2ステップテストのやり方|測定点・計算・再試行を解説

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2ステップテストのやり方|まず標準手順を確認する

2ステップテストは、できる限り大股で2歩進んだ距離を身長で割り、「2ステップ値」を求めるロコモ度テストの1つです。実施では、両足のつま先を開始線に合わせること、2歩後に両足を揃えること、開始線から着地点のつま先まで測ることが重要です。

この記事では、2ステップテストのやり方、測定点、失敗した試行の扱い、計算方法、記録時のポイントを整理します。ロコモ度1〜3の総合判定は、ロコモ度テストのやり方と判定で確認してください。

日本整形外科学会の公式手順を整理すると、次の流れです。

  1. スタートラインを決め、両足のつま先を合わせる
  2. できる限り大股で2歩歩く
  3. 2歩進んだところで両足を揃える
  4. スタートラインから着地点のつま先まで、2歩分の歩幅を測る
  5. 2回実施し、良かった方の記録を採用する
  6. 2歩幅を身長で割って2ステップ値を算出する
2ステップテストの測定方法と失敗・再試行の判断を整理した図版
図:2ステップテストの測定方法と、失敗・再試行を考えるポイント

最初に押さえるポイント:「大股で2歩進む」だけでなく、開始位置、終了位置、測定点、失敗した試行の扱いまで揃えることで、同じ条件で比較しやすくなります。

測定距離は「開始線から着地点のつま先まで」

2ステップテストで迷いやすいのが、どこからどこまで測るのかです。公式手順では、最初に立ったスタートラインから、2歩進んだ着地点のつま先までを測定します。

踵、足部中央、足外側などを測定点にすると、公式手順と異なるだけでなく、再評価時の比較にも影響します。開始位置と終了位置の基準を毎回同じにすることが重要です。

2ステップテストの測定点
確認項目 基準 注意点
開始位置 両足のつま先をスタートラインに合わせる 左右で開始位置をずらさない
終了位置 2歩進んだあとに両足を揃える 終了条件を毎回そろえる
測定範囲 スタートラインから着地点のつま先まで 踵や足部中央を基準にしない
採用記録 2回のうち良かった方 失敗した試行をそのまま採用しない

失敗・再試行は「公式ルール」と「臨床上の条件不一致」を分ける

2ステップテストでは、公式に示されている失敗・禁止事項と、測定条件を揃えるために臨床上再試行を検討したい場面を分けて考えることが重要です。

日本整形外科学会の公式説明では、できる限り大股で2歩進んで両足を揃え、バランスを崩した場合は失敗としてやり直すことが示されています。また、注意事項としてジャンプは禁止されています。

2ステップテスト:失敗・再試行の整理
場面 位置づけ 対応
バランスを崩した 公式に「失敗」とされる その試行は採用せず、やり直す
ジャンプした 公式の注意事項で禁止 跳ばずに歩くよう再説明して再試行する
2歩後に両足を揃えられない 公式の終了手順を満たしていない 終了条件を再説明し、再試行を検討する
身体的介助が入った 通常の実施条件と異なる 介助内容を記録し、本人のみで安全に可能なら再試行を検討する
測定点を誤った 測定条件が一致しない 正しい測定点で再測定する

「再試行を検討する」という表現は、これらすべてが公式に「無効試行」と定義されているという意味ではありません。公式上の失敗・禁止事項と、比較可能な測定条件を揃えるための実務上の判断を混同しないことがポイントです。

再試行した理由も残す

再試行した場合は、最終的な2ステップ値だけでなく、「なぜ最初の試行を採用しなかったのか」を短く記録すると、あとから測定経過を確認しやすくなります。

  • 1回目:着地時にバランスを崩したため再試行
  • 1回目:ジャンプ動作を認めたため再説明
  • 1回目:終了時に両足を揃えられず再試行

2ステップ値の計算方法

2ステップ値は、測定した2歩幅を身長で割って算出します。2歩幅と身長は同じ単位で計算します。

2ステップ値 = 2歩幅(cm)÷ 身長(cm)

たとえば、2歩幅252cm、身長170cmの場合は次のようになります。

252 ÷ 170 = 約1.48

公式ページでは2回行い、良かった方の記録を採用します。したがって、2回とも適切な条件で実施できた場合は、それぞれの2歩幅を確認し、良い方から2ステップ値を求めます。

