高次脳機能障害ドリルは「困りごと→症状→各論」の順で探します
高次脳機能障害のドリルを探すときは、課題名から選ぶのではなく、まず生活や作業で何に困っているかを整理し、注意障害・記憶障害・遂行機能障害・半側空間無視(USN)など、確認したい症状に対応する記事へ進むと迷いにくくなります。
このページは、OTを中心としたリハビリテーション専門職が、高次脳機能障害の症状別ドリル記事を探すためのハブです。具体的な課題、難易度調整、記録方法は各論に任せ、このページでは「次にどの記事を読むか」を短時間で決められるよう整理します。

同じ「できない」という反応でも、注意、記憶、遂行機能、視空間認知、言語機能など複数の要因が重なることがあります。ドリルの反応だけで症状を決めず、評価結果、生活場面での観察、画像・医学的情報、多職種からの情報と照合してください。
症状別に高次脳機能障害ドリルを探す
確認したい症状がある程度絞れている場合は、以下の各論へ直接進みます。ハブでは概要だけを示し、実際の課題選定、観察ポイント、難易度調整、記録は各記事で確認してください。
| 確認したい領域 | こんなときに確認 | 進む記事 |
|---|---|---|
| 注意障害 | 集中の持続、見落とし、切り替え、複数課題での崩れを整理したい | 注意障害ドリル |
| 記憶障害 | 覚える、保持する、あとから思い出す過程を整理したい | 記憶障害ドリル |
| 遂行機能障害 | 目標設定、段取り、実行、途中での修正がどこで崩れるか確認したい | 遂行機能障害ドリル |
| 半側空間無視(USN) | 一側の見落とし、探索の偏り、ADLでの取り残しを確認したい | 半側空間無視(USN)ドリル |
| 失行 | 意図した動作、ジェスチャー、道具使用などのつまずきを整理したい | 失行ドリル |
| 構成障害 | 模写、図形配置、部分と全体の構成で生じる崩れを確認したい | 構成障害ドリル |
| 失語症 | 言葉の理解・表出・会話に対する課題を確認したい | 失語症ドリル |
症状名が決めにくいときは「どこで崩れたか」を確認する
高次脳機能障害では、同じ失敗でも背景が異なります。症状名を先に決めにくい場合は、「できた・できなかった」だけではなく、課題のどの段階で崩れたかを確認すると次に見る領域を絞りやすくなります。
- 提示された内容そのものが抜ける:記憶機能を確認する
- 内容は分かっているが段取りや修正で止まる:遂行機能を確認する
- 時間経過や刺激増加で見落としが増える:注意機能を確認する
- 一側に偏った見落としがみられる:USNを含む視空間面を確認する
- 意図は理解しているようでも動作の実行で崩れる:失行を含む行為の障害を確認する
ここで重要なのは、観察された反応をそのまま診断名へ置き換えないことです。必要に応じて神経心理学的評価や生活場面での再確認を行い、そのうえで各論の記事へ進んでください。
「覚えられない」と「段取りが崩れる」で迷ったら比較記事へ進む
記憶障害と遂行機能障害は、日常生活ではどちらも「指示どおりに進まない」「作業が完了しない」と見えることがあります。迷いやすいのは、必要な情報を保持できていないのか、情報は保持できていても計画・実行・自己修正の段階で崩れているのかという違いです。
この2つで迷う場合は、記憶障害と遂行機能障害のドリル比較で失敗する場面を整理してから、記憶障害または遂行機能障害の各論へ進んでください。
ドリルは「生活上の困りごと」を確認するための一部として使う
高次脳機能障害のドリルは、机上課題の正答数を増やすことだけが目的ではありません。課題中の反応から仮説を整理し、その所見が更衣、整容、食事、移動、家事、仕事などの実際の活動でどのように表れているかを確認することが重要です。
認知リハビリテーションでは、対象となる症状や原因疾患に応じて、直接的な認知課題だけでなく、代償方略、環境調整、自己モニタリング、実生活課題への接続なども検討します。ドリルで成績が変化した場合も、それだけで生活機能の改善と判断せず、実際の活動場面を再評価してください。
- 生活上で何に困っているか
- どの場面・条件で失敗するか
- 課題中のどの段階で崩れるか
- 手がかりや環境調整で反応が変わるか
- 同じ問題が実際の生活場面でも確認できるか
このハブと各論・比較記事の役割
このページでは、個々のドリルの詳しいやり方や固定的な進級基準までは扱いません。高次脳機能障害の症状は重なって現れることがあり、同じ課題でも目的によって観察すべき反応が変わるためです。
| 記事の種類 | 役割 |
|---|---|
| このハブ | 困りごとから確認したい症状を整理し、必要な記事を探す |
| 症状別の各論 | 課題の選び方、観察ポイント、難易度調整、記録を確認する |
| 比較記事 | 症状が重なって見えるときに、どこで反応が分かれるか整理する |
まずこのハブで現在の困りごとを整理し、確認したい症状の各論へ進みます。そこで別の症状との区別に迷った場合は比較記事へ戻る、という使い方を基本にしてください。
参考文献
- Cicerone KD, Goldin Y, Ganci K, et al. Evidence-Based Cognitive Rehabilitation: Systematic Review of the Literature From 2009 Through 2014. Arch Phys Med Rehabil. 2019;100(8):1515-1533. PubMed / doi:10.1016/j.apmr.2019.02.011
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

