排尿ケアチームにおけるPT・OTの役割とは?
排尿ケアチームにおける理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の役割は、排尿に関連する身体機能・排泄動作・生活環境を評価し、患者が可能な限り自立した排尿方法を獲得できるよう支援することです。特に、トイレまでの移動、便座への移乗、衣服操作、排泄姿勢、援助要請などを確認し、病棟で実施できる支援方法につなげます。
2026年度の排尿自立支援加算では、排尿ケアチームに、下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を持つ専任の常勤PTまたはOTが求められています。ただし、トイレ動作に介助が必要という理由だけで、加算の対象になるわけではありません。
本記事では、制度上の対象患者とPT・OTの役割を整理したうえで、排泄動作の評価チェックリスト、問題点別の介入、チーム連携、初回評価から再評価までの記録例を紹介します。
結論:PT・OTは、排尿障害の医学的診断を担うのではなく、排尿に関連する動作能力と生活環境を評価し、包括的排尿ケアの計画・実施・再評価に貢献します。重要なのは、下部尿路機能の問題と排泄動作の問題を区別することです。
この記事でわかること
- 排尿ケアチームにおけるPT・OTの制度上の位置づけ
- 排尿自立支援加算の対象患者と排泄動作障害の違い
- 排泄動作を評価する実践的なチェックリスト
- 問題点に応じたPT・OTの介入方法
- 初回評価・介入・再評価・チーム共有の記録例
関連する評価・臨床実務:排泄動作の自立には、移動・移乗・バランス能力の評価も重要です。身体機能評価を整理したい方は、評価ライブラリも参考にしてください。
最初に確認|排尿自立支援加算の対象患者と排泄動作障害の違い
排尿ケアチームの実務を理解するには、まず「加算の対象となる下部尿路機能障害」と「排泄動作に介助が必要な状態」を分ける必要があります。
排尿自立支援加算の対象患者は、次のいずれかに該当する患者です。
- 尿道カテーテル抜去後:尿失禁、尿閉などの下部尿路機能障害の症状がある患者
- 尿道カテーテル留置中:抜去後に下部尿路機能障害が生じると見込まれる患者
一方、歩行障害や片麻痺によってトイレ移乗が困難な患者でも、上記の対象条件を満たさない場合があります。排泄動作に介助が必要であることと、排尿自立支援加算の算定対象であることは同義ではありません。
| 視点 | 主な問題 | 評価・対応の中心 |
|---|---|---|
| 下部尿路機能 | 尿失禁、尿閉、残尿、排尿困難など | 医師・看護師による病態評価、排尿管理、治療 |
| 排泄動作 | トイレ移動、移乗、衣服操作、姿勢保持などの困難 | PT・OTによる動作評価、練習、環境調整 |
| 両者が併存 | 尿意切迫感に加えて移動速度が遅いなど | 排尿管理と動作支援を組み合わせた多職種介入 |
例えば、尿意の訴えが可能であっても、トイレまでの移動に時間がかかり、間に合わない場合があります。逆に、トイレ移乗が自立していても、尿閉や残尿の問題が残る場合があります。
PT・OTは、排尿状況を医師・看護師と共有しながら、生活機能の側面から支援方法を検討します。
2026年度の施設基準|排尿ケアチームにおけるPT・OTの位置づけ
排尿自立支援加算の施設基準では、保険医療機関内に排尿ケアチームを設置することが求められています。
| 職種 | 主な要件 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 医師 | 下部尿路機能障害の診療経験を有し、泌尿器科での所定の勤務経験または排尿ケアに係る適切な研修の要件を満たす医師 | 医学的評価、診断、治療方針の検討 |
| 看護師 | 下部尿路機能障害を有する患者の看護経験3年以上、所定の研修を修了した専任の常勤看護師 | 排尿状況の把握、排尿管理、患者指導、病棟との連携 |
| PTまたはOT | 下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を有する専任の常勤PTまたはOT | 排尿に関連する動作能力の評価、動作訓練、環境調整 |
PT・OTの配置について:施設基準では、PTとOTの両方を必ず配置することまでは求められていません。所定の経験を有する専任の常勤PTまたはOTが必要です。
