書類対応の「評価依頼」まとめ(手帳・年金・介護・労災)
身体障害者手帳、障害年金、要介護認定、労災、交通事故の後遺障害、補装具費支給などでは、医師の書類作成にあたり ROM ・筋力・ ADL ・移動の「裏づけ所見」が必要になります。そのため現場では、リハ職に評価・計測の依頼が来ることがあります。
このハブでは、制度ごとに「何を、どの条件で、どう短く返すか」を整理し、必要な記事へ最短で飛べるようにまとめました。迷ったときは、まず 書類作成のための評価依頼(総論) を起点にするとブレにくいです。
臨床の詰まりを減らすなら、環境の整え方も一緒に
書類対応は「個人の頑張り」で回すほど消耗します。評価の型・記録の型・連携の型を先に押さえると、日々がラクになります。
PT 転職の全体像を 5 分で確認最短導線(迷ったらここから)
まずは「制度(書類の種類)」で探すのが早いです。次に「返す情報( ROM / ADL / 移動など)」で横串を通すと、同じミスを繰り返しにくくなります。
書類の種類で探す(制度別)
制度ごとに「見られやすい軸」が少しずつ違います。記事タイトルに制度名を入れているので、同じ “評価依頼” でも役割が被りにくい設計です。
| 制度・書類 | この記事で解決すること | リンク |
|---|---|---|
| 総論(全制度共通) | 依頼の受け方、確認項目、最小セット、返却の型 | 書類作成のための評価依頼(総論) |
| 要介護認定(介護保険) | 主治医意見書・認定調査に “転記される” 情報の返し方 | 介護保険|評価依頼の返し方 |
| 身体障害者手帳(肢体) | 様式・時点・条件をそろえた ROM / ADL の返し方 | 身体障害者手帳(肢体)| ROM ・ ADL 評価依頼 |
| 障害年金(肢体) | 数値(機能)と生活(活動)の整合を作るポイント | 障害年金(肢体)|評価の整理 |
| 労災(障害補償給付) | 労災の文脈で “使える所見” を返す要点 | 労災|障害等級に関わる評価依頼 |
| 交通事故(後遺障害診断書) | 後遺障害の書類でブレない ROM / ADL の揃え方 | 後遺障害診断書|評価依頼の返し方 |
| 装具・義肢(書類) | 装具・義肢で依頼が来たときの確認点と返却の型 | 装具・義肢|書類対応まとめ |
| 補装具費支給(車いす・座位保持) | 座位・移乗・操作・環境を “ 3 行” で返すテンプレ | 補装具費(車いす・座位保持)|評価依頼の返し方 |
返す情報で探す( ROM / ADL / 移動・移乗 / 条件)
制度が違っても「詰まりどころ」は似ます。とくに強いのは 条件(体位・方法・補助具)と、 ADL の 1 行具体です。ここを先に押さえると、どの制度でも手戻りが減ります。
| 返す情報 | まず読む記事 | 補足(よく詰まる点) |
|---|---|---|
| ROM | 身体障害者手帳(肢体) | 体位・自動 / 他動・制限因子がない数値は弱い |
| ADL | 総論 | 「介助」だけで終わらず、介助量+理由+場面を 1 行で |
| 移動・移乗 | 介護保険 | 距離・監視理由・危険因子(転倒/膝折れ等)を短文化 |
| 座位・シーティング | 補装具費(車いす・座位保持) | 崩れ方(方向)+除圧の可否をセットにする |
| 条件(補助具・装具) | 装具・義肢 | 装着あり / なしが混ざると解釈不能。条件を先に固定 |
| 書類向け “整合” | 障害年金(肢体) | 数値と生活影響がつながる形で返す(別々に書かない) |
忙しい日の 5 分フロー(最小セットで返す)
時間がない日は「全部測る」より「使える情報を揃える」を優先します。次の 5 ステップで迷いを減らすと、手戻りが減ります。
- 様式の確認:どの制度・どの用紙か(共有してもらう)
- 時点の固定:“いつの状態” として返すか
- 条件の固定:体位・方法・補助具・装具の条件をそろえる
- 最小セット: ROM /主要所見/移動・移乗/ ADL /危険因子( 1 行具体)
- 返却は短く: 3 行(現状→困りごと→理由つき結論)で返す
より詳しい “型” は 総論 に整理しています。
よくある失敗( OK / NG 早見)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
| NG (起こりがち) | なぜ弱いか | OK (直し方) |
|---|---|---|
| 数値だけ返す(条件なし) | 同じ数値でも意味が変わり、転記しづらい | 体位/自動・他動/制限因子を 1 行で添える |
| ADL が「介助」だけ | どの動作で、なぜ介助かが不明 | 介助量+理由+場面を 1 行で具体化する |
| 補助具条件が混在 | 装具あり/なしが混ざると解釈不能 | 普段の条件を固定して記載し、例外だけ注記 |
| 全部盛りで長文になる | 読まれず、転記ミスや手戻りが増える | 最小セット+ 3 行返却に落としてから追加する |
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 依頼が曖昧で、何を測ればいいか分かりません。
この場合は「様式の確認」が最優先です。次に、最小セット( ROM ・主要所見・移動 / 移乗・ ADL ・条件)だけを先に揃えます。最初から全部盛りにすると、条件が混ざりやすく手戻りが増えます。
Q2. 痛みや疲労で日によって変わります。どう返しますか?
変動は “条件” として価値があります。午前 / 午後など理解しやすい単位で「どの方向に変わるか」「安全上の問題が出る場面」を短く残します。同条件で再測定できるなら、差の範囲も添えると強くなります。
Q3. 装具や杖は「あり」で評価していいですか?
原則は依頼元の意図(様式・考え方)に合わせます。実務では「評価条件を明示したうえで」装具あり / なしのどちらかに揃えると安全です。迷ったら “普段の生活条件” を基本にし、例外がある場合だけ注記します。
次の一手(運用を整える → 共有の型 → 環境も点検)
書類対応は、個人の頑張りで回すほど消耗します。次の順で整えると、現場がラクになります。
- 運用を整える:最小セットと 3 行テンプレをチームで共通言語にする
- 共有の型を作る:返却メモの並び(現状→困りごと→理由つき結論)を固定する
- 環境の詰まりも点検:教育体制や標準化が噛み合わないなら、外部の選択肢も確認する
参考文献
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