2ステップ値の計算例
項目 例
身長 170cm
1回目の2歩幅 240cm
2回目の2歩幅 252cm
採用する2歩幅 252cm
計算 252 ÷ 170
2ステップ値 約1.48

記録する小数点以下の桁数については、再評価で丸め方が変わらないよう、施設やチーム内で統一しておくと比較しやすくなります。

安全に実施するための注意点

2ステップテストは「できる限り大股」で実施するため、安全確保を前提にします。距離を伸ばすことより、バランスを崩さない範囲で実施することが優先です。

日本整形外科学会の公式ページでは、次の注意事項が示されています。

  • 介助者のもとで行う
  • 滑りにくい床で行う
  • 準備運動をしてから行う
  • バランスを崩さない範囲で行う
  • ジャンプしない

臨床ではこれらに加えて、現在の疼痛、立位・歩行の安定性、指示理解などを確認し、最大歩幅での2歩が安全に行える状態か判断します。安全確保のために身体的介助が必要な場合は、距離だけを通常の測定値として解釈するのではなく、介助条件を含めて記録することが重要です。

注意:「最大の歩幅を出してもらうこと」と「無理に歩幅を伸ばすこと」は同じではありません。転倒リスクが高い場合は、数値を得ることより安全確保を優先します。

結果は「2ステップ値+測定条件」で記録する

再評価へつなげるには、2ステップ値だけでなく、その値がどのような条件で得られたかを残しておくと解釈しやすくなります。

とくに、失敗した試行の有無、バランス、疼痛、介助、通常と異なる実施条件があれば、短く併記します。

2ステップテストで記録しておきたい内容
項目 記録する内容 目的
2歩幅 採用した測定距離 計算根拠を残す
身長 計算に使用した身長 2ステップ値を再確認できるようにする
2ステップ値 2歩幅÷身長 結果を比較する
失敗・再試行 バランスを崩した、ジャンプしたなど 採用試行の根拠を残す
実施条件 介助、疼痛、通常と異なる条件など 再評価時の解釈に使う

カルテ記載例

カルテでは、数値と判断根拠を簡潔に残します。

2ステップテストのカルテ記載例
場面 記載例
問題なく実施 2ステップ値1.48(2歩幅252cm、身長170cm)。2回目を採用。着地時のバランス崩れなし。
バランスを崩した 1回目は2歩後にバランスを崩したため失敗。再試行し、2回目の記録を採用。
ジャンプした 1回目はジャンプ動作を認めたため再説明。歩行で実施できた再試行値を記録。
介助を要した 2歩目着地時に転倒回避のため身体的介助あり。介助条件を付記し、通常条件との単純比較は行わない。

ロコモ度の判定は2ステップ値だけで完結しない

2ステップ値からロコモ度の該当段階を確認できますが、ロコモ度全体の最終判定は2ステップテストだけでは決まりません。

ロコモ度は、立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25の結果を確認し、該当した中で最も移動機能低下が進んだ段階を採用します。本記事では測定方法を主題としているため、ロコモ度1〜3の判定基準や総合判定の詳細は親記事へ役割を分けています。

次の一手

2ステップテストの測定方法を確認できたら、ロコモ度テストを構成する他の評価も同じ条件で実施できるように整理しておくと、総合判定へつなげやすくなります。


参考文献

  • 日本整形外科学会. ロコモONLINE. ロコモ度テスト「2ステップテスト」. 公式ページ.
  • Ogata T, Muranaga S, Ishibashi H, Ohe T, Izumida R, Yoshimura N, et al. Development of a screening program to assess motor function in the adult population: a cross-sectional observational study. J Orthop Sci. 2015;20(5):888-895. doi:10.1007/s00776-015-0737-1 / PubMed.
  • Yamada K, Ito YM, Akagi M, Chosa E, Fuji T, Hirano K, et al. Reference values for the locomotive syndrome risk test quantifying mobility of 8681 adults aged 20–89 years: A cross-sectional nationwide study in Japan. J Orthop Sci. 2020;25(6):1084-1092. doi:10.1016/j.jos.2020.01.011 / PubMed.

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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