また、PT・OTに対して、看護師と同じ「3年以上の経験」や特定の研修修了を一律に求める規定ではありません。職種ごとの要件を混同しないよう注意してください。
施設基準では、このほかに排尿ケアに関するマニュアルの作成・院内配布、院内研修の実施、関連するガイドラインの遵守なども求められています。実際の届出では、2026年度の施設基準通知を確認してください。
回復期リハビリテーション病棟では、排尿自立支援加算の届出が関連する施設基準の確認事項になる場合があります。研修・届出との関係は、回復期リハ強化体制加算と排尿自立支援加算の研修要件で整理しています。
PTとOTは何を担当する?臨床上の役割分担
排尿ケアチームでは、PTとOTの役割を完全に分ける必要はありません。両職種の専門性を活かしながら、患者の課題に応じて担当を調整します。
| 評価・介入領域 | PTの関わり方の例 | OTの関わり方の例 |
|---|---|---|
| 移動能力 | 歩行、方向転換、移動速度、活動耐容能の評価・介入 | 実際のトイレ動線を想定した移動手段の検討 |
| トイレ移乗 | 立ち上がり、下肢筋力、バランス、移乗動作 | 便座・手すり・車椅子配置を含む一連の動作 |
| 衣服操作 | 必要な立位保持や姿勢制御の評価 | 下衣操作、片手動作、衣服や自助具の工夫 |
| 排泄姿勢 | 体幹・骨盤・下肢の支持性の評価 | 実際の便座環境での姿勢と動作の調整 |
| 認知・行動面 | 移動時の安全性や指示理解の確認 | 動作手順、援助要請、環境認識への支援 |
この表は臨床上の役割分担例であり、制度上の職種別業務範囲を定めるものではありません。実際の担当は、患者の状態、各職種の専門性、院内体制によって決定します。
排泄動作の評価チェックリスト|PT・OTが確認する8項目
排泄動作の評価では、「できる・できない」だけでなく、必要な介助量と、どの場面で問題が生じるかを確認します。
次の表は、病棟での評価やカンファレンスに活用できる実務用チェックリストです。制度上の必須様式ではありません。
| 評価項目 | 確認する内容 | 判定 |
|---|---|---|
| ① 尿意・援助要請 | 尿意を認識し、適切なタイミングで援助を求められるか | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ② トイレまでの移動 | 移動手段、所要時間、方向転換、安全性 | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ③ 便座への移乗 | 便座への接近、着座、立ち上がり、手すりの使用 | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ④ 下衣操作 | 下衣の上げ下げ、立位保持、片手操作 | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ⑤ 排泄姿勢 | 便座上の座位保持、足底接地、体幹の安定性 | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ⑥ 後始末 | 清拭、衣服を整える動作、手洗い | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ⑦ 認知・動作手順 | トイレの認識、手順の理解、必要な声かけ | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
| ⑧ 環境への適応 | 手すり、便座高さ、動線、照明、ナースコール | 自立/見守り/一部介助/全介助/未評価 |
判定の使い方:各項目について、実際に確認した介助量を選択します。尿意の認識や環境への適応など、単純な介助量だけでは表現しにくい項目は、具体的な状態を併記してください。
「未評価」は「自立」と区別します。全身状態や転倒リスクによって実施できない動作は、無理に試行せず、未評価の理由を記録します。
移動能力|尿意が生じてからトイレに到達できるか
歩行能力が保たれていても、移動速度が遅い場合や、夜間の移動が不安定な場合には、トイレへの到達が難しくなります。
歩行距離だけでなく、ベッドからトイレまでの動線、方向転換、補助具の使用、援助要請から移動開始までの時間を確認します。
尿意切迫感などの症状がある場合は、排尿日誌や病棟での観察結果を看護師と共有します。
トイレ移乗|着座と立ち上がりを分けて確認する
