療養病棟入院料2|6割要件・経過措置・再届出【2026】

制度・実務
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療養病棟入院料2は「6割要件・経過措置・再届出」を確認する

令和8年度診療報酬改定では、療養病棟入院料2で求められる医療区分2・3の患者割合が、5割以上から6割以上へ引き上げられました。2026年3月31日時点の既存届出施設には、9月30日まで6割要件を満たすとみなす経過措置があります。

10月1日以降の継続算定には、新基準への適合と届出状況の確認が必要です。ただし、新要件を満たして既に届出を済ませている場合、改めての届出は不要です。本記事では、患者割合の計算、経過措置の対象、再届出の要否と期限を整理します。

情報確認日:2026年9月28日|厚生労働省の9月10日事務連絡、関東信越厚生局の9月14日更新案内、様式6の2を確認しています。

届出が必要な場合の期限

10月1日からの継続算定について、10月14日までの提出と、10月末までの要件審査・受理が遡及算定の条件です。関東信越厚生局は10月14日(水)必着と案内しています。詳しくは再届出の要否と提出期限を確認してください。

療養病棟入院料2の患者割合は5割以上から6割以上へ

療養病棟入院料2では、医療区分2と医療区分3の患者割合の合計が6割以上であることが求められます。改定前の5割以上から引き上げられたため、従来の基準を満たしているだけでは、経過措置終了後の継続算定を判断できません。

療養病棟入院料2の医療区分2・3割合の変更
項目 改定前 令和8年度改定後
対象 療養病棟入院料2 療養病棟入院料2
医療区分2・3の患者割合 5割以上 6割以上
経過措置 ― 対象となる既存届出施設は2026年9月30日まで

割合は、ある1日の在院患者数だけで判断しません。届出様式6の2では、医療区分1・2・3それぞれの直近3か月の延べ入院料算定日数を記載して確認します。

月ごとの割合を単純平均するのではなく、3か月分の分子と分母をそれぞれ合計して計算します。具体的な計算方法は、様式6の2の確認項目で整理しています。

経過措置は2026年9月30日まで

経過措置の対象は、2026年3月31日時点で、令和6年度医科点数表の療養病棟入院料2を届け出ていた保険医療機関です。対象施設は、9月30日までの間に限り、医療区分2・3の患者割合が6割以上である要件を満たすとみなされます。

この経過措置は、療養病棟入院料2のすべての施設基準を免除するものではありません。対象施設でも、6割要件以外の基準は別に確認する必要があります。

療養病棟入院料2の6割要件、2026年9月30日までの経過措置、10月1日以降の対応を整理した確認フロー
図:療養病棟入院料2の変更点と確認の流れ。再届出の要否は、新要件での届出済み状況とあわせて判断します。

図版の再届出に関する補足:既に経過措置に係る要件を満たして届出を済ませている場合は、改めての届出は不要です。また、10月1日以降に6割要件などの施設基準を満たさない場合は、同じ入院料2をそのまま継続するのではなく、区分変更や辞退届などの対応を確認してください。

再届出の要否と10月14日の提出期限

経過措置終了後も療養病棟入院料2を継続算定する場合は、新要件を満たしているか、既にその要件で届出を済ませているかの2点で対応を整理します。旧基準での届出があることだけを理由に、手続きが不要と判断しないようにしてください。

療養病棟入院料2の経過措置終了後の対応
自院の状況 届出の考え方 確認するもの
新要件を満たし、その要件で届出済み 改めての届出は不要 提出した届出書類、添付資料、受理状況
経過措置を利用し、新要件での届出が未了 要件を満たしたうえで必要な届出を行う 6割要件の集計資料、別添7、様式6の2
10月1日以降の施設基準を満たさない 区分変更や辞退届などの対応を確認する 不足する要件、変更後の算定区分、管轄厚生局の案内

厚生労働省の2026年9月10日付事務連絡では、対象となる届出について、10月14日までに届出書を提出し、10月末までに要件審査を終えて受理された場合、10月1日に遡って算定できるとされています。

