
こんにちは!リハビリくんです!
こちらでは「NRS2002(Nutritional Risk Screening)」をキーワードに記事を書いていきます!
リハビリテーションの実施にあたって、短時間で実施することができる栄養スクリーニングの存在は非常に重要になります。しかし、栄養スクリーニングの種類については様々なものがありますので、どの栄養スクリーニングを使用すればいいのか悩んでしまうと思います。
そんな中、この記事で紹介する栄養スクリーニングツールはNRS2002(Nutritional Risk Screening)になります。
NRS2002は評価項目に疾患の重症度についての項目が含まれていることが他の栄養スクリーニングツールとの差別化になると思います。疾患の重症度という項目があることにより、急性期における栄養スクリーニングとして特に有効性が高くなると考えられます。
また、初期スクリーニングと最終スクリーニングの2部構成になっているところも特徴的であります。この構成により初期スクリーニングで問題がないと判定できれば、その時点で低栄養のリスクなしと栄養スクリーニングを終えることができます。
既にNRS2002(Nutritional Risk Screening)を臨床で活用されている方もいらっしゃると思います。しかし、世間一般的に言えばまだまだNRS2002(Nutritional Risk Screening)の知名度は不足しており、使用してみたいけど評価方法に自信がない方もいらっしゃると思います。
そんな人のためにこちらの記事をまとめました。この記事を読むことで明日からの臨床で、NRS2002(Nutritional Risk Screening)を活用した栄養スクリーニングを実施できるようになることを目標にします。特に、下記のポイントを理解できるようにします。
- 栄養スクリーニングとは
- NRS2002評価方法
- 判定方法と結果の解釈
こちらの記事でNRS2002(Nutritional Risk Screening)における理解を深め、臨床における栄養評価の一助になると幸いです。是非、最後までご覧になってください!

【簡単に自己紹介】
埼玉県の医療機関で働いている理学療法士です
現在、特に関心が高い分野が「栄養」と「褥瘡」になります!
職場以外の活動としては埼玉県理学療法士会にて活動をさせて頂いております
主な取得資格は以下の通りになります
脳卒中認定理学療法士
褥瘡 創傷ケア認定理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
福祉住環境コーディネーター2級
最近は仕事をするにしても、育児を全うするにしても、自分の身体作りが重要ということを再認識しております。身体作りを効果的に行うためにはプロテイン等の健康補助食品が欠かせません。しかし、近年プロテインも様々な商品が存在するためどれを選択しようか悩む方もいらっしゃると思います。
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栄養スクリーニングについて
栄養スクリーニングは栄養評価の一側面として捉えることができ、栄養管理の端緒として、栄養不良患者または栄養不良のリスクがある患者を抽出することが目的となります。
一般的には、栄養スクリーニングを行った結果、更に詳細な栄養評価が必要となった対象者に対して、栄養アセスメントが実施される流れになります。
栄養スクリーニングでは、効率のよい評価が求められます。そのため、以下に示したような要件を満たした評価ツールが必要になります。
- 妥当性がある
- 信頼性がある
- 入手しやすい情報を利用する
- 実施が容易である
- 低コストである
- 患者に対して非侵襲的な方法である
栄養管理を最も有効に実施するには、全ての患者様や利用者様に対して、日常的なケアの一環として栄養スクリーニングを行うことが必要になります。
栄養スクリーニングツールとしては、様々な種類のものが現在までに提唱されていますが、体重の変化と食事摂取量の2項目だけで判定することができるNRS2002(Nutritional Risk Screening)についてご紹介します。
NRS2002の概要
NRS2002(Nutritional Risk Screening)は、2002年に欧州臨床栄養代謝学会により開発された評価尺度になります。
評価項目に疾患の重症度についての項目があるため、急性期における栄養スクリーニングとして特に有効性が高くなると考えられます。
NRS2002は、初期スクリーニングと最終スクリーニングに分類されており、初期スクリーニングでいずれかの項目に該当するのであれば、最終スクリーニングに進むような構成になっています。
初期スクリーニングで問題がなければ数分程度で終了するツールとなっておりますので、多くの患者様の中から栄養管理を行う必要がある方を選抜する能力に長けており、特にICUなどの重症患者や術前・術後の症例、悪性腫瘍の症例の栄養アセスメントに適していると言われています。
第1部:初期スクリーニング
初期スクリーニングでは、下記の4つの質問に対し「はい」か「いいえ」で回答してもらい、該当項目が1つでもあるかを確認します。
- BMIは20.5未満であるか?
- 過去3ヶ月以内に体重は減少しているか?
- 過去1週間の食事摂取量は減少しているか?
- 重症な疾病の有無はあるか?例えば集中治療を受けているか?
第2部:最終スクリーニング
最終スクリーニングでは、「栄養障害の重症度」と「疾病または外傷の重症度」の2つについてスコア化します。
各スコアに応じた栄養障害の判定は以下の通りになります。
- スコア0:正常
- スコア1:軽度栄養障害
- スコア2:中等度栄養障害
- スコア3:高度栄養障害
栄養障害の重症度
- スコア0:栄養状態正常
- スコア1:3ヶ月間で5%の体重減少、あるいは過去1週間の食事摂取量が通常時の50〜75%に減少している
- スコア2:2ヶ月間で5%の体重減少、あるいは過去1週間の食事摂取量が通常時の25〜50%に減少している
- スコア3:1ヶ月間で5%の体重減少、あるいは過去1週間の食事摂取量が通常時の25%以下に減少している
栄養障害の重症度では、体重減少の程度か食事摂取量減少の程度のどちらかを当てはめることで、スコア1〜3の中で判定します。どれにも当てはまらない場合は栄養状態正常と判断し、スコアは0となります。
疾病または外傷の重症度
- スコア0:疾病または外傷なし
- スコア1:大腿骨頚部骨折、急性合併症のある慢性疾患(肝硬変、COPD、慢性透析、糖尿病、腫瘍)
- スコア2:腹部大手術、脳卒中、重症肺炎、造血器腫瘍
- スコア3:頭部損傷、骨髄移植、集中治療患者
疾病または外傷の重症度については、患者の持つ疾患や外傷を当てはめて、スコア1〜3の中で判定します。当てはまる疾患や外傷がない場合は、疾病または外傷なしと判断し、スコアは0となります。
NRS2002 評価用紙

NRS2002(Nutritional Risk Screening)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺
判定方法
最終スクリーニングの「栄養障害の重症度」と「疾病または外傷の重症度」から判定したスコアの合計を計算します。
なお、年齢が70歳以上の場合は合計スコアに1を加算して計算します。
合計スコアが3以上の場合、低栄養のリスクがあるという判定になり、栄養管理計画の立案に繋げることができます。
合計スコアが3未満の場合は、週1回のスクリーニングを繰り返し、経過を観察していきます。患者に大手術の予定がある場合は、手術後の栄養リスクを回避するために、予防的栄養ケアプランを立案します。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
この記事では「NRS2002(Nutritional Risk Screening)」をキーワードに考えを述べさせていただきました。
こちらの記事が臨床における栄養評価に少しでもお力添えになれば幸いです!

参考文献
- 溝上祐子,石川環.栄養スクリーニング・アセスメント・栄養管理の概要.日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌.2013年,17巻,1号,p1-10.
- 百崎良,安保雅博.リハビリテーションにおける栄養スクリーニング.Jpn J Rehabil Med .2017,54,p82-86.