老年症候群ハブ|フレイル・転倒・低栄養を抜けなく整理【保存版】

疾患別
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老年症候群ハブ|フレイル・転倒・せん妄・低栄養を「抜けなく」引く

本ページは、老年症候群(フレイル/サルコペニア/転倒・骨折/せん妄/低栄養など)を「どこから見て、何をそろえるか」で迷わないための索引(ハブ)です。病棟・在宅での実務に合わせてスクリーニング → 重点評価 → 安全線 → 記録 → 再評価の順でまとめます。

親ハブ:疾患別ハブ / 横断:評価ハブ / 栄養:栄養・嚥下ハブ

まず最初に読む( 3 本 )

老年症候群は、疾患名よりも「生活のボトルネック」が先に見えると介入が早いです。入口のスクリーニングで “深掘り対象” を決め、次に運動機能(歩行・立ち上がり)と ADL / IADL をそろえるのが最短です。

入口:スクリーニング( 5 分 )

入口は「広く浅く」拾い、深掘りは 1〜2 個に絞ると回ります。高齢者は “軽い低下の重なり” が転倒や入院を招きやすいので、まずは生活機能・運動機能・栄養の 3 点をそろえます。

老年症候群の入口スクリーニング(成人・高齢者:実務の目安)
領域 最初に使う 拾えること 次の深掘り
生活機能 KCL / TMIG-IC IADL 低下・閉じこもり・抑うつ傾向の入口 ADL / IADL
運動機能 歩行速度/ TUG / SPPB 転倒・移動制限の入口 歩行・バランス
栄養 食欲・摂取量・体重変化 低栄養・悪液質・サルコペニアの入口 栄養・嚥下
認知・せん妄 注意・見当識・昼夜逆転 転倒・拒否・離床困難の背景 環境調整・多職種連携

重点評価:何を深掘りする?

深掘りは “介入が変わる” ものだけを選ぶのがコツです。老年症候群では、①転倒・移動、②フレイル/サルコペニア、③嚥下・低栄養のいずれかに寄せると、方針が立ちやすくなります。

深掘りの選び方(老年症候群:実務の目安)
いま困っていること まず深掘り 見たいポイント 記録の型
転倒が多い/歩けない 歩行・バランス指標 直線/方向転換/立ち上がりのどこで崩れるか 同条件で再評価できるログ
体力が戻らない/痩せた フレイル/サルコペニア 筋力・身体機能・栄養の “重なり” 栄養・運動のセットで経過追跡
むせ・食事が進まない 嚥下・食形態・姿勢 むせ/声の変化/疲労での悪化 食事場面の条件固定
拒否・混乱で離床できない せん妄・環境要因 昼夜逆転・痛み・便秘・薬剤・感覚 誘因の仮説 → 介入 → 再評価

安全管理(転倒・起立・中止基準)

老年症候群は “安全線が狭い” のが特徴です。転倒はもちろん、起立性低血圧や薬剤影響で、同じ介入でも日によって反応が変わります。まずは中止基準と血圧条件をそろえると、離床が止まりにくくなります。

記録テンプレ( SOAP )

老年症候群は、点数だけだと多職種に伝わりにくいです。「どの生活場面が詰まっているか」を 1 行で示し、次に “同条件で再評価できる” 形に整えると回ります。

  • O: TUG 17.8 s(杖・監視)、 SPPB 7/12、 KCL 10 点、体重 − 2.0 kg / 1 か月。
  • A:方向転換と立ち上がりで不安定。生活動線の移動が詰まり点。低栄養が併存し、改善速度が出にくい。
  • P:立ち上がり反復+方向転換課題を短時間頻回で実施。食事量・体重の確認を併走。 1 週後に同条件で TUG / SPPB を再評価。

現場の詰まりどころ(よく詰まる → 打ち手)

老年症候群で詰まりやすいのは「項目が多くて優先順位が決まらない」「再評価が条件ブレで読めない」「生活に落ちない」の 3 つです。最小の打ち手だけに絞ります。

老年症候群リハで詰まりやすいポイントと最小の打ち手(高齢者・実務)
詰まりどころ 起こりやすい原因 最小の打ち手 次に見る
優先順位が決まらない 深掘り対象が多い 「転倒」「栄養」「せん妄」のうち 1 つに寄せて深掘り 入口スクリーニングを見直す
再評価しても変化が読めない 靴・補助具・介助条件が毎回違う 条件固定(靴・補助具・介助・休憩ルール)をテンプレ化 TUG / SPPB を同条件で縦比較
生活に落ちず、活動が戻らない テスト評価で止まる IADL の “詰まり動線” を 1 つ決めて実装 ADL / IADL
離床が不安で進められない 血圧・中止基準の共有不足 血圧条件固定+中止基準をチームで統一 起立中止

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. フレイルとサルコペニア、まずどっちを見るべきですか?

A. 入口では「生活( IADL )が落ちているか」「移動が危ないか」「体重や食事量が落ちているか」を先に拾い、その後にサルコペニア(筋力・身体機能・栄養)へ寄せると回りやすいです。運動だけでなく栄養の崩れがあると改善が遅れるため、早めに並走させます。

Q2. 評価項目が多くて、初回に時間が足りません。

A. 初回は「スクリーニング → 深掘り 1〜2 個」に割り切るのがコツです。入口は KCL / TMIG-IC と、歩行( TUG か SPPB )を揃え、深掘りは転倒か栄養のどちらかに寄せると “回る形” になります。

Q3. 再評価がブレます。いちばん最初に直すべきは?

A. 条件固定です。靴、補助具、介助、休憩ルール、床面などを固定して記録し、同条件で縦比較できる形に整えます。点数より先に “条件” が揃うと、変化が読めるようになります。


おわりに

老年症候群の臨床は、スクリーニング → 深掘り 1〜2 個 → 条件固定 → 記録 → 同条件で再評価のリズムが整うほど、チーム連携と生活実装がスムーズになります。まずは “入口の 5 分” と “条件固定” から揃えてみてください。

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著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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