NEWS2 / MEWS は離床前の安全確認を数値で揃える早期警戒スコアです
急性期の離床で迷いやすいのは、「危ない気がする」という所見を、チームで共有できる数値と行動に変換しにくいからです。結論として、離床前は NEWS2 を優先し、院内で MEWS を使っている場合も同じ考え方で、低リスク・中リスク・高リスクに分けて離床可否を判断します。
この記事では、NEWS2 / MEWS の採点表を丸暗記するのではなく、離床前に何を測り、どの点数で止め、どう連絡・記録するかを整理します。リハ職が「今日離床できるか」を短時間で共有するための実践運用に絞って解説します。
このページで答えること:離床前に「進めるか止めるか」を決める
このページで答えるのは、NEWS2 / MEWS を使って離床前の安全確認をどう標準化するかです。採点方法の細かな暗記ではなく、測定タイミング、リスク判定、連絡、記録までを 1 つの流れで扱います。
一方で、疾患別の詳細な離床基準、人工呼吸器・酸素療法などの機器別管理、急変時対応の院内プロトコルは深掘りしません。これらは施設ルールや主治医指示と合わせて確認する必要があります。
いつ使う?離床前は「今日の安全」を数値で共有したいとき
NEWS2 / MEWS は診断を決める評価ではなく、いま悪化していないかを拾い、誰にどの速さで相談するかを揃える道具です。離床前だけでなく、端座位後、立位後、介入後の変化確認にも使えます。
おすすめは、安静時 → 立ち上がり直後 → 介入後の 3 点で確認する運用です。単回の数値だけではなく、前回や直前との差を見ることで、「負荷で崩れた」「戻りが遅い」といった判断を共有しやすくなります。
5 分で回す標準フロー:測定 → 判定 → 連絡 → 記録
離床前スクリーニングは、算出そのものよりも点数ごとの行動を固定することが重要です。NEWS2 では、合計 0〜4、単一項目 3、合計 5〜6、合計 7 以上を目安に、観察頻度やエスカレーションを変えます。
リハ場面では、合計点だけでなく赤 3 の単一項目を見落とさないことが重要です。合計が低くても、呼吸数、SpO2、意識、血圧などのどれか 1 つが大きく崩れていれば、離床負荷を下げて再評価します。

| 判定 | リスク | 離床の扱い | 連絡の型 | 記録の最小セット |
|---|---|---|---|---|
| 合計 0〜4 | 低 | 計画どおり実施。ただし違和感があれば再評価。 | 通常共有。 | NEWS2 / MEWS、酸素条件、離床レベル、介助量。 |
| 単一項目 3 | 低〜中 | 負荷を下げて再評価。 | 赤項目を早めに共有。 | 赤項目と前回との差。 |
| 合計 5〜6 | 中 | 原則:中止〜延期。 | 医師・病棟へ相談。 | 合計点、酸素、症状。 |
| 合計 7 以上 | 高 | 離床は中止。 | 即連絡。 | いつから悪いか、介入後反応。 |
連絡は SBAR に固定:スコアは状況説明の芯になります
NEWS2 / MEWS は、医師や病棟に伝えるための数字ではなく、離床の優先度と相談の緊急度を揃える共通言語として使うと効果的です。
連絡の詰まりが強い場合は、離床中止の SBAR テンプレを併用すると、報告内容が整理しやすくなります。
1 行テンプレ
「離床前に NEWS2 が 合計 ◯ 点、赤項目は ◯です。直近で 呼吸数 / SpO2 / 意識が悪化しています。離床は中止し、端座位まで / 安静で再評価しました。指示をお願いします。」
現場の詰まりどころ:スコアを使っているのに安全につながらない
よくある失敗は、実施後だけ測る、酸素条件を書かない、赤 3 を合計点の中に埋もれさせるの 3 つです。
迷ったときは、判定と行動の表に戻り、次に SBAR の 1 行テンプレで相談内容を整えます。
| 失敗 | なぜ危ない? | 対策 | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 実施後だけ測る | 悪化なのか元々か判断できない。 | 安静時 → 立位直後 → 介入後で固定。 | 各時点の NEWS2 / MEWS。 |
| 酸素条件を書かない | SpO2 だけで安全と誤判定しやすい。 | 室内気、酸素流量、HFNC 条件まで記録。 | 酸素投与の有無。 |
| 赤 3 を見落とす | 単一の急変所見を見逃す。 | 赤 3 は別枠で扱い、負荷を下げる。 | 赤項目と前回差。 |
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よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
NEWS2 と MEWS はどちらを使うべきですか?
院内で NEWS2 が採用されている場合は NEWS2 を優先します。
NEWS2 の合計 5 以上では離床してはいけませんか?
原則は中止〜延期を基本に考えます。
合計点が低くても赤 3 がある場合はどうしますか?
赤 3 は合計点とは別枠で扱います。
スコアが低いのに嫌な感じがするときは?
臨床的な違和感は無視しない方が安全です。
離床前に最低限そろえる記録は?
最低限は、① NEWS2 / MEWS、②酸素条件、③離床レベル、④介助量です。
次の一手:相談の型と機器別の中止基準も揃える
参考文献
- Royal College of Physicians. National Early Warning Score (NEWS) 2. RCP 公式ページ
- Royal College of Physicians. National Early Warning Score (NEWS) 2: Standardising the assessment of acute-illness severity in the NHS. PDF
- Subbe CP, Kruger M, Rutherford P, Gemmel L. Validation of a modified Early Warning Score in medical admissions. QJM. 2001;94(10):521-526. doi: 10.1093/qjmed/94.10.521 / PubMed
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


