2ステップテストのやり方|図解・PDF付き

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2 ステップテストは「測定点・無効試行・記録」を固定して実施する

2 ステップテストは、できるだけ大股で 2 歩進んだ距離を身長で割り、移動能力をみる検査です。手順はシンプルですが、現場では「どこまで測るか」「ジャンプをどう扱うか」「ふらついた試行を採用するか」で結果がぶれやすくなります。

この記事では、2 ステップテストの測定点、無効試行、計算式、記録例を臨床向けに整理します。ロコモ度テスト全体の判定や最重採用は親記事に任せ、本記事では 同じ条件で安全に測り、比較できる記録を残すことに絞って解説します。

このページで答えること・答えないこと
区分 内容 読むべき記事
答えること 2 ステップテストのやり方、測定点、無効試行、計算、記録例 本記事
深掘りしないこと ロコモ度テスト全体の総合判定、最重採用、ロコチェックとの違い ロコモ度テスト総論
兄弟記事へ分けること 立ち上がりテスト、ロコモ 25 の採点・解釈 立ち上がりテスト/ロコモ 25

2 ステップテストとは

2 ステップテストは、ロコモ度テストの構成要素の 1 つです。大きく 2 歩進む課題を通して、下肢機能、バランス、歩幅、移動能力を簡便に把握できます。

ただし、数値だけを見ても臨床判断にはつながりにくいです。2 歩目で止まれたか、恐怖感があったか、ジャンプになっていないか、介助を要したかを一緒に残すことで、再評価や介入方針に使いやすくなります。

準備と安全管理

まず固定するべきなのは、安全に実施できる条件です。大股で 2 歩進む動作は、歩行が不安定な対象者では転倒リスクを伴います。床面、靴、開始位置、見守り位置をそろえてから実施します。

実施前には「ジャンプしない」「バランスを崩したらやり直す」「無理に歩幅を伸ばさない」と短く説明しておくと、無効試行の判断がそろいやすくなります。

2 ステップテスト:実施前セットアップ(成人・臨床)
項目 標準 よくある失敗 対策
床面 滑りにくい平坦床 段差・滑りやすい床で実施する 段差を避け、靴底と床面を確認する
開始位置 両足つま先をスタートラインに合わせる 左右のつま先位置が毎回ずれる 床テープで開始位置を固定する
見守り 側方〜後方で転倒回避できる位置 検者が歩幅を伸ばすように支えてしまう 介助は転倒回避に限定する
服装 動きやすい靴・服装 スリッパ、裾の引っかかりで不安定になる 靴で実施し、裾や補装具を確認する

中止・延期の目安

「測れそうだから実施する」ではなく、転倒・疼痛増悪・指示理解を先に確認します。安全に 2 歩進んで止まれない場合は、無理に数値化しない判断も重要です。

2 ステップテスト:中止・延期の判断(成人・臨床)
状況 判断 対応 記録ポイント
ふらつきが強い 中止 座位へ誘導し、状態確認へ切り替える 発生場面、介助量、症状
疼痛が強く増悪する 中止 疼痛評価や低負荷評価へ切り替える 部位、誘因、動作相
指示理解が難しい 延期 説明方法を変える、または代替評価を選ぶ 延期理由、再評価条件
ジャンプで距離を出そうとする 無効または再説明 「跳ばずに 2 歩で歩く」と再説明する 無効理由、再試行の有無

やり方(標準手順)

測定距離は「スタートラインから 2 歩目着地点のつま先まで」で統一します。踵、足中央、足外側などで測ると、同じ対象者でも値が変わってしまいます。

実施前に、対象者へ「できるだけ大股で 2 歩歩き、最後は両足を揃えて止まります。ジャンプはしません」と説明します。検者は歩幅を伸ばす介助ではなく、転倒回避の見守りに徹します。

  1. スタートラインで両足のつま先を揃える
  2. できるだけ大股で 2 歩歩く
  3. 2 歩目で両足を揃えて静止する
  4. スタートラインから 2 歩目着地点のつま先までを測る
  5. 2 回実施し、良い方の記録を採用する
  6. 無効試行が出た場合は、理由を記録して再試行する
2 ステップテストで測定点・無効試行・記録の型を整理した図版
図:2 ステップテストで迷いやすい測定点・無効試行・記録の型

無効試行(やり直し)を統一する

2 ステップテストで最もぶれやすいのは、無効試行の扱いです。バランスを崩した試行やジャンプした試行を採用すると、前後比較やチーム内共有が難しくなります。

無効にする場面、再説明の声かけ、記録の残し方を先に決めておくと、担当者が変わっても同じルールで運用しやすくなります。

2 ステップテスト:無効試行の判断と修正声かけ
無効の例 なぜ無効か 修正の声かけ 記録の一言
着地で大きくふらつく 転倒回避動作が主となり、距離の意味が変わる 「無理せず、歩いて 2 歩で止まりましょう」 2 歩目でふらつきあり → 無効
ジャンプ・跳躍になる 歩行課題ではなく跳躍課題になる 「跳ばずに、2 歩とも歩いてください」 ジャンプあり → 無効
2 歩目で足が揃わない 終了条件が不一致になる 「最後は両足を揃えて止まります」 停止不十分 → 再試行
測定点が混在する 前後比較ができない 「毎回、着地点のつま先までで統一します」 測定基準を再確認
検者の介助で距離が伸びる 本人の能力として扱えない 「支えは転倒予防だけにします」 介助影響あり → 参考値

