Perme と IMS は「使う目的」で選びます
Perme ICU Mobility Score と ICU Mobility Scale( IMS )は、どちらも ICU 早期離床の活動度を共有する評価尺度ですが、使いどころは同じではありません。結論は、チームで「今どこまで動けるか」を素早く共有するなら IMS、動けない理由やバリアまで含めて介入を決めるなら Permeです。
この記事では、細かな採点手順ではなく、Perme と IMS の違い、使い分け、併用時の記録の型に絞って整理します。各スケールの付け方は各論記事へ逃がし、本ページでは「院内でどちらを採用するか」「どの場面で併用するか」が決まる構成にします。
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30 秒で決める:IMS は共有、Perme は原因整理に使います
迷ったときは、「何を決めたいか」で選びます。IMS は、その日に到達した最高レベルを 0〜10 で示しやすく、多職種で“今どこまで動けるか”を共有しやすい尺度です。Perme は、意識・ライン・機器など ICU 特有のバリアも含めて、動けない理由を整理しやすい尺度です。
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| 迷いどころ | IMS が向く場面 | Perme が向く場面 | 結論 |
|---|---|---|---|
| チーム共有 | 多職種で「今どこまで」を素早く揃えたい | 「なぜ動けないか」まで共有したい | 共有は IMS、原因整理は Perme |
| 評価の焦点 | その日の最高到達レベル | 意識、バリア、基本動作、耐久性 | 到達か、詰まりかで選ぶ |
| 運用頻度 | 毎日の申し送り・カンファレンス | 方針転換時、退室前後、離床が進まない場面 | 毎日は IMS、要所で Perme |
| 記録の目的 | 活動度の推移を短く残す | 次の介入内容を決める | IMS+条件、Perme+詰まり領域 |
一番の違いは、Perme が「バリア」を含めて見ることです
Perme ICU Mobility Score は 0〜32 点で ICU 患者の mobility を評価し、意識、潜在的な移動バリア、機能的筋力、ベッド移動、移乗、歩行、耐久性を含めて捉えます。そのため、同じ端座位や立位でも、ライン・機器・意識レベルなどの制約を踏まえて次の介入を考えやすい点が特徴です。
一方、IMS は 0〜10 の段階で最高到達レベルを示すため、記録や申し送りで共有しやすい尺度です。つまり、IMS は「到達レベルの共通言語」、Perme は「詰まりを含む意思決定ツール」として使い分けると整理しやすくなります。
選び方 3 ステップ:目的、頻度、記録の型で決めます
院内で導入するときは、スケールそのものの優劣ではなく、運用が回るかを基準にします。最初から両方を細かく取ると負担が増えるため、まず IMS を毎日の共通言語にし、判断に迷う症例や離床が停滞する場面で Perme を併用する形が現実的です。
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| ステップ | 確認すること | おすすめ | 記録の一言 |
|---|---|---|---|
| 1 | 今日決めたいのは「到達」か「止因」か | 到達= IMS /止因= Perme | 今どこまで、なぜ止まるを分ける |
| 2 | 毎日回すか、要所で使うか | 毎日= IMS /要所= Perme | 頻度を先に決める |
| 3 | 申し送りで何を共有したいか | IMS:スコア+条件/Perme:総点+詰まり領域 | 次の一手が出る形で残す |
現場の詰まりどころ:迷いが再発する 4 パターン
Perme と IMS の比較でつまずく原因は、「どちらが優れているか」で考えてしまうことです。ICU では鎮静、せん妄、酸素条件、ライン、処置時間によって活動度が変動します。そのため、スコアだけで判断せず、評価条件と詰まり領域を一緒に残すことが重要です。
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| よくある失敗 | 起きがちな原因 | 回避のコツ | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| IMS は上がったのに方針が決まらない | 到達レベルは分かるが、止因が見えていない | 迷う症例だけ Perme を追加する | バリア、耐久、意識のどこで止まるかを見る |
| Perme 低値を筋力低下だけで解釈する | ラインや意識などのバリアが点数に影響している | Perme は“動けない条件”も含む前提で読む | 環境調整、介助配置、休息設計を先に考える |
| 日ごとの変動が大きい | 評価タイミングや鎮静・処置条件が揺れている | 評価時間帯と条件メモを固定する | 同じ条件で比較できる記録にする |
| 点数を取って終わる | スコアと次回介入がつながっていない | スコア+条件+次の一手で記録する | 下の記録テンプレを使う |
ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。
Perme / IMS 比較シートをダウンロードする
Perme と IMS の違い、使い分け、記録の型を 1 枚で確認できるように、A4 比較シートを用意しました。申し送りや ICU カンファレンス前の確認に使いやすい構成です。
中身をプレビューする
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
結局、院内で 1 つに統一するならどちらが無難ですか?
毎日多職種で共有するなら、まず IMS が導入しやすいです。最高到達レベルを短く共有できるため、申し送りやカンファレンスに乗せやすいからです。離床が進まない症例や、動けない理由まで整理したい場面では Perme を追加すると運用しやすくなります。
Perme を使うと点数が低く出やすいのはなぜですか?
Perme は mobility だけでなく、意識やラインなど ICU 特有のバリアも含めて評価するためです。点数が低いときは筋力低下だけで解釈せず、バリア、意識、耐久性、環境条件のどこが影響しているかを確認します。
退室前後で使うならどちらが向いていますか?
退室前後に「なぜ離床が進む/進まないか」を整理したいなら Perme が向きます。一方で、日々の到達レベルを短く追うなら IMS が使いやすいです。退室前後では、IMS の推移に Perme の詰まり領域を加えると、申し送りの精度が上がります。
IMS と Perme を併用すると記録が重くなりませんか?
両方を細かく書くと重くなります。IMS は「スコア+到達条件」、Perme は「総点+詰まり領域」までに絞ると運用しやすくなります。重要なのは点数の詳細より、次回の介入が決まる記録にすることです。
次の一手
参考文献
- Perme C, Nawa RK, Winkelman C, Masud F. A tool to assess mobility status in critically ill patients: the Perme Intensive Care Unit Mobility Score. Methodist DeBakey Cardiovasc J. 2014;10(1):41-49. DOI: 10.14797/mdcj-10-1-41 / PubMed: 24932363
- Hodgson C, Needham D, Haines K, et al. Feasibility and inter-rater reliability of the ICU Mobility Scale. Heart Lung. 2014;43(1):19-24. PubMed: 24373338
- Kawaguchi YMF, Nawa RK, Figueiredo TB, Martins L, Pires-Neto RC. Perme Intensive Care Unit Mobility Score and ICU Mobility Scale: translation into Portuguese and cross-cultural adaptation for use in Brazil. J Bras Pneumol. 2016;42(6):429-434. DOI: 10.1590/S1806-37562015000000301 / PubMed: 28117473
- Katayama S, et al. Reliability and Validity of the Japanese Perme ICU Mobility Score. Progress in Rehabilitation Medicine. 2025. DOI: 10.2490/prm.20250037 / PubMed: 41341922
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


