【栄養スクリーニングと栄養アセスメント】両者の違いとODAの解説

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栄養管理
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リハビリくん
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いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!

   

この記事は「」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。

  

適切な栄養管理を実施するためには、最初に栄養に関連する問題を生じる患者を識別する必要があります。

  

そこで、栄養スクリーニングと栄養アセスメントという言葉がよく出てくると思いますが、スクリーニングとアセスメントがどう違うのか、分からない方もいらっしゃると思います。筆者も恥ずかしながら最近まで、言葉はよく使うけど理解が不十分でありました(・_・;

   

  • 栄養スクリーニングとは?
  • 栄養スクリーニングとアセスメントは何が違うの?
  • 栄養の主観的評価と客観的評価について
  • ODA(客観的栄養評価)の評価項目をわかりやすくまとめて欲しい

   

栄養スクリーニングやアセスメントを実施する上で、様々な疑問を抱えることがあると思います!そんな方のために、こちらの記事を読むことで上記の疑問が解決できるようにしたいと思います!是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
リハビリくん

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

【リハビリテーション専門職の転職サイト】

医療従事者となる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職は超高齢社会を突き進む本邦において必要不可欠な職種になります。

実際に近年では、理学療法士は 10,000 ~ 11,000 人程度、作業療法士は 4,000 ~ 5,000 人程度、言語聴覚士は 1,600 ~ 1,800 人程度、国家試験に合格しており、順調に有資格者数が増え続けています。

このように世の中から必要とされている反面、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与は他業界と比較して恵まれてるとはいえません。「賃金構造基本統計調査」から他業界と比較してみても2022 年度のリハビリテーション専門職の初任給平均額は 239,100 円となっており、満足できるものではありません。

また、給与の問題もありながら、リハビリテーション専門職は業界特有の激しい人間関係という荒波に揉まれながら業務にあたることになります。この人間関係で辛い思いをする人はかなり多いと考えられます。

このように、給与や人間関係、また福利厚生などを含めた恵まれた労働環境で働くためには転職が必要になることもあります。1 年目、すなわち始めての職場が恵まれた環境であればいうことありませんが、必ずしもそう上手くはいきません。

最近では転職サイトにも様々な種類のものがあり、どの転職エージェントを選択するか迷うと思います。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士におすすめしたい転職サイトは、他の記事で詳しくまとめています!《【理学療法士転職サイトランキング】おすすめ5選|リハビリ職の転職》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 

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栄養スクリーニングとは

栄養スクリーニングは、栄養評価(アセスメント)の一環として実施するもので、必要に応じて行うものになります。

栄養スクリーニングの目的は、栄養不良の有無を診断することになります。全ての患者を対象に問診・視診・触診など、簡便で誰もが理解できるような指標を使用して実施することが理想的になります。

栄養スクリーニングは患者にとって非侵襲的であることが望ましいと考えられます。外来初診時に実施可能な手技で、より簡便で普遍的に、すべての医療機関や患者に応用できる方法が検討されています。

栄養アセスメント(評価)とは

栄養評アセスメント(評価)の目的は、栄養学的側面から状態を詳細かつ包括的に調査・診断することになります。そのため、身体計測や生化学的検査を実施し、それらから得られた情報を組み合わせ総合的に判断することになります。

栄養スクリーニングと比較した場合、栄養アセスメントは複雑で、専門的な技術や知識が必要になります。この習熟のためには、判定者には十分なトレーニングが必要で、多くの検査を行うことから、栄養スクリーニングと比較して時間と費用を要します。

主観的評価と客観的評価

栄養スクリーニングツールとして広く利用される
SGAは、判定者の主観による評価方法になります。

SGAで低栄養と判定された患者については、より詳細な評価が必要となります。このため、SGAのつぎの段階の栄養評価では、さまざまな計測値や検査値から、患者の栄養障害の程度や型、不足している栄養素の種類などを評価します。

これについてを、ODA(客観的栄養評価)と呼びます。ODAは、生化学的検査や身体計測値などのデータを用い、それらの情報を統合し、患者の栄養状態を浮かび上がらせていきます。

これには、患者の疾患や治療状況などを踏まえ、適切な検査項目を選定し、データ上に表れた異
常が、疾患あるいは治療による影響であるのか、栄養学的な影響であるのかを見極める必要があります。

このテーマについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【主観的包括的栄養評価:SGAについての記事はこちらから

ODA(客観的栄養評価)

