1RMの意味とは?RM法で効果的筋力トレーニング|リハビリに有効

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臨床での悩み
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リハビリくん
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いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!

   

この記事は「RM法」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。

    

筋力トレーニングはリハビリテーションのプログラムの土台といえると思います。低下した動作能力の改善を図る時には多くの場合で筋力の向上が1つの方法になるためです。これは、理学療法士に関わらず、作業療法士も言語聴覚士も筋力トレーニングを扱う機会は多いと考えられます。

   

また、医療や介護におけるリハビリテーション以外でも部活を行っている学生やスポーツ選手、ジムで身体を鍛える人、多くの人が筋力トレーニングに励んでいます。最近では、栄養補助食品としてプロテインも多くの人に愛用されており、筋力トレーニングの注目は以前と比較して高くなっていると思います。

  

そんな筋力トレーニングですが、正しい知識をもって実行することができていますでしょうか?人がトレーニングをする時間には限りがあります。リハビリテーションを実施する高齢者、スポーツ選手、仕事後にジムに通う人、皆さんにとってこれは共通の問題になります。

だからこそ、正しい知識をもって効果的な筋力トレーニングを行うべきです。間違った知識で誤ったトレーニング方法は怪我にも繋がる可能性があります。

  

筋力トレーニングについてはRM法のところで数字がたくさん出てくるため、そこで目を背ける方、なんとなく理解したけど完璧ではない方もいらっしゃると思います。そんな人のために、こちらの記事をまとめました!この記事を読むことで、筋力トレーニングの方法について理解を深めることを目標にします。特に、下記のポイントを理解できるようにします。

  

  • 筋力トレーニングの目的について
  • RM法って?
  • 1RMの算出方法
  • 高齢者の筋力トレーニングの注意点

   

こちらの記事で筋力トレーニングにおける理解を深め、臨床におけるリハビリテーションの一助になると幸いです。是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
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理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

【リハビリテーション専門職の転職サイト】

医療従事者となる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職は超高齢社会を突き進む本邦において必要不可欠な職種になります。

実際に近年では、理学療法士は 10,000 ~ 11,000 人程度、作業療法士は 4,000 ~ 5,000 人程度、言語聴覚士は 1,600 ~ 1,800 人程度、国家試験に合格しており、順調に有資格者数が増え続けています。

このように世の中から必要とされている反面、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与は他業界と比較して恵まれてるとはいえません。「賃金構造基本統計調査」から他業界と比較してみても2022 年度のリハビリテーション専門職の初任給平均額は 239,100 円となっており、満足できるものではありません。

また、給与の問題もありながら、リハビリテーション専門職は業界特有の激しい人間関係という荒波に揉まれながら業務にあたることになります。この人間関係で辛い思いをする人はかなり多いと考えられます。

このように、給与や人間関係、また福利厚生などを含めた恵まれた労働環境で働くためには転職が必要になることもあります。1 年目、すなわち始めての職場が恵まれた環境であればいうことありませんが、必ずしもそう上手くはいきません。

最近では転職サイトにも様々な種類のものがあり、どの転職エージェントを選択するか迷うと思います。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士におすすめしたい転職サイトは、他の記事で詳しくまとめています!《【理学療法士転職サイトランキング】おすすめ5選|リハビリ職の転職》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 

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筋力トレーニングの目的

筋力トレーニングで得られる効果には様々なものがありますが、筋肉そのものに与える効果として考えると、大きく3つに分類することができます。

  1. 最大筋力の向上
  2. 筋量の向上(筋肥大)
  3. 筋持久力の向上

この3つ以外にも骨格筋量の増加であったり、体脂肪の減少、生活習慣病の予防、嚥下機能の低下予防、腰痛対策と筋力トレーニングを行うことで多くの効果が期待できます。

しかし、筋力トレーニングの根本になるのはやはり「最大筋力」「筋肥大」「筋持久力」になります。この3つの筋肉の仕組みを理解したうえで、どれだけ効率的にトレーニングを実施することができるのかがポイントになります。

