
こんにちは!リハビリくんです!
今回はBarthel Index(BI)について解説していきたいと思います!
Barthel IndexについてはADL評価法の中でも最もポピュラーな評価法になるのではないでしょうか?私自身も学生の時に始めに覚えたADL評価法がBarthel Indexであり、臨床実習でも活用した記憶があります。
人気である理由は、評価方法がシンプルなために、少し学習すれば誰にでも採点可能なところだと思います。また、10項目100点満点というきりの良いところもイメージ化のしやすさに繋がっていると考えられます。
一方、Barthel Indexは大まかなADLの評価には有効ですが、動作の細かいところや身体状況の変化までは評価不足になるという欠点もあります。Barthel Indexの評価の目的、評価方法、メリットやデメリットについて解説していきたいと思います!

【簡単に自己紹介】
埼玉県の医療機関で働いている理学療法士です
現在、院内にて入院患者様へのリハビリテーションと、介護保険サービスの方で利用者様への訪問リハビリテーションを行わせて頂いています!
主な取得資格は以下の通りになります
脳卒中認定理学療法士
褥瘡 創傷ケア認定理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
福祉住環境コーディネーター2級
「医療や介護に関わる人の力になるため」「患者様や利用者様に根拠のある適切なリハビリテーションを実施するため」をモットーに働く1児の父です!
ここ近年はコロナ禍の影響もあり、外部の研修会などにも気軽に参加できなくなりましたよね。私の勤務先では、職場内での勉強会も規模が縮小していまいました。あらゆる方面で、以前と比較して自己研鑽する機会が減少してしまったように感じております。
そのような状況ではありますが、医療職として知識のアップデートは必要不可欠になります!
そこで、私自身も活用しており、大変役立っているのが下記の「リハノメ」です!
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介護予防においてADLは重要なキーワード
高齢化社会に突入している日本では、高齢者が要介護状態となることの予防、介護状態の悪化の予防を図る取り組み=介護予防の重要性が強調されるようになっています。
介護予防を図るためには生活機能を高めることが必要とされており、身体や精神の機能である「心身機能」、日常生活動作や家事、屋外歩行などの「活動」、生きがいや仕事などの「参加」の3つの要素にバランスよく働きかけることが重要になります。
日常生活動作(ADL)とは
日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingのことで、ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指します。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作のことであり、具体的には「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作を示します。
高齢者や障害者の方の身体能力や日常生活レベルを図るための重要な指標として用いられており、リハビリテーションの現場や介護保険制度ではひとつひとつのADL動作を「できる・できない」「どのような介助が必要か、介助量はどの程度か」「できるADL・しているADL」などの項目で評価します。
ADLについては、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【ADL評価法はどれを使えばいい?についての記事はこちらから】
ADLの種類
日常生活動作(ADL)には、基本的日常生活動作(basic ADL=BADL)と手段的日常生活動作(instrumental ADL=IADL)に分類されます。
基本的日常生活動作(BADL)
基本的日常生活動作(BADL)とは、一般的に日常生活動作(ADL)のことを指し、日常生活における基本的な「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことを指します。
手段的日常生活動作(IADL)
手段的日常生活動作(IADL)は、基本的日常生活動作(BADL)の次の段階を指します。「掃除・料理・洗濯・買い物などの家事や交通機関の利用、電話対応などのコミュニケーション、スケジュール調整、服薬管理、金銭管理、趣味」などの複雑な日常生活動作のことを指します。
IADLについては、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【IADLの充実を目指したリハビリについての記事はこちらから】
BADLの評価方法
- Barthel Index(バーセルインデックス)
- Katz Index(カッツインデックス)
- DASC-21(ダスク21)
- FIM(機能的自立度評価表)
この4種類の評価を抑えておけば間違いないと思います。
Barthel Indexについて
評価法の歴史
Barthel Indexは米国の医師:Mahoneyと理学療法士:Barthelによって作られたもので、理学療法士の名前:Barthelをとって評価名がつけられています。
評価の目的
バーセルインデックスの目的は、本人が日常生活の中で「できるADL」を評価し、現状のADLの状態を簡単に把握することです。バーセルインデックスによるADLの評価では、環境や条件などは細かく設定されていないため、誰でも短時間で評価が可能で、点数で自立度がわかりやすいので患者様やご利用者の全体像の把握に役立ちます。
評価方法

