フレイルの評価基準|歩行速度|起立テスト|TUG|SPPB|握力

フレイル・サルコペニア
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リハビリくん
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こんにちは!リハビリくんです!

この記事では「フレイルに対するリハビリテーション」をキーワードに内容を整理していきます。

  

超高齢社会を突き進む本邦において、フレイル対策が今後ますます重要になることは言うまでもありません。日本では2017年から「人生100年時代構想会議」をスタートし、「予防・健康づくり」の強化と健康寿命延伸に対する取り組みを推進しています。その中で重要視されている取り組みの1つが「介護予防・フレイル対策」になります。

   

フレイル対策において運動やリハビリテーションは中核を担う方法となりますが、ただ闇雲に運動を行っても効果が得られない可能性があります。フレイルにおける適切な評価と運動療法の処方ができることが重要になります。

   

100年以上生きる人生を、より豊かに幸せに過ごすためのサポートができるように、フレイルと運動に関する正しい知識を身につけてフレイル対策を講じてまいりましょう。

フレイルのスクリーニングや効果判定について、あまりよく存じていない方もいらっしゃると思いますが、この記事を読むことで明日からの臨床で活用することができるようになることを目標にします。特に、下記のポイントを理解できるようにします。

   

  • フレイルのスクリーニングテスト
  • J – CHS基準について
  • フレイルのアウトカム評価について

    

こちらの記事でフレイルにおける理解を深め、臨床におけるスクリーニングや効果判定の一助として活用して頂けると幸いです。是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
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【簡単に自己紹介】

埼玉県の医療機関で働いている理学療法士です

現在、特に関心が高い分野が「栄養」と「褥瘡」になります!

職場以外の活動としては埼玉県理学療法士会にて活動をさせて頂いております

  

主な取得資格は以下の通りになります

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級


  

最近は仕事をするにしても、育児を全うするにしても、自分の身体作りが重要ということを再認識しております。身体作りを効果的に行うためにはプロテイン等の健康補助食品が欠かせません。しかし、近年プロテインも様々な商品が存在するためどれを選択しようか悩む方もいらっしゃると思います。

  

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フレイルとは?定義

加齢に伴う脆弱な状態についてを英語で frailty と表現され、従来「虚弱」や「老衰」と訳されてきました。

その後、2014年に日本老年医学会が邦訳を「虚弱」から「フレイル」に変更しました。変更の理由としては「虚弱」という言葉が回復不可能なことをイメージしやすいこと、フレイルが健康と身体機能障害をきたした要介護状態の中間をあらわすことが挙げられます。

本邦ではフレイルの定義として、日本老年医学会が提唱した「加齢に伴う予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」としています。

フレイルは健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間として位置づけられ、自立機能維持の機会を逃さないようにする警鐘をならす概念でもあります。

また、厚生労働省研究班の報告によると「フレイルは身体的、精神・心理的、そして社会的要素からなり、健常な状態よりは虚弱化が進行しているが、いわゆる身体機能障害とは異なり、適切な介入によって健常状態に回復することが可能な状態」との概念を示しており、フレイルの特徴を以下の3つで表しています。

  1. 健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間に当たる状態である
  2. 適切な介入により機能回復が期待できる可塑性を有している
  3. 身体機能のみならず、認知機能障害や抑うつなどの精神心理問題や、独居、貧困などの社会的問題を含めて多面的な問題にアプローチする必要がある

高齢社会においては、上記のフレイルの特徴を十分に理解して、フレイルの予防およびフレイル対策に臨むことが今後ますます重要になります。

フレイル対策における指標はいくつかに分類することができます。1つがフレイルの可能性を炙り出すスクリーニングテスト、2つめがリハビリテーションの短期効果を検証するアウトカム評価、3つ目がリハビリテーションの長期効果を検証するアウトカム評価となっております。

フレイルの評価基準

フレイルのスクリーニングとして世界的に最も有名なものが、Friedらによって提唱された考え方になります。Friedらはフレイルになると、以下のような5つの要素が顕在化してくると考えておりました。

  1. shrinking(身体の縮み)
  2. exhaustion(疲れやすさ)
  3. low activity(活動の少なさ)
  4. slowness(動作の緩慢さ)
  5. weakness(弱々しさ)

