公式資料で変更の有無を確認する必要があります。

PT・OT・STの現場では何を確認すればよいか

リハ議連の活動を現場に結び付ける際は、7項目すべてを同じ優先度で追う必要はありません。自分の職場や役割に関係する論点を選び、正式な制度変更が示された段階で具体的な対応を検討することが現実的です。

職場・役割別に確認したい制度動向
職場・役割 優先して確認する論点 現時点でできること
病院勤務のPT・OT・ST 法改正、処遇改善、リハ施策 現在の業務範囲と制度上の位置づけを整理する
訪問リハに関わる職員 訪問リハ専門機関、処遇改善 提供体制、医師との連携、記録・移動負担を把握する
管理者・リーダー 処遇改善、人材確保、法改正 賃金、採用、離職、教育体制を整理する
養成校・実習指導者 4年制養成課程、法改正 養成制度と臨床実習の動向を確認する
地域・予防領域の職員 法改正、統括調整室、一気通貫の施策 地域での役割と多職種連携の課題を整理する

制度改正の可能性だけを理由に、現時点で算定方法、職員配置、業務範囲を独自に変更する必要はありません。

実際の運用変更は、施行日や適用条件を含む公式情報に基づいて判断しましょう。

今後の注目点|法改正・養成制度・処遇改善

今後の動向を確認する際は、議連の活動状況だけでなく、制度化に向けた具体的な手続きが進んでいるかを見ることが重要です。

  1. 法改正・養成制度WG:検討内容、論点整理、具体的な制度案が公表されるか。
  2. PT・OT法:改正案や法案が示されるか。資格や業務の位置づけに変更があるか。
  3. 養成制度:4年制養成課程に関する具体案、移行期間、既資格者の取り扱いが示されるか。
  4. 処遇改善:恒久的財源、対象職種、対象施設、支給要件が具体化するか。
  5. 訪問リハ:専門機関の新設について正式な制度設計が始まるか。
  6. 統括調整室:分野横断的な政策や財政措置が具体化するか。
  7. STの在留資格:関係制度に正式な変更があるか。

情報を確認するときは、職能団体の発表、議連の活動報告、関係省庁の公式資料を区別し、最終的には法令・通知・制度改正資料を確認する必要があります。

よくある質問

Q1. リハ議連が247名になったことで、PT・OT・STの給与は上がりますか?

所属議員数の増加だけで給与が上がるわけではありません。恒久的財源による処遇改善は7項目の要望の1つですが、具体的な財源措置や支給条件が決定したことを示すものではありません。

Q2. PT・OT法の改正は決まりましたか?

2026年10月22日に法改正・養成制度WGの初会合が開かれたと報じられていますが、法改正が成立したわけではありません。今後、具体的な改正案や法案提出の有無を確認する必要があります。

Q3. リハビリテーション統括調整室は設置されたのですか?

はい。日本理学療法士協会の公式発表によると、2026年5月19日に厚生労働省内へ正式に設置されました。ただし、統括調整室の設置によって7項目すべての要望が実現したわけではありません。

Q4. 4年制養成課程になると、現在の資格者に影響しますか?

現時点では具体的な制度変更が確定していないため、既資格者への影響は判断できません。今後、制度案が示された場合は、既卒者の取り扱いや経過措置を確認する必要があります。

次の一手|報酬改定とあわせて制度動向を確認する

2026年のリハ議連関連の動向では、7項目の要望に加え、厚生労働省内の統括調整室設置、関係大臣らへの決議文申し入れ、法改正・養成制度WGの初会合が確認されています。

今後は、実現した事項と検討段階の事項を分けながら、自施設に関係する制度動向を追うことが重要です。

参考文献・情報源

  1. 公益社団法人 日本理学療法士協会. 「リハビリテーションを考える議員連盟」第13回総会が開催されました. 2026年4月23日. 公式発表を確認する.
  2. 公益社団法人 日本理学療法士協会. 【歴史的転換点】「リハビリテーション統括調整室」が新設されるまでのあゆみ. 2026年5月29日公開、6月23日更新. 公式発表を確認する.
  3. 公益社団法人 日本理学療法士協会. 厚生労働省に新設 リハビリテーション統括調整室 室長らご来館. 2026年5月21日. 公式発表を確認する.
  4. 公益社団法人 日本理学療法士協会. 法改正を!上野賢一郎厚労大臣、平口洋法務大臣、小林鷹之自民党政調会長へ手交―リハ議員連盟総会決議文申し入れ. 2026年6月16日. 公式発表を確認する.
  5. PT-OT-ST.NET. 【リハビリ議連】PT・OT法の抜本改正へ「法改正・養成制度WG」が初会合. 2026年10月24日. 報道内容を確認する.

情報確認日:2026年10月27日。政策要望、検討段階、制度変更の確定事項を区別して記載しています。今後の制度動向によって内容が変更される可能性があります。

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

2022年4月にrehabilikun blogを開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの経験をもとに、リハビリテーション専門職に役立つ評価・実践・制度情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションなどを中心に、臨床での判断や多職種連携に役立つ情報を整理しています。制度記事では、公式資料と実務上の解説を区別することを重視しています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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