Barthel Index(バーセルインデックス)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺
バーセルインデックスの評価項目は、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行・階段昇降・更衣・排便・排尿の全10項目で構成され、各項目を自立度に応じて15点・10点・5点・0点で採点します。
採点方法も簡便であり、ある程度学習しておけば、誰でも評価することが可能です。100点満点で採点できるので、患者や利用者の得点がそのままパーセンテージ化しやすく、現状をイメージしやすくなっております。
合計点についての考え方ですが、満点が100点であり、85点以上を日常生活の大部分が自立、60点が部分自立(カットオフ)、40点が大部分介助、0点は全介助と一般的にされています。
個人的な見解ですが、ADLについては基本的に、各項目ごとで考えを進めた方がいいと思ってます。歩行であれば「5点から10点に向上したことで、病棟内の移動を車椅子から見守り歩行に変更することができた。今後は15点にADLが向上したら自立歩行に変更する」といったようか感じになります。
合計点については「このくらいの身体機能かな?」といったイメージ作りの役割があるかと思っています。例えば新しく入所してくる利用者様のサマリーにBarthel Index:5/100点と記載してあれば、「寝たきりに近い状況なのではないか?ベッドのマットレスは圧分散能力が高いものを準備しておこう」と考えることができます。
65/100点と記載してあれば、「ある程度身の回りのことがご自身で出来るのではないか?寝返り起き上がりも自立してるかもしれない。動作を阻害しないために、ベッドのマットレスは薄くて柔らかすぎないものを準備しておこう」と考えることができます。
Barthel Indexの特徴
Barthel Indexの評価指標の特徴やメリット、デメリットについて簡単にご紹介します。
特徴
- 評価項目は、全10項目
- 「できるADL」を評価する
- 採点は、各項目を0点〜15点で評価する
- 満点は100点で、最低点は0点とする
- 移動・移乗の項目の配点が高い
メリット
- 評価区分が2~4段階で分けられています。区分が比較的少ないため誰でも簡単に記録することができるのです。また、点数も5点刻みのため合計点を算出することが容易です。
- 結果が100点満点と分かりやすく、一目で自立度を判断できるのが魅力的です。
- 世界共通の評価法となっています。
- 実際に普段から行っているものではなくても、「できる」ものであれば評価対象となります。したがって患者や利用者の最大限発揮できる能力を表しやすくなります。
デメリット
- 評価内容が大まかなところがあります。細かい日常動作の評価までは詳細にしたいのであれば、別途の評価法を用いて評価した方がいいかもしれません。
- 身体機能レベルの変化が分かりにくいところがあります。
- 簡易すぎるため、評価者によって結果が変わることが考えられます。
- 採点の根拠が明らかではありません。
このように簡易的にわかりやすい判定基準でADLを把握できる一方で、バーセルインデックスの問題として、点数の大まかさや採点の粒度が粗いことが挙げられます。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
この記事ではADL評価法の基本となるバーセルインデックス(BI:Barthel Index)についてまとめさせて頂きました!
Barthel Indexについては同じBADL評価法であるFIMと並んで、最も一般的で人気があるADL評価法だと思います。
最近は、Barthel IndexからFIMに移行している病院や施設が多いかもしれませんが、Barthel Indexについてはリハビリテーション専門職であれば、知っていて当たり前であり、正確な知識を身につけておくべき評価法の1つになると思います。
また、2021年度介護報酬改定で見直された「ADL維持等加算」の算定要件には、Barthel Indexを用いて評価の実施が必要となっております。国がBarthel Indexを指定していることからも信頼性が高く実績がある評価法ということですので、是非とも正しく評価ができるようにしていきましょう!
医療に携わるものとしてBarthel Indexと一緒にFIM(機能的自立度評価表)の理解も深めるべきと考えます。FIM(機能的自立度評価表)については、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【FIM(機能的自立度評価表)の評価方法についての記事はこちらから】

参考文献
- 園田茂.Functional Evaluation:The Barthel Index.Jpn J Rehabil Med.2018,55,p783.