そして、これらそれぞれの要素について代替指標を用いて評価することを提案しました。この評価が世界的に使用されているFriedらによるCHS基準となります。代替指標については以下の通りとなります。

  1. 体重減少の有無
  2. 疲労感
  3. 身体活動量
  4. 歩行速度
  5. 握力

5項目の代替指標に設けられた基準に対し、3 項目以上に該当する場合をフレイル、1〜2項目に該当する場合をプレフレイルと判定します。

以上がCHS基準の説明になりますが、CHS基準は5項目それぞれの具体的な基準値までは定められていないという欠点がありました。このCHS基準の日本語版として、老年医学の専門家により作成されたのが J – CHS基準(改訂日本版フレイル基準)になります。

J – CHS基準については項目ごとに具体的な数値や質問内容が決められているため、評価者の違いで判定が変わることも起こりにくいと考えられます。

J – CHS基準の判定方法は以下の通りになります。

  • 3 項目以上に該当:フレイル
  • 1 – 2項目に該当:プレフレイル
  • 該当なし:ロバスト(健常)

フレイルの評価指標

フレイルに対するアウトカム評価は、一定期間のリハビリテーション実施前後の短期効果判定指標と介入終了後のフォローアップ期間に調査する長期効果判定指標があります。

長期効果判定指標としては、転倒発生、骨折発生、入院発生、要介護発生、死亡などが挙げられます。予防領域におけるこのような主要指標は、いずれもアウトカムの発生を抑制できていることが重要になります。

短期効果判定指標ではリハビリテーションの実施により値が改善することが前提とされるのに対して、長期効果判定指標では悪化させない、発生させないことが前提となります。

短期効果判定指標について、個別項目ごとに解説していきます。

歩行速度

歩行速度を測定するうえで距離の指定は特段ありませんが、筆者の場合は10m歩行テストを実施する延長線上で歩行速度を算出しています。

10m歩行テスト(10MWT)は、歩行能力を簡便に評価する指標です。10m歩行テストを測定することで、10m間における「歩行速度」「歩数」「歩幅」「歩行率」などの歩行パターンを算出することができます。

歩行距離は10mが一般的ですが、6m、8mおよび12mで評価することもあります。いずれの歩行距離であっても、距離から歩行にかかった時間を割って歩行速度を求めます。

テストは3回行います。3回実施して得られた歩行速度の平均値を求めます。対象者は歩行補助具を使用することもできます。しかし、その場合は3回とも同じ歩行補助具を使用する必要があります。評価者は評価用紙にテストの際に使用した歩行補助具を記載します。

また、歩行テストというとできるだけ早く歩くというイメージがあるかもしれませんが、10m歩行テストの歩行速度は至適速度(普段歩いているような速さで無理なく歩く)と最高速度(可能な限り速く歩く)のどちらでも評価できます。評価者は、評価した歩行速度と共に至適速度であるのか最高速度なのかも記載します。

AWGS2019においては、歩行速度低下の基準が男女共通して 1.0m/s 未満とされています。この数値が1つの判断基準になると考えられます。

10m歩行テストについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【歩行の評価尺度についての記事はこちらから

立ち上がりテスト

立ち上がりテストには、30秒間立ち上がりテストと、5回立ち上がりテストの2種類があります。

前者は30秒間で何度立ち座りを行えるかを計測するものであり、CS-30(30-seconds chair-stand test)とも呼ばれます。後者は5回の立ち上がりに要した時間を計測するものになります。

どちらも下肢の筋持久力、筋パワーの指標として幅広く使用されております。フレイルのスクリーニングとしては、5回立ち上がりテストを用いることの方が多いと考えられます。

立ち上がりテストの測定は、座面高が40cm程度の一般的な椅子を用いて行います。座位で胸の前で腕を組んだ姿勢より開始します。

テスト実施者には「腕を胸の前で組んで、できる限り速く、5回連続(30秒間)立ち座りを繰り返して下さい。立ち上がる時は膝は完全に伸ばし、座る時はお尻を座面にしっかりとつけて下さい」と説明します。

