ICF と目標設定の書き方ハブ|計画書・記録に落とす最短導線
ICF は「知っている」だけだと書類が速くなりません。ここでは 読む順(迷わない順番)と、そのまま書けるテンプレの置き場所だけを先に固定します。まずは「全体像」→「修飾子」→「環境因子( e )」→「目標文」→「計画書へ変換」の順で揃えると、差し戻しと長文化が一気に減ります。
まずはこの順で読む| 10 分で迷いを減らす
迷ったら、下の順で 3 本だけ読んでください。「書ける順番」に並べてあります。
| 順番 | 目的 | 読むページ | ここだけ押さえる |
|---|---|---|---|
| 1 | ICF を “書ける” 全体像にする | ICF の書き方と記載例( PT 向け) | d → b / s → e → 修飾子 → 計画 の順を崩さない |
| 2 | 修飾子のブレを消す | ICF 修飾子 0–4・ 8 / 9 早見(運用版) | 距離/介助量/時間の 基準軸を 1 本に固定する |
| 3 | 環境調整( e )を “文” に落とす | ICF 環境因子( e )の書き方テンプレ | 阻害( − )/促進( + )で具体化し、対策と再評価へつなぐ |
用途別:どこで詰まりやすいか|入口を 4 つに分ける
あなたの状況に近い入口から入ると、最短で整います。
- 新人・若手:まず “形” を崩さずに書く → ICF 記録テンプレ(コピペ用)
- 病棟・カンファ:多職種に伝わる書き方にする → 書類業務・カルテ記載 Q&A 20 選
- 退院前:環境調整( e )を計画書へ落とす → 環境因子( e )テンプレ
- 差し戻しが多い:書類ごとの役割を混ぜない → 総合実施計画書と管理シートの違い(比較・使い分け)
計画書・管理シートへ落とす|書類別の最短導線
「 ICF で整理」→「書類の文へ変換」までを 1 本の導線にします。施設の様式が違っても、順番(変換)が同じなら再現できます。
| やりたいこと | おすすめ | ポイント |
|---|---|---|
| 目標文を “具体” にする | 目標設定等支援・管理シートの書き方(差し戻し回避の型) | 期限/場所/条件/介助量 を必須化する |
| 計画書の “筋” を通す | リハビリテーション総合実施計画書の書き方(差し戻し回避) | 評価 → 目標 → 具体的アプローチ を 1 行で結ぶ |
| 評価結果を “文” に変換する | 評価 → 解釈 → 目標 → 介入 → モニタ( 5 ステップ変換) | 所見の羅列をやめ、意思決定の記録にする |
| 運用ルールを “監査目線” で揃える | リハ実施計画書の書き方( 2026 対応) | 最小セット/よくある NG /統一ルールを先に決める |
現場の詰まりどころ|よくある失敗 → 直し方( OK / NG )
ICF と書類が崩れる原因は、ほぼ 「順番」か 「条件の書き忘れ」です。まずは下の “型” をチームで共通化します。
| 詰まり | 起きやすい原因 | 直し方(型) | 1 行の残し方 |
|---|---|---|---|
| 目標が決まらない | d が決まらず、所見の羅列になる | d を 1〜 2 個に絞り、関係する所見だけ残す | d450(歩く)を優先し、痛み・筋力・段差( e )に絞る |
| 修飾子がブレる | 0–4 を何で判断するかが人によって違う | 距離/介助量/時間の “基準軸” を 1 本に固定 | 屋内 10 m(見守り)など、行動で根拠を残す |
| e 因子が曖昧 | 阻害( − )と促進( + )が混ざる | 符号( + / − )+強さ( 1〜 4 )を固定 | e150.−2(段差)、 e115.+2(杖)のように書く |
| 計画書が長文化する | 目的の違う書類を 1 つの文章で埋める | 計画書=チームの地図/管理シート=本人説明の 1 枚 と分ける | 迷ったら 比較・使い分け に戻す |
| 再評価が続かない | “経過観察” で止まり、数が残らない | 距離・時間・回数・介助量に落とす | 週 1 で「歩行距離/所要時間/介助量」を比較 |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. ICF はどこから書き始めればいいですか?
A. 迷ったら d(活動・参加)から始めます。 d がゴール、 b / s は原因(手段)、 e は阻害( − )/ 促進( + )です。まず d を 1〜 2 個に絞ると、その後の文章が短くなります。
Q2. 修飾子が “何となく” になってしまいます。
A. %目安だけでなく、距離・時間・回数・介助量のどれかに紐づけて根拠を残します。まずは施設内で “基準軸を 1 本” に固定するのが最短です。
Q3. 環境因子( e )は何を書けばいいですか?
A. 「事実の羅列」ではなく、阻害( − )/促進( + )で書き分けます。段差・手すり・補助具・家族支援・制度を、対策と再評価まで 1 行でつなぐと、退院支援が回ります。
Q4. 計画書と管理シート、同じ文章で埋めていいですか?
A. おすすめしません。計画書=チームの「方針の地図」、管理シート=本人・家族へ「経過と目標を説明して渡す 1 枚」です。目的を分けるほど、短く具体的に整います。
Q5. 多職種に伝わる書き方が分かりません。
A. 評価名よりも「何ができる」「何が危ない」「どう介助する」を優先します。専門用語は最小限にし、ケア行動に直結する一文を必ず入れるとズレが減ります。
次の一手|この 5 本で “運用” を固める
- ICF の書き方と記載例(全体像とテンプレの置き場)
- 修飾子 0–4・ 8 / 9 の運用(ブレを消す)
- 環境因子( e )テンプレ(退院前の調整が回る)
- 計画書と管理シートの違い(比較・使い分け)
- 目標設定等支援・管理シートの書き方(差し戻し回避)
関連ハブ:
運用を整える → 共有の型を作る → 環境の詰まりも点検
教育体制・記録文化・人員・標準化など “環境要因” が詰まっていると、書類と目標設定は回りにくくなります。無料のチェックシートで現状を整理できます。
無料チェックシートを使って、職場の運用も点検する臨床の “進め方” を固定して、書類の迷いも減らす
PT キャリアガイド(最短フロー)を見る参考文献
- World Health Organization. International Classification of Functioning, Disability and Health ( ICF ). Geneva: WHO; 2001. WHO 公式
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


