内部障害ハブ|心不全・ COPD ・耐容能評価と安全管理を最短で引く
内部障害は「診断名」より先に、安全に動かせる条件(症状・バイタル・中止基準)をそろえると迷いが減ります。本ページは、心不全/呼吸器( COPD など )の臨床で詰まりやすい「重症度 → 耐容能評価 → 呼吸手技 → 安全管理 → 生活( ADL / 栄養 )」を、同じ順番で回せるように束ねた索引(ハブ)です。
内部障害は「安全の線引き」と「条件固定」ができるだけで、担当交代でもブレにくくなります。 評価 → 介入 → 再評価の “ 型 ” を見る(無料)
親ハブ:疾患別ハブ / 横断:評価ハブ|呼吸 / 運動耐容能 / 手技:臨床手技・プロトコルハブ
- まず最初に読む( 3 本 )
- 診断・重症度(心不全 / COPD )
- 呼吸 / 運動耐容能の評価(主観+テスト+条件固定)
- 呼吸手技・介入(目的 → 禁忌 → 記録)
- 安全管理(中止基準・血圧・起立)
- ADL / 生活・栄養(生活期の実装)
- 現場の詰まりどころ(最小の打ち手)
- よくある質問( FAQ )
- 次の一手(回遊の固定)
- 参考文献
- 著者情報
まず最初に読む( 3 本 )
最短は、①息切れの主観 → ②耐容能テスト → ③中止基準 の順です。最初から検査を増やさず、まず 1 本を “ 同条件で回せる ” 形にします。
診断・重症度(心不全 / COPD )
重症度は「治療方針」だけでなく、PT の介入上限(どの強度まで安全に上げられるか)を決める材料です。心不全は “ うっ血 / 灌流 ” のサイン、 COPD は “ 増悪リスク / 呼吸困難 ” を同じ物差しで整理します。
- 心不全の臨床徴候チェック|フラミンガム基準の使い方( PT 向け )
- NYHA(心不全 機能分類)の使い方|息切れ・ ADL と強度設定に繋げる
- GOLD( COPD 重症度 )の読み方|増悪リスクと呼吸困難の整理
- 頸静脈評価( JVP )の見方と手順|座位法・ HJR ・記録シート
呼吸 / 運動耐容能の評価(主観+テスト+条件固定)
内部障害は主観(息切れ)+客観(テスト)+条件固定がそろうと、再評価で迷いにくいです。とくに、酸素条件・補助具・休憩ルール・歩行路を “ セット ” で残すだけで解釈が安定します。
| 目的 | まず取る(主観) | 次に取る(客観) | 条件固定(記録の要点) |
|---|---|---|---|
| 息切れの程度を共有 | mMRC / Borg | 歩行中の SpO₂・ HR | 「どの動作で」上がるかを 1 行で残す |
| 耐容能を “ 数値 ” で追う | Borg(終末) | 6 MWT(または短いテスト 1 本) | 歩行路・休憩ルール・酸素条件を固定 |
| 強度を現場で合わせる | RPE( Borg ) | METs(入口) | 最終は RPE と症状で合わせる(数値だけで決めない) |
| 換気 / 酸素化の解釈 | 息苦しさ・眠気 | ABG( PaCO₂・ HCO₃⁻ など ) | 代償の方向(急性 / 慢性)をセットで読む |
- 呼吸困難スケール総論| mMRC と Borg の役割分担
- 6 MWT:プロトコルと中止基準
- METs の計算と使い方(早見表)
- 血液ガス( ABG )の読み方
- 呼吸理学療法の評価項目|観察〜 6 MWT まで使い方
指標の詳しい使い分けは、評価ハブ|呼吸 / 運動耐容能 に集約しています。
呼吸手技・介入(目的 → 禁忌 → 記録)
呼吸手技は “ やること ” より先に、目的(換気 / 喀痰 / 呼吸困難の軽減)と禁忌・中止基準をそろえると安全です。痰が多い場面は、体位と排痰の設計から入ると効率が上がります。
安全管理(中止基準・血圧・起立)
内部障害は、同じ運動でも日内変動や循環調整で “ 安全の線 ” が動きます。血圧測定の条件固定と中止基準の共有を先に整えると、介入が止まりにくくなります。
ADL / 生活・栄養(生活期の実装)
内部障害の再入院や増悪は、活動量と栄養 / 嚥下の崩れとセットで起こりやすいです。テストの点数で止めず、生活上のボトルネック(動線・入浴・買い物・階段)に繋げておくと、介入の優先順位が決まります。
現場の詰まりどころ(最小の打ち手)