ODAにおいて利用されることの多い栄養指標の例を以下にまとめます。

身体計測

  1. 理想体重(IBW:ideal body weight):理想体重の算出方法は、身長(m)× 身長(m)×22
  2. BMI:現体重(kg) ÷ [身長(m)] 2
  3. %理想体重:現体重kg ÷ 理想体重kg × 100
  4. %通常時体重:現体重kg ÷ 通常時体重kg × 100
  5. 体重減少率:(健常時体重kg – 現体重kg)÷ 健常時体重kg × 100 ※身体計測における栄養評価については、体重減少率が最も重要な評価項目になります。

皮下脂肪厚測定

  1. 上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)
  2. 上腕筋囲(AMC):骨格筋量との相関が高く、上腕周囲長(AC)と上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)から算出します 上腕筋囲(AMC)= 上腕周囲長(AC) -π×上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)

血液・尿生化学検査

  1. 血清タンパク(総タンパク・アルブミン・R T P )
  2. 血漿アミノ酸分析(BCAA/AAA=Fischer比)
  3. 血漿脂質(総コレステロール・トリグリセライド)
  4. その他(クレアチニン身長係数・尿中3-メチルヒスチジン排泄量・尿素窒素排泄量・窒素バランス・血中微量栄養素)

免疫能

総リンパ球数 = 白血球数 × % リンパ球 ÷ 100で算出することができます。900/mm 3 以下で高度栄養不良と判定します。感染では、値が増大するため、栄養状態が反映されない場合があります。

機能性の評価

握力や呼吸筋力などが評価指標として用いられています。

身体計測は栄養評価のスタンダード

身体計測値は、栄養評価において基本となる情報になります。その測定は簡便・安価であり、対象
となるすべての患者で確認しておくべき項目となります。

しかし、短期の栄養状態の変化を、身体計測値の変化で捉えることは困難となります。身体計測から判定可能となるのは、一定期間、継続していた栄養状態の変化に限られます。

血液生化学検査から得られるデータは、生化学的指標や免疫能評価など、栄養評価に利用可能な指標があります。それらのなかには、直近の栄養状態が反映される項目から、中・長期の栄養状態を反映する項目も存在しており、そこから得られる情報は、非常に豊富で重要なものとなります。

しかし、栄養状態だけでなく、患者の病態に応じて変化する指標もあり、複数の項目から得られた
情報を統合し、総合的に栄養状態を判定する必要があります。

BMIは肥満や、やせなど体格の指標であり、成人の栄養評価に広く用いられています。日本人を対象とした観察研究において、男性はBMI=22.2、女性はBMI=21.9で最も疾病合併率が低いことが報告されています。この結果から、日本人の至適BMIは22kg/mとされており、理想体重の算出式にも22を掛け合わせることになっています。

栄養評価においては、BMIが低い場合には栄養不良が疑われます。特にBMI<18.5となるような症例では、慢性的な栄養不良であることが懸念されます。また近年では、肥満(BMI>25.0)も大きな問題となっており、こちらも栄養障害として対処することが必要になります。

体重の変化は、栄養状態の変化を表す指標として非常に理解しやすいと思います。なかでも急激な体重減少は、栄養状態の悪化を示すサインであり、早急に対応が必要となります。どのくらいの期間でどの程度、体重が減少しているのかが重要になるわけですが、栄養状態の悪化を有意に認めるといえる基準は以下の通りになります。

  • 1週間で2%以上の体重減少
  • 1ヶ月で5%以上の体重減少
  • 3ヶ月で7.5%以上の体重減少
  • 6ヶ月で10%以上の体重減少

体重に関連した栄養指標としては、%UBW(%通常体重)や%IBW(%理想体重)も広く用いられています。%UBWは、患者が健康であったときの体重と現在の体重を比較したものになります。%IBWは患者の理想体重(現体重kg ÷ 理想体重kg × 100)と現在の体重を比較したものになります。

このように、身体計測は比較的簡単に得ることができる情報から、栄養状態を考えるうえで非常に重要な情報を獲得することができます。低栄養のリスクがある患者に対して身体計測をもれなく行うことで、本当に栄養アセスメントを行うべき患者の選定に繋がります。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「栄養スクリーニングと栄養アセスメント」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

今回は栄養評価について全体を包括的に述べましたが、実際の栄養スクリーニングやアセスメントについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【栄養スクリーニングツールについての記事はこちらから

参考文献

  1. 溝上祐子,石川環.栄養スクリーニング・アセスメント・栄養管理の概要.日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌.17巻,1号,2013,p1-10.
  2. 関根里恵.臨床栄養学総論・栄養アセスメント.心身医.Vol.58,No.1,2018,p80-87.
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