AWGS2019においては、身体機能低下の基準が5回立ち上がりテストが12秒以上とされています。

5回立ち上がりテストの基準値として、AWGS2019では12秒以上で身体機能低下と判定します。この数値が1つの判断基準になると考えられます。

また、2013 年に日本整形外科学会より発表されたロコモ度テストでは、片脚で高さ 40cm の座面からの立ち上がりができない場合を「移動機能の低下が始まっている」という基準に該当します。

同様に、両脚で高さ 20cm の座面からの立ち上がりができない場合を「移動機能の低下が進行している」という基準に該当します。これらロコモ度テストにおける基準もスクリーニングや効果判定において参考にするといいと思います。

ロコモ度テストについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【ロコモ度テストについての記事はこちらから

膝伸展筋力

数多くある骨格筋の中でも日常生活活動動作への貢献度合いが大きく、要介護との関連性が強固な筋として大腿四頭筋が挙げられます。

膝伸展筋力は他の筋と比較して比較的測定しやすいといった点からも各種セッティングで広く測定が行われています。

測定方法も技術の進歩によって持ち運び可能な小型の機器により簡便に、かつ正確に測定できるようになりつつあります。近年では徒手筋力測定器を用いた計測が一般的となっています。

筆者の勤務地では酒井医療株式会社が開発した徒手筋力計モービィZシリーズを活用して膝伸展筋力を測定しております。モービィプロジェクトというWEBサイトに性別や年代で区分した日本人標準データが公開されているため、計測値の比較検討をすることが可能となっております。

Timed Up and Go test(TUG)

TUGは、様々な研究者によって研究成果が報告されていますが、一般的には転倒リスクの高い方を判断するのに有用なテストとされています。

特に、高齢者の運動機能に関しての信頼性は高く、下肢の筋力、バランス、歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高いことが示唆されています。そのため、医療現場だけでなく、介護現場でも良く使用されています。測定方法は以下の通りになります。

  1. 開始肢位は背もたれに軽くもたれかけ、肘かけがある椅子では肘かけに手を置いた状態、肘かけが無い椅子では手を膝上においた状態とする
  2. 両足が床につくように配慮する
  3. 椅子から立ち上がり、3m先の目印を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定する(身体の一部が動き出すときからお尻が接地するまでの時間を計測)
  4. 一連の動作を「通常の歩行速度(安全で快適な速度)」と「最大の歩行速度」の1回ずつ計2回を測定する
  • 2回の測定のうち、速い時間を採用し、秒数の小数点以下1桁までを記入します
  • コーンの回り方は、右回り・左回りどちらでも問題ありません
  • 日常生活において歩行補助具を使用している場合は、普段通り使用して測定します

TUGのカットオフ値は多くの研究によって報告されていますが、一般的には「13.5秒以上で転倒リスクがあり」と判断する指標になります。

握力

握力については全身状態を反映する1つの指標となり、身体機能低下を判断するスクリーニングとして有用な指標といえます。

AWGS2019においては、握力低下の基準が男性で28kg未満、女性で18kg未満とされており、この数値が1つの判断基準になると思います。

握力については、握力計さえあれば場所も選ばずに短時間で測定できるため、有用な指標ではあると思います。しかし、リハビリテーションの介入で著しく改善させることは難しいことの方が多いと思います。

握力の強化を最大の目的として掲げ、握力強化に特化したプログラムを実行したのであれば、飛躍的に向上する可能性も考えられますが、恐らくフレイルを発症した多くの症例では、体幹や下肢中心の運動になると考えられます。

握力がリハビリテーションの効果を判定する有用な指標であることには変わりはありませんが、握力の数値の変化には拘りすぎないほうがいいと考えます。

Short Physical Performance Battery(SPPB)

Short Physical Performance Battery(SPPB)は、立位バランス、歩行、立ち座り動作の 3 課題から成るパフォーマンステストになります。各課題の達成度を 0〜4 点で採点し、合計点を指標とします。