これらの仕組みを理解するためには、過負荷の原則に基づく「RM法」をまず理解する必要があります。次項にて「RM法」について解説していきます。

筋力増強の機序としては、神経性の要因と筋肥大による要因があることをご存知でしょうか。このテーマについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【効率的な筋力増強の仕組みについての記事はこちらから

1RMの意味とは?RM法

自分の身体を鍛えるためにしても、患者様にリハビリテーションとして筋力トレーニングを処方するにしても、どれぐらいの負荷量で何回くらい反復すればいいのか、迷った経験があるのではないでしょうか。

この負荷量と回数を決めるとき「RM法」を用います。RMとはRepetition Maximum(レペティション マキシマム)の頭文字をとったもので、日本語で訳すと最大反復回数と訳されます。

RM法とは、ある決まった運動強度(重量)に対して何回反復して関節運動を行うことができるかによって、自分の最大の運動強度(重量)を判断する方法になります。

例えば、上図のように片手にダンベルをもって肘を曲げる筋力トレーニングを実施したとします。

この動作については主に上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋の働きによって遂行されています。

何キロのダンベルを持ち上げられるかは人それぞれになりますが、対象者が全力を出し尽くして、なんとか1回持ち上げられる運動強度(重量)を1RMと表すことができます。

ある対象者が、片手にダンベルをもって肘を曲げるトレーニングの1RMが80kgだったと仮定します。

80kgは1回しか上げることができませんが60kgのダンベルであれば、なんとか10回上げることができます。その場合、対象者の10RMは60kgということになります。

RM法について覚えておきたい表記方法がもうひとつございます。文献などでよく使用されているのが、「⚪︎⚪︎% 1RM」という表記になります。

こちらは、なんとか1回持ち上げられる運動強度(1RM)の⚪︎⚪︎%の運動強度かということになります。

例えば 1RMが80kgの場合に筋肥大の向上を目的とするために75%の重量のダンベルを用いたとします。このときの運動強度について「75%1RM」と表すことができます。

1RMの計算方法:Epley式

RM法の説明をすると自分の挙げられる最大重量を調べて、それを筋力トレーニングに活かすと解釈しがちですが、実はそれ以外に重要なことがあります。

RM法の優秀なポイントは、自分がある重量を何回上げることができたのかによって、自分の1RMおよび他の重量であれば何回上げることができるのかを、ほぼ正確に推測することができるところになります。

計算式には様々なものがありますが、日本でメジャーかつシンプルなものは「Epley式」あるいは「O‘Conner式」といえます。どちらの式を使用しても算出される数値に大きな差は出ませんので、こちらの記事では「Epley式」を紹介していきます。

「Epley式」による1RMの算出式は以下の通りになります。

1RM = w1 + r/30

w:重量(weight

r:反復回数(repetition

例題:60kgの重量を10回上げることができた場合の1RM

1RM = w1 + r/30

1RM60110/30
1RM
60 × 4/3
1RM
80

このように「Epley式」を用いることにより1RMは容易に算出することができます。

運動強度と反復回数について

「Epley式」により、1RMが80kgと算出することができました。実際の筋力トレーニングではここから、目的に合わせた運動強度(重量)を設定してトレーニングに励むことになります。

その目的が筋肥大や筋持久力の向上が中心になるのであれば、なんとか1回持ち上げられる重量の80kgではなく、もっと軽い重量に変更して反復回数を増やした方が、目的に沿ったトレーニング効果が得ることができると考えられます。

運動強度の変化に対する最大反復回数の変化は以下の通りになります。

  • 100%1RM:80kg→最大反復回数:1回
  • 95%1RM:76kg→最大反復回数:2回
  • 93%1RM:74kg→最大反復回数:3回
  • 90%1RM:72kg→最大反復回数:4回
  • 87%1RM:70kg→最大反復回数:5回

  • 85%1RM:68kg→最大反復回数:6回
  • 83%1RM:66kg→最大反復回数:7回
  • 80%1RM:64kg→最大反復回数:8回
  • 77%1RM:62kg→最大反復回数:9回
  • 75%1RM:60kg→最大反復回数:10回
  • 70%1RM:56kg→最大反復回数:11回
  • 67%1RM:54kg→最大反復回数:12回