計算(2 ステップ値)

2 ステップ値は、2 歩幅( cm )を身長( cm )で割って算出します。単位をそろえ、小数第 2 位程度で記録すると、再評価時に比較しやすくなります。

たとえば、2 歩幅が 252 cm、身長が 170 cm であれば、252 ÷ 170 = 1.48 です。値だけでなく、採用試行の所見も一緒に残します。

2 ステップ値の算出と記録ルール
項目 内容 単位 注意点
2 歩幅 スタートラインから 2 歩目着地点のつま先まで cm 基準点を毎回統一する
身長 本人身長 cm 2 歩幅と同じ単位で扱う
2 ステップ値 2 歩幅 ÷ 身長 なし 小数第 2 位程度で記録する
採用値 2 回のうち良い方 なし 無効試行は採用しない

記録テンプレ(比較できる形)

2 ステップテストは、数値だけを残すよりも「値+質的所見」で記録した方が臨床に使いやすくなります。特に、2 歩目の停止、着地の安定性、恐怖感、疼痛、介助の有無は次の介入方針に直結します。

再評価で比較するためには、靴、床面、測定点、声かけ、採用ルールを同じにしておくことが大切です。違う条件で測った場合は、値だけを単純比較しないようにします。

2 ステップテスト:記録テンプレート(例)
試行 2 歩幅( cm ) 2 ステップ値 所見(質)
1 回目 240 1.41(身長 170 cm ) 2 歩目で軽いふらつきあり
2 回目 252 1.48(身長 170 cm ) 着地安定、ジャンプなし
採用 252 1.48 2 回目を採用

カルテ記載例

2 ステップテスト:カルテに残しやすい記載例
場面 記載例 次に見ること
安定して実施 2 ステップ値 1.48。2 歩目で停止可、着地時ふらつきなし。 同条件で再評価し、変化量を見る
ふらつきあり 2 歩目で左右動揺あり。転倒回避のため見守り近位で実施。 バランス評価、方向転換、歩行中の停止能力
無効試行 1 回目はジャンプ動作あり無効。再説明後、2 回目を採用。 指示理解、課題の再現性
疼痛で中止 大股歩行で右膝痛増悪あり中止。疼痛評価へ切替。 疼痛部位、荷重時痛、代替評価

2 ステップテスト記録シートPDF

測定条件、2 回の測定値、採用値、無効理由、所見メモを 1 枚で残せる A4 記録シートです。印刷して使用する場合は、測定前チェックと無効試行の理由まで同じ紙面で確認できます。

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現場の詰まりどころ

現場で詰まりやすいのは、手順そのものよりも「どこまでを有効にするか」が曖昧な場面です。ジャンプ、ふらつき、測定点のズレ、介助の影響を先にルール化すると、測定者間のばらつきを減らしやすくなります。

ジャンプっぽくなる

「大股」と「跳ぶ」が混同されると、歩行能力の評価ではなくなります。ジャンプになった試行は無効とし、「跳ばずに 2 歩で歩く」と再説明します。

測定点が毎回違う

つま先、踵、足中央が混在すると、数 cm 〜十数 cm の差が出ることがあります。測定点は必ず「着地点のつま先まで」に統一します。

恐怖感で歩幅が伸びない

最大歩幅を出そうとして転倒リスクが上がる場合は、無理に距離を伸ばしません。恐怖感や停止困難も所見として残し、バランス評価や歩行評価へつなげます。

評価・記録の型で毎回つまずく場合

手順を整えても同じ場面で迷う場合は、個人の努力だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の型をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

PT キャリアガイドを見る

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

2 回測ったら、どちらを採用しますか?

原則は 2 回実施し、良い方を採用します。ただし、ジャンプ、強いふらつき、停止不十分などの無効試行は採用せず、無効理由を記録して再試行します。

バランスを崩した場合はどう扱いますか?

安全を最優先にし、バランスを崩した試行は失敗または無効として扱います。転倒リスクが高い場合は中止し、別の安全な評価へ切り替えます。

測る場所は「つま先」で統一ですか?

はい。スタートラインから、2 歩目着地点のつま先までを測ります。踵や足中央で測ると前後比較ができなくなるため、チーム内で統一してください。

身長が不明なときに実施してよいですか?

2 歩幅だけを参考記録として残すことはできますが、2 ステップ値の算出には身長が必要です。可能であれば身長を確認してから実施します。

ロコモ度の判定まで、このページで確認できますか?

本記事は 2 ステップテスト単体の手順に絞っています。ロコモ度の総合判定は、立ち上がりテスト、2 ステップテスト、ロコモ 25 を合わせて最重度を採用するため、親記事で確認してください。

次の一手


参考文献

  • ロコモチャレンジ!推進協議会. ロコモ度テスト 2 ステップテスト. 公式ページ
  • Ogata T, Muranaga S, Ishibashi H, Ohe T, Izumida R, Yoshimura N, et al. Development of a screening program to assess motor function in the adult population: a cross-sectional observational study. J Orthop Sci. 2015;20(5):888-895. doi:10.1007/s00776-015-0737-1PubMed
  • Yamada K, Ito YM, Akagi M, Chosa E, Fuji T, Hirano K, et al. Reference values for the locomotive syndrome risk test quantifying mobility of 8681 adults aged 20–89 years: A cross-sectional nationwide study in Japan. J Orthop Sci. 2020;25(6):1084-1092. doi:10.1016/j.jos.2020.01.011PubMed

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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