施設基準ハブ|要件・記録・委員会を「 PT 実務の型 」で最短整理( 2026 対応 )
施設基準は、条文を読むこと自体よりも「誰が・いつ・何を残すか」を決めて、フローと様式に落とし込むところで詰まりやすい領域です。本ハブでは、褥瘡・ NST ・口腔・感染対策・医療安全などの横断テーマを、点検 → 運用 → 監査に強い証跡の順で整理し、個別記事へ迷わず送れる状態を作ります。
「改定のたびに追えない」「委員会が形骸化」「記録が散らばる」をまとめて解決するために、まずは点検リスト(全体)→重点テーマ(個別)→部門運用(記録の型)の順で読み進めてください。
運用が回らない原因は「知識」より「共有の型」です。施設基準・記録の武器を増やしつつ、働き方の選択肢も一緒に整えると迷いが減ります。 PT キャリアガイドで全体像を確認する
最短で進める 3 ルート(まず読む)
いきなり個別の施設基準に入るより、先に「点検の順番」と「監査で弱い所」を固定すると手戻りが減ります。まずは下の 3 本から、いまの状況に一番近いルートを選んでください。
迷ったら、①全体点検 → ②監査・指導対策 → ③改定の読み方の順が安全です。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| あなたの状況 | まず読む(最短) | 次にやる(運用の型) |
|---|---|---|
| 抜け漏れが怖い(全体を点検したい) | 2026 改定に備える「リハ施設基準」点検リスト | 重点テーマを 1 本だけ選び、部門ルール(誰が・いつ・何を)を 1 行で固定 |
| 監査・指導・返戻が不安(証跡を強くしたい) | リハ監査・指導対策( 2026 チェック ) | 様式の置き場所と命名規則を統一し、委員会資料へ転用できる形に寄せる |
| 改定の情報収集が追いつかない(流れを掴みたい) | 2026 年 診療報酬改定の基本方針( PT 向け ) | 医療 DX とリハ(記録・連携の準備チェック) |
テーマ別:施設基準・委員会・加算(索引)
施設基準は「横断テーマ」を押さえるほど、急性期〜在宅まで一気に楽になります。ここでは、 PT が関わりやすいテーマを点検 → 運用 → 記録の視点で並べます。
同じテーマでも院内の置き場所(委員会/カンファ/記録様式)がズレると崩れるので、まずは「自施設の運用の住所」を決めてから個別記事へ進めてください。
まず押さえる横断テーマ(優先)
褥瘡(入院基本料の施設基準)
栄養・口腔( NST /口腔管理体制 )
感染対策・医療安全(委員会・研修・記録)
身体拘束・認知症(病棟運用の詰まり解消)
急性期〜回復期で押さえる施設基準( PT 視点 )
急性期病院・回復期リハビリテーション病棟では、褥瘡・栄養・感染対策・医療安全などが同時並行で走りやすく、それぞれに PT の役割が紐づきます。条文を個別に読むだけでは全体像が見えづらいため、実務では「フロー」と「様式」で整理するのが近道です。
下の表は「まず整える順」を PT 視点で固定したものです。院内の優先順位決め(会議資料)にも転用しやすい形にしています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 領域 | まず整えるもの | PT の具体アクション | 残す記録(例) |
|---|---|---|---|
| 褥瘡対策 | 危険因子評価 → 体位変換 → 用具の標準 | ポジショニング方針を統一し、委員会へ「運用で回る」形で報告 | 危険因子評価票/体位変換計画/用具の当て方メモ |
| NST | スクリーニング → ラウンド → 介入計画 | 栄養リスクとリハ評価を統合し、活動計画・運動処方へ反映 | スクリーニング結果/ラウンドメモ/目標と経過 |
| 医療安全 | インシデントの型 → 再発防止テンプレ | 転倒・チューブ抜去など「リハで起こりやすい型」を先にテンプレ化 | 再発防止カンファ記録/介入前後のリスク評価 |
| 感染対策 | 動線 → 共用物品 → 介入制限ルール | リハ室・共用機器の運用を、感染対策委員会方針と擦り合わせ | 消毒手順/ゾーニング時の介入可否メモ |
慢性期・在宅・通所で意識する施設基準(監査に強い)
慢性期病棟・療養病床・介護医療院・在宅(訪問リハ・通所リハ)では、急性期と異なる切り口で施設基準が求められます。ここでは「書類とプロセス」を整えるほど、長期的な算定・監査対応が安定します。
ポイントは、評価や介入そのものより「更新タイミング」「連携の証跡」「モニタリングの条件」を揃えることです。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 場面 | 詰まりやすい所 | 先に固定するフロー | 残す書類(例) |
|---|---|---|---|
| 訪問リハ | 更新タイミングがズレる | 契約・説明 → 計画書 → 情報提供の更新時期を 1 本化 | 契約書/重要事項説明書/実施計画書/情報提供書 |
| 褥瘡・栄養(在宅) | 評価はしているが「連携」が残らない | 評価 → 連携 → 再評価を同じ様式に束ねる | リスク評価/多職種連携メモ/再評価記録 |