  • 65%1RM:52kg→最大反復回数:15回
  • 60%1RM:48kg→最大反復回数:20回

冒頭で筋力トレーニングの根本になるのは「最大筋力」「筋肥大」「筋持久力」と説明しましたが、運動強度と反復回数によって筋力トレーニングとして、特にどの要素に効果的に作用するのかは異なります。

赤色のラインで区切らせていただきましたが、最大筋力であれば、87〜100%1RMによるトレーニングが効果的となります。つまり、1RM・2RM・3RM・4RM・5RMのどれでも構いませんが、1回だけ持ち上げることがぎりぎりなトレーニングや5回であれぼぎりぎり反復して持ち上げることが可能なトレーニングを行うことで効果的に最大筋力の向上を期待することができます。

同様に筋肥大を最重要の目的とするのであれば、67〜85%1RMによる筋力トレーニング、筋持久力であれば、60〜65%1RMによる筋力トレーニングが効果的となります。

高齢者の筋力トレーニング

RM法は筋力トレーニングを実施する人全員に適用すると思いますが、イメージしやすいのはスポーツ選手であったり、ジムで自分の体づくりする人がベンチプレスやダンペルの重量および反復回数をRM法に基づいて設定することだと思います。

しかし筆者としては、RM法はリハビリテーションでも十分有効に活用することができる、むしろ筋力トレーニングを行うならRM法を意識した方がいいと考えています。

最大筋力を向上させるためには87〜100%1RMによるトレーニング、すなわち1RM・2RM・3RM・4RM・5RMのトレーニングが効果的となります。

リハビリテーションの実施対象となる方は基本的には、何かしら身体機能が低下する要因があり、身体機能および動作能力の改善を図るために、1つのアプローチとして筋力トレーニングを行うものと予想されます。

そのため、目的が最大筋力の向上であったとしても、いきなり極端に高負荷の重量を持ち上げてもらうのは難しいかもしれません。筋肉を痛める可能性もありますし、信頼関係も損なわれる可能性があります。

そのため、まずは10回や15回をあげられる運動負荷から探り、そこが判明したら「Epley式」などを活用して1RMを算出すると良いと考えます。

例えば、誤嚥性肺炎による廃用症候群で2ヶ月間長期臥床が続いている80歳の女性がいたとします。

こちらの女性は、もともとは歩くことができましたが、2ヶ月もの寝たきりの影響で下肢の筋力は衰えてしまい、現在は歩くことは困難であり車椅子生活となっております。そこで、リハビリテーションとして下肢の筋力トレーニングを実施することにしました。

膝関節伸展筋力の強化を図るために足首に5キロの重錘を装着して、膝を伸ばすように指示した結果、重量が重すぎて膝を伸ばすことができませんでした。

続いて重錘を3キロに変更して実施したところ、膝を伸ばすことができたため、そのまま反復するように指示したところ、なんとか10回反復させることができました。こちらの女性の膝伸展筋力における1RMを計算します。

1RM = w1 + r/30

1RM3110/30
1RM
3 × 4/3
1RM
4

1RMは4キロと算出することができました。このように、対象者にとって無理のない運動負荷(重量)で反復できる回数を評価することで1RMを算出するとができるため、RM法は有用であります。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「筋力トレーニングおよびRM法」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事で筋力トレーニングにおける理解を深め、臨床におけるリハビリテーションの一助になると幸いです。

効率的な筋力トレーニングのためにはRM法を用いた負荷量設定も重要になりますが、筋肉の収縮様式についても正確に理解する必要があります。このテーマについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【筋肉の収縮様式についてについての記事はこちらから

参考文献

  1. 木藤伸宏,金口瑛典,小澤純也.筋力増強運動の基本と実際.Jpn J Rehabil Med.2017,54,p746-751.
  2. 津田英一.筋力増強の理論.Jpn J Rehabil Med.2017,54,p740-745.
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