【ノルディックウォーキング運動効果】高齢者のリハビリ、健康に最適

ディスプレイ広告
スポンサーリンク
臨床での悩み
記事内に広告が含まれています。
リハビリくん
リハビリくん

こんにちは!リハビリくんです!

   

こちらでは「ノルディック・ウォーキング」をキーワードに記事を書いていきます!

    

ノルディック・ウォーキングとは、2本のポールを杖として利用するのではなく、交互にそのポールで地面を押しながら歩く歩行になります。正しい歩き方で歩行運動を補助し、筋力増強などの運動効果をより増強させるフィットネスエクササイズの一種とされています。

     

ノルディック・ウォーキングには、身体の約90%の筋肉を使用したエクササイズ効果や、体重分散による足部・腰部の負担軽減など様々な運動効果があり、なんといっても姿勢改善効果が高いことが最大の特徴になります。

    

  • ノルディック・ウォーキングとは?
  • ノルディック・ウォーキングの運動効果について
  • 高齢者の歩行の特徴とノルディック・ポールを活用した場合の効果
  • ノルディック・ウォーキングは一般的な歩行練習よりも運動効果が高い

     

ノルディック・ウォーキングを臨床で活用するうえで色々と悩む方もいらっしゃると思います。そんな方のために、こちらの記事を読むことで上記の疑問が解決できるようにしたいと思います!是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
リハビリくん

【簡単に自己紹介】

30代の現役理学療法士になります。

理学療法士として、医療保険分野と介護保険分野の両方で経験を積んできました。

現在は医療機関で入院している患者様を中心に診療させていただいております。

臨床では、様々な悩みや課題に直面することがあります。

そんな悩みや課題をテーマとし、それらを解決するための記事を書かせて頂いております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

療法士の働き方に対する記事の 1 つが右記になりますが、"理学療法士は生活できない?PTが転職を考えるべき7つのタイミング"こちらの記事は検索ランキングでも上位を獲得することができております。興味がある方は、こちらの記事も目を通してくれると幸いです☺

ディスプレイ広告
スポンサーリンク

ノルディック・ウォーキングとは

1930年代初めに、フィンランドのクロスカントリースキーチームのオフシーズン(夏場)のトレーニングとして始まりました。ポールを持って丘を歩く、この方法が確立したことで、北欧のスキーヤー達は1年中トレーニングができるようになりました。

1997年にフィンランドで二本のポールを使用したウォーキングを「ノルディックウォーキング」と定義し、本格的に普及活動が始まり、1999年には日本に紹介されました。

ノルディックウォーキングの元々の形としては、ポールを斜め後方につき、上半身の力を利用して前方への推進力を生み出すというものでありました。

元々の形から日本で変化を遂げ、ポールの先端を体幹より前方の前足のあたりにつくことにより、推進力よりも歩行中の安定性を重視し、転倒防止とバランスの維持を達成する歩行が注目されました。

姿勢や歩行の改善、支持基底面拡大によるバランスの向上、全身耐久性を向上させて連続歩行距離の延長が得られる効果があることから医療現場からも支持され、2010年以降にはメディカル・ノルディック・ウォーキングとして医療で応用されるようになりました。

ノルディックウォーキング 種類

ノルディックウォーキングは運動初心者でも安全に実施することができる全身運動であり、なおかつ高い運動効果を期待することができます。

運動強度を歩き方によって調整できるところもノルディックウォーキングの魅力的な部分の 1 つであり、運動初心者が無理せずに自分の身体機能に合わせた運動強度で全身運動を行うことができます。

ノルディックウォーキングの歩き方は運動強度によって以下の 2 種類に分類することができます。

  • ノルディックウォーキング:運動強度 高
  • ポールウォーキング:運動強度 低

ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違い

ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違いはなにか、どちらが運動に適しているのか、気になる方もいると思います。

結論からいえば、ノルディックウォーキングとポールウォーキングのどちらもノルディックポールを両手に持って歩くという点では同じであり、どちらも高い運動効果をもたらすため、健康増進目的の運動として行う分にはどちらも相応しいといえます。

ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違いとしては、歩幅、ノルディックポールを突く位置、ノルディックポールの持ち方、持ち手の形状、地面に着く先端部分の形状、といったように細かくいえば様々な要素があげられます。

理学療法士の視点からみて何が最も重要な違いなのかというと、ノルディックウォーキングとポールウォーキングは運動強度が異なり、ノルディックウォーキングの方が運動強度が高いというところになります。

ノルディックウォーキング 歩き方

  • 自身の後方にポールをつく歩き方
  • ポールについたストラップで手とポールを固定
  • ポールを地面に対して斜めに突く
  • 突いたポールにより推進力を得る
  • 歩幅は普段より半歩以上広くなる

ポールウォーキング 歩き方

  • 自身の前方にポールをつく歩き方
  • 踏み出した足の横付近にポールを突く
  • 地面に対して垂直にポールを突く
  • ポールは軽く握る程度
  • 膝や腰への負担を軽減できる
  • 腕は前後に自然にスイング
  • 歩幅は普段より半歩広くなる

ノルディックウォーキングの歩き方については、一般社団法人全日本ノルディック・ウォーク連盟のホームページでも説明されておりますので、興味がある方はご確認ください。

ノルディック・ウォークのメリット

ノルディック・ポールを活用した歩行練習はリハビリテーションの観点から考えてみても、足腰への負担を減らし、上半身の運動を促すことで、効率的に全身の運動効果を高める優れたアイテムといえます。

ノルディック・ウォーキングの優れたポイントを以下に記載していきます。

全身の筋肉を使う全身運動

ノルディック・ウォーキングは、ノルディック・ポールを使うことで全身の筋肉をたくさん刺激することができます。身体全体の90%の筋肉を使うとされており、普通のウォーキングよりエネルギー消費量が約20%増加します。

そのため、体力や持久力の強化、減量などに効果的に働きます。下肢だけではなく上半身の運動も動員されるため、肩や首の運動不足の解消や肩甲骨の可動域の改善にも有効となります。

支持基底面の拡大による重心の安定

歩行には新しい支持基底面を探し、新しい支持基底面で重心の移動を円滑に行う仕組みが存在します。

2足歩行の私たちは2本の足が支持基底面を作ります。足と足の間隔が狭くなると支持基底面は狭くなるため重心は不安定に、足と足の間隔が広くなると支持基底面は広くなるため重心は安定します。

足と足の間隔を広げる以外の方法で支持基底面を拡大させるためには、杖や歩行器などの歩行補助具を活用することが1つの方法になります。

片手で杖をつくだけでも、2本の足+杖で3点支持となり、重心は安定します。更にノルディック・ポールの場合、2本杖+2本の足の4点支持となり、更に支持基底面が拡大(重心が安定)します。

前傾姿勢を抑制し歩行効率が向上する

前傾姿勢で前方に特異に支持基底面を拡大させ、歩く歩行補助具には四脚歩行器や歩行車など様々なものがあります。

ノルディック・ポールは姿勢を立する歩行補助具であるため、歩行器や歩行車とは異なる効果を期待することができます。

ノルディック・ポールを活用することで、脊柱を正中に保ち、歩行姿勢を改善させることができます。歩行器、歩行車、ノルディック・ポールの歩行を比較したときに、ノルディック・ポールを活用した時の方が体幹の回旋が増加し、歩幅が拡大、歩行効率が向上すると考えられます。

関節にかかる負荷を軽減する

高齢者や関節疾患を有する場合、歩行中に体幹が左右にブレることや股関節周囲筋が弱く踏ん張りが効かないことが予想されます。

ノルディック・ポールを用いて歩行を行うことにより、左右への体幹動揺が抑制され、歩行動作の改善を図ることができます。

結果として脊椎や腰関節、膝関節、足関節に対する負荷を軽減することができ、安全な歩行練習を行うことができます。

運動強度の調節ができる

高齢者や基礎疾患を複数有する方のリハビリテーションでは、日によって体調に変動があるため、その日のコンディションを考慮しつつ運動を行う必要があります。

ノルディック・ウォーキングの良いところは、ポールの使い方や歩行速度などを調節することにより運動強度を簡単に調節することができます。その日の体調に合わせて運動強度を調整することも重要なリスク管理になります。

ウォーキングポール マイティポール ロングタイプ(2本1組) C3JTP730 ミズノ運動 ウォーキング 散歩 ストレッチ エクササイズ ノルディックウォーク 健康管理 高齢者 介護 予防

価格:6,490円
(2023/1/24 21:09時点)
感想(0件)

高齢者のノルディック・ウォーキングが効果的

歩行は日常生活動作において重要な機能であり、歩行能力の低下はADLの低下につながります。歩行能力の中でも特に歩行速度については死亡リスクとの関連性も強く、高齢者の身体機能、日常生活機能の指標となります。

高齢者の歩行についてですが、65歳以降では歩行速度は徐々に低下し、男性80歳以降、女性75歳以降になるとADLに支障をきたす割合が急激に高まります。高齢者の歩行の特徴としては以下のようなものが挙げられます。

  1. 姿勢の変化(円背姿勢)
  2. 上腕の振りの減少
  3. 歩幅の減少
  4. 歩行速度の低下
  5. 歩行距離の減少(耐久性と外出機会の低下)
  6. バランスの低下
  7. 側方動揺の増大

高齢者の運動手段としてノルディック・ウォーキングを導入することにより、上記の特徴を抑制しつつ、通常のウォーキングよりも高い運動効果をもたらすことが期待されます。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「ノルディック・ウォーキング」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

ノルディック・ウォーキングは両手に2本のノルディック・ポールを持ち、体重の一部を載せて歩く歩行様式になります。

ノルディック・ウォーキングは、健康目的だけではなく医療・介護においても高く評価されています。先日、介護用品を探すために福祉用具のカタログをみていたらノルディック・ポールが数ページにわたって取り扱われておりました。

様々な種類のポールに、多彩な色を選択することが可能であり、外観的にもとてもお洒落な印象を受けました。

ノルディック・ウォーキングは歩行姿勢や歩容を改善するだけでなく、歩行能力も向上させるため、今後ますますリハビリテーションでも一般的に使用される可能性があります。医療従事者として、ノルディック・ウォーキングの効果を正確に理解しておくことは必要になると考えられます。

ノルディック・ウォーキングは、本邦の課題であるフレイルやサルコペニア予防にも貢献することが期待されています。フレイルについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【フレイルの症状と予防についての記事はこちらから

参考文献

  1. 本宮丈嗣,山本澄子.ノルディック・ウォーキングが高齢者の歩行に与える影響.理学療法学.第44巻,第1号,2017年,p11-18.
  2. 仙石直子,小泉大亮,竹島伸生.機能的体力を指標とした高齢者に対するノルディックウォーキングの介入効果について.体育学研究 .57,2012,p449-454.
タイトルとURLをコピーしました