- FIMセルフケア6項目の採点方法|食事・整容・清拭・更衣・トイレ動作
- FIMセルフケア6項目の構成と採点の基本
- セルフケア採点の基本フロー|介助・監視・修正の順に確認する
- 食事の採点方法|提供された食事を摂取する一連の動作
- 整容の採点方法|普段行う複数の身だしなみをまとめる
- 清拭の採点方法|洗う・流す・拭く工程を全体で評価する
- 更衣上半身の採点方法|上衣と必要な装具の着脱を確認する
- 更衣下半身の採点方法|下着・ズボン・靴下・靴をまとめる
- トイレ動作の採点方法|下衣操作・清拭・下衣を戻す工程
- 4〜1点は動作を工程に分けて本人の実施割合を確認する
- セルフケアで混同しやすい項目の境界
- FIMセルフケアの記録方法|点数と介助工程をセットにする
- FIMセルフケア採点でよくある失敗
- セルフケア採点をそろえる5分チェック
- FIMセルフケアのよくある質問
- まとめ|セルフケアは対象工程と人的関与を分けて採点する
- 参考文献・確認資料
- 著者情報
FIMセルフケア6項目の採点方法|食事・整容・清拭・更衣・トイレ動作
FIM全18項目と7段階の基本から確認したい方へ
FIMのセルフケアは、食事・整容・清拭・更衣上半身・更衣下半身・トイレ動作の6項目です。いずれも1〜7点で採点しますが、採点対象となる工程や、複数の動作をまとめる方法が異なります。
セルフケア項目で迷ったときは、最初にどこからどこまでが採点対象かを確認します。そのうえで、身体介助、見守り・声かけ・物品準備、補助具、時間延長などを分けます。本記事では、6項目の評価範囲、7〜5点の境界、4〜1点の介助割合、混同しやすい動作、記録例を整理します。
FIMセルフケア6項目の構成と採点の基本
セルフケア6項目は、それぞれの生活動作に必要な人的関与を1〜7点で評価します。6項目の得点範囲は合計6〜42点です。
| 項目 | 主な採点対象 | 特に迷いやすい点 |
|---|---|---|
| 食事 | 提供された食事を口へ運び、咀嚼・嚥下する一連の動作 | 食形態、配膳後の準備、食事途中からの介助、経管栄養 |
| 整容 | 口腔ケア、洗顔、手洗い、整髪、ひげそり・化粧など | 複数活動のまとめ方、本人の生活習慣、物品準備 |
| 清拭 | 入浴場面で身体を洗い、流し、拭く動作 | 洗体以外の工程、シャワー操作、対象部位全体の介助割合 |
| 更衣上半身 | 上衣と生活上必要な装具などの着脱 | 衣服の準備、前後判断、留め具、装具、着衣と脱衣 |
| 更衣下半身 | 下着、ズボン、靴下、靴などの着脱 | 衣類ごとに異なる介助量、立位保持、装具、衣服の引き上げ |
| トイレ動作 | 下衣を下げる、排泄後に清拭する、下衣を上げる動作 | トイレ移乗・排泄管理との区別、パッド、清拭後の確認 |
セルフケア採点の基本フロー|介助・監視・修正の順に確認する
最初から7段階すべてを当てはめず、身体介助、人的関与、修正要素の順に確認すると判断しやすくなります。
- 身体介助が入ったか:身体、衣服、食具などへ介助者の手が入れば、4点以下を検討します。
- 見守り・声かけ・準備が必要か:身体介助はなくても、人的関与が必要なら5点を検討します。
- 補助具・時間延長・安全上の配慮があるか:他者の関与がなく、修正要素があれば6点を検討します。
- 修正要素もないか:通常の条件で安全に完遂できれば7点を検討します。

| 点数 | 区分 | 基本的な判断 |
|---|---|---|
| 7点 | 完全自立 | 補助具、通常以上の時間、人的関与を必要とせず、安全に完遂する。 |
| 6点 | 修正自立 | 補助具、装具、自助具、時間延長、安全への配慮などは必要だが、他者の関与なしで完遂する。 |
| 5点 | 監視・準備 | 身体介助はないが、見守り、声かけ、促し、物品準備などの人的関与を必要とする。 |
| 4点 | 最小介助 | 身体介助が必要で、本人が動作全体の75%以上を実施する。 |
| 3点 | 中等度介助 | 身体介助が必要で、本人が動作全体の50〜74%を実施する。 |
| 2点 | 最大介助 | 身体介助が必要で、本人が動作全体の25〜49%を実施する。 |
| 1点 | 全介助 | 本人の実施が25%未満で、介助者による代行が中心となる。 |
5点と6点の境界を詳しく確認したい場合は、FIM 5点の判定基準も参照してください。
本記事は公式採点マニュアルの代替ではありません
本記事は、セルフケア6項目の採点対象と臨床上の観察ポイントを整理したものです。経管栄養、病衣、装具、日内変動など、項目固有の例外や複雑な事例は、FIM®の正式教材、講習会、所属施設の運用基準を確認してください。
食事の採点方法|提供された食事を摂取する一連の動作
食事では、食事が提供された状態から、食物を口へ運び、咀嚼・嚥下して摂取するまでを評価します。調理や配膳そのものではなく、食事場面で本人に必要となる介助を確認します。
食事で確認する主な工程
- 食具を持ち、食物をすくう・刺す
- 食物を口へ運ぶ
- 咀嚼・嚥下する
- 食事場面で容器や包装を扱う
- 必要な自助具や義歯を使用する
- 食事を終了するまで摂取を継続する
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 通常の食具と食形態で、通常の時間内に、安全に自己摂取できる。 |
| 6点 | 自助具、義歯、調整された食形態、通常以上の時間などが必要だが、人的関与なしで摂取できる。 |
| 5点 | 配膳後の容器開封、食物を切る、姿勢設定、見守り、声かけなどが必要だが、身体介助なしで摂取する。 |
| 4〜1点 | 食物を口へ運ぶ、食具を操作するなどの工程へ身体介助が入り、本人が摂取した割合から判断する。 |
食事で迷いやすい場面
食形態が調整されていることと、食事場面で介助者が準備することは分けて確認します。あらかじめ提供された調整食を本人が自力で食べる場合と、配膳後に毎回介助者が食物を切る場合では、人的関与の有無が異なります。
食事の前半は自己摂取できるものの、疲労によって後半を介助される場合は、最もよかった一口だけで採点しません。本人が摂取した量や時間と、介助者が行った量を整理して、食事全体に対する本人の実施割合を確認します。
経口摂取と経管栄養を併用している場合や、食事によって介助量が大きく変わる場合は、単純な平均では判断できないことがあります。正式な項目固有規則を確認してください。
食事の記録例
太柄スプーンと滑り止めマットを使用。配膳後の容器開封は本人が行い、声かけ・見守りなしで自己摂取可能。通常より時間を要する。
整容の採点方法|普段行う複数の身だしなみをまとめる
整容では、本人が普段行っている身だしなみや衛生活動を複数まとめて評価します。一つの動作だけを見て、整容項目全体の点数を決めないことが重要です。
整容で確認する主な活動
- 口腔ケア
- 洗顔
- 手洗い
- 整髪
- ひげそりまたは化粧など、本人が日常的に行う活動
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 普段行う整容活動を、通常の物品と時間で自立して行う。 |
| 6点 | 電動機器、自助具、通常以上の時間などが必要だが、他者の関与なしで行う。 |
| 5点 | 物品準備、見守り、手順の声かけなどが必要だが、身体介助なしで行う。 |
| 4〜1点 | 複数の整容活動へ身体介助が入り、各活動で本人が行った割合をまとめて判断する。 |
整容で迷いやすい場面
口をすすげるという一部分だけで口腔ケア全体を自立と判断しません。歯磨きや義歯以外の対象動作を含め、本人が実際に行った仕事量を確認します。
本人が生活習慣として全く行っていない整容活動は、単純に「できない活動」として追加しない扱いがあります。一方で、病院の業務上すべての患者へ一律に物品を準備している場合と、本人の状態に合わせて準備している場合では、採点への反映が異なります。
電動歯ブラシなどを本人の好みで使用しているだけなのか、その機器がなければ動作を行えないのかも確認します。
整容の記録例
洗顔・手洗い・整髪は自立。口腔ケアでは歯磨き粉と歯ブラシの準備を要するが、身体介助なしで完遂する。
清拭の採点方法|洗う・流す・拭く工程を全体で評価する
清拭では、対象となる身体部位を洗うだけでなく、流す・拭く工程まで含めて評価します。洗体が自立していても、シャワー操作や身体を拭く工程を介助されていれば、その介助を反映します。
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 通常の環境で、対象部位を洗い、流し、拭く動作を安全に自立して行う。 |
| 6点 | シャワーチェア、長柄ブラシ、滑り止めなどを必要とするが、他者の関与なしで行う。 |
| 5点 | 物品準備、湯温設定、見守り、手順の声かけなどが必要だが、身体介助なしで行う。 |
| 4〜1点 | 洗う・流す・拭く工程のいずれかへ身体介助が入り、全工程で本人が行った割合から判断する。 |
清拭で迷いやすい場面
「上半身は自分で洗える」「洗体はできる」といった一部分だけで採点せず、対象となる身体部位と工程全体を確認します。
たとえば、洗う動作は自立していても、介助者がシャワーヘッドを持って身体を流し、入浴後に身体を拭いている場合は、身体介助が入っているため4点以下を検討します。
シャワーチェアや滑り止めが浴室に常設されているだけでは、必ずしも減点になるとは限りません。本人にとって必要な補助具か、単に施設設備として設置されているかを分けて確認します。
清拭の記録例
シャワーチェアを使用。上肢・体幹・大腿は洗浄可能だが、下腿の洗浄と身体を拭く工程に介助を要する。
更衣上半身の採点方法|上衣と必要な装具の着脱を確認する
更衣上半身では、本人が普段着用する社会生活上適切な上衣と、生活上必要な装具などの着脱を評価します。
更衣上半身で確認する工程
- 衣服を準備・選択する
- 衣服の前後・表裏を判断する
- 左右の袖へ腕を通す
- 衣服を肩や体幹へ引き上げ、整える
- ボタンやファスナーなどを操作する
- 生活場面で必要な上肢装具などを着脱する
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 通常の衣服を選択・準備し、着衣と脱衣を自立して行う。 |
| 6点 | 自助具、特殊な衣服、装具、通常以上の時間などが必要だが、他者の関与なしで行う。 |
| 5点 | 衣服の準備、順序や前後の声かけ、見守りなどが必要だが、身体介助なしで行う。 |
| 4〜1点 | 袖通し、衣服の引き上げ、留め具などへ身体介助が入り、衣類全体の本人実施割合から判断する。 |
更衣上半身で迷いやすい場面
着る動作だけでなく、脱ぐ動作も含めて確認します。朝の着衣は自立していても、疲労した夜間の脱衣に介助が必要な場合は、良い場面だけで採点しません。
訓練室でのみ装具を使用している場合は、病棟や自宅で普段行っている更衣へそのまま含めません。あくまで「しているADL」で必要な衣服と装具を確認します。
更衣上半身の記録例
前開きシャツを使用。患側袖通しは自立しているが、背部の衣服を引き下ろす工程に軽介助を要する。
更衣下半身の採点方法|下着・ズボン・靴下・靴をまとめる
更衣下半身では、下着、ズボン、靴下、靴など、本人が普段着用する衣類全体の着脱を評価します。一番難しい衣類だけでなく、衣類ごとの実施割合をまとめます。
更衣下半身で確認する工程
- 下着やズボンへ足を通す
- 下着やズボンを腰まで引き上げる
- 靴下を着脱する
- 靴を着脱し、留め具を操作する
- 生活上必要な下肢装具を着脱する
- 更衣中の姿勢を保つ
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 通常の下衣、靴下、靴を準備し、着衣と脱衣を自立して行う。 |
| 6点 | 自助具、手すり、特殊な衣服、装具、時間延長などが必要だが、他者の関与なしで行う。 |
| 5点 | 衣類の準備、順序の声かけ、見守りなどが必要だが、身体介助なしで行う。 |
| 4〜1点 | 衣服へ足を通す、引き上げる、靴下・靴を扱う工程へ身体介助が入り、衣類全体の実施割合から判断する。 |
更衣下半身で迷いやすい場面
ズボンと下着が自立していても、靴下と靴に介助が必要な場合があります。この場合は、ズボンだけの介助量で決めず、採点対象となる衣類ごとの実施割合をまとめます。
立ち上がり動作そのものと、更衣中に姿勢を支える介助は分けて考えます。立ち上がるための介助だけなのか、衣服を引き上げる間に体幹や骨盤を支えているのかを記録してください。
病衣や寝間着だけを着用している場合には、社会生活上適切な衣服の扱いに関する項目固有規則があります。独自に「着替えられるから自立」と判断せず、正式基準を確認します。
更衣下半身の記録例
下着とズボンは自立。靴下は片足のみ介助、靴は履き口を広げる準備後に自己着脱可能。衣類別の実施割合を統合して採点する。
トイレ動作の採点方法|下衣操作・清拭・下衣を戻す工程
トイレ動作では、下衣を下げる、排泄後に清拭する、下衣を上げる3つの工程を評価します。トイレまでの移動、便器への移乗、排尿・排便のコントロールは別項目です。
| 項目 | 評価する内容 |
|---|---|
| トイレ動作 | 下衣を下げる、清拭する、下衣を上げる。 |
| トイレ移乗 | 便器やポータブルトイレへ乗り移る。 |
| 歩行・車椅子 | トイレまで場所を移動する。 |