便座への着座と立ち上がりでは、必要な身体機能が異なります。着座時の下降制御、立ち上がり時の下肢支持性、手すりの使用、車椅子の位置などを確認します。
リハビリテーション室で移乗できても、実際の病棟トイレでは便座高さや支持物の配置が異なる場合があります。可能な範囲で実際の環境を評価することが重要です。
衣服操作|立位保持と上肢操作を分けて確認する
下衣操作が困難な場合は、上肢機能の問題なのか、立位バランスの問題なのか、両方なのかを整理します。
片麻痺のある患者では、手すりを利用した片手操作や、扱いやすい衣服への変更が有効な場合があります。
排泄姿勢|安全に座位を保持できるか
便座上では、足底接地、骨盤・体幹の安定性、上肢支持の必要性を確認します。
ただし、姿勢を調整すれば下部尿路機能障害が改善するとは一律に判断できません。姿勢調整は、安全性と動作遂行を中心に検討し、排尿機能への影響は医学的評価と合わせて判断します。
認知・行動面|尿意の伝達と動作手順を確認する
認知機能が低下している患者では、尿意を伝えられない、トイレの場所がわからない、動作手順を忘れるなどの問題が生じる場合があります。
援助要請の方法、トイレの認識、必要な声かけ、動作手順の理解を確認し、病棟で再現できる支援方法を検討します。
評価結果に応じたPT・OTの介入方法
排泄動作の介入では、評価で明らかになった問題に応じて優先順位を決めます。すべての患者に同じ訓練を実施する必要はありません。
| 主な問題 | 介入例 | 再評価項目 |
|---|---|---|
| トイレまでの移動が遅い | 歩行練習、移動手段の調整、動線の短縮 | 移動時間、介助量、安全性 |
| 便座から立ち上がれない | 立ち上がり練習、下肢機能への介入、支持物の調整 | 立ち上がり介助量、ふらつき |
| 下衣操作が困難 | 片手動作練習、立位保持練習、衣服の変更 | 下衣操作の介助量、所要時間 |
| 便座上の姿勢が不安定 | 座位保持練習、足底支持や便座環境の調整 | 座位の安定性、必要な支持 |
| 手順の理解が難しい | 手順の単純化、視覚的手がかり、声かけの統一 | 必要な声かけ、動作遂行状況 |
排尿誘導や生活指導、薬物療法などは、患者の下部尿路機能障害に応じて包括的排尿ケアの計画に組み込まれます。PT・OTは、医師・看護師の評価や方針を踏まえて、必要な動作訓練や環境調整を行います。
骨盤底筋トレーニングは全員に必要か?
骨盤底筋トレーニングは、尿失禁の種類や患者の状態によって検討される介入の一つですが、すべての排尿障害に適用できるわけではありません。
尿閉、排尿困難、残尿などを伴う患者もいるため、尿失禁があるという理由だけで一律に実施することは避けます。
医師による病態評価と治療方針を確認し、実施者の専門性や院内体制に応じて関与を検討してください。
排尿ケアチームの実務フロー|評価だけでは算定できない

排尿自立支援加算では、排尿ケアチームの評価・計画と、病棟看護師等による患者への直接的な指導・援助を組み合わせることが重要です。
排尿ケアチームが評価しただけの週や、病棟看護師等による直接的な指導・援助だけが行われた週は、加算を算定できません。
- 対象患者の抽出:病棟看護師等が、尿道カテーテル抜去後の症状や抜去後の排尿障害の可能性を確認する。
- 情報収集:排尿日誌、残尿測定等の下部尿路機能評価に必要な情報を収集する。
- チーム評価:排尿ケアチームが下部尿路機能障害を評価し、PT・OTは必要に応じて排泄動作を評価する。
- 計画作成:排尿ケアチームと病棟看護師等が共同して、包括的排尿ケアの計画を作成する。
- 直接的な指導・援助:病棟看護師等が計画に基づき、患者に対する排尿誘導や生活指導等を実施する。必要に応じてPT・OTによる動作訓練等を組み合わせる。
- 定期評価:排尿状況と排泄動作の変化を共有し、必要に応じて計画を見直す。
- 記録:対象患者の抽出、情報収集、評価、計画、実施、再評価を診療録等に記載する。
2026年度の取扱いでは、排尿ケアチームによる関与と病棟看護師等による直接的な指導・援助の双方を満たした場合に、週1回、12週を限度として算定する規定があります。排尿が自立して指導を終了した場合は、その後の算定はできません。
この記事はPT・OTの実務に焦点を当てています。実際の算定では、最新の点数表、留意事項通知、疑義解釈、院内の届出状況を確認してください。
症例別|PT・OTの評価と介入の考え方
症例1:片麻痺によりトイレ移乗と下衣操作に介助が必要