内部障害で詰まりやすいのは「評価はしたが強度が決まらない」「安全が不安で進められない」「生活に落ちない」の 3 つです。まずは最小の打ち手で “ 回る形 ” に寄せます。
| 詰まりどころ | 起こりやすい原因 | 最小の打ち手 | 次に読む |
|---|---|---|---|
| 強度設定が毎回ぶれる | METs だけで決める/主観(息切れ・下肢疲労)が取れていない | Borg(息切れ / 下肢疲労)+症状を “ セット ” で記録し、同条件で回す | mMRC / Borg |
| 安全が不安で介入が止まる | 血圧条件・中止基準の共有不足/報告基準が曖昧 | 血圧の測定条件を固定し、中止基準(禁忌 / 即時中止 / 一時中断)をチームで統一 | 中止基準 |
| 6 MWT の結果が解釈できない | 歩行路・休憩ルール・酸素条件が毎回違う | 条件固定(酸素・休憩・歩行路・声かけ)をテンプレ化して再評価を崩さない | 6 MWT |
| 生活に落ちず、活動量が戻らない | テスト評価で止まる/介入目標が “ 生活動作 ” になっていない | ADL / IADL のボトルネックを 1 つ決めて “ 実装 ”(動線・入浴・階段など) | ADL / IADL |
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. mMRC と Borg はどちらを “ 主役 ” にすべきですか?
A. 役割が違います。節目(初回 / 退院前など)は mMRC で “ 生活上の息切れ障害度 ” を層別化し、実施日は Borg で “ セッション内の増減 ” を追うのが定石です。迷ったら、まず Borg を毎回固定し、 mMRC は月 1 回など節目で更新すると運用が崩れにくいです。
Q2. 6 MWT は毎回やるべきですか?
A. すべての回で必須ではありません。導入期は、条件固定(酸素・休憩・歩行路)が整ってから “ 同条件で回せる頻度 ” に落とすと安全です。短いテスト 1 本で回し、節目で 6 MWT を入れる運用も現実的です。
Q3. SpO₂ が下がったとき、どこで中止にしますか?
A. 数字 1 つで決めるより、「症状(強い息切れ・胸部症状・失神前兆)」「前後差」「 HR / BP の変化」を束ねて判断するとブレが減ります。施設の中止基準に当てはめ、記録は “ 条件+反応 ” をセットで残してください。
Q4. 心不全で “ うっ血が強い ” とき、 PT はどこを見ればいいですか?
A. 末梢浮腫や呼吸苦だけでなく、頸静脈( JVP )など “ 体液貯留のサイン ” を束ねて整合性を見ると、安全線が引きやすいです。視診が難しい場合は、体位・照明・呼吸性変動など条件を整えるのがコツです。
次の一手(回遊の固定)
迷いが出たら、まずは横断ハブで “ 評価の最小セット ” を確認し、次に安全(血圧 / 中止基準)を固定、最後に生活( ADL / 栄養 )へ落とす順に戻します。
- 評価ハブ|呼吸 / 運動耐容能(主観 → テスト → 安全の最短フロー)
- 血圧チェック手順(中止判断がブレるときの “ 型 ” )
- 臨床手技・プロトコルハブ(手順 → 中止基準 → 記録)
- 栄養・嚥下ハブ(増悪 / 再入院の背景を拾う)
運用を整える → 共有の型を作る → 環境の詰まりも点検(無料チェックシート)
参考文献
- ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(1):111-117. DOI: 10.1164/ajrccm.166.1.at1102
- Heidenreich PA, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure. Circulation. 2022. DOI: 10.1161/CIR.0000000000001063
- Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD). Global Strategy for the Diagnosis, Management, and Prevention of COPD: 2025 Report. 公式配布ページ
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


