下腿三頭筋トレーニング|姿勢別メニュー実践ガイド

臨床手技・プロトコル
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下腿三頭筋トレーニング|立位・座位・ベッド上メニューと臨床完結シート

評価と運動療法を「説明 → 実施 → 記録」でつなぐと、現場で迷いにくくなります。 PT キャリアガイドを見る( 5 分で全体像 )

下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)は、立ち上がり、歩行の推進、方向転換時の安定に直結する筋群です。臨床では「筋力を上げる」だけでなく、姿勢に応じて同じ目的を達成できるメニュー設計が重要になります。

本記事は、立位・座位・ベッド上の姿勢別メニューを比較し、図解と A4 記録シートまで一体化して解説します。シリーズ全体は 筋トレメニュー ハブ から確認できます。

結論|下腿三頭筋は「姿勢別に同じ狙いを回す」と実装しやすい

現場で再現しやすい運用は、1) 姿勢を選ぶ → 2) 代表メニューを 1〜2 個に絞る → 3) 代償を見ながら終了基準を守るの順です。これで患者ごとの状態差に対応しつつ、担当者間で方針をそろえられます。

最初は 8〜12 回 × 2 セット、週 3〜5 回を目安にし、反動や足部の崩れが増える手前で終了します。評価設計の共通化は 評価ハブ も合わせて活用してください。

なぜ下腿三頭筋が重要か

下腿三頭筋は足関節底屈トルクを担い、前方推進と姿勢制御の両方に関わります。特に歩行終期の蹴り出し、階段昇降、立位保持で機能低下が表面化しやすい部位です。

一方で、代償として体幹前傾過多、膝主導、足部内外反が出ると狙いがずれます。したがって、回数よりフォームを優先し、代償・症状・次回方針を同時に記録する運用が有効です。

姿勢別メニュー比較(立位・座位・ベッド上)

以下の早見表は、同じ「底屈機能の改善」を姿勢別に実装するための整理です。患者の安全性と実施可能性を優先し、できる姿勢から段階的に進めます。

立位が難しい場合でも、座位やベッド上で刺激量を確保し、次回の立位移行につなげる設計が実践的です。

下腿三頭筋トレーニングの姿勢別メニュー比較(成人・臨床運用)
姿勢 代表メニュー 目安 よくある代償 修正キュー
立位 カーフレイズ(両脚→片脚) 8〜12 回 × 2 セット 反動で上下、体幹前傾過多 足裏で押す、かかとを真上へ
座位 座位カーフレイズ(膝上荷重) 10〜15 回 × 2 セット つま先だけで動かす、足部内外反 足底全体で押す、下ろしをゆっくり
ベッド上 底屈運動(セラバンド) 8〜12 回 × 2 セット 膝の曲げ伸ばしで代償、股関節回旋 膝は軽度伸展位、つま先正面

姿勢別図解(3カード)

患者説明では、立位・座位・ベッド上を 1 画面で見せると、実施意図と注意点が伝わりやすくなります。とくに「よくある代償」と「修正キュー」を同時提示すると、自己修正が促進されます。

以下の図版を本文に配置し、そのまま下の A4 シート運用へ接続してください。

下腿三頭筋トレーニングの姿勢別図解(立位・座位・ベッド上)
下腿三頭筋トレーニングの姿勢別図解(立位・座位・ベッド上)

A4 臨床完結シート(PDF)

配布用の A4 シートは、上段を「見せる用(患者説明)」、下段を「書く用(当日記録)」に分けた構成です。1 枚で説明・実施・記録・次回調整まで完了できます。

下段は 7 行固定(実施姿勢/メニュー/実施量/症状/代償チェック/中止理由/次回方針)で、担当者間の運用差を最小化します。

下腿三頭筋 臨床完結シート(A4 PDF)を開く

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記録の書き方(短縮版)

まず「実施姿勢」と「メニュー」をチェックし、実施量(回数・セット・休息・RPE)を記入します。次に症状(NRS 前後)と代償チェックを残し、中止理由の有無を明確化してください。

最後に次回方針(進行/維持/後退)を必ず選ぶと、次回介入の開始判断が速くなります。記録の連続性は、介入品質の安定化に直結します。

現場の詰まりどころ・よくある失敗

詰まりどころは、回数達成を優先してフォームが崩れたまま進めてしまう点です。下腿三頭筋狙いでも、反動や足部の過剰な内外反が増えると、狙った部位に負荷が乗りにくくなります。

対策は「フォーム優先」「代償が増える手前で終了」「NRS 前後を固定記録」です。下肢全体の連動は 大腿四頭筋トレーニングハムストリングストレーニング と併せて整理すると実装しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

立位が不安定な患者では、どの姿勢から始めますか?

座位またはベッド上から開始し、フォームが安定してから立位へ移行します。狙いは同じでも姿勢を変えることで安全性と実施率を確保できます。

回数は毎回 8〜12 回で固定すべきですか?

固定ではありません。代償の出現、RPE、症状変化に応じて調整します。質を保てる反復回数を優先してください。

中止判断で最優先する所見は何ですか?

疼痛増悪、めまい、息切れ増悪、ふらつきです。該当時は中止して再評価し、施設プロトコルと医師指示を優先します。

代償チェックは何を見ればよいですか?

反動、体幹前傾過多、足部内外反、息こらえの 4 点を優先します。どの反復で崩れるかまで記録すると次回調整が容易です。

次の一手

まず 1 週間、同一シートで実施率・症状・代償を記録してください。記録が蓄積すると、進行・維持・後退の判断が定量化されます。

続けて読む:筋トレメニュー ハブ大腿四頭筋トレーニングハムストリングストレーニング

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参考文献

  • Silbernagel KG, Hanlon S, Sprague A. Current Clinical Concepts: Conservative Management of Achilles Tendinopathy. J Athl Train. 2020;55(5):438-447. doi:10.4085/1062-6050-356-19
  • Murtaugh B, Ihm J. Eccentric Training for the Treatment of Tendinopathies. Curr Sports Med Rep. 2013;12(3):175-182. doi:10.1249/JSR.0b013e3182933761
  • Hébert-Losier K, Newsham-West RJ, Schneiders AG, Sullivan SJ. Raising the standards of the calf-raise test: a systematic review. J Sci Med Sport. 2009;12(6):594-602. doi:10.1016/j.jsams.2008.12.628

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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