症例設定:脳卒中後の片麻痺があり、尿意の訴えは可能。車椅子移動は見守り、便座移乗と下衣操作に介助が必要。
評価:便座への移乗時に立位バランスが低下し、下衣を下ろす際に介助を要する。
介入:手すりの使用方法、車椅子の配置、立位保持、片手での下衣操作を練習する。
再評価:移乗時の介助量、下衣操作の遂行状況、病棟での再現性を確認する。
判断のポイント:排泄動作に介助が必要であることだけでは、排尿自立支援加算の対象とは判断できません。下部尿路機能障害の有無と対象要件は別途確認します。
症例2:廃用によってトイレまでの移動が困難
症例設定:長期臥床後に下肢筋力と活動耐容能が低下し、トイレまでの歩行が困難。
評価:立ち上がりは軽介助。短距離歩行は可能だが、トイレまでの移動に時間を要する。
介入:立ち上がり練習、短距離歩行練習、移動手段の調整を行う。必要に応じてポータブルトイレの使用を検討する。
再評価:移動距離、移動時間、介助量、疲労の程度を確認する。
症例3:認知機能低下によって排泄動作の手順が不安定
症例設定:歩行能力は保たれているが、トイレの場所や排泄動作の手順がわからなくなる。
評価:トイレの認識、援助要請、動作手順の理解、必要な声かけを確認する。
介入:トイレへの動線をわかりやすくし、声かけと動作手順を病棟スタッフ間で統一する。
再評価:必要な声かけの回数、トイレへの到達状況、動作の安全性を確認する。
上記はすべて架空症例です。実際の介入では、下部尿路機能障害の種類、全身状態、転倒リスク、認知機能、治療方針に応じて判断してください。
記録例|初回評価・介入・再評価・チーム共有
PT・OTの実務記録では、評価結果、問題点、介入内容、患者の反応、再評価結果をつなげて記載します。
以下は排泄動作に関する臨床記録の例です。排尿自立支援加算の算定に必要な記録を、これらの文例だけで満たせるという意味ではありません。
① 初回評価の記録例
排泄動作評価:尿意の訴えは可能。車椅子によるトイレ移動は見守り。便座への移乗は軽介助。立位での下衣操作時にバランス低下を認め、一部介助を要する。便座上の座位保持は自立。
問題点:移乗時の立位バランス低下、下衣操作時の片手動作の困難さ。
介入方針:手すりを利用した移乗練習、立位保持練習、片手での下衣操作練習を行う。病棟スタッフと介助方法を共有する。
② 介入時の記録例
実施内容:病棟トイレを使用し、車椅子から便座への移乗、立位保持、下衣操作を練習した。
結果:手すり使用下での便座移乗は見守りで実施可能。下衣操作は一部可能となったが、立位保持中にふらつきがあり一部介助を要した。
今後の方針:下衣操作時の立位安定性を高め、介助量軽減を目指す。病棟では下衣操作時の介助を継続する。
③ 再評価の記録例
再評価:便座移乗は初回の軽介助から、手すり使用下で見守りへ改善。下衣操作は一部介助を継続するが、片手での操作範囲が拡大した。
残存課題:下衣を引き上げる際の立位バランスが不安定であり、転倒リスクが残る。
方針:下衣操作の練習を継続し、病棟での介助方法を再確認する。排尿状況については医師・看護師の評価結果と照合する。
④ 排尿ケアチーム・病棟への共有例
PT・OTからの共有:便座移乗は手すり使用下で見守り可能。下衣操作は一部介助を要する。病棟では車椅子の配置と手すりの使用方法を統一し、下衣操作時は介助を継続する。
連携事項:排尿日誌・残尿測定等の結果は医師・看護師と共有し、包括的排尿ケアの計画に沿って必要な動作訓練を継続する。
記録例は架空のものです。実際の診療録には、評価・実施した事実のみを記載してください。加算に必要な記録とリハビリテーションの実施記録は、院内の運用に従って整理します。
病棟看護師と共有したい情報
排尿ケアでは、PT・OTが訓練場面で確認した動作能力を、病棟での実際の排泄行動につなげることが重要です。
「トイレ移乗練習を実施した」という情報だけでは、病棟スタッフが介助方法を判断できません。具体的な動作条件を共有します。
| 共有項目 | 具体例 |
|---|---|
| 移動方法 | 歩行・車椅子の選択、補助具、介助量 |
| 移乗方法 | 車椅子の位置、手すりの使用、介助する側 |
| 衣服操作 | 患者が行える部分、介助が必要な部分 |
| 安全上の注意 | 立位時のふらつき、夜間の移動、疲労 |
| 認知・行動面 | 必要な声かけ、援助要請、動作手順 |
| 再評価結果 | 介助量の変化、残存課題、支援方法の変更 |
