評価ハブ|目的別サブハブと主要スケール早見表(保存版)
評価が散らかったときは、目的を 1 つ決める → 早見表で 1 本決める → 条件を固定して再評価に戻すと臨床が回ります。最初から検査数を増やすより、初回は 1〜 2 指標に絞って “ 同じ条件で繰り返せる形 ” を作る方が、説明力(申し送り・カンファ・家族説明)が上がります。
このページは、rehabilikunblog.com 内の評価記事を「目的から最短で引ける」索引(ハブ)として整理した入口です。歩行・バランス、 ADL / IADL 、呼吸・運動耐容能、疼痛、心理、 PROM 、高次脳機能などを目的別サブハブに束ね、必要な各論へ迷わず辿れる構造にしています。
評価は「実施 → 記録 → 解釈 → 再評価」までが 1 セット。迷いが減る “ 型 ” を 3 分で復習できます。 評価が回る “ 型 ” を見る( 3 分 ) ※内部リンク(同一タブ)
このハブの使い方(迷わない 3 ステップ)
結論として、評価は①目的を決める → ② 1 本決める → ③同条件で再評価の順にそろえるとブレにくいです。初回から網羅しようとすると、条件ズレが起きて再評価が崩れやすくなります。
迷ったら、まずは下の 目的別サブハブ から該当領域へ進み、各サブハブで「第一選択 1 本+追加 1 本」の型に沿って選びます。最後に 条件固定 をカルテに残すだけで、再評価の質が上がります。
- 目的を決める:歩行・バランス/ ADL / IADL /呼吸・運動耐容能/疼痛/ PROM /高次脳/シーティング など
- 1 本決める:サブハブの “ 第一選択 ” を採用し、必要なら追加 1 本だけ足す
- 条件を固定して再評価:靴・装具・補助具・介助・環境・回数をセットで残す
目的別サブハブ(まずはここから)
目的が決まっている場合は、下の表から該当サブハブへ進むのが最短です。各サブハブでは「第一選択 → 追加 1 本」の型で、検査数が増えすぎないよう整理しています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 領域 | まず読む(サブハブ) | 次に押さえる(代表ページ) | こんなときに効く |
|---|---|---|---|
| 基本動作(離床・起居・移乗) | 基本動作評価ハブ( BMS / ABMS-2 ) | ABMS-2 と BMS の違い【比較・使い分け】 | 「 ADL の前に詰まる場所」を 1 枚で共有したい |
| 歩行・バランス | 歩行・バランス評価ハブ | TUG / 10 m 歩行 | 速度・方向転換・ふらつきを “ 同条件で ” 追いたい |
| 筋力( MMT /使い分け) | 筋力評価の使い分け( MMT / HHD / RM ) | MMT(徒手筋力テスト)のやり方・書き方/ Grade 4 と 5 の判定 | 判定ブレ(固定・代償・抵抗)を減らして再評価を回したい |
| ADL / IADL | ADL ・ IADL 評価ハブ | FIM / Barthel Index / Lawton IADL | 退院判断・介助量・サービス調整の根拠をそろえたい |
| 呼吸・運動耐容能 | 呼吸・運動耐容能の評価ハブ | 6 MWT / mMRC / Borg | 息切れ・持久・安全の線引きを崩さず回したい |
| 疼痛 | 疼痛評価ハブ | 疼痛評価スケールの使い分け | 「痛みが強い」の中身(強さ・生活影響)を分けたい |
| 心理・メンタル | 心理・メンタル評価ハブ | HADS / SRQ-D | 活動量低下・不眠・意欲低下を “ 評価で共有 ” したい |
| 運動器 PROM | 運動器 PROM 評価ハブ( NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI ) | 部位別の選び方と比較表 | 「痛み」だけでなく生活機能と QOL を数値で追いたい |
| 高次脳機能( USN /注意/遂行) | 高次脳機能評価ハブ | USN(抹消課題) | ベッドサイド → 作業場面 → 再評価の順番をそろえたい |
| 上肢機能(使い分け) | 上肢機能評価ハブ(最小セット+比較表) | FMA-UE/ARAT/WMFT/BBT/9HPT | 「どれを採用するか」を 1 分で決めたい |
| 廃用・デコンディショニング | 廃用ハブ(評価 → 離床 → 運動処方) | 廃用の筋力トレ(記録の型) | 離床判断と負荷設定を “ 運用 ” に固定したい |
| シーティング/座位管理 | シーティング総論(嚥下・除圧・座位管理) | 角度・時間のログ化(運用の型) | 座位が崩れる/嚥下や除圧まで一体で整えたい |
| 疾患別(入口をそろえる) | 疾患別ハブ | 老年症候群/内部障害/運動失調 | 評価が散らばる領域を “ 疾患の流れ ” で束ねたい |
| スケール名で探す | 評価スケール索引 A–Z | 指標名 → 目的へ戻る | 指標名は分かるが “ 使いどころ ” が曖昧なとき |
主要スケール早見(まず 1 本決める)
「何を選べばいい?」で止まったときは、まず 1 本だけ決めて回すのが最短です。下表は、採用率が高く再評価を回しやすい指標を中心にまとめています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 目的 | まず選ぶ | 追加で深掘り | 記録で固定する条件 |
|---|---|---|---|
| 離床・起居の共有 | ABMS-2 / BMS | 使い分け(病期・目的) | ベッド高/手すり/介助位置/靴・装具/バイタル |
| 歩行の変化を追う | 10 m 歩行 | TUG | 助走・減速距離/補助具/コース/休憩/測定回数 |
