認知症 OT 紙面ドリル PDF 集|5 系統まとめ

臨床手技・プロトコル
記事内に広告が含まれています。

認知症 OT 紙面ドリルは「PDF 配布集」として 1 ページに集約します

認知症の作業療法で紙面ドリルを使うときは、教材を増やすことよりも「どの PDF を、どの条件で、どう記録するか」をそろえることが重要です。このページでは、注意課題・記憶課題・実行機能・二重課題・遂行速度の 5 系統を L1〜L3 でまとめ、必要な PDF にすぐ移動できる配布集として整理します。

この記事で決めることは、初回にどの系統・どのレベルから始めるか、実施後に何を記録するか、次回の負荷をどう設定するかです。運用の詳しい考え方は親記事に任せ、このページでは「PDF を探す→実施する→最小記録を残す」までを最短で回せる形にしています。

認知症 OT ドリル一括ダウンロード( 5 系統 )

認知症 OT 紙面ドリルの選び方とレベル調整
5 系統から選び、支援量でレベルを調整すると比較しやすくなります

まずは目的に合う系統を選び、L1 から開始します。L2・L3 は「正答率が高い」だけでなく、再指示や手がかり量が少なく、疲労や拒否が目立たない場合に検討してください。

PDF は A4 印刷前提です。端末で開いてそのまま使う場合も、実施条件と記録項目は同じにしておくと、担当者が変わっても比較しやすくなります。

認知症 OT 紙面ドリルの配布一覧( 5 系統 )
系統 見たい要素 推奨開始 PDF へ移動
注意課題 探索・選択・ルール切替 L1 注意課題の PDF へ
記憶課題 学習・遅延再生・再認 L1 記憶課題の PDF へ
実行機能 手順化・切替・ルール保持 L1〜L2 実行機能の PDF へ
二重課題 同時処理・優先配分 L1 二重課題の PDF へ
遂行速度 正確性を保った処理量 L1 遂行速度の PDF へ

注意課題ドリル( L1〜L3 )

視覚探索・選択的注意・ルール切替を確認します。見落としの位置、誤反応の種類、再指示の有無を残すと次回設定に活かしやすくなります。

記憶課題ドリル( L1〜L3 )

語の学習、遅延再生、逆唱、視覚再認を短時間で確認します。再生数だけでなく、ヒント量と再指示回数を合わせて記録してください。

実行機能ドリル( L1〜L3 )

手順化・切替・ルール保持を確認します。誤反応の種類、途中で止まった場面、再開に必要だった支援を残すと解釈しやすくなります。

二重課題ドリル( L1〜L3 )

同時処理で主課題と副課題のどちらが崩れやすいかを確認します。正答数だけでなく、どちらを優先したかを分けて記録してください。

遂行速度ドリル( L1〜L3 )

正確性を保った処理量を確認します。完了数、正答率、誤反応、前半と後半の処理量を同条件で残す運用が基本です。

開始レベルは「正答率」だけでなく支援量で決めます

初回は L1 を基本にし、対象者の成功体験を保ちながら条件をそろえます。L2・L3 へ進めるときは、量・時間・ルールのうち 1 要素だけを変えると、変化の理由を追いやすくなります。

認知症の紙面課題では、日内変動や環境刺激、疲労の影響を受けます。前回より反応が落ちた日は、無理に進級せず同レベル維持、または 1 段階戻して比較可能性を守ります。

認知症 OT 紙面ドリルの開始レベルと進級目安
系統 開始目安 進級を考える条件 記録すること
注意課題 L1 見落としや誤反応が減る 見落とし位置・誤反応・再指示
記憶課題 L1 ヒント量が減る 再生数・ヒント量・遅延後の変化
実行機能 L1〜L2 切替エラーが減る ルール逸脱・停止場面・再開支援
二重課題 L1 主課題と副課題の崩れが軽くなる どちらを優先したか・中断有無
遂行速度 L1 正確性を保って処理量が増える 完了数・誤反応・前半/後半差