また、病棟看護師等が把握している排尿パターンや患者の反応は、PT・OTの介入方針にも影響します。情報共有は一方向ではなく、双方向で行うことが重要です。
リハビリ中に尿量や排尿行動の変化に気づいた場合は、排尿異常の観察ポイント|PT・OTの報告例とリハ判断も参考になります。排尿に関する観察事実と医学的判断を分けて報告することが重要です。
排尿ケアで注意したい6つの誤解
| 誤解 | 正しい考え方 |
|---|---|
| トイレ動作に介助があれば加算対象になる | 尿道カテーテルの状況と下部尿路機能障害に関する対象要件を確認する |
| 排尿ケアチームが評価すれば算定できる | 病棟看護師等による計画に基づく直接的な指導・援助も必要 |
| PTとOTの両方をチームに配置する必要がある | 施設基準上は所定の経験を有する専任の常勤PTまたはOT |
| PT・OTにも看護師と同じ経験年数・研修要件がある | 職種ごとに要件が異なるため、通知の記載を確認する |
| 歩行が自立すれば排尿も自立している | 下部尿路機能と排泄動作を分けて評価する |
| 尿失禁があれば骨盤底筋訓練を行う | 病態評価と治療方針に応じて適応を検討する |
よくある質問
Q1.排尿ケアチームにはPTとOTの両方が必要ですか?
いいえ。2026年度の施設基準では、下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を持つ専任の常勤PTまたはOTが求められています。両職種の配置が必須という規定ではありません。
Q2.PT・OTに特定の経験年数や研修修了要件はありますか?
PT・OTには、下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験が求められています。一方、看護師に規定されている3年以上の経験や所定の研修修了要件を、そのままPT・OTに適用するものではありません。
Q3.排尿ケアチームが評価しただけで加算を算定できますか?
できません。排尿ケアチームによる関与に加えて、病棟看護師等が包括的排尿ケアの計画に基づき、患者へ直接的な指導または援助を行う必要があります。
Q4.トイレ動作が自立していれば排尿ケアは不要ですか?
いいえ。トイレ動作が自立していても、尿閉、尿失禁、残尿などの下部尿路機能障害が残っている場合があります。動作能力と排尿機能を分けて確認します。
Q5.PT・OTは排尿日誌や残尿測定を担当しますか?
排尿日誌や残尿測定は下部尿路機能評価の重要な情報です。通知では病棟看護師等による情報収集が示されており、PT・OTはその結果を共有して動作評価・介入に活用します。具体的な業務分担は院内体制に従います。
Q6.PT・OTは毎回トイレ動作訓練を行う必要がありますか?
すべての患者に同じ訓練を行う必要はありません。移動、移乗、衣服操作、認知機能などの問題に応じて必要な介入を選択します。医学的治療や排尿管理が中心となる患者もいます。
Q7.PT・OTの記録には何を書けばよいですか?
排泄動作の評価結果、問題点、介入内容、患者の反応、再評価結果、病棟との共有事項を記録すると、継続的な支援につながります。加算の算定に必要な診療録等の記載については、最新の通知と院内運用を確認してください。
次の一手|排尿機能と排泄動作を分けて評価する
排尿ケアチームにおけるPT・OTの役割は、患者の排尿に関連する動作能力を評価し、包括的排尿ケアを実際の生活場面につなげることです。
まずは担当患者について、次の3点を確認してください。
- 排尿機能:尿意、尿失禁、尿閉、残尿などの情報を医師・看護師と共有する。
- 排泄動作:移動、移乗、衣服操作、排泄姿勢、援助要請、環境を評価する。
- 支援方法:PT・OTが行う介入と、病棟で実施する指導・援助を具体的に整理する。
評価チェックリストを使って問題点を明確にし、初回評価・介入・再評価の変化をチームで共有しましょう。
参考文献
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.2026.
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定に係る施設基準等の通知.2026.
- 厚生労働省.生活機能回復に資する診療報酬①(排尿自立支援加算).
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定項目の概要.2026.
- 日本理学療法士協会.令和8年度診療報酬改定情報.2026.