| 下肢機能を総合で見る | SPPB | 5STS | 椅子高/手の使用/靴/介助/実施順 |
| ADL 自立度の共有 | Barthel Index | FIM | 「できる( capacity )」か「している( performance )」か |
| 運動耐容能 | 6 MWT | mMRC / Borg | コース/励まし/休憩/ SpO2 / HR /症状 |
| 運動器の生活機能( PROM ) | NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI | 部位別の選び方 | 回答条件(回想期間)/介助の有無/再評価間隔 |
条件固定(運用)をブレさせない|最小チェック
スコアが活きない原因の多くは「測り方」よりも条件のズレです。評価を増やす前に、まず “ 条件セット ” を固定して残すだけで再評価の質が上がります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 詰まりどころ | 起こりやすいこと | 打ち手(最小の修正) |
|---|---|---|
| 条件が毎回違う | 補装具・介助・靴・コース・椅子高・声かけの差で、変化が説明できなくなる | カルテに「条件セット」を固定で残す(物品・介助・環境・回数) |
| 数値だけで終わる | どこで崩れたかが残らず、介入の優先順位が決まらない | 観察を 1 行だけ追加(立ち上がり/加速/方向転換/息切れ/痛み誘発) |
| 初回から増やしすぎる | 安全管理と時間が崩れ、結局どれも再評価できない | 初回は 1〜 2 指標に絞り、 24〜 72 時間で同条件の再評価を 1 回入れる |
| カットオフの丸のみ | 対象・条件差を無視して「数値だけ」で判断してしまう | 閾値は目安として扱い、対象(年齢・疾患・補助具)と観察所見を併記する |
関連ハブ(横断で迷わない入口)
- 疾患別ハブ(脳卒中/ PD /失調/内部障害/老年症候群の入口)
- 老年症候群ハブ(フレイル・転倒・低栄養を “ 抜けなく ” そろえる)
- 内部障害ハブ(心不全・ COPD :重症度 → 耐容能 → 安全管理)
- 運動失調ハブ( SARA / ICARS の使い分け)
- 高次脳機能評価ハブ( USN /注意/遂行機能)
- 上肢機能評価ハブ(最小セット+比較表)
- 廃用ハブ(評価 → 離床 → 運動処方)
- シーティング総論(嚥下・除圧・座位管理)
- OT 評価ハブ(作業から逆算して順番と最小セット)
- 脳卒中の ST 評価まとめ( 24–48 時間の最小セット)
- 栄養・嚥下ハブ(スクリーニング → 計画 → モニタリング)
- 臨床手技・プロトコルハブ(手順 → 中止基準 → 記録)
- サイト索引(ハブ一覧)
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 評価が多すぎて回りません。まず何を減らすべきですか?
最初に減らすのは「目的とズレた検査」です。目的が 1 つ決まれば、基本は第一選択 1 本+追加 1 本で十分に説明できます。まずは “ いま変化を追いたいもの ” を 1 つ決め、条件セット(靴・装具・介助・環境)を固定して再評価できる形に戻してください。
Q2. 初回評価は、何本までに絞るのが安全ですか?
安全管理と時間の制約が強い場面ほど、初回は 1〜 2 指標が現実的です。数を増やすと条件ズレが起きやすく、再評価できないまま “ 測っただけ ” になりがちです。まず 1〜 2 指標を同条件で回し、必要になった分だけ追加する方が運用が安定します。
Q3. 閾値(カットオフ)って、どこまで信じていいですか?
閾値は便利ですが、対象(年齢・疾患・補助具・環境)で前提が変わります。結論としては「目安として使い、観察所見とセットで残す」のが安全です。数値だけで決めるより「どこで詰まったか」を 1 行添えると、説明力が上がります。
Q4. サブハブが多くて迷います。最短ルートは?
迷ったら、まずは歩行・バランスか ADL / IADL のどちらかに寄せて “ 入口 ” を決めるのが早いです。患者の課題が移動中心なら 歩行・バランス評価ハブ、介助量や退院調整が中心なら ADL ・ IADL 評価ハブから入ると、必要な各論へ短く辿れます。
次の一手(次に読む)
- 評価スケール索引( A–Z )で “ 指標名 → 目的 ” を引く
- 筋力評価の使い分け( MMT / HHD / RM )を先に揃えて、再評価を回しやすくする
- 歩行・バランス評価ハブで、現場の “ 主役 1 本 ” を決める
参考文献
- Podsiadlo D, Richardson S. The timed “Up & Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. J Am Geriatr Soc. 1991;39(2):142-148. DOI: 10.1111/j.1532-5415.1991.tb01616.x / PubMed: 1991946
- ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(1):111-117. DOI: 10.1164/ajrccm.166.1.at1102
- Guralnik JM, et al. A short physical performance battery assessing lower extremity function. J Gerontol. 1994;49(2):M85-M94. DOI: 10.1093/geronj/49.2.m85
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