関東信越厚生局は、提出期限を2026年10月14日(水)必着と案内しています。提出先、提出方法、最新版の書式は、自院を管轄する地方厚生(支)局で確認してください。

提出期限と基準を満たす時点は別です。
10月14日という期限は、6割要件を満たす猶予がその日まで延びるという意味ではありません。10月1日以降の算定に必要な基準を満たしたうえで、提出・審査・受理の条件を確認します。

経過措置終了に伴う届出様式として、別添7(療養入院)と様式6の2が示されています。区分変更などを伴う場合は、追加書類の要否も確認してください。

出典:厚生労働省・2026年9月10日事務連絡、関東信越厚生局の経過措置に関する案内

様式6の2では直近3か月の延べ入院料算定日数を使う

6割要件は、様式6の2に沿って医療区分2・3の延べ入院料算定日数を、医療区分1〜3の合計で除して確認します。同じ患者でも期間中に医療区分が変わるため、単日の患者一覧や実人数だけでは届出用の集計と一致しません。

様式6の2で確認する主な項目
欄 確認内容
① 医療区分1 医療区分1の延べ入院料算定日数
② 医療区分2 医療区分2の延べ入院料算定日数
③ 医療区分3 医療区分3の延べ入院料算定日数
④ 合計 ①+②+③
⑤ 医療区分2+3 ②+③
患者割合 ⑤÷④。百分率で示す場合は100を掛けます。

計算例(説明用の架空値)

直近3か月の延べ入院料算定日数が、医療区分1=900日、医療区分2=1,200日、医療区分3=900日の場合、患者割合は(1,200+900)÷(900+1,200+900)=70%です。この例では6割要件を満たしますが、継続算定には他の施設基準と届出状況も確認します。

様式には各月と直近3か月の合計欄があります。月ごとの患者割合が異なる場合も、3つの割合を単純平均するのではなく、3か月分の延べ入院料算定日数を合算してから割合を出すことがポイントです。

記載上の注意では、直近3か月の医療区分の患者割合が分かる別様式を作成している場合、その様式に替えても差し支えないとされています。院内集計表を用いる場合は、医療区分ごとの分類、算定日数、集計期間が届出様式と整合しているか確認してください。

患者割合の集計は改定後の医療区分判定と照合する

6割要件の分子になる医療区分2・3は、令和8年度改定で該当条件も見直されています。割合だけを計算し直すのではなく、改定後の疾患・状態・処置等の条件を反映した集計かを確認する必要があります。

感染症治療と特定の処置の組合せ、非がん疾患の緩和ケア、小児の重症度に関する見直しなどは、病名だけで新しい医療区分が決まるものではありません。患者ごとの条件と記録を照合してください。

個別の該当条件は、療養病棟の医療区分2・3|2026年改定の変更点と判定条件で確認できます。本記事では、その判定結果を患者割合と届出にどうつなげるかを扱います。

院内では割合・届出履歴・提出期限を照合する

院内で優先するのは、6割要件の集計結果と、既に提出した届出の内容を照合することです。以下は実務上の確認例であり、公式に定められた手順や担当分担ではありません。

療養病棟入院料2の継続算定に向けた院内確認
確認項目 確認する資料 確認後の対応
経過措置の対象 2026年3月31日時点の届出・受理状況 自院が経過措置を利用しているか整理する
直近3か月の患者割合 様式6の2または同等の院内集計表 分母・分子と6割以上の充足を確認する
医療区分の判定 改定後の判定条件、患者ごとの記録 集計に旧判定や入力漏れが混在していないか照合する
再届出の要否 新要件で提出した届出控え、受理状況 届出済みか、今回の提出が必要かを確定する
提出・受理の管理 管轄厚生局の期限・様式・提出方法 院内締切と担当者を決め、提出後の補正・受理まで確認する