| 地域連携・退院支援 | PT の参加が記録に残らない | 連携イベントに「 PT 記載欄」を固定 | 退院時共同指導/退院後訪問指導の記録 |
| 通所系 | モニタリングが断片化する | 計画書とモニタリングをセット化し、同条件で再評価 | 個別リハ計画書/モニタリング記録 |
施設基準を現場に落とす 3 ステップ(フロー化)
施設基準は「条文を読んだ」だけでは実務に結びつきません。 PT が主体的に動くためには、施設の言葉を「フロー」と「様式」に変換し、委員会やカンファで説明できる状態にすることが近道です。
下の 3 ステップで作ると、改定で条文が動いても“運用の骨格”が残りやすくなります。
- 条文を「誰が・いつ・何を」で分解する:条文中の行為を「職種/タイミング/アウトプット」に分け、 PT が関わる部分にマーカーを引く。
- 評価・カンファ・記録をテンプレ化:危険因子評価票、ラウンドメモ、退院時情報提供書などをテンプレ化し、「書けば要件が満たされる」形に寄せる。
- 委員会・カンファの報告ラインを固定:褥瘡/ NST /医療安全/感染対策などに対して、 PT がどの頻度で何を報告するかを共通認識にする。
現場の詰まりどころ(ありがちな失敗パターン)
施設基準まわりで PT がつまずきやすいのは、「条文は読んだが、結局何を変えればよいか分からない」という場面です。失敗の多くは、知識不足ではなく運用の翻訳(フロー化)が不足して起きます。
下の表で “ 失敗 → 回避の第一手 → 残すと強い記録 ” をセットにしておくと、監査前のバタつきが減ります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 失敗パターン | 何が起きるか | 回避の第一手 | 残すと強い記録 |
|---|---|---|---|
| 条文だけ共有して終わる | 現場の誰も動かず、運用が定着しない | 「誰が・いつ・どの様式に書くか」まで決めて配布する | 運用フロー/様式テンプレ/記載例 |
| 委員会が別世界になる | 臨床と委員会資料が断絶し、報告が形骸化 | 臨床で使うチェックリストを委員会資料へ転用できる形にする | チェックリスト原票/委員会報告ひな形 |
| PT だけ負担が増える | 記録が増えるのに “ 効いている実感 ” がなく疲弊 | 「算定に直結/合併症予防/連携が楽」いずれかに紐づけて業務設計 | 介入前後の所見/成果指標/連携メモ |
| 改定アップデートが個人任せ | 解釈のズレが出て、毎回ゼロからやり直す | ハブ更新 → 院内共有 → マニュアル改訂の 3 点セットで回す | 改定差分メモ/共有資料/改訂履歴 |
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 診療報酬改定のたびに情報収集が追いつきません。最低限どこを見ればよいですか?
まずは「基本方針 → 論点整理 → 通知・疑義解釈」の流れを 1 本で押さえると迷いが減ります。実務としては、褥瘡・栄養・感染対策・医療安全・在宅の横断領域から優先順位を付け、自施設の算定状況に直結する所だけを先に点検してください。
流れを掴むなら 2026 年 診療報酬改定の基本方針、全体の抜け漏れが怖いなら 施設基準点検リスト が最短です。
Q2. 条文が難しくて、 PT 向けの勉強会資料が作れません。どう構成すると伝わりやすいですか?
おすすめは「①目的(なぜあるか)→②要件(人員・プロセス・記録)→③ PT の役割→④症例ベースの具体例」の 4 ステップです。条文を貼るより、評価・介入・カンファ・記録のどこに接続するかを図やフローで示すと理解が速くなります。
Q3. 施設基準対応の書類が増えすぎて、記録時間を圧迫しています。どう整理すればよいですか?
ポイントは「似た項目を一本化し、同じ情報を二度書かない」ことです。褥瘡リスク評価・栄養スクリーニング・転倒リスク評価など、複数の施設基準にまたがる情報はチェックリストを統合し、カンファ記録や委員会資料へ流用できるように設計します。
監査で弱い所から潰すなら 監査・指導対策チェック を先に見ると、統合すべき書式が見えやすくなります。
次の一手(関連リンク)
このハブは「全体像の索引」です。実務を一気に進めるなら、まずは点検(全体)を 1 回まわし、次に自施設で影響が大きい横断テーマを 1 本だけ深掘りすると、院内の標準化が進みます。
次に読む候補を「目的別」に置きます。
- 抜け漏れゼロに寄せる:リハ施設基準の点検リスト( 2026 )
- 監査・指導で詰まらない:リハ監査・指導対策( 2026 チェック )
- 改定と運用のつなぎ方:2026 年 診療報酬改定の基本方針
- 記録と連携を今から整える:医療 DX とリハ(準備チェック)
運用を整える → 共有の型を作る → 環境の詰まりも点検(無料チェックシート)まで一気に進めたい場合は、マイナビコメディカルのダウンロードも使えます。
参考文献
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