| 排尿・排便管理 | 失敗、排泄コントロール、パッド・器具・処置などを管理する。 |
| 点数帯 | 確認する状態 |
|---|---|
| 7点 | 通常の条件で下衣操作と清拭を自立して行う。 |
| 6点 | 手すり、補助具、パッドなどを必要とするが、他者の関与なしで全工程を行う。 |
| 5点 | 物品準備、見守り、手順の声かけなどが必要だが、身体介助なしで行う。 |
| 4〜1点 | 下衣を下げる、清拭する、下衣を上げる工程へ身体介助が入り、3工程全体の本人実施割合から判断する。 |
トイレ動作で迷いやすい場面
下衣操作が自立していても、清拭後に介助者が身体へ手を出して拭き残しを確認する場合は、単なる見守りではなく身体介助として検討します。
尿パッドの位置を介助者が修正する場合も、身体介助として扱うことがあります。一方、紙おむつやパッドを使用しているだけで、すべて同じ点数になるわけではありません。本人が着脱・交換しているか、準備のみ必要か、身体介助が入るかを分けます。
日中はトイレで自立していても、夜間の下衣操作やおむつ交換に介助が必要な場合は、日中の最良場面だけで採点しません。24時間の「しているADL」を確認します。
トイレ動作の記録例
下衣を下げる・上げる工程は自立。排泄後の清拭は本人が行うが、拭き残しの確認と一部修正に介助を要する。トイレ移乗は別項目で評価。
4〜1点は動作を工程に分けて本人の実施割合を確認する
身体介助が入った場合は、介助者が触れた時間の長さではなく、動作全体のうち本人がどの程度を担ったかを確認します。
| 項目 | 工程分解の例 |
|---|---|
| 食事 | 準備された食物を扱う → 食具操作 → 口へ運ぶ → 咀嚼・嚥下 → 食事を継続する |
| 整容 | 口腔ケア → 洗顔 → 手洗い → 整髪 → ひげそり・化粧など |
| 清拭 | 対象部位を洗う → 流す → 身体を拭く |
| 更衣上半身 | 衣服準備 → 袖通し → 体幹へ引き上げる → 留め具 → 衣服を整える |
| 更衣下半身 | 下着・ズボン → 靴下 → 靴 → 必要な装具 |
| トイレ動作 | 下衣を下げる → 清拭する → 下衣を上げる |
工程数を機械的に数えるだけではなく、本人が担った仕事量を確認します。小さな工程でも負担が大きい場合があり、項目によっては衣類や複数の活動を平均する考え方が必要です。
4〜1点の工程分解と介助割合を詳しく確認したい場合は、FIM 4〜1点の介助割合の考え方を参照してください。
セルフケアで混同しやすい項目の境界
| 迷いやすい組み合わせ | 区別するポイント |
|---|---|
| 食事/調理 | FIM食事は、提供された食事を摂取する場面を評価する。献立作成や調理能力の評価ではない。 |
| 清拭/浴槽・シャワー移乗 | 身体を洗い、流し、拭く動作か、浴槽・シャワーチェアへ乗り移る動作か。 |
| 更衣下半身/トイレ動作 | 通常の更衣場面における衣服の着脱か、排泄前後の下衣操作か。 |
| トイレ動作/トイレ移乗 | 下衣操作・清拭か、便器への乗り移りか。 |
| トイレ動作/排尿・排便管理 | 排泄前後の衣服・清拭か、失敗や排泄コントロール、器具管理か。 |
| 整容/食事に使用する義歯 | 義歯の扱いには項目固有の判断があるため、使用する場面と介助内容を明記して正式基準を確認する。 |
FIMセルフケアの記録方法|点数と介助工程をセットにする
セルフケアの記録では、点数だけでなく、使用物品、準備、声かけ、身体介助が入った工程を残します。
| 記録項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 評価場面 | 朝食、朝の整容、入浴、朝夕の更衣、日中・夜間の排泄など |
| 使用物品 | 自助具、電動機器、シャワーチェア、手すり、装具、パッドなど |
| 人的関与 | 物品準備、見守り、声かけ、促し、身体介助 |
| 介助工程 | 袖通し、靴下、清拭、食事後半など、介助者が手を出した部分 |
| 本人実施割合 | 動作全体または複数活動のうち、本人が担った仕事量 |
| 場面差 | 朝夕、日中夜間、病棟と訓練室などの違い |
セルフケアの記録例
食事6点:太柄スプーンを使用し、通常より時間を要するが人的関与なし。整容5点:洗面用具の準備後は身体介助なしで完遂。更衣下半身4点:下着・ズボンは自立、靴下と靴の一部に身体介助を要する。トイレ動作4点:下衣操作は自立、清拭後の修正に身体介助あり。