医事・事務部門が届出要件と提出履歴を確認し、病棟側が医療区分判定と集計の根拠を照合すると整理しやすくなります。PT・OT・STは、患者状態や機能、ADLなどの情報を共有し、判定に関わる職種が記録を確認できるよう連携します。

要件を満たさないことが分かった場合は、提出期限を待たず、継続算定の可否と必要な手続きを医事担当者・管轄厚生局に確認してください。

身体的拘束や離床の基準とは分けて確認する

療養病棟入院料2の6割要件は、医療区分2・3の患者割合に関する施設基準です。身体的拘束最小化の体制・実績要件や、個々の患者の離床可否を判断する基準とは別に確認します。

6割要件を満たしても他の施設基準が不要になるわけではなく、医療区分だけでリハビリや離床の可否が決まるわけでもありません。本記事は、6割要件と経過措置終了後の届出判断に範囲を絞っています。

よくある質問

各項目名をタップすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

療養病棟入院料2の6割要件はいつからですか?

令和8年度改定で、医療区分2・3の患者割合は5割以上から6割以上へ引き上げられました。ただし、2026年3月31日時点の対象となる既存届出施設は、9月30日まで6割要件を満たすとみなされます。経過措置終了後の10月1日以降は、新しい要件に適合しているか確認します。

9月30日まで6割を満たしていなくても算定できますか?

経過措置の対象施設では、9月30日まで6割要件を満たすとみなされます。ただし、他の施設基準まで免除されるものではありません。自院の届出履歴と、経過措置の対象要件を確認してください。

6割は現在入院している患者数だけで計算しますか?

届出様式6の2では、直近3か月の延べ入院料算定日数を用います。医療区分2・3の合計を医療区分1〜3の全体で除して確認するため、単日の患者数や実人数だけでは判断しません。

月ごとの患者割合を平均すればよいですか?

3か月の割合を単純平均するのではなく、3か月分の延べ入院料算定日数を合計してから計算します。分子は医療区分2・3の合計、分母は医療区分1〜3の合計です。

10月以降も算定する場合、必ず再届出が必要ですか?

既に経過措置に係る要件を満たして届出を済ませている場合、改めての届出は不要と案内されています。旧基準での届出があるだけの場合と区別し、新要件で提出した書類と受理状況を確認してください。

再届出の提出期限はいつですか?

厚生労働省の9月10日事務連絡では、10月14日までに届出書を提出し、10月末までに要件審査・受理が行われた場合、10月1日に遡って算定できるとされています。関東信越厚生局は10月14日(水)必着と案内しています。提出先・提出方法は管轄厚生局で確認してください。

10月14日までに6割を満たせばよいですか?

提出期限と基準を満たす時点は別です。10月14日は6割要件の経過措置が延長される日ではありません。10月1日以降の算定には、改定後の施設基準への適合が必要です。

6割要件を満たさない場合はどうなりますか?

経過措置終了後に施設基準を満たさない場合は、区分変更や辞退届など必要な対応を確認します。同じ入院料2をそのまま継続する前提にせず、院内の医事担当者と管轄厚生局に相談してください。

次の一手

まずは、直近3か月の患者割合と新要件での届出履歴を照合してください。届出が必要な場合は、提出だけで完了とせず、補正対応や受理状況を確認する担当者まで決めておくと管理しやすくなります。


参考資料

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について【全体概要版】.療養病棟入院基本料の見直し.
  2. 厚生労働省.基本診療料の施設基準等.療養病棟入院料2の施設基準、経過措置.
  3. 関東信越厚生局掲載.様式6の2 療養病棟入院基本料における医療区分の患者割合一覧表.
  4. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて.2026年9月10日事務連絡.
  5. 関東信越厚生局.令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて.2026年9月14日更新.
  6. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定における経過措置.
  7. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.関係法令・通知・疑義解釈等.

※実際の届出にあたっては、厚生労働省および自院を管轄する地方厚生(支)局の最新資料を確認してください。

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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