COPD の運動処方| Borg・SpO2・止めどきの決め方

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COPD の運動処方は「強度の決め方」と「止めどき」を固定すると回ります

COPD の運動療法は、やみくもに歩かせると「息切れが怖くて低負荷のまま」か「 SpO2 低下や過換気で中断」のどちらかに寄りがちです。迷いを減らすコツは、強度設定 → 進行 → 中止基準 → 記録の順に “型” を固定することです。

本記事は、PT が現場でそのまま使えるように、Borg・ SpO2・会話テスト・ 6MWT を使った強度設定と、種目別の進め方、よくある失敗の回避、カルテに残す最小項目までをまとめます。

同ジャンルの回遊(まず全体像)

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関連: GOLD でみる COPD の重症度と評価の流れ

続けて読む: COPD 増悪予防(前兆→行動→記録の型)

結論: Borg を軸に、 SpO2 と症状で「止めどき」を決めます

運動処方は「どのくらい動かすか」より、どこで減量・中止・継続を判断するかを先に固定すると安定します。現場では Borg を主軸にし、 SpO2 と症状を安全確認として組み合わせると、低負荷にも過負荷にも寄りにくくなります。

まずは “ややきつい” 強度帯をそろえ、次に「止めどき」と「記録」を固定してください。これだけで処方の再現性が大きく変わります。

COPD 運動処方の判断フロー

COPD 運動処方の判断フロー(Borg・SpO2・中止基準・記録)
図:Borg を軸に、 SpO2 と症状で「継続・減量・中止」を整理する

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強度設定の早見: Borg・ SpO2・会話テストの使い分け

現場で最もブレやすいのは「 Borg をどこに置くか」です。まずは “ややきつい” 帯を施設内でそろえ、 SpO2 と症状で安全確認を行う運用にすると、チームで共有しやすくなります。

COPD の運動強度を決める指標の使い分け
指標 役割 見るポイント 注意点
Borg 主観的負荷 “ややきつい” を維持 毎回バラつかせない
SpO2 安全確認 低下幅と回復 数値だけで即中止しない
会話テスト 過負荷確認 短文が話せるか 過換気との区別が必要

現場の詰まりどころ:処方が回らない原因は 3 つです

運動処方が不安定になる原因は、①強度が低すぎる ②止めどきが曖昧 ③記録が残らない、の 3 つに集約されます。まずは “ Borg → SpO2 → 記録 ” の順番を固定してください。

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。

評価・記録・報告の「型」をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

PT キャリアガイドを見る

よくある失敗: Borg を使わず “感覚” で負荷を変えてしまう

最も多い失敗は、毎回違う基準で負荷を決めることです。「今日は苦しそうだから軽く」「今日は元気そうだから強め」と感覚だけで変えると、再現性が失われます。

  • Borg が低すぎる → 運動刺激不足
  • Borg が高すぎる → 息切れ恐怖で中断
  • 記録なし → 次回が別メニューになる

回避の手順:まずは 5 行だけ記録します

カルテやメモは、まず次の 5 行だけで十分です。 “変えるのは 1 つだけ” を守ると、処方が安定します。

  • 種目(歩行/自転車/筋トレ)
  • 時間(連続 or インターバル)
  • Borg(息切れ/下肢疲労)
  • SpO2(最低値と回復)
  • 次回変更点(速度/負荷/休息)

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. Borg はどのくらいを目標にしますか?

A. まずは “ややきつい” を基準にそろえます。 CR10 なら 3〜4、 6〜20 なら 12〜14 が目安です。

Q2. SpO2 が下がったら即中止ですか?

A. 数値だけではなく、症状と回復の速さを含めて判断します。胸痛・強いめまいなどがある場合は中止を優先します。

Q3. 20 分連続で歩けません。

A. 最初はインターバルで問題ありません。総時間を確保してから、連続時間を伸ばします。

次の一手


参考文献

  • GOLD. Global Strategy for the Diagnosis, Management, and Prevention of COPD (2025 Report). https://goldcopd.org/
  • Rochester CL, et al. Pulmonary Rehabilitation for Adults with Chronic Respiratory Disease. Am J Respir Crit Care Med. 2023;208(4):e7-e26. doi:10.1164/rccm.202306-1066ST
  • Gloeckl R, Marinov B, Pitta F. Practical recommendations for exercise training in patients with COPD. Eur Respir Rev. 2013;22(128):178-186. doi:10.1183/09059180.00000513

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士

専門領域: 呼吸リハ、脳卒中、褥瘡・創傷、リハ栄養、摂食・嚥下

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