FIMセルフケア採点でよくある失敗
| よくある失敗 | 問題点 | 回避方法 |
|---|---|---|
| 一つの工程だけで採点する | 清拭や更衣など、複数工程の介助量を反映できない。 | 採点対象全体を工程に分け、本人の実施割合を確認する。 |
| 補助具使用を5点にする | 補助具と人的関与を混同している。 | 本人だけで準備・使用できる場合は6点を検討する。 |
| 物品準備を記録しない | 5点と6点の境界が不明になる。 | 誰が何を準備したかを記録する。 |
| 触れた回数で介助割合を決める | 動作全体で本人が担った仕事量を反映できない。 | 介助が入った工程と本人が実施した工程を分ける。 |
| 訓練室の最大能力で採点する | 病棟や自宅で普段必要な介助量と一致しない。 | 実際の生活場面で行っているセルフケアを確認する。 |
| 排泄場面を一つの項目で評価する | トイレ動作、移乗、移動、排泄管理が混在する。 | 各項目の採点対象を分けて記録する。 |
| 日中の良い状態だけで採点する | 夜間や疲労時に必要な介助を反映できない。 | 24時間の普段のADLと日内変動を確認する。 |
セルフケア採点をそろえる5分チェック
- 採点対象となる工程を確認したか
- 身体介助と見守り・準備を分けたか
- 補助具を本人だけで使用・準備できるか確認したか
- 介助が入った工程と本人の実施割合を記録したか
- 病棟・自宅で普段行っているADLを確認したか
- 日中・夜間や朝夕の介助量の違いを確認したか
- 関連する別項目へ重複して反映していないか
FIMセルフケアのよくある質問
各項目をタップすると回答が開きます。
FIMのセルフケア6項目は何ですか?
食事、整容、清拭、更衣上半身、更衣下半身、トイレ動作の6項目です。各項目を1〜7点で採点し、合計6〜42点です。
食事や整容の物品を介助者が準備した場合は何点ですか?
本人の状態に合わせた物品準備が毎回必要で、準備後は身体介助なしで実施する場合は5点を検討します。ただし、施設の運用として全員へ一律に行う準備などは、本人に必要な介助かを分けて判断します。
自助具やシャワーチェアを使うと5点ですか?
補助具を使用していても、本人が準備から終了まで他者の関与なしで行える場合は6点を検討します。補助具の準備、見守り、声かけが必要であれば5点を検討します。
複数の衣類や整容活動で介助量が違う場合はどうしますか?
最も難しい一つだけで決めず、採点対象となる衣類や整容活動ごとの本人実施割合を整理し、項目全体で判断します。正式な平均方法はFIMの採点基準を確認してください。
トイレ動作とトイレ移乗の違いは何ですか?
トイレ動作は下衣を下げる、清拭する、下衣を上げる工程です。トイレ移乗は便器やポータブルトイレへの乗り移りです。トイレまでの移動と排尿・排便管理も別項目です。
清拭は身体を洗えれば自立ですか?
洗う動作だけでは判断しません。対象部位を洗う、流す、拭く工程全体を確認します。シャワー操作や身体を拭く工程へ身体介助が入れば、その介助を採点へ反映します。
まとめ|セルフケアは対象工程と人的関与を分けて採点する
FIMセルフケアは、食事・整容・清拭・更衣上半身・更衣下半身・トイレ動作の6項目です。採点では、最初に身体介助の有無を確認し、次に見守り・準備・声かけ、最後に補助具・時間延長などの修正要素を確認します。
食事、整容、清拭、更衣では、複数の工程や活動を項目全体で評価します。トイレ動作では、下衣を下げる、清拭する、下衣を上げる工程を評価し、トイレ移乗や排泄管理とは分けます。
点数だけでなく、評価場面、使用物品、人的関与、介助が入った工程、本人の実施割合を記録すると、評価者間で採点根拠を共有しやすくなります。
参考文献・確認資料
- 厚生労働省. 日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要. 資料.
- リハビリテーション機能評価研究会. ADL評価法FIM講習会:FIMに関するFAQ. FAQ一覧.
- リハビリテーション機能評価研究会. 運動項目―食事・整容・清拭・トイレ動作のFAQ. セルフケア1.
- リハビリテーション機能評価研究会. 運動項目―更衣のFAQ. セルフケア2.
- Uniform Data System for Medical Rehabilitation. UDSMR. 公式サイト.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