  1. 立位バランステスト
  2. 歩行テスト
  3. 立ち上がりテスト

各項目0〜4点のいずれかで採点し、3項目を合計し、0〜12点で採点します。点数による下肢機能の判定は以下の通りになります。

  • 0〜6点:低パフォーマンス
  • 7〜9点:標準パフォーマンス
  • 10〜12点:高パフォーマンス

また、AWGS2019では、身体機能低下の基準をSPPB9点以下と定めています。

Short Physical Performance Battery(SPPB)については、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【SPPBについての記事はこちらから

6分間歩行テスト(6MWT)

呼吸器疾患や心疾患患者の運動耐容能の評価では、臨床的にも研究にも標準的な検査となっています。

特に、中等度から重症の呼吸器・心疾患治療の効果判定や日常生活における機能障害の重症度評価、在宅酸素療法を施行中の方や導入を検討されている方の運動耐容能等の評価および治療方針の決定などに用いられます。

この検査で得られた歩行距離は、NYHA心機能分類や最高酸素摂取量(peak VO2)と高い相関を示し、予後の予測にも有用であるとの報告があります。特に慢性心不全患者の生命予後や心不全増悪による再入院の予測因子としても頻用されています。

同一患者における6分間歩行距離の改善度が治療効果や予後良好の指標となることも報告されている一方で、年齢や性別、体格の影響を受ける検査であり、異なる患者間での比較をする場合には注意が必要とされています。

評価の方法としては、30mの平坦な直線コースを用意します。区間の両端に折り返し地点となるようにコーンなどを設置します。6分間でできるだけ速く、長い距離を往復歩行してもらい、その歩行距離から運動耐容能を評価します。

なお、30mの区間を用意すると説明しましたが、環境の関係で30mの距離が準備できない場合は、最低15m準備できればテストの実施が可能になります。

歩行距離に加えて、歩行前後で血圧や脈拍、経皮的酸素飽和度、呼吸数、呼吸困難感・疲労感(Borg scale)などの変動を評価します。

他の運動負荷試験と比べ、特殊な機器を使用する必要がなく簡便であり、患者自らが運動ペースを調整できて安全である上、歩行という運動様式から得られる指標であるため日常生活に即した運動能力を評価できるという特徴があります。

6分間歩行テストでは、疾患も体格も異なる被検者の結果を比較し意味づけすることが難しく、解釈方法については、まだ一定の見解がありません。

一般的には、「400m以下になると外出に制限が生じ、200m以下では生活範囲が極めて身近に制限される」と言われていますが、前述した通り他者と比較するよりも、同一被検者において歩行距離の変化を評価することが重要であると考えられます。

Functional Reach Test (FRT)

Functional Reach Test (FRT)は、Duncanらによって開発されたバランス能力を判定するための評価尺度になります。

測定は壁に沿って立位をとって行います。壁側の腕を90°上げた状態で、踵が浮かない限りできるだけ前方に手を伸ばしてもらいます。測定者は、この時の最大移動距離を測定します。この評価によって、その場でバランスを崩さないように姿勢の調整ができるのかというバランス能力を評価することができます。

カットオフ値は15cm未満となります。15cm未満の場合は転倒の可能性が高いと考えられます。

片脚立位時間

靴、あるいは素足で滑らない配慮のもと、ある程度の固さのあるしっかりした床で行います。転びそうになったら即座につかまれる物のそばで実施します。

対象者は両手を腰に当て、片脚を床から5cm程挙げ、バランスを保つように努めます。測定者は片脚で立っていられる時間を測定します。大きくからだが揺れて倒れそうになるか、挙げた足が床に接地するまでの時間を測定します。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「フレイルに対するリハビリテーション」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事でフレイルにおける理解を深め、臨床におけるスクリーニングや効果判定の一助として活用して頂けると幸いです!

リハビリくん
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参考文献

  1. 山田実.介護予防(フレイル対策)に対する評価・効果判定のアウトカム.理学療法学.第47巻,第5号,2020,p499-504.
  2. 澤田篤史.高齢期のフレイル・サルコペニア・オーラルフレイル対策.北海道医療大学歯学雑誌.39(2),令和2年,p1-6.
  3. 西原恵司,荒井秀典.健康長寿社会におけるフレイルの考え方とその意義.予防医学.第60号,2019:1,p9-13.
  4. 沓澤智子.サルコペニアとフレイル.日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌.2021年,第29巻,第3号,p359-364.
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