5 分で回す実施フロー

短時間で安定させるコツは、課題数を増やすことではなく手順を固定することです。導入、実施、記録、次回設定を毎回同じ順番にすると、担当者差が小さくなります。

詳しい運用設計は 認知症 OT 紙面ドリル運用プロトコル で確認できます。この配布集では、PDF を開いたあとに迷わない最小手順だけを押さえます。

  1. 導入( 30 秒 ):目的を 1 文で伝え、実施時間を短く示す。
  2. 実施( 3〜8 分 ):L1 から始め、当日の反応で無理に上げない。
  3. 記録( 1 分 ):正答、誤反応、手がかり量、中断有無を残す。
  4. 次回設定( 30 秒 ):同レベル継続、1 段階変更、別系統へ切替を決める。

記録は「点数+支援量+次回設定」で残します

紙面ドリルの記録は、点数だけでは次の介入に結びつきにくくなります。最低限、実施条件・反応・支援量・次回設定を残すと、短時間でも臨床判断に使える記録になります。

以下の型を使うと、SOAP や経過記録にそのまま転記しやすくなります。文章量を増やすより、毎回同じ項目で残すことを優先してください。

認知症 OT 紙面ドリルの最小記録セット
項目 記録例 見るポイント
実施条件 注意課題 L1、午前、机上、5 分 前回と比較できる条件か
反応 見落とし 3 か所、右下で多い 誤反応の偏りがあるか
支援量 再指示 2 回、指差し手がかり 1 回 自立度の変化があるか
中断・疲労 4 分以降に発話減少、途中離脱なし 負荷が強すぎないか
次回設定 L1 継続、時間は 5 分のまま 同条件か、1 要素だけ変更か

現場の詰まりどころは「探せない・比べられない・次が決まらない」です

紙面ドリル運用が崩れる主因は、PDF の置き場所が分散すること、毎回条件が変わること、点数だけで記録が終わることです。まずは 実施フロー記録の型 を固定し、必要に応じて続けて読む:認知症 OT ドリルの指示・理解が難しいときの調整手順 で指示方法をそろえてください。

認知症 OT 紙面ドリルで起きやすい失敗と回避策
よくある失敗 起きること 回避策
PDF の場所が分散する 古い版や別課題が混在する この配布集を入口に固定する
毎回ルールが変わる 前回との比較ができない 導入文と実施条件を固定する
難易度を一気に上げる 拒否や疲労が増える 変更は量・時間・ルールの 1 要素だけにする
点数だけで終える 次回設定が決まらない 手がかり量・中断有無・疲労徴候も残す
評価や記録の型が職場内でそろわないときは、学び方や相談環境も見直す視点が役立ちます。 PT キャリアガイドを見る

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

初回はどのレベルから始めますか?

原則は L1 から始めます。初回で反応が良くても、まずは手がかり量や疲労の有無を確認し、次回以降に 1 要素ずつ負荷を調整します。

同じ日に複数の系統を実施してもよいですか?

可能です。ただし主目的は 1 つに絞り、記録では「どの系統で何が崩れたか」を分けて残してください。

進級は正答率だけで判断してよいですか?

正答率だけでは不十分です。再指示回数、手がかり量、反応速度、途中離脱、疲労徴候を合わせて判断します。

時間がない日は何を省略しますか?

課題の量を減らします。記録項目は省略せず、最低でも実施条件、反応、支援量、次回設定を残してください。

家族やスタッフには何を共有しますか?

「今日の課題」「必要だった支援」「次回も同じ条件で行うか」の 3 点を短く共有すると、チーム内で再現しやすくなります。

次の一手

まずはこの配布集から同じ PDF を開き、2 週間は同条件で記録して変化を見てください。A:運用プロトコルで全体像を確認する → B:遂行速度ドリルを実装する の順で進めると、配布から記録までを崩さずに回しやすくなります。


参考文献

  1. Livingston G, Huntley J, Sommerlad A, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. Lancet. 2020;396(10248):413-446. DOI: 10.1016/S0140-6736(20)30367-6
  2. Yuill N, Hollis V. A systematic review of cognitive stimulation therapy for older adults with mild to moderate dementia: an occupational therapy perspective. Occup Ther Int. 2011;18(4):163-186. DOI: 10.1002/oti.315
  3. Kudlicka A, Martyr A, Bahar-Fuchs A, et al. Cognitive rehabilitation for people with mild to moderate dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2023;6(6):CD013388. PubMed: 37389428
  4. 日本作業療法士協会. 認知症作業療法評価の手引き. 公式PDF

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました