【MST】低栄養リスク評価方法【体重と食事摂取量の2項目で判定】

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リハビリくん
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当サイト(rehabilikun blog)にお越し頂きありがとうございます。

サイト管理者のリハビリくんと申します。

この記事の内容
  1. この記事は「MST (Malnutrition Screening Tool)」をキーワードに内容を構成しています。
  2. 低栄養はサルコペニアや褥瘡、感染症のリスクを高め、機能回復やリハビリの成果にも大きく影響します。
  3. MST(Malnutrition Screening Tool)は、体重減少と食欲低下の有無というシンプルな質問で短時間に栄養リスクを把握できる信頼性の高いスクリーニングツールです。
  4. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が臨床で活用することで、栄養状態の見落としを防ぎ、早期介入へとつなげることが可能になります。
  5. 本記事では MST の特徴と臨床活用について解説します。
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理学療法士として以下の経験と実績を持つリハビリくんが解説します♪

リハビリくんの実績
  1. rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設
  2. 2025 年 8 月時点:185 記事公開(月間 3 万 PV)
  3. 実務経験(医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリ等)
  4. 講師活動(脳卒中、褥瘡等をテーマに複数回講演)
  5. 脳卒中 認定理学療法士
  6. 褥瘡 創傷ケア 認定理学療法士
  7. 3 学会合同呼吸療法認定士
  8. 福祉住環境コーディネーター 2 級
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栄養スクリーニングについて

栄養スクリーニングは栄養評価の一側面として捉えることができ、栄養管理の端緒として、栄養不良患者または栄養不良のリスクがある患者を抽出することが目的となります。

一般的には、栄養スクリーニングを行った結果、更に詳細な栄養評価が必要となった対象者に対して、栄養アセスメントが実施される流れになります。

栄養スクリーニングでは、効率のよい評価が求められます。そのため、以下に示したような要件を満たした評価ツールが必要になります。

  1. 妥当性がある 
  2. 信頼性がある 
  3. 入手しやすい情報を利用する 
  4. 実施が容易である 
  5. 低コストである 
  6. 患者に対して非侵襲的な方法である

栄養管理を最も有効に実施するには、全ての患者様や利用者様に対して、日常的なケアの一環として栄養スクリーニングを行うことが必要になります。

栄養スクリーニングツールとしては、様々な種類のものが現在までに提唱されていますが、体重の変化と食事摂取量の2項目だけで判定することができるMST (Malnutrition Screening Tool)についてご紹介します。

MST (Malnutrition Screening Tool)

低栄養のリスクを抽出するための栄養におけるスクリーニングツールは、MNA-SF、MUST、NRS2002、CONUT、GNRIと様々なツールが存在します。

それぞれ長所が異なりますが、MSTの利点を挙げるのであれば、体重減少の程度と食事摂取量に関する2つの項目だけで栄養リスクを抽出することができることになります。

評価項目が少なく、問診だけで得点をつけることができるため、入院患者や施設入居者だけではなく、外来患者や訪問リハビリテーションでの利用者様など、関わる時間が制限されている場合でも使用しやすいことが利点になります。

また、リハビリテーションを行う高齢者の予後予測に適していると報告されています。

一方で、MST (Malnutrition Screening Tool)だけでは栄養状態の詳細な評価までには至らないと思いますので、MST (Malnutrition Screening Tool)の結果、低栄養のリスクがあると判定された場合には、より精密な栄養アセスメントを実施するべきだと考えます。

MST 質問項目

  1. 最近、意図しない体重減少があるか?
  2. 食欲低下にて、食事摂取量が減っているか?

質問項目は上記の2つのみになります。1つめの質問「最近、意図しない体重減少があるか?」についての回答が「はい」の場合には、具体的に何 kg 減ったのかを確認する必要があります。

MST 評価用紙

MST (Malnutrition Screening Tool)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

MST 判定方法

MSTによる栄養スクリーニングは、体重減少の程度と食事摂取量に関する2つの項目から判定されます。

1つめの質問「最近、意図しない体重減少があるか?」については、体重減少の程度が強いほど得点が高くなります。体重が減少しているかどうかがわからない場合には 2 点と判定します。

また、0.9 ~ 6.3 kg 減少でスコアが 1 点となるため、体重が減少していても 0.1 ~ 0.8 kg の場合は体重減少なし(スコア:0)と判定して良いと思います。

合計スコアが高いほど低栄養のリスクが高くなり、0~1点で低リスク、2~3点で中等度リスク、4~5点で高リスクと判定します。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「MST (Malnutrition Screening Tool)」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事が臨床における栄養評価に少しでもお力添えになれば幸いです!

この記事では栄誉スクリーニングツールの中でも、MST (Malnutrition Screening Tool)にフォーカスして説明させていただきましたが、他にも信頼性が認められた栄養スクリーニングがございます。それらについては【過去の記事:栄養スクリーニングツールと低栄養の診断方法】でまとめておりますので、こちらの方もご覧になって頂けると幸いです☺️

参考文献

  1. 溝上祐子,石川環.栄養スクリーニング・アセスメント・栄養管理の概要.日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌.2013年,17巻,1号,p1-10.
  2. 百崎良,安保雅博.リハビリテーションにおける栄養スクリーニング.Jpn J Rehabil Med .2017,54,p82-86.
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